みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は、2020年9月に出かけた九州一周旅行の第10弾記事となっております。
九州に上陸して3日目(土日2日間で使用する「みんなの九州きっぷ」の行程としては2日目)、鹿児島中央から宮崎まで特急きりしま号で移動してきました。
前回の様子は以下のリンクからご覧ください!
3日目 2020年9月13日(日)③
宮崎が誇る絶品「チキン南蛮」でお腹いっぱいになり、歩いて宮崎駅まで戻ってきました。
宮崎駅前では現在「アミュプラザ」が建設中で、完成すれば宮崎の街もさらに賑わうことでしょう。
ここからは最後、博多方面へと帰るのですが、予定の列車までちょっと時間があるので、宮崎駅からも程近い「田吉」という駅をご紹介していきます。
宮崎駅の改札口にある発車標を確認し、これから16:02発の宮崎空港行に乗車していきます。3方向へと線路がのびる大きな駅ですが、その割に発車標のサイズがコンパクトなので文字がぎっしり詰まっております。例によってにちりん号は大分までですが、その先の接続も込みで「博多」の文字もあります。
やってきた普通列車は、817系2両編成。延岡始発のため、ここ宮崎駅での停車時間はわずかです。2両編成とは度肝を抜かれる短さですが、この地域では常識的な編成のようですね。宮崎の方に「短い11両編成」と言っても理解してもらえなさそうです(笑)。
宮崎駅で大きく人が入れ替わり、列車は定刻通り発車。車内は転換クロスシートで、木製の背もたれに革のクッションが取り付けられている何とも斬新なデザインです。
今回向かう「田吉駅」というのは、日南線と宮崎空港線の2つが乗り入れる駅です。宮崎駅からは「宮崎空港行」や日南線方面行の列車に乗車すれば向かうことができます。
私の乗車する列車は、宮崎から数分で隣の南宮崎駅に到着。ここもすべての特急が停車する主要駅で、この駅で日豊本線から分かれることになります。まだまだ宮崎の市街地といった様子で、ほとんどの人がここで降りていきます。
私の列車はここで数分程度の停車時間がありました。というのもこの先は単線となるため、このように行き違いのできる大きな駅で時間調整を行っているようです。
程なくして列車は発車。一気に車内はガラガラになり、スーツケースを持った人の姿が見受けられます。さすがは空港に向かう列車といった様子。
南宮崎駅を出ると日南線に入り、次の駅はすぐ田吉駅となります。宮崎駅を出てから12分で、田吉駅に到着です。
1面2線の狭すぎる島式ホームに、降り立ったのは自分一人だけ。ワンマン運転なので、降車時に運転士さんにみんなの九州きっぷを見せます。そして列車は宮崎空港の方へと走り抜けていきました。
ホームから出て、構内踏切を渡り駅舎の方へ行ってみました。こちらが田吉駅舎です。もちろん無人駅で、乗車券類の発売等は行っていない様子。辛うじて雨風を凌げる待合室が設置されているといった様子ですが、この待合室から直接ホームに上がれるわけではありません。
駅前にはおびただしい数の自転車が並んでいました。これを見るとかなり多くの地元の方が使われているようにも見えます。
駅舎の外側には運賃表と時刻表が掲示されています。南宮崎まで170円、宮崎まで210円というのはごく普通の価格ですが、何と1駅隣の宮崎空港までは300円。もはや田吉駅から見えるくらい近いのに、何とも高額な運賃です。また日南・志布志方面へ向かう途中駅でもありますので、志布志までの運賃も掲載されていますが、1,850円とかなり遠いことがわかります。
時刻表を見ると、上りは多くの列車が宮崎やその先の延岡方面へと乗り入れていますが、一部南宮崎どまりの列車も発着する様子。宮崎空港方面は1~2本/時、日南方面は1本/時あるかないかくらいのようです。ほとんどは普通列車ですが、指定日に運行される日南線の臨時観光特急「海幸山幸」は停車するようです。宮崎空港を発着する特急はすべて通過します。
無人駅でもちろん自動改札機もありませんが、何とICカードの簡易タッチ機は設置されていました! そもそも宮崎がICカードの利用可能エリアになっているというのがまず驚きです。
改めてホームに上がってみました。本当に細くて狭い島式ホームで、線路脇にはゼロキロポストならぬ「2キロポスト」があります。田吉~宮崎空港駅間のみが「宮崎空港線」となるためこの田吉駅に宮崎空港線のゼロキロポストがあるのかと思いきや、実はないそうで、南宮崎を起点とする日南線の2キロポストのみが設置されているというわけです。
田吉駅の東側は何も遮るものがないので、背の低いビニールハウス越しに宮崎空港のターミナルビルが見えます。写真に映っているのはソラシドエアでしょうか。いろんな航空会社の便が離着陸していく様子もはっきりと見ることができます。
実はこの何の変哲もないように見える田吉駅ですが、驚くべき歴史を歩んできたのです。
田吉駅の歴史は古く、今から100年以上前の1913年に日南線の前身である宮崎交通線の駅として開業しました。その後戦後1962年に宮崎交通線は廃線となり、この駅もいったんは廃止されることになります。
その翌年、1963年に宮崎交通線の跡地を利用する形で国鉄日南線が開業し、わずか1年で田吉駅は復活することとなります。しかしその2代目田吉駅も、利用者の低迷に悩み、わずか8年後の1971年に廃止されることになります。
それから25年後、田吉駅は思わぬ形で再復活を遂げることになります。1996年、宮崎空港線の開業に伴い日南線との分岐駅として現在の3代目田吉駅が開業したというわけです。つまり、何とこの田吉駅は今までに2度も廃止された上、その後復活を遂げてきた奇跡の駅ということになります。
現在の1日の乗車人員はわずか37人ということで、これだけ聞くといつ廃止されてもおかしくない駅といえそうです。ただし現在は日南線と宮崎空港線の分岐駅という役割がありますから、もし田吉駅がないと両路線とも南宮崎駅を起点とすることになり、路線の扱いが大きく変わってしまうため、宮崎空港線が存続する限り廃止になることは今後まずなさそうです。
田吉駅に停車する列車はごくわずかですが、宮崎空港発着の特急が高速で通過したり行き違いのため運転停車をしたりするので、思いのほか高頻度で列車が走ります。通過列車の際はホームにいるのは危険かと思いますので、あまり長時間ホームで列車を待つよりは直前まで待合室にいるのが賢明かもしれません。
それでは、後続の普通列車に乗車し終点の宮崎空港へと向かっていきます。真っ赤な車両がやってきましたが、顔を見ると国鉄型という感じでもうかなり長いこと使い古されていそうな編成です。
そして乗車してから気づいたのですが、普通列車にも関わらず座席がめちゃくちゃ豪華でした! 特急の座席とほぼ同等で、もしかすると元々特急列車で使われていたものをこちらに設置しているのかもしれません。リクライニングもする快適すぎる座席で、田吉ら宮崎空港までわずか3分の旅(笑)。日豊本線を18きっぷで長時間移動する際などにこの運用だったら大当たりでしょうね。乗り得度はAIZUマウントエクスプレスと肩を並べるレベルです。
16:48に列車は終点の宮崎空港駅へと到着です。列車は素早い幕回しを行い、折り返し高鍋行の普通列車となるようです。
楕円形の駅名標が印象的なこの宮崎空港駅ですが、鉄道で行ける全国でも数少ない空港かなと思います。新千歳空港、仙台空港、成田空港、羽田空港、中部国際空港、伊丹空港、関西空港、神戸空港、福岡空港のように、ほとんどの空港アクセス鉄道は大都市圏でのみ発達しており、地方空港で鉄道アクセスができるのはここと米子空港くらいではないかと思われます。
1面2線の島式高架ホームで、自動改札機はありませんがここでもICカードのタッチ機はあります。空港連絡駅にもかかわらず有人改札口でお客さんを捌けるのか…というのが驚きです。
外から見るとかなりカッコいいフォルムをした駅舎ですが、空港連絡駅にありがちな地下ではないため、改札口を出ると階段・エスカレータを降りて地上に出て、そしてバスや車と同じ入口から空港のターミナルビル内に入っていくこととなります。
出発案内を見ると、ずらっと並ぶ「東京」「名古屋」「大阪」の文字…。かなり各方面へ豊富な便数が設定されているなという印象です。さすがは宮崎の空の玄関。まぁ東京、名古屋、大阪のいずれの都市からも宮崎へ行く際はほとんどの人が飛行機を選ぶでしょうからね…。かつては東京~宮崎駅間で寝台特急〔富士〕が運行されていたんだということをイマドキの人に話してもなかなか信じてもらえさなそうです。
ターミナルビル内には、多数のお土産物屋さんが入っていて、宮崎駅とはうって変わって大賑わいといった様子です。本来ならば国際線も就航しているようですが、新型コロナの影響で現在は国内線のみが発着している様子。それでも宮崎駅とはえらい違いです。いや、宮崎駅も賑わっていないわけではないんですが、宮崎空港の賑わいを見てしまうとな…という印象です(笑)。
さて、私も宮崎空港に来たからには、ここから羽田へ飛行機で帰るのか…と10人中10人が思うと思います。が、今回は飛行機には乗りません。続きは次回ご紹介していきますのでお楽しみに!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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