わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【大興奮】日光・鬼怒川へ行くならこれ! 2大観光地を結ぶ「SL大樹ふたら」の旅

 

2023年3月22日(水)

本日は栃木県にある東武日光駅へとやってきました。これより、とある観光列車へ乗車していきます。

世界文化遺産日光の社寺」への玄関口として、日々多くの観光客や修学旅行生が訪れる日光。JRと東武でそれぞれ駅がありますが、こちら東武日光駅の方は浅草方面・新宿方面とを結ぶ特急が多数運行されており、観光の拠点としての役割がとても大きな駅です。

今回乗車するのは、東武日光13時02分発の〔SL大樹ふたら72号〕鬼怒川温泉

東武沿線の2大観光地である「日光」と「鬼怒川」を昔懐かしいSLで移動できてしまうのです!

東武鉄道では、2017年8月より地域の観光振興を目的として「SL大樹」の運行を開始。JR北海道JR四国等からSLや客車を譲り受け、またSL列車の運行がある全国各地の中小地方鉄道の協力を経て実現した一大プロジェクトです。

当初の運行区間下今市鬼怒川温泉駅間のみでしたが、2020年からは団体臨時列車として東武日光駅へ乗り入れる「SL大樹ふたら」の運行も開始。その後一般発売されるようになり、今日に至ります。

ホームへ向かうと、既に列車は停車中。先頭(下今市側)には赤いディーゼル機関車DE10 1099」が連結されています。2016年にJR東日本から譲り受けたもので、東武の駅に停車しているのは不思議な感覚です。

ディーゼル機関車の後ろには14系客車が3両連結されており、順に3号車「スハフ14 5」、2号車「オハ14 1」、1号車「スハフ14 501」となっています。「スハフ14 5」と「オハ14 1」はJR四国から、「スハフ14 501」はJR北海道から譲渡された客車とのことです。いずれも国鉄時代から走り続けており、この客車そのものにも大変な価値があります。

客車の後ろにはSLと車掌車が連結されています。SLは「C11 123号機」という形式で、1947年に滋賀県江若鉄道で営業運転を開始しました。その後北海道の炭鉱鉄道や貨物路線等で活躍したのち、1975年にいったん廃車となっています。廃車後は江別市内で静態保存されていましたが、東武鉄道に譲渡されて幾年にも渡る動態復元工事の末、2022年7月にSL大樹用の牽引機関車として再スタートを切りました。

今回は3号車「スハフ14 5」を利用します。座席は昔ながらの青色のモケットで、真っ白なヘッドカバーが掛けられています。今の時代の新幹線や特急の座席と比べると、座面の位置がかなり低く、それに伴って座席全体がかなり小さめな印象を受けます。

東武日光から鬼怒川温泉までの座席指定料金は1,080円。通常「SL大樹」として下今市鬼怒川温泉駅間を走る際は760円ですので、それよりは少し高めです。とはいえ大変な苦労があって復活した歴史あるSLの牽引する列車にたった1,000円ちょっとで乗れると考えると、むしろ安すぎるような気もします。

なお、乗車にあたってはこのほか運賃が必要となりますが、東武鉄道全線で交通系ICカードが利用できるため、今回乗車券はそちらで代用します。SLというと全国各地の中小地方鉄道で運行されているイメージも強く、そうした地域ではなかなか交通系ICカードの普及が進んでいない場合もありますので、ここは大手私鉄ならではの強みかもしれません。

13時02分、多くの人々に見送られながら列車は定刻通りに東武日光駅を発車。まずは山を下りながら、下今市方面を目指します。

春休みということもあって、車内はほぼ満席状態。私と同世代の鉄道ファンも多く、いかにも国鉄車両の汽車旅らしい雰囲気です。

列車はまず、ディーゼル機関車を先頭に下今市方面へと向かいます。この時点ではSLは最後部に連結されている状態です。

車内では放送前に「ハイケンスのセレナーデ」も流れ、本当に今乗っているのが東武鉄道であるとは俄かには信じられません。

ちょうど車内販売が回ってきたので「SL大樹黒アイス」(320円)を購入。石炭をイメージした真っ黒なアイスクリームですが、何とこれバニラ味なのです(笑)。見た目と味のあまりのギャップの大きさに、脳がしばらく理解を拒絶しますがとてもおいしいです!

ちなみに座席に背面テーブルやインアームテーブル等はありませんので、お弁当を食べるのにはあまり向きません。窓側座席であればペットボトル1本置ける程度の小さなテーブルがあります。

13時19分に列車は下今市駅へと到着。東武日光を出てから17分が経過していますが、同じ距離を普通列車で進むとわずか9分で着くことができますので、いかにこの列車がゆっくりと走っているかがお分かりいただけるかと思います。

下今市駅では11分間停車します。駅に隣接する機関庫からは別のSLが黒い煙をもくもくと上げており、駅周辺全体が黒い煙に包まれています。令和の時代の大手私鉄ターミナル駅とは思えません。

13時30分、下今市駅を発車。ここからは進行方向を変え、SLが先頭となって東武鬼怒川線を走ります。ちょうど東武日光行の普通列車とほぼ同時刻での発車となり、両列車が並走する様子も車内から観察することができました。

車窓左手には中禅寺湖のほとりにそびえる男体山の姿も確認することができます。天気もよく、絶好のSL日和(?)ではないでしょうか。

下今市から先は山を登る区間となり、カーブが多いのも特徴です。3号車は編成の先頭から離れており、急カーブを曲がる際などに先頭付近をはっきりと見ることができます。

しばらくすると、車内検札があります。感染症の影響もあってか押印はされませんが、一人1枚ずつ記念乗車証が配布されます。なお、東武日光下今市駅間のみで乗車する場合は申し出れば下今市駅到着前に記念乗車証をもらうことができます。

沿線あちこちでお手振りがあり、車内アナウンスでもこまめにそのタイミングを知らせてくれます。東武のSLを多くの方が応援し、歓迎してくださっていることを実感します。

大桑駅を通過してしばらくすると、「これより鬼怒川川治温泉郷」と書かれた大きな看板が。まだ鬼怒川温泉駅まではもう少しありますが、いよいよ温泉地が近づいてきました。

下今市をはじめ沿線各駅では、SL運行に合わせ駅名標国鉄時代のデザインのものに寄せて造られたり、ホーロー看板風のものが取り付けられたりしています。駅ナンバリングの入ったホーロー看板とは全国を見てもかなり稀なのではないでしょうか。

14時ちょうど、列車は東武ワールドスクウェア駅に到着。名前の通り東武ワールドスクウェアに隣接しており、2017年に設置されました。現在は特急も含め原則全ての営業列車が停車する駅となっており、この列車からも数名の方が降りていかれました。

東武ワールドスクウェア駅を出ると、すぐに鬼怒川の温泉街が見えてきます。東武ワールドスクウェア鬼怒川温泉駅間は隣り合う2駅なので、SLであってもすぐの距離です。

降車前、ふとデッキに目をやると昔懐かしい「くずもの入れ」の文字が。折り戸の雰囲気もあいまって、本当に素晴らしい旅でした。

14時06分、列車は定刻通り終点の鬼怒川温泉駅に到着。普通列車よりも時間をかけてゆっくりと進む汽車の旅はとても素晴らしいものでした。

SLのお楽しみもここで終わり…かと思いきや、実はまだもう一つイベントが残っています。

何と駅前広場の転車台で、SLの方向転換が行われるのです!

広場で待っていると、先ほどまで客車を牽引していたC11 123号機が単体で転車台へと姿を現しました。そして14時30分頃、大きな汽笛を鳴らしながらゆっくりと時計回りに回転し始めました!

この後このSLは、鬼怒川温泉15時05分発の〔SL大樹6号〕下今市行として、来た道を戻ることになります。

 

というわけで、今回は東武日光鬼怒川温泉駅間を結ぶ〔SL大樹ふたら〕についてご紹介しました。

運行日が限られており、かつ客車や牽引機関車など編成についても日によって異なりますので、最新の情報は東武鉄道「SL大樹」公式HPをご確認ください。

www.tobu.co.jp

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。