わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

国内最長距離&最長時間の昼行特急「にちりんシーガイア24号」全区間乗車! みんなの九州きっぷグランドフィナーレ【2020-09九州11】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は2020年9月の九州一周旅行第11弾記事ということで、タイトルにもある通り特急〔にちりんシーガイア24号〕の旅の様子をご紹介していきます。

前回は田吉駅で途中下車をしながら宮崎空港駅までやってきたので、その様子は以下のリンクから是非ご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

3日目 2020年9月13日(日)④

地方空港にも関わらず鉄道が乗り入れる珍しい「宮崎空港駅」にやってきました。

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ターミナルビルと直結した高架駅

新型コロナ禍での旅行需要喚起を目的とした破格の企画乗車券「みんなの九州きっぷ」を使い、土日2日間で九州7県をすべて回り、JR九州の個性的な列車を乗り継いだり観光をしたりしながらここまでやってきました。

宮崎県に到着した段階で九州7県はすべて踏破済みとなり、そして宮崎空港駅までやってきたのであれば、ここから羽田まで飛行機で帰京すればいいではないか! と思うかもしれませんが…そんな単純なことはしませんよ。帰京する前に、とある列車に乗車してこの「みんなの九州きっぷ」での2日間を盛大に締めくくりたいと思います。

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「延岡」に混じって「博多」が溶け込む恐ろしさ

そう、宮崎空港17:19発の特急〔にちりんシーガイア24号〕博多行に全区間乗車して、終点の博多まで移動していきます。

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想像を絶する距離&時間

特急〔にちりんシーガイアとは、博多~宮崎空港駅間で1日1.5往復設定されている特急列車です。下り宮崎空港行が1日1本、上り博多行が1日2本のみで、特急〔ソニック〕と〔にちりん〕の運行区間をちょうど合わせた運行ルートとなっています。

その総距離は何と驚異の413.1km東海道本線なら東京~大垣駅間、東北本線なら東京~梅ヶ沢(岩手と宮城の県境付近)駅間の距離に匹敵します。これ何と、2020年現在日本国内で運行されている定期昼行特急列車としては最長運行距離を誇る特急なのです。

今では珍しくなった長距離特急ですが、新幹線のない区間ではまだ残っていたりします。有名なものとその距離を列挙してみると、以下の通りとなります。

1位 にちりんシーガイア(博多~宮崎空港)…413.1km
2位 宗谷(札幌~稚内)…396.2km
3位 スーパーおき鳥取新山口)…378.1km
4位 オホーツク(札幌~網走)…374.5km
5位 ひたち(品川~仙台)…373.9km

というわけで、北海道の大地を駆け抜ける長距離特急を凌いで堂々の第1位であることがはっきりとよくわかります。寝台特急も含めればもちろん〔サンライズ出雲〕が1位となりますが、昼行特急としては400km超の〔にちりんシーガイア〕が1位なのです。

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宮崎で見る「博多」の文字の違和感

また、今回乗車するこの〔にちりんシーガイア24号〕は、他のにちりんシーガイアと比べて最も運行時間が長く、何と6時間6分もかかります。これはにちりんシーガイアの中で1位なだけでなく、2020年現在日本国内で運行されている定期昼行特急列車の中で最長運行時間を誇ります。

上の運行距離ランキングに入っているそれぞれの列車の運行時間を見ると、以下のようになります。

〔宗谷〕…最長5時間11分(上り)
スーパーおき〕…最長5時間29分(5号)
〔オホーツク〕…最長5時間30分(3号)
〔ひたち〕…最長4時間51分(30号)

最長運行時間の便を比較してみても、6時間を超えるものはなく、運行距離&時間共に、この〔にちりんシーガイア24号〕が昼行特急としては最長であることがわかります。

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787系(6両編成)

使用される車両は、根強いファンも多い「787系」。前々回の記事でご紹介した「きりしま」は4両編成でしたが、こちらは6両編成での運行です。ダークグレーの車体と斬新な顔つき、車体前面上部のライトが印象的な特急車両です。

宮崎空港駅は1面2線の島式高架ホームで、列車の改札は発車10分前から行われます。ホームも狭く、終着駅なのであまりホームで長時間列車を待つという想定の造りではなさそうです。

さっそく車内に入り、各号車を見ていきます。列車は小倉方面から順に6号車、5号車…と続き、最後尾が1号車となります。

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自由席(6号車)

まず、前寄りから6~3号車が自由席です。6両中4両が自由席ということで、かなり旅客の流動が激しいことを想定した編成なのかもしれません。このうち6~4号車についてはほぼ同じ内装で、黒を基調としたモケットの座席が並びます。車両の中央部に荷物置き場が設置されているのも特徴的です。

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ドア上部の造りは少し違う

ただしドア上部の電光掲示等の仕様は少し異なるようで、6号車ではカバーをスライドさせて「自由席/指定席」を切り替えるアナログスタイルでしたが、5号車ではデジタルで「自」と表示する電光掲示方式でした。

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自由席(3号車)

3号車も6~4号車と同じく自由席ですが、室内の様子が大きく異なります。まず何より座席の形状が大きく異なり、6~4号車に比べてこちらの方がふかふかに見えます。というのも、この号車は元々「ビュッフェカー」として使用されており、座席ではなく大きなカウンターのある供食設備をもった車両として運用されていました。しかし、2004年の九州新幹線先行開業の際にこの787系が「リレーつばめ」での運用に入ることになり、その際に座席車両としたのです。天井には楕円形のオシャンティな照明が設置されており、今でもその名残を感じることができます。

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コンパートメントも自由席!

また、3号車には4人用のコンパートメント(半個室)もありますが、何とこれも自由席なのです! 大人数の乗車でもお構いなしの早い者勝ちですが、知らない人と相席になるとなかなかしんどそうですね(笑)。

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指定席(2号車)

普通車指定席は2号車のみで、ピンクやオレンジを基調としたモケットが印象的です。やや色褪せているようにも見えますがどうなんでしょうか。今回は博多まで6時間6分、この指定席で過ごしていきます。

列車の最後部、1号車はグリーン車になっています。この1号車には、一般的なグリーン席の他に「DXグリーン席」や「グリーン個室」といった多様な豪華設備があるようですが、「グリーン特急券を持っていないお客様は1号車への立ち入りをご遠慮ください」的な文章があったので、中へ入るのはやめておきました。今度是非ともグリーン個室など使ってみたいですね…!

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宮崎よさらば

それでは、17:17になりましたので、定刻通り〔にちりんシーガイア24号〕は博多へ向け出発。宮崎空港駅をゆっくりと出発し、車窓には空港周辺の道路やヤシの木を眺めながら進んでいきます。

この列車の途中停車駅は、南宮崎、宮崎、佐土原、高鍋、都農、日向市、門川、南延岡、延岡、佐伯、津久見臼杵鶴崎、大分、別府、杵築、宇佐、柳ヶ浦、中津、宇島、行橋、小倉、戸畑、黒崎、折尾、赤間、香椎、吉塚です。ご覧の通り、ものすごい数の停車駅で、同区間を走る他の特急よりもかなり多めに設定されています。長距離特急ではありますが、私のような長距離利用ばかりではなく、こまめに停車することで各地域での短区間の利用も積極的に促しているものと思われます。そう考えれば自由席車両が多いのも納得です(聞いたことのない駅が続出しているなんて口が裂けても言えない)。そういえば2020年3月まで存在していた千葉~南小谷駅間の通称「千葉あずさ」も停車駅が多かったですよね。

列車は南宮崎より日豊本線に入り、一大主要駅である宮崎駅に到着。ここからかなり多くの乗車がありました。しかし不思議なことに、指定席車両は私が乗車しているこの1両しかないのに満席とまではいかず、宮崎を出発する時点ではかなり余裕があるようでした。

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日向夏ジュース

ここで、413.1kmの長旅の安全を願い(?)、宮崎空港ターミナルビルのお土産物屋さんで買った「日向夏ジュース」(140円)をいただきます。240mLとペットボトルにしてはかなり小さいサイズですが、これが本当に甘くて美味しいのです! 柑橘系ジュースはどうしても酸味が強すぎるものがあったりしてあんまり自分は得意ではないのですが、そういう苦手な酸味がないのでとても飲みやすいです!

列車は都農~日向市駅間を走行中。だんだん日が落ちてきて、暗くなってきました。車窓には、昔使われていたリニア実験線の高架も見ることができます。都農や門川は、朝晩を中心に運行される特急〔ひゅうが〕なら停車しますが、にちりんで停車することはほとんどないみたいです。

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すっかり暗くなった夜の延岡

18:42、途中の延岡駅に到着。近年駅舎がリニューアルされたようですが、昔の姿も今の姿も見たことありません。

宮崎空港を出てからここ延岡まで、かなりこまめに停車してきましたが、この延岡の次は1時間後の佐伯まで客扱い停車をしません。6時間も走る列車とはいえ、1時間ドアが開かないのはかなり長い印象です。延岡を発車する際に「次は佐伯です、1時間停車しません」的なことを繰り返しアナウンスしていました。

なぜ延岡~佐伯駅間で客扱いの停車駅が設定されていないかというと、この区間は宮崎県と大分県に跨る「宗太郎越え」と呼ばれる鉄道の難所になっており、主要な都市が特にないためです。沿線人口も非常に少なく、この区間普通列車が1日に1.5往復しか設定されていません。特急列車は毎時1本程度とかなりの本数が設定されていますので、ほとんど特急専用の線路といった様子で、北海道の石勝線に近い感覚です。

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宗太郎越え(何も見えない)

延岡駅を発車ししばらくすると、街の明かりもなくなり車窓は真っ暗に。単線区間のようで、途中駅で対向列車との行き違いのための運転停車はありますが客扱いは行いません。登り坂ということでかなり列車の速度が落ちているのがわかります。

おそらくこの辺りの駅は無人駅ばかりでしょうから、きっと駅周辺でも明かりはほとんどなく、気づけば宗太郎駅重岡駅を通過していました。真っ暗闇の中をかなり長い間走行していましたが、再び街の明かりが見えてきたらまもなく佐伯です。

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ようやく佐伯に到着

19:49、列車はようやく佐伯に到着。1時間ぶりの客扱い停車ということで本当にホッとしました。在来線で1時間もドアが開かない列車ってそう多くはないですからね…。

そしてここ佐伯からは、長かった宮崎県を抜け、いよいよ大分県に突入です。宮崎空港を出てから2時間半、外は真っ暗なので車窓を楽しむということもできませんが、まだ折り返しにも来ていないのだと思うとぞっとします。

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臼杵駅とひと目でわかる駅名標(城壁?)

20:18、列車は臼杵駅を出発。時間的にはここが宮崎空港博多駅間のほぼ中間地点となります。ここまではまだ車窓が少しは楽しめたりしましたが、ここから先は疲労も溜まってきてなかなかにしんどい3時間となります。

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宮崎名物「椎茸めし」を味わう!

ここでいよいよお待ちかね、夕食タイムへと突入していきます! 今回は、宮崎駅で予め購入しておいた駅弁「椎茸めし」(800円)です。蓋を開けると、肉厚の椎茸と二色のそぼろが何とも美しい…! 椎茸は本当にジューシーで美味しいです! おかずも充実していながら、これで800円とはかなりリーズナブルだなと思いました。ほろよい片手に晩酌を楽しみながら、列車はいよいよ大分駅へと入っていきます。

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長かった…けどまだまだ先は長い

大分駅には20:53の到着です。基本的に〔にちりん〕の運行区間はここ大分までですが、この列車は特に大分でも長時間の停車などすることなく、単なる途中駅として設定されています。大分からはかなりの乗車があり、指定席もかなり混んできたなという印象です。それでも私の隣に人が来ることはありませんでした。

20:55に大分を発車し、列車はこれから〔ソニック〕の運行区間へと入っていきます。残りあと2時間半、果たしてどうなる…?

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USA…?

大分以北でも、引き続きかなりこまめに停車していくという印象です。この区間ではこれまでに2度、特急〔ソニック〕で乗車済みですが、杵築、宇佐、柳ヶ浦、宇島などの停車駅は今までの乗車だと通過してきました。柳ヶ浦といえばかつて「日本一朝早い始発列車」(午前4:17発)の始発駅として有名でしたが、今はもうその列車はないみたいですね。

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夜の行橋

22時を過ぎ、列車は行橋駅へと到着。そして大分県を脱出し、いよいよ福岡県へと突入していきます。

小倉駅へは22:29に到着。ここでもかなりの乗降がありました。この小倉より先、列車の進行方向が変わり、先ほどまで最後尾だった1号車(グリーン車)が先頭となります。久しぶりに座席から立ち上がり、座席を回転させますが、久しぶりに体を動かしたことで、案の定かなり疲労が溜まっていることに気づかされます。

小倉より先、列車は鹿児島本線へと入っていきます。この辺りだとかなり人口の多い主要都市が連続するため、車窓から明かりが絶え間なく入ってきますが、つまりそれだけ停車駅も多いということ。新幹線ならノンストップですが、にちりんシーガイア24号は戸畑、黒崎、折尾、赤間、香椎、吉塚に停車します。最後の方などほぼ各駅停車です。

もうこの辺りに入ってくると、あまり各駅のホームに人はおらず、乗り降りもありません。車内では仮眠を取る人も多く、真っ暗な鹿児島本線を疾走する座席夜行の風格すら感じられます。途中駅でホームの電光掲示板を見てみると、方面によっては最終列車の案内も表示されていたりします。

そして最後の途中停車駅である吉塚を発車したら、数分でいよいよ遂に終点の博多駅へと到着です!!!

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35時間ぶりくらいの博多

いやもう本当に長かった。このまま永遠にこの列車は終着駅に着かないんじゃないかと思うくらい、長い長い道のりでした。それでも見事413.1kmを走破し、23:25に終点の博多駅へと到着です。

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ホームにあまり人はいない

もう夜遅くということか、駅構内やホームにあまり人はおらず、にちりんシーガイア24号から降りたお客さんはみなそそくさと改札口へ向かっていきます。

決して楽な移動ではありませんでしたが、しかし「みんなの九州きっぷ」土日2日間の締めくくりにこの名物特急に乗れたことが本当に何より嬉しかったです! 次にもし乗る機会があれば、最低でもDXグリーンに乗りたいなぁと思いました(笑)。

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日曜夜の博多駅

日曜夜の博多駅。人がいないわけではありませんが、ただやっぱり既に夜遅くでお店も閉まっており、明日も学校や会社という人が多いでしょうから、博多にしては人はまばらな感じがします。

この時間からさらにどこかへ移動はできないので、この日の夜は博多駅から徒歩で行けるカプセルホテルを予約しておきました。

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キャビンホテル博多

それがこちらの「キャビンホテル博多」です。エントランスは和風な感じですが、中はいたってシンプルなカプセルホテルです。

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横から入るタイプ

カプセルは横から入るタイプで、施錠は不可能ですがカーテンがついています。GoToトラベル適用外ではありますが、宿独自の激安プランとして、1泊税込1,900円で宿泊することができました。一通りのアメニティもついていますから、この値段でしっかり横になれるのは本当にありがたいです。しかも博多駅まで徒歩数分の一等地ですからね。

しっかり寝て、翌日に備えたいと思います。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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