わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

九州新幹線「さくら」で鹿児島へ! カゴシマシティビュー&市電で巡る王道観光スポットの旅【2020-09九州8】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は2020年9月に出掛けた九州一周旅行の3日目ということで、日曜日の朝の熊本からスタートします。

前回の様子は以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

3日目 2020年9月13日(日)①

さて、九州滞在もいよいよ3日目の朝を迎えました。土日2日間で使用する「みんなの九州きっぷ」はいよいよ2日目の使用に入ります。

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とっても便利で快適な宿でした

今回宿泊した熊本駅前の「HOTEL HE GATE KUMAMOTO」をチェックアウト(といっても鍵をボックスに投入するだけですが)。イマドキの豪華キャビンホテルって感じでとても快適でした。また熊本に来た際は是非とも利用させていただきたいと思います。

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絶賛再開発中の熊本駅白川口

熊本駅には「白川口(東口)」と「新幹線口(西口)」がありますが、圧倒的に栄えているのは白川口の方です。まぁ栄えているとはいっても高い建物が多めというだけであって、以前も話した通り繁華街自体は熊本駅からかなり離れているので常時あまり人気はない印象です。ちなみに新幹線口の様子を前の晩に一度見てみましたが、想像以上にただの住宅街というか、特段観光客が利用する機会はなさそうな地元民のための静かな街という様子でした。

どちらかといえば発展している方の白川口では、現在工事ラッシュとなっています。今度の冬から翌春にかけて、ビッグカメラアミュプラザが相次いでオープンする予定ということで、熊本駅周辺にも多くの人が集まりそうな商業施設が完成目前となっています。今後は熊本へ来た観光客の流れが大きく変わるかもしれません。

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上野にある美術館みたい

熊本駅川口駅舎も、前の晩は暗くてよくわかりませんでしたが、改めて見てみるとなかなかシンプルで革新的なデザインです。上野にある美術館や博物館みたいですね。

本当は早朝にでも熊本城や熊本電鉄とか見に行けたらよかったのですが、少しでも長く睡眠時間を確保したく、熊本観光はまたの楽しみにとっておきます。

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さくらで鹿児島へ!

さてさて、いよいよ「みんなの九州きっぷ」2日目がスタートします! まずは熊本8:01発の九州新幹線〔さくら403号〕鹿児島中央に乗って、鹿児島中央へ向かいたいと思います!

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少し青みがかった山陽・九州のN700系

九州新幹線〔さくら〕は、主にN700系を使用して運行される準速達タイプの列車で、東海道でいう〔ひかり〕、東北でいう〔やまびこ〕、北陸の〔はくたか〕にあたります。九州新幹線の場合は最速達の〔みずほ〕よりもこちらの〔さくら〕の方が本数が圧倒的に多く、また多くの列車が山陽新幹線新大阪駅まで直通運転を行っています。

今回乗車する〔さくら403号〕は朝早くの便ということもあって博多始発となっており、いずれにしても熊本での停車時間はわずかです。入線してきたのはN700系、ということでこれだけ見ると東海道や山陽と変わり映えのしない列車にも見えるかもしれませんが、よく見ると東海道N700系よりも車体が少し青みがかっています。また側面には「WEST JAPAN/KYUSHU」のロゴが入っており、8両編成を基本編成とする東京では見れない編成なのです。

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伝統ある列車名がフルカラーの方向幕に

「さくら」というと、2005年まで東京~長崎駅間で運行されていた寝台特急を連想される方も少なくないかもしれません。元を辿れば1929年に「富士」と共に日本で最初の列車愛称「櫻」として導入されてから早90年以上、非常に歴史ある列車愛称です。運行開始当時とは比べ物にならないほどのハイスピードで走る名列車へと駆け上がりました。

ドアが閉まり、定刻通り熊本駅を発車。これから鹿児島中央駅まで所要時間は小一時間、自由席を利用していきます。

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基本仕様は東海道N700系と同じ?

自由席は前より1~3号車となっています。中へ入ると、東海道でよく見るN700系と同じように2+3列の標準的な座席が並んでいます。座席の形状や大きさ等の基本仕様は東海道のものと同じようですが、モケットの色が左右で異なり、荷物棚に木が使われていたりと九州らしさも垣間見えます。

列車は途端に時速200km以上のハイスピードで各駅へと停車していきます。熊本以南は各駅停車タイプの〔つばめ〕の本数が少ないため、〔さくら〕の多くが各駅停車になります。長野以北で〔はくたか〕が各駅停車になるのとだいたい同じです。

新八代では、2004年から2011年まで在来線特急〔リレーつばめ〕との対面乗り換えが行われていた跡を見ることができました。今度機会があれば、是非ともアプローチ線の廃線跡なんかもじっくり見てみたいものです。

新八代以南は2004年に開業した区間となりますが、乗り心地や駅の設備について、新八代以北と特に違いはわかりませんでした。現在は完全に博多~鹿児島中央駅間が1本の新幹線としてつながっているのだというのを実感します。ただ、山がちな区間でありながら直線的に線路を敷いているので、どうしてもトンネルが多めです。このため、並行する第三セクター肥薩おれんじ鉄道」がくねくね運転しているところでも九州新幹線ならまっすぐ進むことができます。

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鹿児島に着いたぞ~!

そして8:58、ついに終点の鹿児島中央駅に到着です!

東京からずっとつながっている新幹線の線路は、ここで完全に終わりとなります。この先はもうどこへも伸びていません。新幹線ホームは2面4線で、かなり余裕があるように見えます。

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東口大都会すぎるだろ

駅舎の外に出てみると…いやはや衝撃的ですよこの光景は。鹿児島って想像を絶する大都会なんですね…(笑)。左側の真っ黒な建物が東急ハンズ、右側の観覧車があるのがアミュプラザ鹿児島です。ちなみに駅舎はどこかというと、東急ハンズの方の建物にあるエスカレーターを上りまっすぐ進んだところに改札口があります。エスカレーターはちょうどこの写真でいうとアーバンリサーチのロゴの真下辺りにあります。

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西口はやや穏やか

西口に出てきてみると、先ほどの東口と比べ若干人通りも少なく静かな印象ですが、それでも西は西でビックカメラだのJR九州ホテルだの、そうそうたる施設が並びこちらも決して負けてはいません。JRの駅としては珍しく、新幹線ホームが在来線ホームとちょうど直交するようにT字になっているので、何とも不思議な構造の駅だったりします。

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こちらは鹿児島「中央」駅

この鹿児島中央駅は、2004年の九州新幹線鹿児島ルート開業前までは「西鹿児島」という駅名でした。というのも、実はこの鹿児島中央駅の隣には今でも「鹿児島」といういかにも中心部らしい駅があるのです。この「鹿児島駅」周辺にもそれなりに観光地等はあり、特急も停車する駅ではあるのですが、鹿児島市の中心的な駅といえば昔から「西鹿児島駅」でした。新幹線開業にあたり、中心的な駅が「西」では混乱するだろうと考えたのか、「鹿児島中央駅」と改称され現在に至ります。繰り返しますが、鹿児島市の中心は「鹿児島中央駅」であって「鹿児島駅」ではありません。

鹿児島では、少しばかり時間を取ってあるので、ここで観光をしていきたいと思います! 福岡、大分、佐賀、熊本どれもほとんどめぼしい観光はしていないので、長崎以来久々の本格的な観光ができます。

www.kotsu-city-kagoshima.jp

今回は、鹿児島市内の市電・市バスが1日乗り放題になる1日フリーパス(600円)を購入。数時間程度ですがサクサク回ればこれでも元が取れます。

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レトロなバスがやってきた!

ということで、まず鹿児島中央駅から乗車していくのはこちらの「カゴシマシティビュー」という周遊バスです! 路線バスや市電だけではなかなか網羅しにくい鹿児島の主要な観光地を効率よく巡ることができます。

鹿児島中央駅からは日中のみ、毎時00分と30分に出ていて30分間隔の運行ですが、私が乗ったこの9:30発は私のほかに1人しかお客さんがいませんでした。

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路線バスとは明らかに違う車内の雰囲気

定刻通り駅前を出発。バスの内装・外装ともとってもレトロでおしゃれな雰囲気で、きっと一般的な路線バスの車両を改造したのだろうと思います。

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カゴシマシティビュールートマップ(http://www.kotsu-city-kagoshima.jp/

この「カゴシマシティビュー」の運行ルートの最大の特徴は、主要な観光地や観光拠点にのみに停車していくため、路線バスと違ってバス停間の距離が不均等な点にあります。区間によっては所要時間2分程度のところもあれば、最大で7~8分停車しないような区間もあり、観光に特化したバスといえるでしょう。運行エリアは市内中心部の他、東は遠く鹿児島駅よりもさらに向こうまで走るということで、今回全ルートは回れないのですが、とりあえず鹿児島中央駅から24分ほど乗車して「城山」というバス停で下車します。ここは市街地といえば市街地なのですが、小高い山を登るため、路線バスなどは乗り入れておらず、徒歩で延々登山する以外にはこの「カゴシマシティビュー」がほぼ唯一の訪問手段と思われます。

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素晴らしすぎる眺め!!

というのも、鹿児島に来たら一度は見てみたかったこの「城山展望台」からの眺めです! 鹿児島市街地から東側、桜島方面を一望できます。この日はあいにく雲の多い天気でしたが、それでも桜島雄大さは存分に伝わってきます。

そして眼下に広がるのは、鹿児島の市街地です。こうしてみてみると、とにかく大きな建物が密集していることがよくわかると思います。その中には歴史的な建造物も多く、見ていて飽きません。

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さっきとちょっと違うデザインの車両

城山からの絶景を楽しんだ後は、再びカゴシマシティビューに乗り市街地へ下りていきます。徒歩で下山できないこともないのですが、かなり大変な道のりになりそうなので楽々バスで山を下りていきます。カゴシマシティビューは基本的に片方向のみでの環状運転なので、同一方向へ進むことになりますが、城山へ上る道と城山から下りる道は同じ道路を走るため、山を下り切ったところでバスを降りました。10:24発の便に乗車です。

5分ほどで一気に山を駆け下り、「薩摩義士碑前」で下車。ここからはしばらく市街地を歩いて散策します。

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鶴丸城

城山公園のすぐ麓に位置する国道10号線は通称「磯街道」と呼ばれるそうで、文化的な史跡が集結するエリアとなります。時間がないので一つひとつ丁寧に見て回ることはできませんでしたが、鹿児島城跡(鶴丸城跡)に鹿児島市立美術館・県立博物館、西郷隆盛銅像照國神社等々、好きな人なら何時間でも過ごせるような面白いエリアになっています。

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上野の銅像とはだいぶ雰囲気が違う?

西郷隆盛銅像は、団体旅行の記念撮影スポットとしても名高いようで、わざわざ道路の反対側の公園に広々と団体用の撮影スペースまで設けられているようですが、しかし上野にある西郷隆盛銅像と比べるとだいぶ雰囲気が異なっているようにも見えました。上野のものは少しデフォルメしているのかな…? 詳しくないので何とも言えませんが。

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山形屋」も見える

そこから少し海側に歩くと、市電が通る道に出てきます。朝日通電停からは、続いて「鹿児島市電」に乗車していきます!

九州には、令和の今も路面電車の走る街が多いですよね。長崎、熊本、そしてここ鹿児島。今回の旅では熊本市電だけ乗れませんでしたが、長崎と鹿児島は乗れるということで、首都圏ではなかなかできない経験を存分に味わえます。

朝日通電停から中央駅方面を見ると、趣ある大通りが続きます。その一角にある「山形屋」は全国的にも非常に歴史のある百貨店のようで、一度足を運んでみたいと思っていましたが今回は叶いませんでした。これもまたの機会に是非訪れたいと思います。

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谷山行に乗車

朝日通を10:44に発車する1系統の谷山行に乗車。イノシシのようなデザインの列車がやってきました。この鹿児島市電も、先ほど鹿児島中央駅で買った一日乗車券で乗車可能です。

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鹿児島市電路線図(http://www.kotsu-city-kagoshima.jp/

鹿児島市電の運行路線図は、上図のようになっています。なかなか複雑にも見えますが、実は系統は2種類のみで非常にシンプル。1系統は鹿児島駅前からスタートし、中央駅を通らずに郡元へ、さらにその先谷山まで運行されます。かたや2系統は、鹿児島駅前をスタートすると天文館通で1系統と分かれ、中央駅を通って郡元までが運行区間となっています。

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鹿児島最大の繁華街「天文館

4分ほど乗車し、天文館通で下車。市電を降りると、目の前には鹿児島最大の繁華街「天文館」が広がります。端的に言えば巨大なアーケード街なのですが、ここで是非とも食べておきたい「絶品鹿児島グルメ」があったので立ち寄りました。

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天文館むじゃき本店

そのお店がこちら、「天文館むじゃき」です。何ともかわいらしい店名、そしてかわいらしい店構えですが、もうお判りでしょう。鹿児島を代表するスイーツ「しろくま」を食べにやってきました!

ここのお店では店内に入り本場の絶品しろくまを味わえるのですが、時間が切羽詰まっていたので、普通のしろくまではなく食べ歩きができる「ハンディしろくま」(450円)を買うことに。普通のしろくまよりもリーズナブルです。

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うぉぉぉぉぉ!!

それがこちら! 山盛りのかき氷にたっぷりの練乳、そして色とりどりのフルーツがたっぷり乗った豪華なしろくまです! いやぁこれが本当に美味しすぎる!! 山盛りなので気をつけて食べないとフルーツが落ちそうになるくらいどっさり乗っていて、いろんな味を楽しめます。普通のしろくまとは違い、傘を裏返したような特殊な使い捨て容器で提供されるので、片手に持ちながら食べ歩きができるというわけです。大きなスプーンがついているのでバクバク食べられるのですが、それでもかなり時間がかかりました。次は是非とも、お店に入って食べてみたいと思います。

それでは天文館通電停に戻り、11:26発の鹿児島市電に乗車。ここ天文館通より線路が二手にわかれるので、乗り間違いには注意です。天文館通電停では系統によって停車位置がわけられているので、正しい場所に並びましょう。

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古い車両もまだまだ活躍

10分ほどの乗車で、鹿児島中央駅前へと戻ってきました。鹿児島市電というのは、車両の色はかなりバリエーションがありますがどれもかなり古い印象です。中には最新型の車両もあるのかもしれませんが、私は今回の鹿児島滞在では見かけませんでした。

さて、この後はいよいよJR日豊本線を利用して宮崎方面へと向かっていきますが、その様子はまた次回ご紹介します!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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10時間越しに念願の佐賀へ上陸! 個性的な新幹線&特急を乗り継いで熊本へ【2020-09九州7】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は2020年9月に3泊4日で出かけた九州旅行の第7弾記事ということで、2日目の夜の鳥栖駅からスタートです。

前回は大分から久留米へ、久大本線を大横断してきましたので、その様子は以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

2日目 2020年9月12日(土)④

特急〔ゆふいんの森6号〕博多行で、鳥栖駅には18:55に到着。博多駅まではもうあと少しですが、ここで下車します。

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夜の鳥栖駅

鹿児島本線の主要駅であるとともに、佐賀・長崎方面へのびる長崎本線の起点駅でもある鳥栖駅。在来線の重要な交通の拠点で、基本的にいつの時代もすべての旅客列車が停車します。かつては本州方面からやってきたブルートレインが長崎・熊本方面に分かれる際に、この鳥栖駅で車両の切り離しを行っていたこともありました。

サッカーチームの「サガン鳥栖」のホームグラウンドがあることでも有名なこの鳥栖ですが、鉄道ファン的にはその古くから変わらない駅の造りがよく注目されているようです。駅舎や連絡通路等の設備はとても古く、ずらっと並ぶ地上ホームは鉄道ファン垂涎のポイントだったりします。

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かもめ号はまだ遅れているの…?

しかし、以前のブログ記事でもお話した通り、私のこの日の宿泊地は熊本で、既に宿の予約を前もってしてありました。なので何としてもこの日のうちに熊本へたどりつかなければなりません。一方で、「土日2日間で九州7県すべての県庁所在地を巡り、その県のご当地グルメを味わいながら、九州各地の個性的な列車にじゃんじゃん乗っていく」という今回の旅のテーマを蔑ろにするわけにはいきません。鳥栖からまっすぐ熊本に向かうことは簡単ですが、それだと佐賀を経由しないので、「九州7県の県庁所在地制覇」とは言えなくなってしまうのです。

そんな謎のこだわりから、佐賀へいったん立ち寄り、佐賀のご当地グルメを味わってから当日中に熊本へ向かうプランを急遽立てました。未明の長崎県内豪雨の影響でこの日の予定は大きく狂わされたわけですが、県庁所在地をすべて巡り、その土地のグルメを味わっていくというテーマは確実に遂行していきます。

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鳥栖18:58発 特急〔みどり23号〕佐世保

というわけで、鳥栖駅ではわずか3分の乗り換えの後、長崎本線へと入る特急〔みどり23号〕佐世保に乗車していきます! 鳥栖佐賀駅間は特急に乗るほどの長距離というわけでもないのですが、今回利用している「みんなの九州きっぷ」は特急自由席にも乗り放題ということで、鈍行でも特急でも新幹線でも「とりあえず来たやつ」に乗ればいいというわけです。これはめちゃくちゃ便利。

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今でも九州は方向幕が主流なので嬉しい

やってきた車両はド派手なオレンジ色の車体で、スパッと斜めに切ったような顔をしています。方向幕には「特急みどり 佐世保」とありますが、この編成はハウステンボス方面での運用を想定して造られた車両のようで、すっかり日が暮れた夜の鳥栖駅から乗車するにも目が覚めるような明るい色使いの車体です。

定刻通り鳥栖駅を発車し、鹿児島本線と分岐して長崎本線へと入っていきます。

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佐賀・長崎エリア特急運行系統図

ここで佐賀・長崎エリアの在来線特急がどのような運行体系になっているかを簡単に解説しておきます。博多から佐賀を経由して長崎県内各地を結ぶ特急は3種類あり、それぞれ上図のようなルートを通ります。〔かもめ〕は鳥栖長崎駅間の全区間長崎本線ですが、〔みどり〕〔ハウステンボス〕は途中の肥前山口より先で佐世保線に入ります。そして早岐で分かれ、〔ハウステンボス〕については少しだけ大村線へと入ります。〔みどり〕と〔ハウステンボス〕は博多~早岐駅間で連結して運行されることが多いようです。

かつては肥前山口より先、早岐ハウステンボス方面へ向かうルートが「長崎本線」だったのですが、海側を走る新線が建設されたことにより〔かもめ〕は新線経由となりました。長崎・ハウステンボス佐世保を結ぶ快速列車としては「シーサイドライナー」が比較的高頻度で運行されています。

また、肥前山口早岐駅間には、武雄、有田などの主要都市が続きます。2022年秋には九州新幹線西九州ルートが開業予定となっており、その区間はひとまず武雄温泉~長崎駅間となる予定です。博多~佐賀~武雄温泉駅間は引き続き在来線特急での運行となるようで、博多・佐賀方面と長崎方面を行き来するのに武雄温泉での乗り換えが必須となる見込みで、利便性の低下は避けられない様相です。2年後にはこの地域の特急体系は大きく変化しているものと思われます。

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某人気アニメを彷彿とさせるモケット

それはそうと、このハウステンボス編成はとにかく車内も華やか。座席のモケットは緑と白のチェック柄で、某人気アニメ「鬼○の刃」を彷彿とさせます(笑)。写真を見るとふかふかなようにも見えるかもしれませんが、見た目よりも硬く、沈み込むというよりは安定感のある座り心地でした。またシェードではなくカーテンが取り付けられていますが、このカーテンにも様々な花の図柄が描かれています。

列車は8両編成で運行中で、自由席もかなり空席には余裕があります。わずか20分ほどの乗車ですが、19:15に途中の佐賀駅へと到着!

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当初予定より10時間以上遅れ(笑)

鳥栖からわずか25.0km、博多からでもわずか53.6kmとかなり近い場所にある佐賀駅は、もちろん佐賀県佐賀市の代表駅。長崎本線の他に、西唐津方面へと向かう唐津線の列車も乗り入れます。

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これが駅構内のほぼ全景

すべての特急が停車する主要駅で、決して利用客も少なくないとは思うのですが、しかしなんともいえない駅の小ささがその最大の特徴です。2面4線の高架ホームの真下にコンコースや改札口がありますが、週末の夜にもかかわらず人影はまばら。列車の往来はそれなりにあるのですが、県下最大のターミナル駅という雰囲気はあまりありません。

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高架ホームは立派だけど

駅の北口と南口にはそれぞれロータリーがあり、賑わっているといえば賑わっているのかもしれませんが、もしかすると繁華街は駅から少し離れた場所にあるというパターンかもしれません。また九州最大都市である博多駅からそこまで離れていないということもあってか、新幹線建設に反対する理由が何となくわかるような気もしました。

駅構内には「えきマチ1丁目」という商業施設が併設されています。ここでとある佐賀銘菓を入手し、短い滞在時間ではありましたが佐賀を離れることにします。佐賀でゆっくり夕食など食べていては、熊本へ到着するのが深夜になってしまうのです。

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これだけ見ると東京都心並みの高頻度運転

佐賀の滞在時間はわずか22分間でしたが、反対方面の列車で佐賀を離れ、いよいよこの日の最終目的地である熊本へと向かっていくことにします。乗車するのは19:37発の特急〔かもめ38号〕博多行です。

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白い885系が入線!

さてやってきたこちらが主力車両「885系」です。ジャンボジェットのような顔をした真っ白な先頭車両が印象的です。長崎からやってきた列車ということで、佐賀はあくまでも途中停車駅なので、停車時間はわずかです。早速乗り込み、定刻通り発車。朝は完全にストップしていた長崎本線ですが、この時間になるとほぼ通常通りの運転に戻っていたようです。

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これまたデラックスな椅子

自由席車両に乗り込みますが、こちらも先ほどの「みどり」同様、かなり座席に余裕がある様子。真っ白な車体とは裏腹に自由席の車内には真っ黒な椅子が並びますが、何だか特急の座席というよりはオフィスチェアのような造りをしています。前後の間隔もなかなか広く、「本当に自由席か?」と目を疑ってしまうほどです。

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短い乗車でした

しかしそんな快適な移動もつかの間、列車は次の停車駅である新鳥栖に到着。ここで九州新幹線へ乗り換えとなるため、下車しなければなりません。わずか12分間の乗車で、本当にあっという間でした。

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新鳥栖駅在来線ホーム

新鳥栖駅は、先ほどの鳥栖駅から1駅西に進んだところにある長崎本線九州新幹線の駅で、九州新幹線鹿児島ルートが全線開業となった2011年3月12日に合わせてこちらも開業しました。新幹線と在来線の乗り換え駅として、在来線特急は全列車が停車します。また九州新幹線では最速達の〔みずほ〕以外すべて停車します。

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駅舎は革新的なデザイン

2011年に完全な新駅として開業したため、駅周辺が昔から発展していたわけではなく、夜になるとかなり暗い印象です。新幹線改札と在来線改札は完全に分離されており、乗り換え改札はないので、どのようなきっぷを持っていても一度在来線改札を出てから新幹線改札に入るという形になります。

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最近の駅でも駅名標はこのデザイン

この新鳥栖駅の面白いのは、現時点で佐賀県内唯一の新幹線駅ということです。九州新幹線鹿児島ルートであっても博多から南下する際にいったん佐賀県を通ってから熊本・鹿児島方面へと抜けていくので、実はあれほど新幹線に反対している佐賀県には既に新幹線が通っていて、駅も設置されているというのが何とも皮肉な話です(笑)。

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自動改札機が2台しかない新鳥栖駅新幹線改札

それではいよいよ九州新幹線に乗車し、熊本へと向かっていきます!

今回利用している「みんなの九州きっぷ」では新幹線特急料金も含まれていますから、特急料金の高い新幹線に乗車すればお得感が一気に増します!

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独特な駅名標

九州新幹線駅名標は何とも独特なデザインで、濃い青一色に白抜きで文字が書かれています。2004年に先行開業した新八代鹿児島中央駅間はもちろんのこと、2011年に開業した残りの区間もすべてこのデザインです。

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夢にまでみた九州新幹線に初乗車!

新鳥栖から乗車するのは、19:57発の〔つばめ341号〕熊本行です。九州新幹線には〔みずほ〕〔さくら〕〔つばめ〕の3種類があり、その中でも必ず各駅に停車するのが〔つばめ〕となっています。〔みずほ〕は東海道でいうところの〔のぞみ〕にあたり、博多~鹿児島中央駅間の途中停車駅は熊本のみ。〔さくら〕は同じく〔ひかり〕にあたり、比較的こまめに停車しますが熊本以北では通過駅多めといったパターンで運行しています。〔みずほ〕〔さくら〕は山陽新幹線に直通して新大阪まで運転されることが多いですが、〔つばめ〕は基本的に九州内で完結します。

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800系が入線!

ホームで待っていると、800系新幹線がやってきました! 九州新幹線では「800系」と「N700系」が使用されており、前者が主に「つばめ」、後者が「みずほ・さくら」となることが多いようですが、しかし絶対というわけでもないそうです。

停車時間はわずかなのでさっそく乗り込み、定刻通り新鳥栖を発車。終点熊本まで、約35分間の旅を楽しみます。

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何と貸切

列車は6両編成で、前寄り1~3号車が自由席となっています。先頭1号車に入ってみると…何と貸切でした! 土曜日の夜のつばめ号ってこんなに空いているものなのでしょうか? 驚きました。

九州新幹線ということで、車内はかなり個性的です。まず何より、新幹線の普通車自由席にも関わらず2+2列のシート。全国的には新幹線の自由席というと2+3列が一般的ですから、これはかなりゆとりがあります。上越新幹線E4系の2階自由席には見習ってほしいものです。

しかも座席のモケットもかなり華やかな柄で、新幹線といえど乗ること自体が楽しみになる「観光列車」のような雰囲気が漂います。

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佐賀銘菓「丸芳露」&「花ぼうろ」

それではこのガラガラつばめの車内で、佐賀駅にて購入した銘菓「丸芳露」と「花ぼうろ」の2つを食べていきます!

佐賀グルメというとなかなかみなさんパッと思い浮かぶものはあまり多くなかったりするかもしれませんが、今や全国どこでも食べられるおなじみのお菓子「ぼうろ」はこの佐賀県の「北島」さんという老舗のお菓子屋さんが元祖のようです!

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丸芳露(86円)

最もスタンダードな「丸芳露」は1枚なんと86円。激安です。今回はバラで購入しましたが、たぶん多くの方が10枚とか入っているような箱買いをされると思います。サクサクなのにしっとり、ふわふわとした食感も味わえて、ほんのり甘くとっても美味しいです!

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花ぼうろ(172円)

花ぼうろ(172円)の方は、とにかくふわっふわの食感で、中にあんずのジャムがサンドされています。これまたちょっと贅沢なぼうろということで、とっても美味しかったです!

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さすが新幹線

外はすっかり暗いですが、そんな真っ暗闇をつばめ341号は激走していきます。おそらく260km/hが最高時速かと思いますが、ほぼトップスピードで走りながら各駅に停車していきます。新大牟田新玉名とこの辺は新幹線単独駅が続くのも特徴的です。

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熊本に到着!

そして20:33、ついに終点の熊本駅へと到着です!

九州5県目、熊本県には初上陸となりました。

列車は到着後、回送列車となっていくようです。

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人影まばら

熊本駅は新幹線、在来線とも高架ホームで、改札口が地上にあるタイプの駅となっています。九州新幹線のほか、在来線は鹿児島本線豊肥本線三角線の列車が乗り入れます。

改札口を出てすぐのところにある「肥後よかモン市場」には、飲食店や土産物屋さんが多数集結しています。夕食をここで食べようかと思ったのですが、新型コロナ対策で多くのお店が既に営業時間を過ぎており閉まっていました。

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熊本駅白川口

九州新幹線開業を機に大きく変貌を遂げた熊本駅舎は、夜になると光に煌々と照らされて何とも神秘的な感じがします。駅周辺はまだまだ再開発の途上といった様子で、工事のために仮設の通路等が設けられています。

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ペデストリアンデッキを渡る

駅から北東方向へのびるペデストリアンデッキを渡り、とりあえず今夜の宿に向かいます。本当は熊本城を外からだけでも見たかったのですが、実は熊本城や熊本の市街地は熊本駅からかなり離れており、市電に乗って延々移動しなければならないため、今回はあえなく断念。ホテルへと直行します。

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HOTEL THE GATE KUMAMOTO

この日の宿は、熊本駅の目の前にある「HOTEL THE GATE KUMAMOTO」。じゃらんからの予約で、1泊3,000円のところGoToトラベル適用で何と1,950円で泊まることができました。

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案外広々な部屋

ここのホテル、普通のホテルとも異なりますが、カプセルホテルよりは豪華ということで何とも表現が難しいのですが、部屋の中にはベッドが1つとそれと同じくらいのカーペット敷きスペース、ロッカーがあります。ドアに鍵はついているのですが、壁はパーティションのような感じで上側が開いているので密室ではありません。部屋の中で自由に声を出すということはできませんが、プライベート空間は確保されており、とても快適に過ごせます。

いったんこの部屋に荷物を置いて、夕食を食べに熊本の街へ繰り出します。時刻は既に21時を過ぎております。

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黒龍江本店

とはいっても先ほども述べたように、熊本の繁華街は駅からかなり離れています。そっちまで出る気力はなかったですが、コンビニ飯などではなく何とかして熊本のグルメを!ということで、駅近くの「黒龍江本店」で本場の熊本ラーメンを味わうことに!

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黒いスープが特徴的

メニューはいろいろありますが、最もオーソドックスな750円のラーメンを注文。九州ならではの細麺で、豚骨ベースのスープは濃厚さもありながら、あっさりしていて食べやすいなと思いました。これは本当に美味しい! 熊本駅に到着してから偶然見つけたお店ですが、是非また熊本に来た際は立ち寄りたいと思います。

それではホテルに戻り、翌日に備えることにします。朝から晩まで本当にいろんなことがありましたが、何とか予定通り熊本にたどり着けて何より安心しました。ここまでで北九州を中心に5県を巡ってきましたので、残る2県を日曜日にじっくり巡っていきたいと思います!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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鉄道&代行バスで大分から久留米へ九州横断! 令和2年7月豪雨の爪痕残る久大本線のいま【2020-09九州6】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年9月に出掛けた3泊4日九州一周旅の第6弾記事ということで、2日目の午後、大分駅からのスタートです。

前回は特急〔ソニック25号〕で博多→大分を移動してきたので、そちらの様子も是非以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

2日目 2020年9月12日(土)③

博多からの特急〔ソニック25号〕で、終点の大分駅には15:00に到着。引き続き日豊本線で宮崎方面へ向かうには、15:04に発車する特急〔にちりん17号〕宮崎空港行がありますが、今回はそれには乗らず、ここから久大本線の方面へと向かっていきます!

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大分駅といえばこの大きな発車標

大分駅といえば、改札を入ると目の前に見えるこの大きな発車標が特徴です。2012年に高架化され、比較的駅構内の設備が新しいこの大分駅には、日豊本線久大本線豊肥本線の3路線が乗り入れます。久大本線豊肥本線はどちらも九州を東西に横断する路線ですが、一方で度重なる自然災害の影響で長期不通に見舞われている路線でもあります。豊肥本線は2016年4月の熊本地震の影響で長らく不通区間がありましたが、2020年8月8日に全線で運転を再開し、〔九州横断特急〕〔あそぼーい!〕が熊本~大分~別府駅間で直通して運行されるようになりました。全線再開を記念して、現在「スイッチオン!豊肥本線プロジェクト」も展開されています。

一方、今回乗車するのは「久大本線」。久留米と大分を結ぶことからそう名付けられました。こちらは2017年7月の九州北部豪雨により一部区間が不通となりましたが、懸命な復旧作業が実を結び1年後の2018年7月に全線で運転を再開しています。「久大本線ぜんぶつながる」をキャッチコピーに展開された観光キャンペーンは当時大きな話題を呼びましたが、その2年後、2020年7月の「令和2年7月豪雨」の影響で、再び一部区間が不通状態となってしまい、現在に至ります。

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久大本線不通区間(2020.8.29~)

今回訪問時の不通区間は、上図の通り。豊後森庄内駅間がバス代行輸送となっています。7月の災害発生直後は一時日田~向之原駅間で運休となっていましたが、その後少しずつ復旧作業を進め、2020年8月29日以降はご覧のように不通区間豊後森庄内駅間まで短縮されています。少しでも再開できる区間は再開していくということのようで、みなさんも利用される際は最新の情報にご注意ください(代行バスの時刻も度々変更されているようです)。

2019年2月には、全線で復旧していた久大本線を乗り通していますので、その様子は以下の記事からもご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

2020年9月、今回の訪問時は一部区間がバス代行輸送となっている状態ではありますが、そんな久大本線の「いま」を見つめるべく、これから久大本線の列車とバスを乗り継いで大分から久留米方面へと抜けていきます。

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現在は庄内まで

それでは、大分駅7番線より、15:13発の庄内行に乗車していきます。「庄内」と聞くと東日本住みの私は山形県を思い浮かべてしまいます。久大本線最大の観光地ともいうべき「由布院」まではつながっていないわけですが、豪雨災害前は一部の特急〔ゆふいんの森〕〔ゆふ〕が由布院駅よりも先の大分・別府方面へ運行されていました。現在は庄内~大分駅間の全列車が普通列車のみの運行となっています。

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キハ125系

停車中の黄色一色の「キハ125系」というやつに乗り込みます。定刻通り大分駅を発車。

大分駅発車後、列車は右に大きなカーブを描き、日豊本線と分かれていきます。大分~庄内駅間は約40分。各駅に停車していきます。2両編成で、大分を出発した時点では全区画に人がいる+立ち客多数といった様子。ボックスシート主体で、空席もあるにはありますが新型コロナウイルスを気にして相席を嫌う人もいらっしゃるでしょうからしばらくは立って乗車します。

ほどなくして空席は増えていき、着席できたと思ったら終点の庄内駅に到着です。15:54にゆっくりと入線していきます。

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ここで代行バスに乗り換え

本来なら何ということはないただの途中駅のはずの庄内駅で、今回は列車から代行バスへと乗り換えます。ものすごく大きな駅というわけでもないのですが、しかし駅前には商店や民家等が密集しており、集落の中心部分としての役割はしっかり果たしている駅のようにも見えます。

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駅舎はちゃんと立派

しっかり大きな駅舎がありますが、駅員さんが常駐しているわけではない(?)様子です。1日の乗降客数は約220人とのこと。

駅舎を出ると、目の前にはっきりとわかりやすく代行バスが停車していました。

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久大本線代行バス 庄内→由布院

窓には大きく「JR代行バス 由布院駅行」と掲げられています。大分交通の路線バス車両で、乗車の際に乗車券類の確認は行われず、前後どちらのドアからでも乗車可能となっています。先ほどの列車からの乗客がほぼ全員このバスに乗り換えますから、バス車内はそこそこ混雑していました。私も座席には座れず、しっかり吊革につかまりながら立って乗車します。

16:04、バスは定刻通り庄内駅前を発車。乗り継ぎ時間が10分あったので特に急ぐ必要はありません。

久大本線の不通区間豊後森庄内駅間ですが、このバスは途中の由布院駅までで、由布院駅からはまた別のバスに乗り換えとなります。途中各駅前に設置されたバス停が列車代行バスの乗り場としても機能しているわけですが、途中からの乗降はほとんどありませんでした。それでも各駅到着時は、運転手さんが「○○駅到着です」というアナウンスをしてくださいます。

また車内の様子を見てみると、地元の高校生が多く、土日ですが観光客はあまりいない様子です。大分~由布院は本来そこまで遠くなく、由布院への観光客もそれなりにいるかなと思いましたがそうでもありませんでした。やはり由布院へのメインルートは博多から久留米経由で久大本線に入るルートか、或いは別府~由布院を結ぶバスなのかもしれません。

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由布院バスターミナルへ到着!

揺られること約20分、16:27に定刻通り終点の由布院に到着です! 乗車券類はバスを降車時に確認ということなので、「みんなの九州きっぷ」の券面を見せればOK。

由布院では、駅の目の前をバスが発着するのではなく、そこから数十メートル離れたバスターミナルへと到着します。まぁほぼ由布院駅の目の前のような至近距離ですが。

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個性的な形の由布院駅

久大本線で最大の観光地である「由布院」へは、通常ならば博多方面から久留米を経由して特急〔ゆふいんの森〕〔ゆふ〕が何本も乗り入れています。駅のホームに足湯があることでも有名ですが、その足湯を今使えるのかどうかはちょっとわかりません。現在は由布院駅に列車が発着することは全くないので、駅に出入りする人の姿もまばらです。

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由布岳も見える

駅舎の反対側を向くと、まっすぐ飲食店や土産物屋等が立ち並び、その向こうには由布岳も見えています。あいにく上の方は雲で覆われていますが、それでも1年半前に来た時は雨でかなり天気が悪かったので、それに比べればだいぶマシです。

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由布院豊後森代行バス

観光、ショッピング、温泉などなど由布院の楽しみはたくさんありますが、今回の由布院の滞在時間は何とわずか8分。足湯すらも入れず、由布院バスセンターから接続する豊後森行のバスに乗り込みます。今度は「亀の井バス」という会社が運行する列車代行バスで、豊後森駅から先は博多行の特急に接続することから、由布院豊後森駅間をノンストップで運行する「特急代行バス」となっています。もちろん時間帯によっては各駅停車のバスもありますが、今回は豊後森から引き続き特急に乗り継ぐので、このバスを利用していきます。

乗車時に「みんなの九州きっぷ」を提示して車内に入ります。特急は豊後森以東が運休となっているのでこの区間の指定券は発売できないでしょうから、特急代行バスといえどもこの代行バスには有効な乗車券のみで乗車できるものと思われます。

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短い区間でも高速道路を利用

このバスは、終点の豊後森駅で博多行の特急〔ゆふいんの森6号〕に接続します。そのため車内の乗客はほとんどが観光客で、スーツケースなどの大きな荷物をトランクに入れる人も非常に多い印象でした。

バスは定刻通り16:35に由布院バスセンターを出発。すぐさま湯布院ICへと向かい、大分自動車道に入ります。

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大分自動車道を疾走

先ほどまでの代行バスとはうってかわって、こちらは大型の観光バス仕様ということで、何とバスガイドさんによる観光案内までなされていました。おそらくは観光特急である「ゆふいんの森」で提供されるサービスになるべく近いものを…ということでこのようにしているのかもしれません。車内にはUSBポートもあり、モバイル機器の充電も可能となっています。

バスガイドさんからの案内でもありましたが、よくこの地域の呼称として「布院」と「布院」の2種類の漢字が用いられます。駅は「由」ですが高速道路のICは「湯」が用いられており何ともややこしいと感じる人が多いポイントですが、これはかつて「布院町」と「湯平町」の2つがあったことから始まります。それらが合併した際に湯平の「湯」と由布院の「布院」を組み合わせたことで「布院町」となりました。要は完全に造語として生まれた地名なのですが、たまたま読み方が同じ「ゆ」だったために、耳で聞いただけでは町名に変化がないように聞こえてしまうというわけです。

なおその後、2005年に湯布院町は周辺の自治体と合併し「由布市」となります。これにより市町村としての「湯布院町」は消滅しましたが、現地では今でも「布院」という呼称が地名として広く用いられているほか、駅名にはそのさらに前の「布院」が今でも用いられているというわけです。

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豊後森駅に到着!

そんなことを考えているうちに、玖珠ICで高速道路を降りて、由布院駅から約25分の乗車で終点の豊後森駅に到着。時刻表上は17:14頃の到着という風になっているのですが、実際は17:00頃とかなりの早着になりました。高速道路の渋滞を見越してダイヤが組まれているようですが、実際には道路の混雑等は特に無くスムーズにやってこれた形です。

ほぼすべての乗客がここ豊後森駅にて、接続する〔ゆふいんの森6号〕へと乗り換えることになります。待合室は大きな荷物を持った人たちでごった返していましたから、私は駅前のベンチに腰掛け、大分グルメを味わいます!

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元祖塩から揚げ(1個80円)

大分駅でわずかな乗り換え時間の間に改札外のアミュプラザ大分で購入していた「元祖塩からあげ」(1個80円)です。大分といえば唐揚げや鶏天等の鶏料理が有名ですが、今回は大分駅での乗り換えがわずか13分しかなかったので、改札を出て左側に進んだところにある「ポッポおじさんの大分からあげ」というお店でこの唐揚げを3つ買っておきました。こんがりきつね色に揚がっていて、一口食べるとジューシーな旨みが口いっぱいに広がります! 買ってから2時間ほど経過していましたが、これは冷めても本当に美味しい! 是非みなさんも大分へ行かれた際は食べてみてください。

ちなみにこれ、大分→庄内へと向かう普通列車の中で食べようと思い買ったのですが、思っていた以上に匂いが強烈で(そりゃそう)、列車の中で食べるには向かないなと思い、乗り換えに時間のある駅があればそこの屋外で食べようと思ったわけです。庄内でも由布院でも乗り換え時間がわずかでしたから、結局ここ豊後森で食べることに。豊後森駅の前で青空の下、唐揚げを食べる人はそうそういないでしょう(笑)。

唐揚げを食べ終わり、まだ時間があるようなので少し豊後森駅周辺を散策してみることに。

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逆光ぅぅぅぅぅぅ

駅から歩いて300メートルほどのところには、何と「豊後森機関区」の跡が公園として整備され残されています。かつて久大本線で活躍したSLも保存されており、扇形の機関庫はスケール満点です。

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近くで見るとよりスケールが伝わる

戦前に造られたこの機関庫は、第二次世界大戦の最中に軍事輸送の拠点ともなっていたことから米軍機の機銃掃射の標的となり、職員の方が複数名亡くなられたという痛ましい過去もあります。1971年に現役の機関庫としては廃止となりましたが、2001年に地元の有志によって保存委員会が結成され、2009年に「近代化産業遺産」に認定され今に至ります。

近くには「豊後森機関庫ミュージアム」もあるようですが、私が訪問した際は既に閉館時間を過ぎていたようです。

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豊後森駅も見える

公園からは、豊後森駅のホームや停車中の列車が見えます。この公園は駅の東側にあるため、私が今立っている踏切にはしばらく列車が通っていないと思われます。これから乗車する「ゆふいんの森」が既にホームに停車しているようなので、急いで駅へと戻ります。

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豊後森17:34発 特急〔ゆふいんの森6号〕博多行

こちらが、豊後森17:34発の特急〔ゆふいんの森6号〕博多行です。深緑色のお洒落な観光特急で、今回が2度目の乗車となります。5両編成で全車指定席での運行となっており、通常は由布院駅が始発のところ今回は豊後森始発としての運行になっています。

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方向幕はシール?

通常は側面の表示が電光掲示となっていますが、豪雨災害以後は写真のようなシールを上に貼り付け、博多~豊後森駅間のみでの運行となっています。由布院まで行かずに「豊後森」までしか行けないというところで、鉄道ファンの間では「特急ぶんごの森」とも呼ばれるまでに(笑)。

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車内はガラガラ

乗車口でアテンダントさんに出迎えられ、さっそく車内へ。5号車に乗車しましたが、何と車内はガラガラでした。先ほどまでの特急代行バスにはたくさんの人が乗っていたはず…ですが、やはり列車の座席数に置き換えてみれば各車両に分散して大したことないのでしょうか。5両編成ということでバスに比べればかなりの長編成となり、輸送力の差を実感します。

列車は定刻通り17:34に豊後森を発車。ゆっくりとした動きだしで、久留米・博多方面へと向かっていきます。私は終点の博多までは行かず、途中の鳥栖で降りることにします。

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シックな色合いの座席

5号車の座席は外観と揃えて緑を基調としたシックなモケットが大人の落ち着きを感じさせます。窓のシェードがすべて閉まっているのは、おそらく豊後森駅での停車時間中に陽の光が差し込んで車内の温度が高温になるのを防ぐためでしょう。

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4号車はだいぶ異なった雰囲気

隣の4号車も相変わらず人の姿はまばらでしたが、シートモケットの色から床のデザインまで、かなり5号車とは異なる印象でした。何となくこちらの方がJR九州らしい印象で、きっと後年にリニューアルでもされたのだと思います。

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雨がすごい

外の天気もこれまたかなり変わりやすいようで、今回の旅では別府で降っていた雨が大分に着くころにはやみ、豊後森では小雨ののち、ゆふいんの森の車窓から眺めるとかなりの大雨となっています。

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ティータイム♪

また、「ゆふいんの森」の3号車にはビュッフェがあり、ここで様々な飲食物やグッズ等を販売しています。今回は列車内で優雅なティータイムを味わうべく「ゆずみつスカッシュ」(350円)「お濃茶アイスクリーム」(400円)を買ってきました。お濃茶のアイスは1年半前にも食べてとても美味しかったので、今回も迷わず購入。

「ゆずみつスカッシュ」は、ゆずの風味がみつの甘さでまろやかになり、とても飲みやすい炭酸飲料でした。ゆずが好きな人はもちろんですが、ゆずの独特の風味が苦手という方にも美味しく味わっていただけるのではないかと思います!

お濃茶アイスはもう安定の美味しさですよ(笑)。美味しいとわかっていても一口食べた瞬間に「美味しい」という感想が飛び出します。お濃茶なのでとにかく濃厚なお抹茶の風味を存分に味わうことができ、大満足の一品でした。

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大雨で増水した三隈川

列車は玖珠川、その先三隈川に沿って進み、天ヶ瀬や日田に停車していきます。日田からはかなりの乗車がありましたが、それでも車内が混雑することはありませんでした。

日田より先はすっかり日も暮れ、だんだんと線路沿いに建物が増えてきて平地になってきたところで、久留米に到着。久大本線はここまでとなり、ここから先は鹿児島本線に直通していくことになります。

だんだんと終点の博多が近づいていくにつれ、列車内では大きなゴミ袋を持ったアテンダントさんが車内を巡回しゴミを回収して回ったり、記念撮影パネルや記念の飴を配ったりとかなりいろいろなサービスがありました。車内のスタンプは新型コロナ対策で押印できず、ビュッフェで「スタンプください」とお願いすると押印済みの記念乗車証を貰うことができます。

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鳥栖で下車

そして列車はあっという間に、18:55に途中の鳥栖駅へと到着です。鹿児島本線長崎本線が乗り入れるこの主要駅で私は下車。ちなみにビュッフェの営業もこの鳥栖までなのだそうです。

この先はわずかな乗り換え時間で次なる列車へと乗り換えていきますが、今回はここまで!

この続きは次回ご紹介していきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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個性的すぎる883系「ソニック」で大分へ! ダイヤ乱れとかもうどうでもよくなった件【2020-09九州5】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年9月に出掛けた3泊4日九州一周旅の第5弾記事ということで、2日目の昼過ぎの博多からスタートします。

前回はいろいろありまして長崎から博多まで西鉄バス「スーパーノンストップ九州号」で移動しました。その様子は以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

2日目 2020年9月12日(土)②

大変な道のりを経て、12:00頃に博多駅へとやってきました。

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土曜日には来る予定でなかった博多にやってきた

前回の記事で当初予定していたルートをご覧いただければお分かりいただけるのですが、実は土曜日に博多へ来る予定はありませんでした。長崎から鳥栖まで長崎本線を利用した後、そこから南下して久大本線に向かう予定だったので博多へはこの時点では寄らず、翌日曜日の夜に博多へと到着することで九州7県制覇を目論んでいたのです。しかし、高速バスで長崎から博多までこまめに停車する便はかなり少ないようだったので、とりあえず博多へ出てきました。

さて、長崎での豪雨の影響で当初の行程が完全に崩壊してしまったところではありますが、こちら福岡地区では概ね平常通りの運転となっているようで(特急かもめのダイヤは今も乱れていますが)、やはり未明の豪雨は長崎を局所的に襲ったものだったようです。

「土日2日間で九州7県すべての県庁所在地を巡り、その県のご当地グルメを味わいながら、九州各地の個性的な列車にじゃんじゃん乗っていく」

これが、今回「みんなの九州きっぷ」で行う旅のテーマですから、あくまでもこれに即した旅をしていきたいと思うわけです。

そして土曜日の夜の宿は熊本で既に予約済み、当日のキャンセルでは宿泊料と同額のキャンセル料がかかってしまいます。なので熊本での宿泊予定も変更することができない…とバスの中でいろいろ考えましたが、考えすぎて疲れた挙句、「どれだけ考えても突発的な事故や天気の急変による運行トラブルに出くわしたら考えたことがすべて崩壊するな(笑)」と思い、とりあえず大分方面へ行くことにしました(思考回路が謎)。

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各方面への列車がずらり

さっそく博多駅みどりの窓口で指定席を取ります。「みんなの九州きっぷ」では、新幹線・特急の自由席が何度でも乗り放題になっているほか、指定席についても6回まで追加料金なしで付けることができます。今回乗車する特急ソニック博多駅が始発なので、別に自由席でも座れるのですが、せっかくタダで指定席に座る権利を有しているのなら、ということで指定券を発行してもらいました。

博多駅は九州最大のターミナル駅で、新幹線・在来線の両方における主要な運行拠点となっています。かつては首都圏や関西から直通する在来線の長距離列車・夜行列車等も数多くこの博多駅を発着していたわけですが、今ではその役割を完全に新幹線に譲っています。新幹線ホームに目をやると「東京」「新大阪」「広島」「鹿児島中央」等々、東海道・山陽・九州新幹線沿線のさまざまな地名がずらり並びます。一方の在来線はというと、博多駅を発着する在来線列車はすべて九州内で完結する列車となってしまいましたが、それでも大分だの宮崎だの長崎だの、あるいは福岡市や北九州市等のさまざまな地名が並んでおり、2020年の今も変わらずターミナル駅であることを実感させてくれます。

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一瞬「あれっ?」となる

今回乗車するのは、博多12:57発の特急〔ソニック25号〕大分行です。博多駅は2番線からの発車となりますが、発車標に目をやると「&にちりん(宮崎空港)」と謎の表記があります。というのも実は、博多~大分駅間を結ぶ「ソニック号」のほとんどが、終点の大分より先、宮崎方面へと向かう特急「にちりん号」と接続しているのです。つまりこの「大分(宮崎空港)」という表記は、「大分駅宮崎空港行の特急に乗り換えられますよ」という意味なのだそう。見慣れないので一瞬びっくりしましたが、確かに便利な表示かもしれません。

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カッコよすぎる!

12:46発の快速 小倉行が発車後、続けて2番線に入線してきました。車両は883系7両編成で、この特急ソニックの主力車両です。メタリックブルーのボディが何ともいえないカッコよさを醸し出しています!

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側面もカッコいい

ここ博多駅が始発駅ですが、停車時間は10分もないくらいということで、都会のターミナル駅らしくやや慌ただしく、12:57に定刻通り出発です!

特急ソニックは、列車によってさまざまな停車パターンがありますが、今回乗車している特急〔ソニック25号〕大分行の途中停車駅は、折尾、黒崎、小倉、行橋、中津、別府となっています。わりかし速達タイプといえるのではないでしょうか。

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1号車 普通車指定席

列車は7両編成で、博多を出発する時点では先頭が7号車、最後部が1号車です。7~4号車が自由席、3~1号車が指定席となっています。また、1号車は半室グリーン車となっています。今回はコンセント付の座席を利用したいということで、1号車の普通車指定席を利用しました。

床は木目調、ヘッドレストは宇宙人の頭部のような形状をしており、首都圏では見かけない何とも個性的な内装です。座席は傷みも見られ、決して最新ではないようですが、座面もふかふかでとっても快適です。

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うまか!博多めんたい牛めし(1,280円)

ここで、食べ損ねていたお昼ご飯タイム! 博多には約1時間しか居れなかったので、駅弁で福岡グルメをと思いこちらの「うまか!博多めんたい牛めし(1,280円)」をチョイス。博多駅コンコースの駅弁屋さんで購入しておきました。博多の明太子と牛すき焼きという、ご飯に合わないわけがない2大おかずがたっぷりとのった豪華なお弁当です! 明太子はわりかしマイルドですが本格的な味わいで、ご飯がとっても進みます。また牛すき焼きはもちろん安定の美味しさで、ペロリとたいらげてしまいました。

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市街地を疾走しながら駅弁を食べる至福のひととき

列車は鹿児島本線を小倉方面へと進んでいき、途中折尾などの主要駅に停車していきます。新幹線だと一駅の博多~小倉駅間も、特急だと約50分かかりますからかなりの距離です。住宅街が線路沿いに連なる景色を横目に、ソニックは猛スピードで駆け抜けていきます。

途中、小倉に停車。新幹線もすべて停車する主要な駅で、ここで列車の進行方向が変わり日豊本線へと入ります。「座席の転換をされる際は周りのお客様へご配慮ください」という放送が入り、小倉駅到着と同時にみな手慣れた様子で座席を回転していきます。

小倉の停車時間もわずかで、列車はすぐに発車。日豊本線の旅がスタートしていきます。

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デッキまで個性的

ここで時間があるので、少しデッキへ出てみました。ソニックのオリジナルポスターが貼られており、何と今年でソニックはデビュー25周年なのだそうです。1995年4月に、それまで「にちりん」として運行されていた列車のうち、博多~大分駅間のみでの運転の列車に「ソニックにちりん」の愛称が与えられ、この青い883系での運行となったようです。現在「にちりん」は主に大分~宮崎方面の特急の愛称としてのみ使用されておりますが、中には小倉駅まで乗り入れる「にちりん」もあり、昔の名残といえそうです。

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通称「白いソニック885系(2019年2月撮影)

現在特急〔ソニック〕は、今回乗車している青い「883系」の他に、一部列車が白い「885系」で運行されており、こちらは通称「白いソニック」とも呼ばれています。こちらに乗車した時の様子は以前ブログ記事にしておりますので、そちらも是非ご覧ください!(あの時もいろいろと大変でした…笑)

watakawa.hatenablog.com

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別府湾を望む

気づかぬうちに、列車は行橋と中津に停車。列車は日豊本線を120km/h以上のトップスピードで駆け抜けていきます。いやぁ本当に気持ちがいいです。いかにも特急らしい走りを楽しめます(特急ですが)。

しばらくすると、車窓左手に別府湾を望みながら別府駅へと到着。地獄めぐりなどもしてみたかったですが、それはまたの機会としておきます。別府駅前はかなり雨が降っていました。

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大分に到着!

そして博多を出てから約2時間、15:00に列車は終点の大分駅へと到着です! これで九州3県目上陸となります。何とも無機質な駅名標ですが、それもそのはず、大分駅は2012年に高架化されたため、不要なものをそぎ落としたシンプルなデザインとなっています。

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フォントだけちょっとレトロ

駅の外に出てみると、駅名のフォントだけが少しレトロですがやはり全体的に新しいなという印象です。何せまだ高架化されて10年も経っていないのですもんね。大分駅には2009年まで東京発着のブルートレイン「富士」が乗り入れていましたが、この高架ホームになってからはそうした寝台列車は乗り入れていないということになると思います(以前のブログ記事で間違ったことを書いていたらすみません💦)

大分駅には、日豊本線のほかに、久留米方面へとのびる「久大本線」、熊本方面へとのびる「豊肥本線」があります。大分駅から先はどの路線に乗っていくのか…?

続きは次回ご紹介します!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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特急かもめに乗ろうとしたら…まさかの豪雨で運休に! 一体どうなる!? あの手この手で長崎脱出を試みる旅【2020-09九州4】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年9月11日(金)~14日(月)に出掛けた九州一周旅行の第4弾記事ということで、いよいよ2日目に突入していきます。

前回は1日目、夕方に長崎市街へ到着した後、限られた時間で長崎観光をめいっぱい楽しんできました! その時の記事は是非以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

2日目 2020年9月12日(土)①

朝は7時頃に「アパホテル長崎駅前」をチェックアウトし、そのまま長崎駅へと向かいます。

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いよいよ長崎駅から旅がスタート(するはずだった)

今回の九州一周旅行の最大の目玉でもあるのが、コロナ禍の観光需要喚起を目的としてJR九州から発売された「みんなの九州きっぷ」です。

www.jrkyushu.co.jp

詳しいきっぷの説明は上記のURLからご確認いただければと思いますが、鉄道ファンであれば既にその概要はご存じの方も多いかと思います。今回は10,000円の「全九州版」を活用し、「土日2日間で九州7県すべての県庁所在地を巡り、その県のご当地グルメを味わいながら、九州各地の個性的な列車にじゃんじゃん乗っていく」というのをテーマにして旅をしていきたいと思います!

大まかなルートとしては、以下の通り。

9月12日(土)
長崎→(長崎本線)→佐賀→(長崎本線/久大本線)→大分→(豊肥本線)→熊本

9月13日(日)
熊本→(九州新幹線)→鹿児島中央→(日豊本線)→宮崎→(日豊本線/鹿児島本線)→博多

各県の県庁所在地の駅では必ず一度下車し、その県のグルメを何かしら味わいます。また道中ではなるべく各地域の個性的な列車を利用して、その県の魅力を鉄道の視点から味わっていきたいと思います!

というわけで、まず最初の列車は長崎7:26発の特急〔かもめ6号〕博多行です。長崎の顔ともいえるこの列車に乗車し、まずは途中の佐賀を目指していきます!

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改札口のホワイトボードは嫌な予感

…と思い、さっそく改札口へ入ろうとすると、何やら白いホワイトボードが。

どれどれ…?

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げっ…マジかよおおお

何とそこには、「運転見合わせ」の文字。

どうやら、長崎本線が、未明からの豪雨の影響で喜々津~長崎駅間にて運転を見合わせているようなのです。

これは困った…どうしたらいいものか。まさか旅のこんな初っ端から運転見合わせに巻き込まれるとは…。

しかも今回、「みんなの九州きっぷ」をフル活用して2日間列車に乗りまくる行程を組んでいたため、長崎から動けなくなってしまったことでその後の行程がすべて崩壊してしまいました。

長崎から佐賀を経由して鳥栖まで長崎本線で出て、鳥栖からはわずかな接続時間の後に入線してくる「ゆふいんの森」に乗車して久大本線方面に向かう予定でしたから、この時点で既に当初計画通りの行程は実現しえなくなってしまったということになります。

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まだ6時頃の列車すら発車していない

改札口の上の発車標を見ると、まだ6時頃の列車が発車できていないということで、どうやらもう1時間以上に渡って長崎駅から列車が発車できていない様子です。既に特急・普通列車とも上下数本の運休が確定しており、運転再開はいつになるやらという様子。私が乗る予定だった7:26発の特急も運休となってしまいましたが、天候回復を期待してしばらく運転再開を待ってみることにしました。

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長崎駅が水浸し

待っている間、長崎駅周辺をうろうろしてみました。今年3月まで使用されていた長崎駅旧地上ホームは、海抜が低いのか水浸しに。1本だけ残された島式ホームの周辺がすべて冠水し、大きな池のようになっていました。

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晴れている…?

手元のスマホには、長崎県記録的短時間大雨情報が出された旨の通知が入っていましたが、外を見ると雨どころか次第に晴れて明るくなってきた様子でした。しかし改札口のホワイトボードには運休列車がどんどん追加されていくのを見て、これはまだ運転再開まで相当な時間がかかるかも…? と思い、意を決してJRでなく高速バスで長崎を脱出することにしました

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本日もお世話になります

というわけで、長崎駅東口のペデストリアンデッキを渡った先にある「県営バスターミナル」へ。昨日長崎空港からのバスでこのバスターミナルを利用しましたが、何と本日もお世話になる羽目になってしまいました。

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昭和の香りがただよう

ここは長崎から県内各所や九州北部各都市へアクセスする高速バスの一大ターミナルになっているわけですが、外観・内装とも何ともレトロな造りで、お世辞抜きに昭和時代から時が止まったかのような錯覚を味わうことができます。案内サイン類は比較的新しめですが、それでも2000年代初頭のような書体や色使いで、建物自体はもう半世紀前くらいから使っていそうな古さです。7月に三重県の桑名に行った際の「桑栄メイト」のようなレトロさに似ています。

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福岡行のバス発車標

バスを調べてみると、どうやら長崎から佐賀へ直行で行けるバスはないようで、どうしても一度福岡に出なければならない様子です。佐世保までバスで移動して、そこからJRで移動というのも考えましたが、あいにく佐世保方面は雨が強いようでバスが運休になっていました。

ここまで来ると、もう残された長崎脱出方法はただ一つ。とりあえず福岡行のバスに乗ることです。発車標を見ると、直近で8:35発の高速バスがあるようで、窓口で乗車券を買おうとしたところ、発車直前ということで既に窓口での取り扱いは終了しているようで、直接乗車口で運転手に申し出てくださいとのこと。時計を見ると既に発車3分前だったので、急いで乗車口へと向かいます。

「スーパーノンストップ九州号」というこの高速バスは、本来ならば事前予約が必要な全席指定の高速バスのようなのですが、今回こういう事態ということで、特別に事前の予約なしで空席に乗せてもらえることになりました。

8:35、バスは定刻通り長崎駅前を出発です。「天神・博多駅行」の高速バスですので、とりあえず佐賀に寄る目的はいったん置いておいて、福岡を目指します。

www.nishitetsu.ne.jp

福岡と長崎を結ぶ高速バスは、西鉄バスが運行する「九州号」というのがありますが、九州号の中にも「スーパーノンストップ」タイプと「各停」タイプの2種類があります。またそれぞれにも経由地パターンがいくつかあるのですが、今回私が乗車する「スーパーノンストップ昭和町経由」は、長崎市内の「昭和町」バス停を経由しその先福岡までノンストップで直行するというルートを通ります。佐賀県は通りますが、一切停車しません。

長崎駅前を出ると、まずは長崎市内の「平和公園」「昭和町」と立て続けに停車。どちらのバス停からも若干の乗車があり、昭和町を出た時点でバスはほぼ満席となりました。

本来はこの後、高速道路でまっすぐ行くのですが、何と豪雨の影響で高速道路も一部区間が通行止めになっている様子。長崎自動車道の長崎多良見IC~大村IC間が通行止めということで、この区間は一般道を経由するしかありません。迂回運行となるため、遅延が発生する見込みの旨も事前に運転手さんから告げられていました。

長崎市街地を抜けたバスは、川平ICより長崎バイパスへと入ります。そして長崎多良見ICと接続する古賀市布ICで長崎自動車道に入る…のが本来のルートですが、今回はここで一般道へと降りていきます。途端にスピードは遅くなり、何度も何度も信号に引っかかる羽目になります。

国道ですからそれなりの主要道ではありますが、特急かもめも運休、高速道路も通行止めとなればやっぱり何車線もある道路でも渋滞します。諫早・木場の辺りをゆっくりと抜け、車窓左側に美しい海を見ながらの海岸線を走り、大村ICより遂に長崎自動車道へと入りました。

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長崎自動車道のルート(Wikipediahttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%B4%8E%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E9%81%93)より引用)

ここからはもうあっという間で、私が少しウトウトしている間にバスはすっかり佐賀県内を抜けていました。九州号の運行ルートでもある長崎自動車道は、現在建設中の九州新幹線西九州ルートとよく似たルートで、諫早・大村・嬉野・武雄を通り、佐賀市北部をかすめて鳥栖へと抜けていきます。

気づけばバスは福岡県内を北上しており、11:40に西鉄天神高速バスターミナルへと到着。ここが約3時間ぶりの停車となりました。ここで約半数程度のお客さんが下車していきます。

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遂に博多駅へ…!

そしてバスは福岡市内を走り、12:00頃にようやく終点の博多バスターミナルへと到着です!

博多バスターミナルはJR博多駅と直結する高速バスの一大拠点で、ここでこのままJRへと乗り換えられます。先ほど通った「西鉄天神高速バスターミナル」は西鉄天神駅と直結ということで、「天神」と「博多」はおおよそ「新宿」と「東京」のような関係といったところではないでしょうか。

長崎と福岡を結ぶスーパーノンストップ九州号は、通常両都市間の所要時間は2時間ちょっとです。ですので今回は約1時間遅れで博多へ到着したということになります。いやぁ一般道経由恐ろしやぁ…。高速道路のありがたみにも気づかされます。

さて、もう1日目の昼となってしまいましたが、ここ博多からようやく「みんなの九州きっぷ」での旅をスタートできることになります! しかし長崎はしっかり訪問したからいいとして、佐賀をスルーしてしまっています。このまま佐賀に寄らないとなると、九州7県をすべて巡る夢が潰えてしまう…。

しかも今夜の宿泊場所は、既に熊本の宿を予約済みです。今日中に何とか九州北部の都市を効率よく巡りながら、熊本へたどり着かないといけず、しかもその上九州内の個性的な列車をなるべくたくさん乗り継ぎたいというのですから、かなりじっくり行程は組み直さなければなりません。一応スーパーノンストップ九州号の車内で立てた行程はありますが、それももはやうまくいくかどうかわからないので、とりあえず気の向くまま博多から特急に乗車していきます!

 

というわけで、本日はここまで。続きは次回ご紹介します!

(写真をあまり撮れなかったので、文字多めで読みづらかったと思います。失礼しました)

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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長崎市内をスピード観光! 平和学習、グルメ、夜景…夕方からでもこんなに楽しめる!【2020-09九州3】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年9月11日(金)~14日(月)に出掛けた九州旅行の第3弾記事となります。

前回は1日目の午後、peachで成田から長崎へと移動してきました。

前回の記事をご覧になっていない方は、以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

1日目 2020年9月11日(金)③

さまざまなハプニングがありながらも、17時前にバスで長崎駅へと到着です。

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長崎駅といえばこの大屋根

長崎駅は、鳥栖を起点に延びるJR九州の「長崎本線」の終点の駅であり、頭端式ホームが並ぶ文字通りの”終着駅”です。これより先にのびるJRの線路は一切ありません。2022年度には九州新幹線(西九州ルート)が武雄温泉~長崎駅間で開業する予定となっており、この駅にはやがて在来線のみならず新幹線もやってくることになります。

博多~長崎駅間では特急〔かもめ〕が一日を通して高頻度で運行されており、また佐世保長崎駅間ではハウステンボス経由の快速〔シーサイドライナー〕が運行されています。地元の方の利用はもちろんですが、ビジネスや観光に便利な列車が数多く運行されているのです。

長崎駅といえば、今年3月末にホームが高架化されたことが大きな話題となりました。コロナ禍の一大イベントではありましたが、移行の際は多くの鉄道ファンで賑わったようです。私は今回初めて長崎駅に来たので、地上ホーム時代にこの長崎駅を利用した思い出は特に無いのですが、地上ホーム時代の面影を今でも随所に見て取ることができました。

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旧改札口付近

こちらが、今年3月末まで使用されていた旧改札口付近です。多数の自動改札機が並んでいた跡はコンクリートで埋められ、広々とした空間になっていました。また券売機やみどりの窓口有人改札等の設備の跡もはっきりとわかるほど色濃く面影が残っています。

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地上ホームは1本だけ残され、通路になっている

3月末まで使用されていた地上ホームや線路は、そのほとんどが撤去され、土がむき出しになっています。ただし高架ホームおよび新駅舎が旧駅よりも西側に造られたために、そこへと向かう連絡通路として現在も残っており、ここは改札外エリアとして通行することができます。旧駅舎の方には数々の商業施設やバス・路面電車が集約するターミナル機能があるためこちらを壊すということもできず、結果的に東口駅舎と西口駅舎は遠く離れている状況です。この2つを結ぶために、現在も地上ホームが1本だけ残され、東西を結ぶ通路として使用されているということのようです。ホーム上には、駅名標として使われていたであろう看板も黒く塞がれていながらまだ残っていました。

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新駅舎(西口)

西側に回り込んでみると、高架化を機に開業したと思われる西口の新駅舎がありました。ただ開業したといってもまだまだ工事中の箇所も多いようで、駅前のバス停もわずかにありますがそこまで発着するバスは多くないようです。新潟駅と異なり、ここ長崎駅では高架化後も一部列車が地上ホームに発着しているなどということはなく完全に高架ホームへ移行しているようですが、まだ駅周辺の整備は途上にあるということのようです。在来線の高架ホームの脇では新幹線ホームも現在建設中ですから、在来線のみが発着する高架の長崎駅は今だけの貴重な光景といえるでしょう。

長崎駅みどりの窓口で、翌日以降に使用する乗車券類を一通り発券し終えた頃には、時刻は既に17:30頃になってしまっていました。短い時間ではありますが、ここから時間の許す限りで手短に長崎観光をしていきます!

長崎は、九州内でも屈指の観光都市として、コロナ禍前は多くの観光客で賑わっていました。古くから海外とのつながりがあったこの長崎には、キリスト教関連の教会群や西洋風の街並み、また長崎新地中華街もあり、市内各所で国際色豊かな様子が見て取れます。また、今から75年前の1945年8月9日には長崎市原子爆弾が投下され、甚大な被害をもたらしたことを今に伝える負の遺産も数多く残されています。

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長崎電気軌道長崎駅前」停留所

長崎には、今も路面電車が現役で活躍しております。かつてはどの都道府県にもあった路面電車ですが、今では首都圏だと東京の都電荒川線くらいになってしまいました。しかし西日本を中心に今も路面電車が活躍する都市はいくつかあり、長崎もその一つというわけです。

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長崎電気軌道路線図(公式HPより→http://www.naga-den.com/publics/index/9/

長崎駅よりも南側を中心に、JRではカバーしきれないエリアで広く運行されており、観光にもぴったりの移動手段となっています。今回はまず、長崎駅前から赤迫行に乗車して浦上方面へと向かっていきます!

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赤迫行がやってきた

長崎駅前を17:36に発車する赤迫行は、1系統なので崇福寺方面からやってきた列車ということになります。時刻表はありますが、道路状況にも左右されるため参考程度といったところでしょう。乗車区間に関わらず1乗車130円とかなりリーズナブルで、1日乗車券は500円なので4回以上乗れば元が取れる計算です。Suica等の主要な交通系ICカードも一通り使えるので、かなり便利な路面電車といっていいと思います。

長崎駅前から11分ほど乗車し、17:47に「平和公園」停留所へと到着。ここで下車します。

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少しの時間ですが平和学習

ここはその名の通り、原爆が投下された場所で、その跡地が原爆資料館平和公園等として整備されています。あいにく屋内施設は閉館時間を迎えてしまったため訪問できませんでしたが、長﨑に来た以上は平和祈念像を見ておくことにします。

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平和祈念像

この平和公園は、かつて受刑者を収容する刑務所があった場所のようなのですが、爆心地から非常に近く、原爆投下とともに受刑者・所員の方々は亡くなられたようです。現在も建物の基礎が部分的に残されています。

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刑務所があった

また、平和公園とは道を挟んで反対側に爆心地があり、こちらも広場として整備されています。この爆心地には慰霊碑が建っており、人気もなく厳かな雰囲気です。

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殉職者慰霊碑

また、少し時間があるので、浦上天主堂の方へ行ってみることに。平和公園からはわりかしすぐの距離にあります。

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浦上天主堂

平和公園の裏の坂を上り、しばらくすると見えてくるこの「浦上天主堂」。長崎市内にはこうしたキリスト教関連施設が多数存在しています。中まで入って見学したりというと時間的に制約があったり事前の予約が必要だったりというところが多いですが、外観だけなら24時間いつでも見ることができそうです。

そろそろお腹も空いてきたので、ここで夕食としておきます。

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大華飯店

長崎の名物といえば「ちゃんぽん」「皿うどん」あたりでしょうか。浦上天主堂までの坂の途中にあるお店に立ち寄りました。浦上天主堂のすぐ近くということで、普段なら観光客で賑わうのでしょうが、この日はかなり静かでお客さんは私のほかに数名程度しかいませんでした。

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ちゃんぽん(650円)

ちゃんぽん(650円)は野菜がたっぷりのって食べ応え満点。スープには濃厚さもありながらさらっとした味わいなので重くなく、とっても美味しく完食しました!

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今度は赤と白

それでは平和公園停留所に戻り、反対方面の路面電車に乗っていきます。辺りはすっかり暗くなりまして、赤と白の車体は夜でもしっかり映えます。

9分ほど乗車し、宝町という停留所で下車。ここからしばらく歩き、長崎ロープウェイ乗り場へと向かいます。

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長崎ロープウェイ乗り場に到着!

道行く人が全然いないので不安でしたが、10数分程度歩き長崎ロープウェイ乗り場に到着! このロープウェイに乗り、稲佐山展望台からの夜景を是非とも見ておきたいと思います!

ロープウェイの往復運賃は1,250円。なかなか割高のようにも思いますが、長崎に来ておいて稲佐山からの夜景を見ないわけにはいきません。数分で頂上に到着し、さらに歩き進めて展望台の頂上へと向かいます。

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稲佐山からの夜景は最高!

そして頂上からの眺めがこちら! いやぁ息を呑む美しさです! 写真の中央部に見えているのが長崎駅の高架ホームで、明かりがこうこうと点いているのがわかります。線路はそこから写真左側にかけてまっすぐのび、長崎駅の右側(南側)は湾になっています。長崎駅の南西方向に広がる繁華街は新地中華街の辺りで、特に明るく光り輝いている様子がわかります。

展望台は観光客でそれなりに混雑していましたが、それでもコロナ禍ということで通常の週末と比べたら人出は落ち着いていたのかもしれません。反対方向のロープウェイに乗り、山麓まで戻ってきました。

ロープウェイ乗り場から長崎駅に戻るには、来るときと同じように宝町停留所まで歩いてもいいのですが、よりスマートなのはバスです。「ロープウェイ前」バス停を20:14に出るダイヤランド行の長崎バスに乗車します。長崎駅前までは6分、160円とこちらもかなりリーズナブル。

そして長崎駅前に戻ってくると、バスは偶然にも今回私が宿泊する「アパホテル長崎駅」の目の前に停車。バスを降りて5秒でフロントです(笑)。

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無料でアップグレード

今回は、シングル素泊まりで1泊4,400円のところ、毎度おなじみGoToトラベルで35%OFFとなるので2,860円です。いや~相変わらず安い。しかも空室に余裕があったのか、何とシングルでの予約にも関わらず無料でアップグレードしてくださいました! 確かにシングルルームでは若干手狭な感じはするので、ツインルームだとかなり広いですが、しかし2人分のベッドメイクやアメニティ類も一通り準備されており、1人で泊まるのがやや寂しくなりました(笑)。

この後はこのホテルの部屋からYouTubeライブ配信をしましたので、その様子は是非以下のURLからご覧ください!

▼2020/09/11 YouTubeライブ配信アーカイブ

https://youtu.be/md7-1IpCLv8

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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狭い?安い?サービスは? LCCを初心者目線で徹底解説! 成田→長崎の旅【2020-09九州2】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は2020年9月11日(金)~14日(月)に出掛けた九州一周旅行の第2弾記事です!

前回はアクセス特急で成田空港へとやってきたので、航空機を利用しいよいよ九州へ向けて飛び立ちたいと思います!

前回の様子をご覧になっていない方は、以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

1日目 2020年9月11日(金)②

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成田スカイアクセス線の空港第2ビル駅

横浜から特急 成田空港行に乗車し、終点の一つ手前「空港第2ビル駅」には10:53に到着。

ここから今回利用する「成田第3ターミナル」へと向かっていきます。

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いったん屋外に出る

今回はLCC(格安航空会社)peach aviationを利用して、ここ成田から長崎へと飛び立ちます。大手航空会社は羽田を拠点に全国各地へ国内線の便を充実させていますが、LCCは多くの場合、東京の拠点が羽田ではなく成田となります。peachでは1日1本だけ、成田12:00→長崎14:15の便があるということなので、今回はそれを利用することにしました。

peachには「シンプルピーチ」「バリューピーチ」「プライムピーチ」の3段階の運賃があり、それぞれ運賃に含まれるサービス内容が異なりますが、今回は最も標準的な「バリューピーチ」で予約。諸手数料等込みで成田→長崎は7,150円でした。LCCとしては決して安くない価格かもしれませんが、金曜日にこの金額で関東から長崎に移動できると思えば許容範囲かなと思います。

成田空港では、数年前にLCC専用のターミナルである「第3ターミナル」ができ、鉄道駅の最寄りは「空港第2ビル駅」となっています。ただ、実際には空港第2ビル駅から成田第3ターミナルへと向かっていきます。

第3ターミナルへは、空港内を運行する無料シャトルバスもありますが、歩いていくことも可能ということで、今回は歩きます。

空港内各所を結ぶターミナル間連絡バスが発着する乗り場を横目に、青と赤の2色の陸上トラックのような道を進んでいきます。おそらくですが右側通行で、青は第2ターミナル→第3ターミナルへ、赤はその逆という意味だったと思います(違っていたらごめんなさい)。

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運命の分かれ道

少し進むと、青い道が二手に分かれます。左へ行けば第3ターミナル行バス乗り場、右は屋根付きの連絡通路が続きます。足元には「500m」の文字。京葉線の東京駅を彷彿とさせます。

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まるで洞穴のようなマップ

連絡通路は空港敷地内の屋外を歩きますが、ずっと屋根があるので雨でも安心です。というか私が実際に利用した際も強い雨が降っていましたが濡れることはありませんでした。かなりうねうねと蛇行する通路ですが、一本道で足元には青と赤のラインがずっと続くので迷うことはないかと思います。

そうして歩くこと約10分、ついに成田空港第3ターミナルへと到着です!

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青いラインは保安検査場の方へと続く

ターミナルビルに入ると、まずは各航空会社のチェックインカウンターが並びます。第3ターミナルに就航する航空会社は、Jetstar/peach/春秋航空などなど。現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため国際便はほぼ欠航となっているようで、ターミナルビル内に外国の方の姿はあまりありません。ターミナル内のにぎわいとして、果たしてこの人の量がいつもより多いのか少ないのかなどはわかりませんが、特に人混みで前に進めないとかそんな混雑していたわけではありませんでした。

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鉄道とは違った面白さがある

チェックインカウンターの前で改めて出発時刻等を確認します。長崎行は12:00に出発ということで、チェックインは出発30分前の11:30までに済ませる必要があります。私は今回、peachの公式サイトから予約をし、送られてきた確認メールに添付されているQRコードをチェックインの機械で読み取るだけなのでとってもシンプル。チェックインは一瞬で終わりました。

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フードコートもある

ターミナルビル内には、フードコートや土産物屋など、一通りの設備が揃っています。ただ、あくまでもLCCを使う人向けのターミナルですから、湯水のごとくお金を使うというよりは必要分だけ物を買ったり食事をしたり、という人が多いのではないかなと思いました。勝手な偏見ですが。

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いざ保安検査場へ!

それでは、保安検査場へと向かっていきます! 左へ進むと国内線、右は国際線ですが、このご時世なのでほとんどの人が国内線利用者です。

この保安検査というものが私はなかなか苦手で、持っている荷物や身に着けているものを一度取ってカゴの上に載せなきゃいけないというのが何とも面倒だなと感じてしまいます(笑)。もちろん必要でやっていることではありますが、あくまでも鉄道ファンとして、鉄道を利用する機会の多い私には何度やっても慣れない検査です。

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ツッコミどころ満載

無事に保安検査場を抜け、今度はその先のモニターで搭乗ゲートを確認します。12:00発の長崎行は150Dというゲートから搭乗するようなので、そこへ向かうことになります。

初めてのLCCで、今までJALANAにばかり乗ってきた私にとってはこのモニターはとても新鮮です。というのも、複数の便の備考欄に「バス」と書かれています。つまり搭乗ゲートから直接ボーディングブリッジがのびて機体へ繋がっているわけではなく、機体がターミナルビルから離れているために搭乗ゲートをくぐった後にバスで機体の横まで乗りつけるのです。昨今の大手航空会社ではめったに行われない搭乗方法のようですが、LCCではこれが珍しくありません。

また、私が乗る便とは関係ありませんが、12:40発の高知行の備考欄をご覧ください。「引き返すことがあります」との文字がありますが、これはどうやら高知空港周辺の天候が安定しないようで、もし高知到着時に天候が荒れていて高知に着陸できないと判断した時は成田まで戻ってくるのだそうです。別に成田まで戻らなくても、関西空港とかあるじゃん…(笑)と思うのですが、そういうわけにもいかないのでしょうね。LCCならではかどうかはわかりませんが、なかなか興味深いものでした。

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牢屋のような搭乗ゲート

私が利用するゲートは150Dというところなので、150A~Dの4つの搭乗ゲートが並ぶエリアへと進んでいきました。この場所に、出発の20分前、すなわち11:40までに来る必要があります。もちろん余裕でしたが。

見てみると、ゲートの位置と形が明らかに普通のそれとは異なっています。大手の場合はボーディングブリッジですから、ゲートはガラス窓のそばにあり、その先長い通路が続きます。しかしここでは、建物の中央に牢屋のような箱があり、その下へと続く先の見えない階段が続いています。まるで底なしの牢屋のようです(笑)。

これはつまり、ゲートを通った後、牢屋内の階段を下りて地上に向かい、そこでバスに乗車するということになります。こんなゲートは初めて見たのでなかなかに新鮮でした。

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こういう景色がやっぱり面白い

ゲートの付近で、椅子に腰かけながら搭乗開始を待ちます。窓の外には、いくつもの機体がずらり。しかしその尾翼に描かれたロゴは「JAL」「ANA」ではなく「Jetstar」「peach」。第3ターミナルらしい光景かもしれません。

しかしここで問題発生。11:40を過ぎても、搭乗開始されません。既にゲートには、私と同じく長崎行に搭乗する予定の人が多数待機しています。どうやら、この成田空港周辺で雷雨となっており、航空機への搭乗を一時的に見合わせているとのこと。

窓の外を見てみると、確かに雲は多いですが、雨は降ったりやんだりといった様子。突発的にザーッと夕立ちのように降ったかと思えば、次の瞬間にはやんでいるような光景を繰り返しています。「LCCだから」ということではないかもしれませんが、天候に大きく左右されやすいのは航空機の難点かもしれませんね。

その後待つこと約40分、12:20頃より遂に搭乗が開始されました。いや、ここ一瞬で書きましたが、エライ待ち時間でしたからね(笑)。幸いコンセントのあるスペースにいることができて、電源は確保されていましたが、それでもなかなかです。どうやら天候が安定してきたということで、ようやく搭乗開始できるようになったみたいです。

ゲートをくぐり、階段を下って滑走路へ。そこでバスに乗り込み、機体へと向かいます。

バスは路線バスのような大きさですが、ドアは前・中央・後と計3つあります。長崎行の乗客は、バス2台に分乗して、機体へと向かっていきます。

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成田空港ってかもはや芝山千代田

バスの乗車時間は10分かそこらですが、この間に空港内を大移動していました(笑)。写真の一番上のあたりに見切れているのが第3ターミナルビルですが、そこから第2・第1ターミナルをもかすめて空港の南側へ。機体がこちらの辺りに置かれているということで、芝山千代田駅が目と鼻の先というところまで移動してきました。こんな大移動も、大手ならまずないことですね。

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フライングホヌ?

ところがここで、さらなる問題が。バスを降りようとしたまさにその時、再び大雨が降りだしてしまったのです。バスとタラップの間はわずかですが屋根のない滑走路を歩きます。ですから再度降り出した雨がやまない限りは搭乗できないということで、機体を目前にしてさらに30分ほどバスの車内で待つことになりました。隣にとまっているANAのフライングホヌの微笑みすら皮肉の笑みにみえてきます(笑)。

そして13時を過ぎ、今頃は遥か彼方の関西地方を飛んでいたであろう頃、ようやく雨と雷がやみ、搭乗できるようになりました。合計1時間以上も待っていたわけですから、待ちに待った搭乗です。とりあえず欠航とかにならなくてよかったと心から思いました。

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そこまで狭くはない機内

乗客全員の搭乗はわずか数分で完了し、キャビンアテンダントから各種案内や注意事項等の説明がなされました。

座席は3+3列で、紫や黒を基調とした革張りのシートが並びます。大手航空会社と異なりビジネスクラスやファーストクラスの座席はなく、すべてがエコノミークラス相当の座席となっています。前後左右の間隔は思いのほか大手のエコノミークラスと変わらず、特にこの座席でいえば足元のスペースが広いなという印象を受けました。普段私は荷物を前の座席の下にしまうことが多いので、これはありがたいです!

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依然として雲は多い

13:16には機体が動き出し、滑走路を走り始めます。そして13:31、ついに離陸! 成田の空を飛び立ち、一路長崎を目指します。定刻より1時間以上の遅延をもっての離陸となりました。これもLCCならではなのでしょうか…? わかりませんが。

すぐに成田の街は小さくなっていき、窓から入る光がまぶしすぎるためシェードを下ろしておきました。上空は雲が多く、一面真っ白といった様子です。雨こそ降っていないものの、やはり依然として天候は微妙のようです。程なくしてベルト着用サインは消えました。

peachLCCなので、JALANAと異なり、サービス面において可能な限りのコストカットを図っています。通常なら航空運賃に含まれる機内食やドリンクのサービスも有料で、キャビンアテンダントの方から「ご希望の方は…」等という案内がありますが私が見たところ注文している方はいらっしゃらないように見えました。

また、各座席にコンセントやモニター等はなく、機内で利用できるWi-Fiサービスもありません。これらについては、大手の航空会社でも設置されていない場合があるでしょうが、LCCにおいてもこの辺りのコストカットは徹底して行われています。「機内で少しでも快適に過ごそう」というよりは「とりあえず安全に移動できればいい」といった程度のものとみてよさそうです。

機内では徒にスマホをいじったり、また少し窓の外を覗いたりして時間を潰します。新型コロナ対策か、3列あるうちの真ん中の座席には人がいない列が多く、みな機内での密着を避けて搭乗しているものと思われます(もしくは発売制限?)。

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長崎の島々が見えてきた!

適当に過ごしているうちに、再びベルト着用サインが点灯。もうすぐ目的地に到着する証です。窓の外を見てみると、広い海とそこに浮かぶ大小さまざまな島々が見えました! 長崎がもう近づいているのだと実感します。

そして海面すれすれを飛行しながら、15:08に長崎空港の滑走路へと着陸しました。長崎空港海上の埋め立て地に造られているため、着陸の直前まで陸が見えずなかなかスリルがあります。15:13に機体が停止し、こちらではボーディングブリッジでターミナルビルと直接繋がりました。わずかながら遅延を回復させ、約1時間遅れでの到着です。

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地方空港は新鮮

長崎空港は、長崎市内からはかなり離れた大村市内にあります。九州ではどの県にも空港がありますが、私はそうした地方空港を利用した経験があまりないので、こうした地方空港の規模感がとても新鮮でした。ターミナルビルはわりかしコンパクトですが一通りの商業施設等は揃っていて、ターミナルビルを出ると広大な駐車場があります(地方の空港はだいたいこんな感じかと思いますが)。

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空港から各方面へのバスの発車標

長崎空港からは、長崎県内各方面へ路線バスや高速バスのネットワークが整備されています。大きく分けると「長崎市内方面」「ハウステンボス佐世保方面」「大村方面」といったようなところでしょうか。長崎市内方面や佐世保方面へは大型バスとなりますが、大村の市街地へは非常に近いため路線バスでの運行となっています。

今回は長崎市内方面へと向かうので、4or5番のりばから出るバスに乗ろう…と思った矢先、何と次のバスは17:00までないことが判明。まだ15時過ぎですから、2時間近く待つはめになってしまいます。おそらく、飛行機が定時での運行ならバスが接続していたのでしょうが、飛行機の遅延によりバスのダイヤと噛み合わなくなってしまったものと思われます。

これはさすがにタイムロスなので、15:50に3番のりばから発車する大村・諫早方面行の路線バスに乗り、大村駅で長崎行のJR大村線シーサイドライナー」に乗り換えようとしました。

しかし、3番のりばで大村方面のバスを待っていると、どうやら長崎市内方面行の臨時増発バスが出るらしいことが判明。慌てて5番のりばに並び直します。

程なくして大型バスがやってきました。成田からやってきたたくさんの乗客をのせ、バスは15:48頃に長崎空港を出発です。

長崎空港から長崎市内へは、通常複数の停車パターンがあるようですが、今回乗車している臨時バスがそのどれに属するかはよくわかりません。ただ、途中停車地がいくつか設定されており、長崎空港を出ると試験場前、桜馬場、植松東、大村木場、諫早インター、バイパス多良見、昭和町、長大東門前、大橋、平和公園、浜口町、浦上駅前、ココウォーク茂里町、宝町に停車していきました。大村IC~川平IC間で長崎自動車道を利用しましたので、おそらく高速バスと呼んで差し支えないのかな…? とも思いますが、その割には停留所が多く、バスの車内には運賃表モニターや降車ボタンといった路線バス的な設備も整えられていました。諫早インターは降車専用のバス停のようで、降車ボタンが押されない場合は通過となるようです。

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当初予定より1時間半遅れで到着

長崎空港を出てから約1時間、バスは最終的に16:46頃、終点の長崎駅へと到着しました。運賃は1,000円となかなかのお値段で、長崎空港は決して長崎市内から近くないことがよくわかります。当初組んでいたスケジュールよりも約1時間半の遅れをもって到着しました。

というわけで、なかなか大変な道のりでしたが、何とか長崎に到着することができたということで、今回はここまでにさせていただきます。

次回の記事では、わずかな時間ですが長崎市内観光などをしてきたので、その様子もご紹介できたらと思います!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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