わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【謹賀新年】2024年元旦は東経135度のまち「兵庫県明石市」で初日の出!

 

皆様、新年あけましておめでとうございます。わたかわです。

本年も「わたかわ 鉄道&旅行ブログ」をどうぞよろしくお願い致します。

 

年始のご挨拶に先立ちまして、まずは2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

まだ事態の整理がつかず辛い思いをされている方々も多くいらっしゃることかとは存じますが、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

 

2024年1月1日

さて、1年の始まり。まだ夜が明けきらない未明の新大阪駅へとやってきました。

本日はこれより、私の中で毎年恒例となっている「初日の出鑑賞」へ出かけたいと思います。

昨年は大みそかの深夜23時台に新宿駅を発車する臨時特急〔外房初日の出号〕にて千葉県・瀬戸浜海岸に昇る初日の出を観賞しましたが、さて今年はどこへ向かうかというと…。

兵庫県明石市「大蔵海岸」です!

朝6時を迎えると、各方面へと向かう新幹線が一斉に走り始めます。新大阪から博多・鹿児島中央方面へはおなじみ6時00分発の〔みずほ601号〕鹿児島中央行がありますが、今回乗車するのはその1本後の6時06分発〔ひかり591号〕博多行です。

現在の〔ひかり〕の主な運行区間は東京~新大阪・岡山駅間ですが、その先の広島・博多まで乗り入れる便もわずかながら存在します。今回は兵庫県明石市が目的地ですので、新神戸の次の「西明石」までの乗車となります。

使用車両はN700系(16両編成)で、東海道新幹線内で使用されるのと同様の編成です。発車15分前ほどにホームへ上がりましたが、既に入線していました。

この列車の自由席は1~6,15,16号車です。新大阪発車時点では各車両数名程度ずつの乗車率で、号車によっては貸切状態というところもあったようです。

6時06分、列車は定刻通りに新大阪駅を発車。この先新尾道と厚狭以外の全ての駅に停車します。

今回はおなじみ「スマートEX」で新大阪から西明石までの自由席を購入しています。座席・列車の指定がなされないので「予約」というのとはやや異なりますが、指定席と同様に交通系ICカード1枚で乗れるのはとても便利です。

新大阪~西明石の新幹線自由席は2,710円(乗車券+自由席特急券)です。これは紙のきっぷでもスマートEXでも同額で、同区間を在来線普通列車で移動すればわずか950円で済むところ約3倍の金額をかけていることになります。

列車本数の多い都市部で、しかも短区間での利用で新幹線を利用していると見ると贅沢にも思えるかもしれません。しかし今回は、初日の出までに現地への移動を間に合わせなければならないのです。一応JR神戸線大阪市内から向かっても間に合うのですが、早朝は新快速の運行がないため1時間~1時間30分程度を要します。そこを新幹線で20分ほどで移動できてしまうのですから、これは新年一発目から有意義な新幹線活用方法であると言えるでしょう。

6時27分、西明石駅に到着。なお兵庫県明石市の1月1日の日の出時刻は7時06分頃となっており、残り40分ほどです。

新幹線改札口の前には、「ようこそ明石市へ」と書かれた看板があり、その中にはこれから私が向かう「大蔵海岸」の画像もありました。これはますます期待が高まります!

西明石では在来線へと乗り換えます。乗車するのは6時33分発のJR神戸線 普通 松井山手行です。

なお西明石駅はやや複雑な構造をしており、寝ぼけていた私は誤って在来線改札の外に出てしまいタイムロスが発生しました。皆さんも西明石でのお乗り換えの際には十分ご注意ください(在来線の発車標の真下にある改札口を通っても在来線には乗れません!)。

新幹線で来た道を少しだけ戻るようにして乗車し、6時39分に朝霧駅へと到着。「朝」・「霧」と幻想的な(?)駅名ですが、ここが大蔵海岸公園へのJRの最寄駅となっています。

だんだんと空が少しずつ明るくなり始めている、朝霧駅前。列車の到着時には改札口も特に混雑し、関西における初日の出スポットとしての「大蔵海岸」の地位が確かなものであることが窺えます。

改札口を出たら右へぐるっと曲がり、歩道橋を渡って海岸を目指します。余談ですが、この朝霧駅と大蔵海岸を結ぶ歩道橋は2001年7月の花火大会の際に群衆雪崩が発生し、11名の死者を出した悲惨な事故が起こった場所としても知られています(明石花火大会歩道橋事故)。

歩道橋からは、明石海峡大橋全体を見渡すことができます。また海岸付近にはかなり多くの人が集まっており、その時を待ちわびています。

私も無事に海岸付近で場所を取ることができ、寒空の下でその瞬間を待つことにします。

「寒空の下」とは言うものの、実は例年と比べると今年の初日の出の瞬間はそこまで寒くなく、ある程度長い時間素手スマホを操作することもできるくらいでした。暖冬の影響なのか、それとも明石市は例年このような気候なのか分かりませんが…。

視界の右の方に目をやると、大みそかの夜に北九州を出港した大阪行の「名門大洋フェリー」がちょうど明石海峡大橋の下をくぐるタイミングでした。この画像からはっきりとは分かりませんが、おそらく乗船客の多くはデッキに出て同様に初日の出を見ようと試みていることでしょう。

これはだいたいどこにいても毎年のことですが、初日の出というのはおよそ「日の出時刻」の瞬間はまだ見ることができず、厚い雲の向こう側に昇っていたりするものです。すなわち「初日の出」として見ることのできる瞬間は日の出時刻よりもだいぶ後であることも多く、今回もそんな例に洩れず厚い雲が出ていました。

日の出時刻を17分ほど過ぎた、7時23分頃…。

厚い雲と雲の間から、一筋の光が差し込みます…!!

黄金に光り輝くご来光。2024年の元旦も、無事に拝むことができました。

光はやがて瀬戸内海を照らし、そしてゆっくりと海岸にいる我々の元へも届きました。

無事に初日の出を拝むことができたので、海岸にいる人々が一斉に朝霧駅方面へと戻っていきます。総じて地元の高校生~大学生くらいの人が多く、始発電車で気軽に来ることができるのも人気の理由といえるでしょう。

私も初日の出という最大の目的は果たせたのですが、実はそれと同じくらい楽しみにしていたのが「温泉」です!

大浦海岸には「龍の湯」という温泉施設があり、大きな「ゆ」の文字は離れた場所からもはっきりと見えます。偶然にも2024年の干支は「辰(たつ)」ということで、せっかくなので冷えた体を温めたいと思います。年末年始は土日祝の入館料が適用され、大人790円です。

まあしかし考えることはみな同じというもので、ちょうど初日の出を見終えた人々が押し寄せ館内は大混雑。入ってすぐ下足箱があるのですが、その目の前の下足箱にたどり着くまでに数分、さらに券売機に10~15分ほど並んでようやく入浴券を買うと、今度は受付の際に入浴整理券が渡され、自分の番号が呼ばれるまで待合スペースで待つことになります。浴場内の混雑は相当なもので、入場規制を行っていたようです。

入館からトータルで30分以上待ち、ようやくお風呂へ。新年ということで「祝酒風呂」なるものも開催されていました。

脱衣場内・浴場内とも案の定かなりの混雑ではありましたが、温泉の気持ちよさと抜群の明石海峡大橋の眺めはそれらを差し引いても十分に満足しうるものでした。立地の都合上、元日にお客さんが集まることは明らかなので、元日だけもう少し価格をつり上げても良いのでは…? という気さえしてしまいます。それくらい価値のある温泉でした。

2階部分には休憩スペースもあり、コンセント・Wi-Fiも完備されています(私の端末ではうまくWi-Fiを繋げることができませんでしたが…)。せっかくならばくつろいでいきたかったのですが、この後の予定もあるのでコーヒー牛乳を飲んで後にしました。また改めてもう少し空いている時にゆっくり寛げればと思います。

さて、皆さん「兵庫県明石市」と聞くと、誰もが連想する「あれ」の通る街でもあります。

そう、東経135度「日本標準時子午線」です。

朝霧駅などのあるエリアから西へと進んでいくと、大蔵海岸公園内の西の端に東経135度を示すモニュメントがあります。小学校の理科でも習った通り、緯度が1度東へずれると太陽の動きは4分早まり、逆に1度西にずれると4分遅くなります(1440分÷360度)。日本は一つのタイムゾーンの中に属しており、時差はないことになっていますが、厳密には明石を基準にすると例えば東京(東経139度)は4×4=16分ほどの時差があると言うこともできます。

海岸から少しだけ内陸へ進んだところには「明石市立天文科学館」があり、そこにある日本の標準時を示す白い時計台が街のシンボルとなっています。

他にも東経135度線上には様々なモニュメント等があり、ちょうどこのラインの上にある交番は「子午線交番」の名がつけられています。

(ほぼ)東経135度線上を歩いてきまして、やってきたのは山陽電鉄の「人丸前駅」。JR山陽本線と並走している区間が多いですが、こちらはJRではなく私鉄です。ややこしい…。

近畿の駅百選」にも認定されているこの駅では、ホーム上にちょうど東経135度の標準時子午線が通ることで知られています。せっかくなのでこれを見つつ、一駅隣の明石駅まで移動していきましょう。

ホームは高架1面2線の島式で、あまり広くはありません。停車するのは普通列車のみです。

時刻表の隣には天文科学館のイラストがあり、ここでもしっかりとアピールされています。人丸前駅はこの天文科学館への最寄駅でもあります。

そして…ホーム上には、噂の通り子午線が埋め込まれていました! まっすぐ並べられたタイルの先は一直線に白い時計台の方向へのびており、ここに立つとまるで自分が日本の中心にでもいるかのような気分になれます(?)。

とまあそんな冗談はさておき、9時35分発の山陽電鉄 普通 山陽姫路に乗車します。

車内には窪みすらないロングシートが並び、かなり古い車両であることが窺えます。

わずか1~2分ほどの乗車で、すぐに山陽明石駅へと到着。社名を冠するのでJRの駅とは少し離れているのか…と思いきや、隣接しておりすぐに乗り換えることができます。

明石といえば「明石焼き」が有名ですが、本日は元日でありかつ朝早かったこともあり、駅構内や周辺で食べられそうなお店は残念ながら見当たりませんでした。天文科学館へも寄れていませんので、併せて次来る際の楽しみにとっておこうと思います。

最後は明石から大阪へ帰りたいと思います。大阪へはJR・山陽電鉄阪神・阪急直通)のいずれでも向かうことができますが、先ほど山陽電鉄に乗りましたので今度はJR神戸線を利用したいと思います。

明石~大阪は50キロ以上離れており、通常の新快速では座れなかった時に少し辛いもの。しかし特急は高い…そんな時にオススメなのが新快速の座席指定車両「Aシート」です。

新快速の一部列車に連結されているこの「Aシート」、一度利用してみたいと思いつつこれまでなかなか時間を合わせられませんでしたが、ついに乗れる時が来ました…!! なお首都圏の普通列車グリーン車と異なり、車内での指定券の購入はできないのであらかじめ購入しておきましょう。

大勢の乗客が待つホームへ、10時05分発の新快速 野洲が入線してきました。米原敦賀まで走らないので18きっぱーからは避けられがちな運用ですが、今回は大阪までの利用なので関係のないことです。

△4付近で待っていると、ちょうど目の前にAシート車両が到着。ドアの数は3ドア→2ドアへと減らされ、入口にはAシートのロゴもあります。

10時05分、列車は定刻通り明石駅を発車。この先神戸、三ノ宮、芦屋、尼崎へと停車し大阪に至ります。12両編成のうちAシートは前から4両目の9号車のみで、「普通車指定席」の扱いになっています。

指定券は全区間一律で840円ですが、JR西日本インターネット予約「e5489」上で発売されているチケットレス指定券は600円で購入することができます(チケットレスの場合、青春18きっぷ等とは併用できないので注意!)。なおこれは有名な話ですが、JR西日本チケットレス商品はなぜか紙のきっぷとして発券もできるので、鉄道ファンにはありがたい話です。

垂水・須磨付近を通過する際、ちょうど右手に瀬戸内海を望むことができます。

またAシートには各席にコンセント・Wi-Fi・リクライニングシート・背面テーブルが備え付けられているので、着席保証だけでなく居住性の高さの面においても通常の新快速の転換クロスシートとは大きく異なります。

改造にあたりドア数が3ドア→2ドアへと減らされていますが、窓枠等はそのままなので一部窓割の合わない座席もあるようです。こればかりは致し方ありません。

あまりの快適さにウトウトしてしまいましたが、はっと気づくと列車は淀川を渡っているところでした。目の前に見える高層ビル群の辺りがちょうど梅田です。

10時43分、列車は定刻通り大阪駅へ到着。改めて外側から見ると、中央のドアが埋められている様子がよく分かります。

そんなわけで、2024年は兵庫県明石市・大蔵海岸の初日の出から幕開けとなりました。

新年早々大変な災害・事故が続き心労が絶えない中ではありますが、皆様一人ひとりの元にやがて幸せな日々が来ることを心から願っています。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。