わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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【最終章】羽田行き最終便まさかの遅延!? トラブル発生で一体どうなる[2308長崎7]

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2023年8月12日(土)

だいぶ細切れでお届けしてきた「長崎旅行2023夏」シリーズですが、7回目の今回がいよいよ最終回となります。

旅行3日目、最終日の夜。観光特急「ふたつ星4047」の旅を楽しみ、長崎県武雄温泉駅へとやってきました。

予定していた観光や体験はすべて終え、後は東京に帰るのみ。時刻は18時過ぎ、もう陸路で本日中に帰京することは不可能なので空路を使います。

この付近から東京便がある空港だと福岡空港佐賀空港長崎空港の3つが考えられます。便数が圧倒的に充実しているのは福岡空港なのですが、実はお盆期間にもかかわらず長崎→羽田の便を押さえることができたので、今回は来た道を少し戻って長崎空港から帰りたいと思います。

武雄温泉駅より乗車するのは、18時25分発の西九州新幹線〔かもめ47号〕長崎行です。初日の同じくらいの時間帯にも乗車した西九州新幹線、今回もまた長崎方面への乗車となります。N700Sの行先表示器で列車名が青く示されているのは「各駅停車」の意味で、このかもめ47号は途中全ての新幹線駅に停車します。

注意しておきたいのは、これから向かう目的地が「長崎駅」ではなく「長崎空港」であるという点です。長崎市内から離れていることで知られる長崎空港ですが、実は今回のように佐賀方面から向かう際、新幹線を活用した”とあるルート”で向かうことができるのです。

2日前は指定席を利用しましたので、今回は自由席で向かいたいと思います。開業当初はヘッドカバーがないことでも話題を呼んだ西九州新幹線の自由席ですが、現在はご覧の通り全ての座席に取り付けられて運用されているようです。

18時25分、列車は定刻通りに武雄温泉駅を発車。これから目の前に見える山をいくつもトンネルで貫き、大村湾方面へと向かっていきます。

西九州新幹線の自由席は、指定席と異なり5列シートです。東海道・山陽新幹線のN700Sと基本的な造りはほぼ同じですが、シートが青色ではなく黄色になっているほか、指定席にはなかった背面テーブルもしっかり備わっています。

全長70キロにも満たない西九州新幹線、その途中には嬉野温泉・新大村・諫早の3駅があります。他の新幹線と比べても駅間距離が極めて短く、ひと呼吸ついたらすぐに次の嬉野温泉駅へ到着です。

18時39分、長崎県に入って最初の停車駅である大村駅に到着。武雄温泉駅を出てからわずか2駅、15分での到着です。今回はここで下車します。

新幹線開業に伴い完全な新駅として開業した大村駅。新幹線開業と同時に、並行する大村線にも駅が設置されました。かつての肥前山口駅に代わり、最長片道切符の新たなゴール地点としても知名度を上げています。

私は開業前の2022年8月に隣の竹松駅から一度徒歩で来訪しましたが、開業してからは初めての利用となります。しかし駅名からも分かる通り、ここは長崎市ではなく大村市。さてどのように空港へ向かうのでしょうか…?

利用するのはこちら、「おおむらかもめライナー」です。

これは西九州新幹線開業と同時に、大村市が試験的に運行を開始した事前予約制の乗合タクシーです。長崎空港⇔新大村駅⇔大村IC間を結び、この3地点でのみ乗降ができます。

運行本数は概ね1時間に1本程度で、乗車にあたっては必ず公式HPからの予約が必要となります。1名からの予約も可能ですが、空席の有無にかかわらず予約がない場合は乗車できません。運賃は利用人数にかかわらず1名あたり500円となっており、路線バスと比較するとやや高めではあります。

今回は新幹線の到着に合わせて大村駅18時50分発の便を予約しておりました。新大村駅は東口からの発車となり、他に利用者はおらず、定刻よりも少し早めに出発です。

大村市の市街地を抜け、長崎空港へと続く連絡橋(箕島大橋)を渡ります。ちょうど進行方向右手側に美しい夕日が見え、心が癒されます。

この時はまだ、最後に予期せぬ事態が待っているとは知らずに…。

そしてあっという間に、前方に長崎空港ターミナルビルが見えてきました。行きの空路は羽田→福岡便でしたので、私個人的には2020年9月以来約3年ぶりの利用となります。

大村駅からわずか10分足らずで、長崎空港に到着です。HP上では新大村駅からの所要時間が15分となっていますが、今回は特に渋滞に巻き込まれたりすることもなく、非常にスムーズに来ることができました。路線バスでも似たようなルートを通るものがありますが、それとは異なり途中一切停留場がないのもとても快適です。

しかし残念ながら、この「おおむらかもめライナー」は2023年10月28日をもって運行を終了してしまうことが決まっています。あくまでも実証実験でしたので”実験終了”といえばそれまでなのですが、さらなるサービス拡大といかなかったところを見るとやはり利用状況はそれほど芳しくなかったのかもしれません。なお今後は、おおむらかもめライナーに代わり西肥バスの運行する高速バス(長崎空港佐世保間等)が新大村駅を経由する予定となっているようです。

ともあれ時刻は現在19時過ぎ、まだ飛行機の時間まで少し余裕がありますので、ここらで夕食としておきます。長崎の地でいただく最後のご当地グルメは…佐世保名物の「レモンステーキ」です!!

佐世保市内で長く愛されている名店「レストラン蜂の家」さんが長崎空港ターミナルビル内で20時まで営業しており(LO19時30分)、様々な洋食メニューを味わうことができます。今回いただいた看板メニューの一つ「レモンステーキ」は大きなお肉の上に輪切りのレモンがのっており、爽やかな酸味とともにジューシーなお肉を豪快にいただける大人気のメニューです。

私だけでなく、周りのお客さんも7~8割ほどがこのレモンステーキを注文していたように見えます。ライス・サラダ付でお値段2,530円となかなかのものですが、長崎へおいでの際は是非一度召し上がっていただきたい一品です。

お腹も満たされたところで、保安検査場をくぐりいよいよ搭乗口へ。

今回搭乗するのは、長崎空港21時00分発のソラシドエア38便 羽田空港ですが…。

空港内のモニターを見ると、何と「遅延」の文字が。使用機材到着遅れの影響で、何と離陸が21時25分へ変更となるようです。

表示からもお分かりの通り、この便は本日長崎空港を離陸する最終便です。所定時刻での運航であったとしても羽田空港の到着が22時50分となる非常に夜遅い時間の便で、あまり大幅に遅れるようでは羽田空港から各方面へと向かう鉄道やバスに乗り継ぐことができず、最悪の場合は羽田から都心方面・横浜方面のいずれへも足がなくなってしまう恐れのある便なのです。

とはいえ、定刻で離陸できないことは確定しているのですから焦っても仕方ありません。一応羽田空港から各方面への移動手段の最終時刻を調べつつ待ちます。なお私は直接自宅へ帰るのではなく、都心方面で宿を予約してありますので、到着が予定より遅れる見込みである旨も電話で連絡させていただきました。

21時過ぎに機材が到着し、乗客の降機が行われたのち速やかに我々も搭乗へ。少しでも遅れを回復すべく、カツカツの時間の中で折り返し整備等が行われているようでした。

搭乗率は見たところ7~8割程度で、満席とはいかずちらほらと空席がありました。

今回私は約3ヵ月前にこの便の予約をしており、ソラシドエア公式サイトより1人15,570円にて押さえることができました。お盆の空路としては破格の安さだと思います。おそらく8月12日というとまだ各地から東京へ向かうUターンラッシュのピークから少しずれていたことが功を奏したのではないかと思います。

乗客全ての搭乗が完了し、定刻より23分遅く21時23分頃にターミナルビルを離れ滑走路へ。その約10分後、21時33分頃にようやく長崎空港を離陸。この23分の遅れを羽田到着時にどこまで取り戻せるのか、あるいは拡大してしまうのか…?

こんな夜遅い時間帯ですが、ドリンクサービスはしっかりと行われます。ソラシドエアでのオススメは「アゴユズスープ」で、長崎県産のアゴ大分県産のユズを使用した味わい深い一杯です。塩気があるので思わず麺を浸して食べたくなるほどです。

機体は愛媛県上空へ、その先瀬戸内海を横断するように飛行し、離陸から約40分後には淡路島上空へ。山間部は真っ暗ですが、神戸や姫路の辺りの瀬戸内海沿岸部は22時を過ぎてもまだ街の明かりが多いことが分かります。

特に圧巻だったのが、そのわずか数分後。大阪市上空です!

大阪湾に面した日本第2の都市の街明かりはまさにイルミネーションのように美しく、淀川や沿岸部の埋め立て地、また市街地の幹線道路や関西空港までもはっきりと上空から確認することができます。特段この夜景を期待して進行方向左側を予約したわけでもなかったのですが、運良く特等席で大都会の夜景を楽しむことができました。

その後は伊勢湾や静岡県の浜松上空等を飛行し、やがて首都圏へ。湘南や三浦半島の明かりが見えてきた時は、いよいよ地元に帰ってきたなという実感が湧いたものです。

そして機体は一気に降下していき、22時55分頃に東京・羽田空港へ着陸。

この時間帯は沖止めとなり、ターミナルビルへ直接のボーディングブリッジ接続ではありません。23時頃より降機が開始され、順次バスに乗り込みターミナルビルへと移動していきます。上空での天候不順等もなく、幸い23分あった遅れを10分ほどにまで回復できたのでこの後の移動に大きな支障はありませんでした。

 

というわけで、今回のシリーズはここまで。

長崎へは何度目かの来訪でしたが、これまでで最も長い時間滞在することができ、存分にその魅力を味わうことができた気がします。

「在来線特急かもめ」ではなく「西九州新幹線かもめ」として初めて迎えた2023年のお盆。その賑わいは確かなものであることをこの目ではっきりと確認することができたと同時に、個人的にはその勢いがさらに今後佐賀市内・福岡市内へも運ばれることを願ってやみません。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。