わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

10時間越しに念願の佐賀へ上陸! 個性的な新幹線&特急を乗り継いで熊本へ【2020-09九州7】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は2020年9月に3泊4日で出かけた九州旅行の第7弾記事ということで、2日目の夜の鳥栖駅からスタートです。

前回は大分から久留米へ、久大本線を大横断してきましたので、その様子は以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

2日目 2020年9月12日(土)④

特急〔ゆふいんの森6号〕博多行で、鳥栖駅には18:55に到着。博多駅まではもうあと少しですが、ここで下車します。

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夜の鳥栖駅

鹿児島本線の主要駅であるとともに、佐賀・長崎方面へのびる長崎本線の起点駅でもある鳥栖駅。在来線の重要な交通の拠点で、基本的にいつの時代もすべての旅客列車が停車します。かつては本州方面からやってきたブルートレインが長崎・熊本方面に分かれる際に、この鳥栖駅で車両の切り離しを行っていたこともありました。

サッカーチームの「サガン鳥栖」のホームグラウンドがあることでも有名なこの鳥栖ですが、鉄道ファン的にはその古くから変わらない駅の造りがよく注目されているようです。駅舎や連絡通路等の設備はとても古く、ずらっと並ぶ地上ホームは鉄道ファン垂涎のポイントだったりします。

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かもめ号はまだ遅れているの…?

しかし、以前のブログ記事でもお話した通り、私のこの日の宿泊地は熊本で、既に宿の予約を前もってしてありました。なので何としてもこの日のうちに熊本へたどりつかなければなりません。一方で、「土日2日間で九州7県すべての県庁所在地を巡り、その県のご当地グルメを味わいながら、九州各地の個性的な列車にじゃんじゃん乗っていく」という今回の旅のテーマを蔑ろにするわけにはいきません。鳥栖からまっすぐ熊本に向かうことは簡単ですが、それだと佐賀を経由しないので、「九州7県の県庁所在地制覇」とは言えなくなってしまうのです。

そんな謎のこだわりから、佐賀へいったん立ち寄り、佐賀のご当地グルメを味わってから当日中に熊本へ向かうプランを急遽立てました。未明の長崎県内豪雨の影響でこの日の予定は大きく狂わされたわけですが、県庁所在地をすべて巡り、その土地のグルメを味わっていくというテーマは確実に遂行していきます。

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鳥栖18:58発 特急〔みどり23号〕佐世保

というわけで、鳥栖駅ではわずか3分の乗り換えの後、長崎本線へと入る特急〔みどり23号〕佐世保に乗車していきます! 鳥栖佐賀駅間は特急に乗るほどの長距離というわけでもないのですが、今回利用している「みんなの九州きっぷ」は特急自由席にも乗り放題ということで、鈍行でも特急でも新幹線でも「とりあえず来たやつ」に乗ればいいというわけです。これはめちゃくちゃ便利。

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今でも九州は方向幕が主流なので嬉しい

やってきた車両はド派手なオレンジ色の車体で、スパッと斜めに切ったような顔をしています。方向幕には「特急みどり 佐世保」とありますが、この編成はハウステンボス方面での運用を想定して造られた車両のようで、すっかり日が暮れた夜の鳥栖駅から乗車するにも目が覚めるような明るい色使いの車体です。

定刻通り鳥栖駅を発車し、鹿児島本線と分岐して長崎本線へと入っていきます。

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佐賀・長崎エリア特急運行系統図

ここで佐賀・長崎エリアの在来線特急がどのような運行体系になっているかを簡単に解説しておきます。博多から佐賀を経由して長崎県内各地を結ぶ特急は3種類あり、それぞれ上図のようなルートを通ります。〔かもめ〕は鳥栖長崎駅間の全区間長崎本線ですが、〔みどり〕〔ハウステンボス〕は途中の肥前山口より先で佐世保線に入ります。そして早岐で分かれ、〔ハウステンボス〕については少しだけ大村線へと入ります。〔みどり〕と〔ハウステンボス〕は博多~早岐駅間で連結して運行されることが多いようです。

かつては肥前山口より先、早岐ハウステンボス方面へ向かうルートが「長崎本線」だったのですが、海側を走る新線が建設されたことにより〔かもめ〕は新線経由となりました。長崎・ハウステンボス佐世保を結ぶ快速列車としては「シーサイドライナー」が比較的高頻度で運行されています。

また、肥前山口早岐駅間には、武雄、有田などの主要都市が続きます。2022年秋には九州新幹線西九州ルートが開業予定となっており、その区間はひとまず武雄温泉~長崎駅間となる予定です。博多~佐賀~武雄温泉駅間は引き続き在来線特急での運行となるようで、博多・佐賀方面と長崎方面を行き来するのに武雄温泉での乗り換えが必須となる見込みで、利便性の低下は避けられない様相です。2年後にはこの地域の特急体系は大きく変化しているものと思われます。

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某人気アニメを彷彿とさせるモケット

それはそうと、このハウステンボス編成はとにかく車内も華やか。座席のモケットは緑と白のチェック柄で、某人気アニメ「鬼○の刃」を彷彿とさせます(笑)。写真を見るとふかふかなようにも見えるかもしれませんが、見た目よりも硬く、沈み込むというよりは安定感のある座り心地でした。またシェードではなくカーテンが取り付けられていますが、このカーテンにも様々な花の図柄が描かれています。

列車は8両編成で運行中で、自由席もかなり空席には余裕があります。わずか20分ほどの乗車ですが、19:15に途中の佐賀駅へと到着!

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当初予定より10時間以上遅れ(笑)

鳥栖からわずか25.0km、博多からでもわずか53.6kmとかなり近い場所にある佐賀駅は、もちろん佐賀県佐賀市の代表駅。長崎本線の他に、西唐津方面へと向かう唐津線の列車も乗り入れます。

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これが駅構内のほぼ全景

すべての特急が停車する主要駅で、決して利用客も少なくないとは思うのですが、しかしなんともいえない駅の小ささがその最大の特徴です。2面4線の高架ホームの真下にコンコースや改札口がありますが、週末の夜にもかかわらず人影はまばら。列車の往来はそれなりにあるのですが、県下最大のターミナル駅という雰囲気はあまりありません。

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高架ホームは立派だけど

駅の北口と南口にはそれぞれロータリーがあり、賑わっているといえば賑わっているのかもしれませんが、もしかすると繁華街は駅から少し離れた場所にあるというパターンかもしれません。また九州最大都市である博多駅からそこまで離れていないということもあってか、新幹線建設に反対する理由が何となくわかるような気もしました。

駅構内には「えきマチ1丁目」という商業施設が併設されています。ここでとある佐賀銘菓を入手し、短い滞在時間ではありましたが佐賀を離れることにします。佐賀でゆっくり夕食など食べていては、熊本へ到着するのが深夜になってしまうのです。

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これだけ見ると東京都心並みの高頻度運転

佐賀の滞在時間はわずか22分間でしたが、反対方面の列車で佐賀を離れ、いよいよこの日の最終目的地である熊本へと向かっていくことにします。乗車するのは19:37発の特急〔かもめ38号〕博多行です。

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白い885系が入線!

さてやってきたこちらが主力車両「885系」です。ジャンボジェットのような顔をした真っ白な先頭車両が印象的です。長崎からやってきた列車ということで、佐賀はあくまでも途中停車駅なので、停車時間はわずかです。早速乗り込み、定刻通り発車。朝は完全にストップしていた長崎本線ですが、この時間になるとほぼ通常通りの運転に戻っていたようです。

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これまたデラックスな椅子

自由席車両に乗り込みますが、こちらも先ほどの「みどり」同様、かなり座席に余裕がある様子。真っ白な車体とは裏腹に自由席の車内には真っ黒な椅子が並びますが、何だか特急の座席というよりはオフィスチェアのような造りをしています。前後の間隔もなかなか広く、「本当に自由席か?」と目を疑ってしまうほどです。

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短い乗車でした

しかしそんな快適な移動もつかの間、列車は次の停車駅である新鳥栖に到着。ここで九州新幹線へ乗り換えとなるため、下車しなければなりません。わずか12分間の乗車で、本当にあっという間でした。

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新鳥栖駅在来線ホーム

新鳥栖駅は、先ほどの鳥栖駅から1駅西に進んだところにある長崎本線九州新幹線の駅で、九州新幹線鹿児島ルートが全線開業となった2011年3月12日に合わせてこちらも開業しました。新幹線と在来線の乗り換え駅として、在来線特急は全列車が停車します。また九州新幹線では最速達の〔みずほ〕以外すべて停車します。

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駅舎は革新的なデザイン

2011年に完全な新駅として開業したため、駅周辺が昔から発展していたわけではなく、夜になるとかなり暗い印象です。新幹線改札と在来線改札は完全に分離されており、乗り換え改札はないので、どのようなきっぷを持っていても一度在来線改札を出てから新幹線改札に入るという形になります。

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最近の駅でも駅名標はこのデザイン

この新鳥栖駅の面白いのは、現時点で佐賀県内唯一の新幹線駅ということです。九州新幹線鹿児島ルートであっても博多から南下する際にいったん佐賀県を通ってから熊本・鹿児島方面へと抜けていくので、実はあれほど新幹線に反対している佐賀県には既に新幹線が通っていて、駅も設置されているというのが何とも皮肉な話です(笑)。

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自動改札機が2台しかない新鳥栖駅新幹線改札

それではいよいよ九州新幹線に乗車し、熊本へと向かっていきます!

今回利用している「みんなの九州きっぷ」では新幹線特急料金も含まれていますから、特急料金の高い新幹線に乗車すればお得感が一気に増します!

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独特な駅名標

九州新幹線駅名標は何とも独特なデザインで、濃い青一色に白抜きで文字が書かれています。2004年に先行開業した新八代鹿児島中央駅間はもちろんのこと、2011年に開業した残りの区間もすべてこのデザインです。

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夢にまでみた九州新幹線に初乗車!

新鳥栖から乗車するのは、19:57発の〔つばめ341号〕熊本行です。九州新幹線には〔みずほ〕〔さくら〕〔つばめ〕の3種類があり、その中でも必ず各駅に停車するのが〔つばめ〕となっています。〔みずほ〕は東海道でいうところの〔のぞみ〕にあたり、博多~鹿児島中央駅間の途中停車駅は熊本のみ。〔さくら〕は同じく〔ひかり〕にあたり、比較的こまめに停車しますが熊本以北では通過駅多めといったパターンで運行しています。〔みずほ〕〔さくら〕は山陽新幹線に直通して新大阪まで運転されることが多いですが、〔つばめ〕は基本的に九州内で完結します。

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800系が入線!

ホームで待っていると、800系新幹線がやってきました! 九州新幹線では「800系」と「N700系」が使用されており、前者が主に「つばめ」、後者が「みずほ・さくら」となることが多いようですが、しかし絶対というわけでもないそうです。

停車時間はわずかなのでさっそく乗り込み、定刻通り新鳥栖を発車。終点熊本まで、約35分間の旅を楽しみます。

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何と貸切

列車は6両編成で、前寄り1~3号車が自由席となっています。先頭1号車に入ってみると…何と貸切でした! 土曜日の夜のつばめ号ってこんなに空いているものなのでしょうか? 驚きました。

九州新幹線ということで、車内はかなり個性的です。まず何より、新幹線の普通車自由席にも関わらず2+2列のシート。全国的には新幹線の自由席というと2+3列が一般的ですから、これはかなりゆとりがあります。上越新幹線E4系の2階自由席には見習ってほしいものです。

しかも座席のモケットもかなり華やかな柄で、新幹線といえど乗ること自体が楽しみになる「観光列車」のような雰囲気が漂います。

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佐賀銘菓「丸芳露」&「花ぼうろ」

それではこのガラガラつばめの車内で、佐賀駅にて購入した銘菓「丸芳露」と「花ぼうろ」の2つを食べていきます!

佐賀グルメというとなかなかみなさんパッと思い浮かぶものはあまり多くなかったりするかもしれませんが、今や全国どこでも食べられるおなじみのお菓子「ぼうろ」はこの佐賀県の「北島」さんという老舗のお菓子屋さんが元祖のようです!

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丸芳露(86円)

最もスタンダードな「丸芳露」は1枚なんと86円。激安です。今回はバラで購入しましたが、たぶん多くの方が10枚とか入っているような箱買いをされると思います。サクサクなのにしっとり、ふわふわとした食感も味わえて、ほんのり甘くとっても美味しいです!

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花ぼうろ(172円)

花ぼうろ(172円)の方は、とにかくふわっふわの食感で、中にあんずのジャムがサンドされています。これまたちょっと贅沢なぼうろということで、とっても美味しかったです!

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さすが新幹線

外はすっかり暗いですが、そんな真っ暗闇をつばめ341号は激走していきます。おそらく260km/hが最高時速かと思いますが、ほぼトップスピードで走りながら各駅に停車していきます。新大牟田新玉名とこの辺は新幹線単独駅が続くのも特徴的です。

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熊本に到着!

そして20:33、ついに終点の熊本駅へと到着です!

九州5県目、熊本県には初上陸となりました。

列車は到着後、回送列車となっていくようです。

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人影まばら

熊本駅は新幹線、在来線とも高架ホームで、改札口が地上にあるタイプの駅となっています。九州新幹線のほか、在来線は鹿児島本線豊肥本線三角線の列車が乗り入れます。

改札口を出てすぐのところにある「肥後よかモン市場」には、飲食店や土産物屋さんが多数集結しています。夕食をここで食べようかと思ったのですが、新型コロナ対策で多くのお店が既に営業時間を過ぎており閉まっていました。

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熊本駅白川口

九州新幹線開業を機に大きく変貌を遂げた熊本駅舎は、夜になると光に煌々と照らされて何とも神秘的な感じがします。駅周辺はまだまだ再開発の途上といった様子で、工事のために仮設の通路等が設けられています。

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ペデストリアンデッキを渡る

駅から北東方向へのびるペデストリアンデッキを渡り、とりあえず今夜の宿に向かいます。本当は熊本城を外からだけでも見たかったのですが、実は熊本城や熊本の市街地は熊本駅からかなり離れており、市電に乗って延々移動しなければならないため、今回はあえなく断念。ホテルへと直行します。

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HOTEL THE GATE KUMAMOTO

この日の宿は、熊本駅の目の前にある「HOTEL THE GATE KUMAMOTO」。じゃらんからの予約で、1泊3,000円のところGoToトラベル適用で何と1,950円で泊まることができました。

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案外広々な部屋

ここのホテル、普通のホテルとも異なりますが、カプセルホテルよりは豪華ということで何とも表現が難しいのですが、部屋の中にはベッドが1つとそれと同じくらいのカーペット敷きスペース、ロッカーがあります。ドアに鍵はついているのですが、壁はパーティションのような感じで上側が開いているので密室ではありません。部屋の中で自由に声を出すということはできませんが、プライベート空間は確保されており、とても快適に過ごせます。

いったんこの部屋に荷物を置いて、夕食を食べに熊本の街へ繰り出します。時刻は既に21時を過ぎております。

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黒龍江本店

とはいっても先ほども述べたように、熊本の繁華街は駅からかなり離れています。そっちまで出る気力はなかったですが、コンビニ飯などではなく何とかして熊本のグルメを!ということで、駅近くの「黒龍江本店」で本場の熊本ラーメンを味わうことに!

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黒いスープが特徴的

メニューはいろいろありますが、最もオーソドックスな750円のラーメンを注文。九州ならではの細麺で、豚骨ベースのスープは濃厚さもありながら、あっさりしていて食べやすいなと思いました。これは本当に美味しい! 熊本駅に到着してから偶然見つけたお店ですが、是非また熊本に来た際は立ち寄りたいと思います。

それではホテルに戻り、翌日に備えることにします。朝から晩まで本当にいろんなことがありましたが、何とか予定通り熊本にたどり着けて何より安心しました。ここまでで北九州を中心に5県を巡ってきましたので、残る2県を日曜日にじっくり巡っていきたいと思います!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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