わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【速報】「特急湘南」運行開始! 一番列車に乗ってみた

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みなさんこんにちは! わたかわです。

ダイヤ改正速報記事の4本目は、本日早朝にデビューした首都圏の新たな通勤客向け特急「湘南号」についてです。

記念すべき運行初日の一番列車に乗車してまいりましたので、初日の賑わい(?)とともに乗車ルポをお届けしてまいります。湘南地区にお住まいで、今後通勤や用事の際に利用しようか迷っている方は是非参考になれば幸いです!

 

2021年3月15日(月)

さて、いよいよ待ちに待った特急湘南デビュー日の朝。列車の始発駅となる平塚駅にやってまいりました。

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たくさんのバスで活気づく朝6時の平塚駅

本日デビューした特急〔湘南〕は、先週金曜日まで35年間運行されてきた東海道線の「湘南ライナー」に代わる新たな東海道線着席通勤列車で、全車指定席の特急列車として運行されます。かつてのライナーと同じく湘南地区~東京都心をノンストップで結び、平日朝晩のみの運行となります。

基本的な運行区間は小田原~東京・新宿駅間となりますが、朝1本のみこの平塚始発で運行されるということで、今回はそれが湘南号として都心に到着する一番列車になるためそちらに乗車していきます。

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平塚駅にひさびさ現れた「特急」の文字

駅に入り、改札口をくぐるとさっそく発車標の3行目に「特急湘南2号」の文字が。この平塚6:25発の特急〔湘南2号〕東京行が、湘南号の一番列車となります。平塚駅にはかつて東京~静岡駅間を結ぶ特急〔東海〕という列車が停車していましたが、2007年のダイヤ改正で廃止され、それ以来(おそらく)定期特急列車は停車してきませんでした。しかし今回、事実上のライナー→特急格上げということで、平塚駅の電光掲示板に14年ぶりとなる「特急」の文字が表示された瞬間となります。

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当駅始発の列車も多い

ホームに降り、列車の入線を待ちます。2面4線の平塚駅でホームには余裕があるように見えますが、6:21発の小金井行が発車した後の同じ1番線ホームに湘南2号が入線することになります。発車時刻はわずか4分差ですから、始発列車とはいえホームでの停車時間はわずかのようです。隣の2番線には前もって6:32発の平塚始発の列車があるため、2番線も空いていないということのようです。

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ライナーの乗車位置もまだ残っている

1番線の足元を見てみると、緑色と青色の四角い「特急湘南」と書かれた乗車位置案内の近くに、先週金曜日まで使われていたライナー列車の乗車位置案内もまだ残されていました。湘南号は9両編成と14両編成での運用があり、青色乗車位置が9両編成、緑色が14両編成となります。一方で「おはようライナー新宿24号当日券」「湘南ライナー12号セット券」という文字も過去のものとなってしまいました。平塚駅普通列車でも始発列車があり、少し並べば追加料金を払わずとも着席できる列車が多いので、ライナーの時代からずっと今でも平塚に停車する着席通勤列車はわりあい少なめです。

6:21発の小金井行が発車。続けて、1番線に「特急湘南」のアナウンスが鳴り響きます。ホームの先端には多くの鉄道ファンが詰めかけていました。

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平塚駅にE257系がやってきた!

そして6:23頃に国府津方から列車が入線してまいりました!! 昨年より踊り子でデビューした東海道線仕様のE257系特急電車で、9両編成での運行となります。中央線時代は「あずさ」「かいじ」の他、「中央ライナー」「青梅ライナー」でも使われてきましたが、令和の時代は東海道線の通勤客を運ぶ役目を果たすことになりました。車両前面のヘッドマークは文字のみのシンプルな表示ではありますが、わかりやすくて良いと思います。

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側面の行先表示

側面の行先表示には、号数は表示されず、種別、列車名、号車番号、行先、座席種類が表示されます。繰り返しになりますが全車指定席で、4号車がグリーン車となっております。

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多くの鉄道ファンも詰めかけた

平塚駅から14年ぶりに特急が発車する瞬間は何とも慌ただしいものとなりましたが、これがこれから毎朝繰り広げられていくことになります。平日ではありますが、朝早くということで中高生と思しき鉄道ファンの姿も数多く見られました。朝6時過ぎにもかかわらず、ホームはかなりの賑わいです。

それでは「♪たなばたさま」の発車メロディーとともに乗り込み、いよいよ東京へ向けて発車です!

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車内はかなり余裕がある

列車は平塚を出ると茅ヶ崎、辻堂、藤沢、大船と停車し、その後は一気に横浜市川崎市を通り越して品川、そして終点の東京となります。ライナー時代と同じく、便によって微妙に停車駅が異なりますのでご注意ください。なお朝の上りは全列車が茅ヶ崎と藤沢に必ず停車します。

平塚を発車すると列車はすぐに相模川を越え、西湘エリアを抜けます。平塚発車時点では車内はかなりまだ座席に余裕があるようで、一番列車にしてはかなり静かな幕開けとなりました。通勤客も乗車していますが、どちらかといえばこの時点では鉄道ファンの方が多そうです。

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首都圏でおなじみ3色のランプ

踊り子号と湘南号の普通車には、座席上方に3色のランプが搭載されています。2015年以降順次首都圏で運用されているおなじみの着席システムで、座席の指定を受けていないお客さんは赤色のランプ(=空席)に着席することができるというものです。黄色のランプだと「まもなく座席の指定を受けたお客さんが乗車」、緑色のランプは「現在利用中」という意味になります。

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1989年以来の停車

列車は最初の停車駅である茅ヶ崎に到着。ここでは都心への通勤客と思われるお客さんがそこそこ乗車してきました。茅ヶ崎とこの後の藤沢には、1989年まで特急〔踊り子〕が停車しておりましたが、JRの特急停車はそれ以来32年ぶりということになります。

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コンセント

そしていろいろな方が紹介されている通り、このE257系リニューアル車両にはコンセントも取り付けられました。ただし窓側に1口のみということで、仮に窓側の人が使っていないとしても通路側の座席にいる人はなかなか使いにくそうです。ただ、朝の通勤途中にスマホでニュースをチェックしたりパソコンで作業をこなしたりするのにはちょうどよいですね。

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開業以来初?

続いては辻堂に停車。通称”テラモ”’(テラスモール湘南)でおなじみの辻堂は、快速アクティー湘南新宿ライン特別快速こそ通過ですが特急湘南は一部列車が停車します。1916年に開業して今年で105年になりますが、もしかしたら特急の停車は開業以来初めてなのではないでしょうか。ここでもわずかながら乗車がありました。

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湘南の新興住宅地を抜ける

列車は車窓の両側に多数の住宅地を見ながら、時速80km/h程度で東海道線を駆け抜けていきます。県外の人からすると湘南は「旅行地」「別荘地」等というイメージも強いかもしれませんが、実際には横浜・川崎にも引けを取らない膨大な人口を抱えたエリアであることは県民には周知の事実であるだけに、都心通勤客の多さを考えれば早くからライナー列車が設定されていたのも頷けます。

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小田急と激しく競合する藤沢

そして程なくすると、藤沢に停車します。途中駅からの乗車としてはこの藤沢から最も多かったように思います。先ほどの茅ヶ崎と藤沢には貨物線上に特急湘南専用ホーム(元「ライナー専用ホーム」)がありますが、この湘南2号は全区間旅客線経由となるため両駅においても旅客線ホームに停車します。藤沢といえば対都心の移動で小田急との競合が激しい区間となっておりますが、この度の特急湘南デビューにより形勢がどのように変化するのかも注目です。

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向こうにはスカレンジが

そして続けて大船に停車。こちらが湘南地区最後の停車駅となります。横須賀線ホームには新型車両E235系も停車しておりました。先週金曜日の185系踊り子号下りラストランの際にもこの大船でE235系が停車していたのを考えると、かなり目撃頻度は上がってきている気がします。

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根岸線とほぼ同時に出発

大船~品川駅間は40km近くあり、6:42に発車すると7:12に品川へ到着するまでちょうど30分間無停車となります。座席定員制であったライナーの時は朝の上り列車が湘南地区の停車駅を「乗車専用駅」、逆に東京都心の停車駅を「降車専用駅」としておりましたが、全車指定席の特急となったことでどの駅でも自由に乗り降りができるようになりました。極論を言えば「平塚→茅ヶ崎」「品川→東京」等の短区間利用もできるわけですが、しかしまぁ鉄道ファンでない一般の方でそのような乗車をする方はまずいらっしゃらないと思います(笑)。

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今後はチケットレスが主流化?

今回はえきねっとの事前予約でおさえた特急券をクレジット決済にて発券して乗車していますが、踊り子・湘南では新たにチケットレス乗車が可能となりました。チケットレスの場合は紙のきっぷよりも一律100円引きとなるようで、しかも現在はデビュー記念キャンペーンとして一律300円引きとなるようです。実際、各停車駅から乗り込んでくるお客さんが、手元のスマホを見ながら自分の座席を探す光景も見られ、湘南ライナーからかなり時代が大きく変わったなという印象を受けました。先週の湘南ライナーラストランの際や今朝の平塚駅でのホーム上のアナウンスでもしきりにチケットレスサービス開始の旨が案内されており、JRの力の入れようが見て取れます。

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大都会横浜を通過

そして列車は、県庁所在地である横浜を通過していきます。特急湘南は上りも下りも全列車が戸塚・横浜・川崎を通過するのは言うまでもありませんが、これまでの長い鉄道の歴史を見ても横浜駅を通過する特急というのは非常に稀ではないでしょうか。全くないことはないと思いますが、関西・九州方面へ向かう長距離の夜行列車さえもほぼ間違いなく停車していた駅ですからね。

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イエローハッピートレインとすれ違い

平塚の時点で4分先行していた小金井行をこの横浜で待避させ、横浜にて列車順序が入れ替わりました。時速100kmくらいに引き上げられ、より特急らしい走りを見せながら一路東京を目指します。横浜を出てすぐ、京急のイエローハッピートレインとすれ違いました。

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川崎を通過しいよいよ東京都へ

まもなく川崎を通過し、列車はいよいよ多摩川を渡って東京都へ入ります。この辺りの各駅では撮影者もそれなりにいるのかと思っていましたが、見たところ決して多くはないようです。

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まもなく品川へ

そして車窓に高いオフィスビル群が見えてきたら、いよいよ品川に到着となります。

平塚を出てから47分、7:12に品川へと到着。鉄道ファンはあまり降りないようですが、一方で通勤客の方々はかなり降車されていきました。この先東京まではノンストップとなりますので、田町~有楽町の各駅を目的地とする方もみなさんこの品川で降りられるのだと思います。

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東京でサンライズと並んだ!

そして平塚を出てから55分、7:20に定刻通り終点の東京へと到着いたしました!

東京駅では南行(下り)ホーム9番線に入り、8番線に停車中のサンライズ(東京7:08到着)とも並びました。平塚駅で貨物線を通過していくサンライズの姿があったのですが、ずっと後を追うようにこの湘南2号のダイヤが組まれているようですね。流石にサンライズを追い越したりはしないようです。

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上野方へ回送

まもなく車内点検を終えて扉が閉まり、7:27頃に上野方へ回送されていきました。

今回特急湘南に乗ってみての感想としては、当然ですがやはり185系湘南ライナーと比べると格段に快適性は増しているなと思いました。このE257系リニューアル車両も、その改造のずさんさ(?)がときどきSNSでも話題になりますが、それでも一般客からすれば国鉄時代から40年間走り続けてきた車両より断然こちらの方が居住性が高いのは言うまでもありません。ライナー時代は520円(もっと遡れば300円)のライナー券で乗れていたのが現在は1,020円の特急券になったことを考えれば大幅な値上げにも見えますが、JRも推奨するチケットレスなら今は300円引きの720円ということになりますから、そこまで大きな差額とは思わないという方も一定数いらっしゃると思います。毎日利用するのは経済的に難しいとしても、「毎週金曜日の夜だけ」という使い方や、テレワークを基本とする社会人の方が「たまの出社日だけ」という使い方をするのも十分アリだと思いました。

 

~おまけ~

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横須賀線の新橋駅

さて、続いてはところ変わって新橋駅にやってきました。先ほど乗車していた湘南2号は新橋を通過しましたが、中には新橋に停車する便もあります。

ただし新橋停車便に関しては、品川~東京駅間を東海道線でなく横須賀線経由で運行します。そのため、新橋に停車する特急湘南を見るためには横須賀線ホームで待つ必要があります。

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時刻の左に「特急」の文字は出ない

発車標には「8:10 東京 9両」の文字。これを見ただけでは特急列車であると気付きにくいですが、その下に「全車指定席の特急湘南8号です」という文字がスクロールされてきます。

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新橋駅107年ぶり特急停車の瞬間!

そして予告通り、湘南8号東京行が到着。「当駅からのご乗車であっても特急券が必要です」というアナウンスが響くホームに通勤客のみなさんが降りられました。何ということのない光景にも見えますが、実はこれ、新橋駅に107年ぶりに特急が停車した瞬間なのです!!(多分)

かつて東海道のターミナルといえば新橋でしたが、1914年に東京駅が開業したことにより、西に向かう長距離列車のターミナルが新橋から東京に変わりました。それからというもの、新橋は「鉄道のまち」であり多くのビジネスマンの日常を支える駅ではありましたが、おそらく一度も有料特急は停車してこなかったのです(都営浅草線の無料特急は停車しますが)。

 

個人的にはかなり歴史的な瞬間にも思えるのですが、ホーム上で待ち構える鉄道ファンはごくわずか。なんならこの新橋から東京まで、課金をしてわずか3分間だけ乗車しようかとすら思いましたが、流石にやめておきました(笑)。

 

東海道線の〔踊り子〕〔湘南〕に関する詳しい情報は、以下のリンクからご確認ください。

www.jreast.co.jp

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【速報】E131系本日運行開始! 木更津~上総一ノ宮駅間直通一番列車に乗ってきた

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みなさんこんにちは! わたかわです。

ついに本日、春のダイヤ改正当日となりました。昨晩は遅くまで東海道線沿線各駅が湘南ライナーや踊り子号の最終運行で賑わっておりましたが、今日から新たな時代のスタートとなります。

ダイヤ改正ネタの速報記事ということで、今回は本日ちょうど運行開始した新型車両「E131系」に乗車して木更津~上総一ノ宮駅間を移動してまいりましたので、その様子をご紹介していきます!

 

2021年3月13日(土)

さて、今回やってきたのは内房線木更津駅です。

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内房線久留里線が乗り入れる

本日はここから、今回のダイヤ改正で新たに運行を開始した新型車両「E131系」に乗車していきたいと思います!

内房線外房線をはじめとする千葉県内の多くの路線では、かつて京浜東北線で活躍した209系という車両が塗装を変えて運用に入っています。しかし車両の老朽化に伴い、この度のダイヤ改正から一部の線区では「E131系」により運行されることになりました。このE131系はワンマン運転を基本とする車両で、当該区間では本日よりワンマン運行がスタートしました。

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蘇我駅に入線する内房線209系

内房線外房線は、両列車とも千葉駅を起点に列車の運行がなされ、蘇我駅を出ると内房線は房総半島の西側を、外房線は東側を進んでいきます。この両線が再び出会うのが両路線の終点である安房鴨川駅となっており、長らくこの安房鴨川にて列車の運行系統が分断され、一部の臨時列車等を除いて安房鴨川を跨いだ列車の運行は行われてきませんでした。

しかし今回の新型車両デビューおよびワンマン化に合わせて、この内房線外房線が再び安房鴨川駅を跨いでの直通運転を行う旨がJR東日本より発表されたのです! 内房線の木更津から館山、安房鴨川を通って外房線に入り、勝浦、大原を経由して上総一ノ宮へと至る138.4kmの区間が一つの運転系統として扱われるようになりました。今回は記念すべきその一番列車に乗車していこうということです。

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両数の格差がすごい

木更津~上総一ノ宮駅間を直通する一番列車となるのは、木更津9:29発の上総一ノ宮行となります。発車標を確認すると「ワンマン・2両」の表記がありますが、これはどちらも本日から見られるようになった表記です。1つ上の快速列車が総武線快速からの直通列車ということで11両ですから、同じ路線とは思えないような両数の格差があります(笑)。

3番線に降りて、列車の入線を待ちます。実は今朝方、蘇我駅で発生した停電の影響で、内房線外房線にダイヤ乱れが生じており、1本前の9:22発快速君津行も数分程度遅れて発車していきました。

E217系を見送るやいなや、立て続けに同じ方向からE131系が入線してきました!

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E131系が入線!!

こちらが本日より運用を開始した新型車両「E131系」です!!

車両前面に黄色と水色のドットがあしらわれており、その並びはかつて房総半島で活躍した113系を彷彿とさせます。前面上部の行先表示器には白一色で「ワンマン 上総一ノ宮」と表示されており、ついにこの房総半島でもワンマン運転の時代に突入したことを実感します。

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雨でも見やすい

車両側面の行先表示も白一色で、従来の209系と比べると明るく、今日のような悪天候の日でも見やすくなっています。改めてですがこの木更津で「上総一ノ宮」という文字を見るのは違和感たっぷりで、まだまだ慣れません。

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半自動ボタンも設置!

そしてワンマン運転スタートということで、ドアの開閉は原則として乗客自身が行います。そのため209系にはなかった「ドア開閉ボタン」が取り付けられておりました。車両外側は「開ける」のみ、内側からは「開ける」も「閉める」もどちらも可能です。

発車時刻も迫っているので、さっそく乗り込みます!

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枚数は少ない

ドア上部には、何と最新式のLCDも取り付けられています。ただしE233系E235系等とは異なり、画面が2枚並ぶのではなく右側1枚のみ。さらに全てのドア上部にあるというわけでもなく、千鳥配置になっています。山手線のE235系では、全てのドア上部に2枚ずつ設置されているのはもちろん、広告までもがモニターとなっていますが、このE131系の場合はそこまでではないようです。

発車時刻は9:29ですが、ダイヤ乱れにより先ほどの快速列車も遅れて発車したため、この私の乗車する列車も少し遅れることに。駅間で列車が詰まることのないように時間を開けて、9:37頃に木更津を発車しました。8分遅れとなります。

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モケットの色も鮮やか

座席のモケットの色はご覧の通りで、背面と座面が同系色ではなく全く異なる華やかなデザインとなっています。お約束のごとくJR東日本普通列車ですから決して柔らかくはないですが、ただ209系に比べると圧倒的にこのE131系の方が座り心地が良いです。

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一部ボックスシート

座席はロングシートが主体ですが、一部にボックスシートも設置されています。ただ209系と比べるとやはり少ないですから、狙う場合は始発駅で早くから並んでおくのがよさそうです。

運行開始初日ということで多くの鉄道ファンが乗車していましたが、満員には程遠く、昨年12月の横須賀線E235系デビュー時と比べるとだいぶ穏やかでした。また、昨晩の185系定期運用ラストランの東京駅と比べると年齢層はだいぶ低めに見え、ほとんどが小学生~高校生くらいに見えます。

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対向列車もE131系

列車は君津の次、青堀駅へと停車。ここでは列車の行き違いが行われました。反対からやってくる列車もE131系ということで、早くも運行初日から新型車両どうしのすれ違いに出くわしました。

対向列車も同じくらい遅れていたため、青堀駅で遅れを取り戻すことはできず、依然として7分遅れで出発です。

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東京湾を望む

竹岡駅付近では海に近いところを走り、車窓から東京湾の眺めを楽しめます。これまでにも幾度となく209系の車内から見てきた景色ですが、E131系の車内から見るとまた新鮮な気持ちになります。あいにく外は土砂降りで、最高の眺めとは言えませんが、また晴れた日に来れたらと思います。

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浜金谷でもE131系とすれ違い

東京湾フェリーの金谷港が近い浜金谷駅でも、対向列車E131系とすれ違います。全部が全部木更津~上総一ノ宮駅間直通列車ではないと思いますが、内房線の君津以南では一夜にしてほとんどの列車が209系からE131系に置き換えられたようですね。

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やけに情報が少ないと思ったら

列車はなおも内房線を南下していきます。LCDを見ると、やけに情報量が少ないような気がしますが、これはおそらくほとんどの駅で他の接続路線がなく、また駅ナンバリングもないためかと思います。失礼を承知で言うなら、これほどの田舎路線にLCDを導入すると情報量が少なくてだいぶ寂しい表示になるということですね。確かに、これほどまでに接続路線の少ない路線でLCDを備え付けた車両が運行される例は全国的に見ても珍しい気がします。

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館山に到着!

木更津を出てから1時間少々、10:45頃に途中の館山駅へと到着。東京や新宿から内房線に直通する臨時特急はこの館山駅までとなります。ここでも反対側のホームにE131系が入線してきたのを確認し、線路が空いたところで10:49頃に出発しました。この時点で定刻よりも約12分遅れとなっています。木更津を出発した時よりも少し遅れ時分が延びています。

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雨は依然として強いまま

館山駅を出ても引き続き路線名は内房線ですが、列車は南向きから東向きに進路を変え、内房から外房方面へと進んでいきます。若干空が明るくなってくる区間もありましたが、依然として雨は強いままです。一瞬ドアが開くとその瞬間に雨が車内へ吹き込んでくるので、こういう時に半自動ドアなら必要以上にドアが開くことがないのでありがたいなと感じます。東京都心と異なり、ホームの大部分には屋根がないことが多いので、途中で乗り降りする地元の方もずぶ濡れです。

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江見駅で列車交換のためしばらく停車

そして列車は途中の江見駅に到着です。ここもホームに屋根はないようですが、対向列車を通すためしばしの停車となります。ただ例によって対向列車も遅延しており、この江見駅では10分以上も停車することとなりました。多くの鉄道ファンが車外に出て列車の撮影を試みますが、一瞬車外に出るだけでもずぶ濡れになるくらい雨が強いので、なかなか外に出るのを躊躇してしまいます。

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「ワンマン」の文字に色が入っている

車両側面の行先表示を見ると、木更津駅停車中とは異なり、フルカラーの表示となっていました。おそらく木更津駅発車直後くらいにはこの表示になっていたのだろうと思いますが、白一色よりもこちらの方が見やすいですよね。黄色い文字の部分は、首都圏でもよく見る「次は○○」というのの他に「安房鴨川方面」という文字も切り替えながら表示しているのがわかりやすいなと感じました。

江見駅を出発したのは11:29頃のこと。この時点で既に何と20分もの遅延となっていました。

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次はいよいよ安房鴨川

そして次がいよいよ内房線の終点である「安房鴨川」となります。LCDに映し出される表示だと内房線が青、外房線が赤で明確にラインカラーが分けられてはいますが、安房鴨川到着直前に何か特徴的な車内アナウンスがあるわけではなく、この安房鴨川も館山や勝浦といった他の駅と同じように単なる「南房総の主要駅」の一つとして扱われているようでした。

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内房線はここまで

そして11:39頃、ようやく内房線の終点である安房鴨川に到着です。時刻表上は11:18着ですから、この時点で何と21分の遅れが発生していることになります。

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安房鴨川の”新しい日常”

安房鴨川は、内房線外房線の両方の終点です。つまりこの駅から発車していく列車は全て「上り列車」となるわけです。現在乗車している「木更津→上総一ノ宮」の普通列車だと、この安房鴨川までは下り列車でしたが、これより先は上り列車へと変貌するということになります。

発車標を見ると、ずらりと並ぶ列車には全て「ワンマン・2両」の文字が並びます。昨日までここは209系だらけだったはずですが、一夜にして大きく姿を変えてしまったなという印象です。まぁ車両が新しいのは地元のみなさんにとって良いニュースだと思いますが、編成が短くなってしまうと都合の悪い時間もあると思います。朝晩はまだまだ209系も乗り入れますが、日中は基本的にE131系で統一されているようです。

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ようやく発車できる

この列車は本来、安房鴨川駅で長時間の停車をする予定はなく、11:20に発車予定でしたが、遅れて到着したことで安房鴨川11:41発の外房線特急〔わかしお12号〕東京行を先に通さなければならなくなりました。しかも外房線もダイヤ乱れが発生しているため、この特急の発車も5分程遅れることになり、特急は11:46頃に東京へ向け出発。おまけに外房線からやってきて内房線へと入る対向の普通列車も通し、私が乗る列車は11:59頃にようやく安房鴨川を出発しました。安房鴨川では思いがけず20分間もの長時間停車をすることになり、何と39分遅れにまで遅延時分が拡大してしまいました。単線なのでこのようにどんどん遅延が拡大していきます。

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号車表記がない

外房線に入ったからといって特別何かが変わるわけではないのですが、車両自体は初めから内房線外房線の直通を想定して造られたようで、何と号車の表記がありませんでした。先ほど述べた通り安房鴨川を境に上りと下りが変わるということで、号車の数字を入れないことで内房線外房線のどちらかとは逆の方向で号車番号が振られることになってしまうのを防いでいるのでしょう。そうするともはや、この車両には前とか後ろとかの概念がないということなのでしょうか。

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今度は太平洋を望む

列車はなおも進行方向右側に海を望みますが、外房線に入っているので先ほどの東京湾から太平洋へと変化しています。相変わらずの悪天候で大しけですが、1つの列車に乗りながら東京湾と太平洋の両方の景色を楽しめるというのは実はかなりすごいことなのではないでしょうか。

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勝浦駅ではB.B.BASEの姿が

12:28頃には勝浦駅へと到着。本来ならばそろそろ終点の上総一ノ宮となりますが、まだまだ先のこととなりそうです。ここは長時間停車等は行わずにすぐの発車となりましたが、反対側の線路には観光列車「B.B.BASE」が停車していました。

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大阪にありそうな駅名

続いては「浪花」(なみはな)駅に到着。ここでも対向列車がE131系でした。何だか大阪市内にありそうな駅名ですが、そんなくだらない話はさておき終点の上総一ノ宮へと走り抜けていきます。

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大原では行き違いせず

いすみ鉄道と接続する大原駅では、この列車は本来長めの停車時間が設けられており、対向列車との行き違いを行うダイヤとなっているようですが、ダイヤ乱れにつき行き違いを行わずにすぐの発車となりました。もしかすると先ほど浪花駅で行った行き違いが大原駅の代わりだったのかもしれません。

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いよいよ終点へ

そして東浪見駅を発車し、次がいよいよ終点の上総一ノ宮となります。既に乗車時間は3時間を超えており、開業初日からそのロングランの凄さに圧倒される展開となりました。LCDに「上総一ノ宮」の文字が表示されるのはE235系でも同じくですが、それにしても時代の変化を感じます。

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上総一ノ宮に到着!

そしてようやく、終点の上総一ノ宮駅へと到着です! 時刻は13:01ということで、本来の到着時刻(12:30)よりも31分遅れでの到着となりました。木更津~上総一ノ宮駅間は通常3時間程度ということで、今回はダイヤ乱れの影響で約3時間20分程度かかったことになります。

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すぐに列車は再び木更津へ

到着するやいなや、すぐに列車は折り返し木更津行の運用に入るようです。この上総一ノ宮駅での折り返し時分はかなり短めに設定されているようで、本来だと12:30に当駅どまりの列車として入線した後、12:40には木更津行として発車していくようなのですが、そもそもこの上総一ノ宮駅に到着する時点で12:40を大幅に過ぎていますから、速やかに折り返し作業を行い、それでも30分ほど遅れて13:10頃に発車していきました。相当タイトな運用になっているみたいですから、今回のように一度ダイヤが乱れるとなかなか元通りにするのは大変なのかもしれませんね。

 

ということで、今回はダイヤ改正初日のE131系木更津~上総一ノ宮駅間直通一番列車をご紹介していきました。内房線外房線大回り乗車等でも気軽に訪れることのできる路線ですから、機会があれば是非E131系にも乗車してみてください!

また、E131系は鹿島線でも運用されており、今後さらに運用範囲を広げて209系を置き換えていく可能性が高いでしょうから、少しずつ209系の記録もお忘れなく!

 

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【速報】185系踊り子ラストランを先回りして4回見届ける!

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みなさんこんにちは!わたかわです。

今回はまたまた速報記事ということで、先ほどの記事の続きとなります。

本日3月12日はダイヤ改正前日ということで、185系踊り子下りラストランとなった踊り子13号に乗車して修善寺にやってきました。

そしていよいよ、上りのラストランとなりますが、下りと同じようにただ全区間乗車してもつまらないので、今回は先回りしながらこの185系踊り子ラストランを追いかけることにしました!

2021年3月12日(金)

185系で運行する特急〔踊り子〕としてのラストランとなるのは、修善寺15:39発の特急〔踊り子16号〕東京行です。修善寺を出発する時点では5両編成ですが、熱海で後方に伊豆急下田からの編成を10両連結して堂々15両編成で東京へと向かっていきます。

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修善寺から発車する185系の最終列車

踊り子には自由席もありますから、このラストランに乗車して東京まで最後の185系〔踊り子〕としての走りを楽しむのもよいのですが、やはり新型コロナウイルスやその他の感染症へのリスクを考えるとやや危険と判断し、また単なる乗車については先ほど下り列車でお届けしましたので、今回この185系踊り子ラストランについては、少しずつ先回りをしながら何度もその雄姿を駅で見届けていきたいと思います!

修善寺駅

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まずは修善寺駅で見届ける

まず1回目のラストランを見届けるのは、もちろん修善寺駅。最後部で照らす赤いテールライトは、「もう伊豆へ来ることはない」という悲しみの表情にも見えてきます。

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国鉄幕の「東京」も最後

昨年10月に武蔵野線205系が引退して以降、東京駅へ定期列車で乗り入れる国鉄車両はこの185系のみとなっていましたが、ついに今日その歴史に幕を下ろすことになります。国鉄書体で「東京」の文字が見れるのも今日が最後となりました。

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普通列車で先回り

それでは、踊り子16号よりも12分早く修善寺駅を発車する普通列車に乗車して、まずは三島まで先回りをしていきます! さすがに伊豆箱根鉄道線内で普通列車が特急を追い抜かすようなダイヤにはなっていないので、三島駅で踊り子の入線を見届けるためには少し早めにこの修善寺駅を出なければならないということになります。

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記念のプレートも登場

185系を横目に、一足早く15:27に定刻通り修善寺駅を出発。三島までの所要時間は30分少々となっています。

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開けた土地を進む

平日の日中ですが各駅でかなりの乗降があり、ローカル線といえどやはり沿線人口はかなり多いのかなという印象を受けました。今回はどこの駅にも途中下車している暇はないのですが、また時間のある時にゆっくり途中下車などしながら乗ってみたい路線の一つです。

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この後踊り子16号が通る渡り線

そしてまもなく、終点の三島へと到着していきます。JRと伊豆箱根鉄道はホームが完全に分かれていますが、踊り子が直通できるように1本だけ両線が繋がる渡り線があり、普通列車の車内からもしっかりと確認することができました。

三島駅

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三島駅で2度目のラストランを見届ける

16:02に三島駅へと到着。この三島駅で、2回目のラストランを見届けたいと思います。

修善寺を出る時点では普通列車が12分先行していましたが、三島に到着する時点では2分差まで縮まっています。踊り子16号は三島16:04着ということになっており、この短い時間で伊豆箱根鉄道のホームからJRのホームへと移動するのもやや危険なので、伊豆箱根鉄道のホームからその入線を見届けます!

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踊り子16号登場!

程なくして、ゆっくりとその姿が見えました! 渡り線を通って、JRのホームへと入っていきます。185系がこの渡り線を通るのも、これが最後となるのでしょう。

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大量の鉄道ファンが見送る

そして改めて、JRの長いホームの中程に列車が停車します。見たところ既に車内は超満員で、自由席のデッキにも人が溢れているようですが、まだまだこの先の区間でも多くの鉄道ファンが乗り込むことでしょう。

定刻であれば16:06の発車となりますが、少し遅れて16:08頃に三島駅を出発し、東京へと向かっていきました。

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新幹線で追いかける!

JRの区間に入れば、後は話は簡単です。そう、在来線特急よりも速いただ一つの移動手段である陸の王者「新幹線」で追いかけます!

三島駅では少し足踏みをしなければならず、踊り子16号よりも約20分ほど遅く東京方面に向けて発車していく〔こだま730号〕というのがあるそうなので、これに乗車していきます。三島の時点で開いた20分の差をどこで埋められるか…!?

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陸の王者「新幹線」で追いかける!

ホームに上がりしばらくすると、こだま730号が入線。後続の列車を待避し、定刻通り16:27に三島を出発です。

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全速力でお

出発するやいなや、踊り子とは比べ物にならない加速度で次の熱海へと向かっていきます! さすが新幹線、頼もしい走りです。

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熱海に到着したが…?

三島を出てから7分、16:34に熱海へと到着。ここで踊り子号は連結作業を行うため停車時間が長めに取られており、もしかしたら追いつけているかも…?と思いましたが、どうやら踊り子16号は5分前の16:29にこの熱海駅を発車しているようです。というわけでこの熱海では降りず、次の小田原を目指します!

小田原駅

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小田原で迎え撃つ!

さて、先回りポイント3ヵ所目は小田原となります!

三島を出てから新幹線でわずか15分、16:42に定刻通り小田原へ到着。新幹線ホームから在来線ホームへと移動します。

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間に合った!

在来線の発車標を見てみると、三島で見送った踊り子16号はまだ到着していない模様です!

急いで6番線へと降りていきます。

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ちょうど入線!

ホームに降りると同時に、ちょうど踊り子16号が入線してきました! ホームに入る瞬間こそ見れませんでしたが、何とかその姿をしっかりとらえることができました。3回目の先回りはギリギリ成功です!

列車は先ほど三島で見た時以上の混雑を見せており、まるで大型連休の最終日のよう。列車内の秩序がどれほどであったかはわかりかねますが、この空間で飲食や会話をするのは感染リスクの高い行為といえそうです。

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最後は新幹線で東京へ!

さて、踊り子16号の発車を見届けたら再び小田原駅の新幹線ホームへと戻り、いよいよ最後4回目となる先回りポイントである東京駅へと向かっていきます。

新幹線の発車標を見ると、小田原17:14発の〔こだま732号〕東京行というのがありますので、これに乗っていくことにします。16:48に踊り子16号が出発してから何と30分近くも差があり、この差を東京に着くまでに縮められるのか…?と疑問に思うかもしれませんが、実はこのこだま732号と踊り子16号はどちらも東京駅に17:48に到着します。東京駅で新幹線ホームから在来線ホームに速やかに移動すれば、東京駅で回送になった踊り子16号の姿を見届けられるのでは…?と思い、最後に東京でその姿を見るべくこだま732号に乗車します!

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熱海方からゆっくりと入線

ホームでしばらく待っていると、先ほどと同じくN700系が入線。早速乗り込みます。

車内の混雑はまずまずといったところで、空気輸送というほどでもありませんがそれなりの乗車率ではありました。ただ余裕で着席し、定刻通り17:14に小田原を出発です。

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踊り子はそろそろ横浜あたりかな

新幹線は一気にスピードを上げて、踊り子16号を猛追していきます。小田原~東京駅間は新幹線の方が在来線よりも少し距離も短いようですから、ここで一気に追い上げられそうです。

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新横浜に到着

17:29に新横浜へと到着。踊り子16号は横浜駅を17:25に出発済みなので、ここで横浜線に乗り換えて横浜駅に向かっても踊り子16号には絶対に間に合いません。ただ30分近くあった差が、ここで約5分の差に縮められているのは流石新幹線という感じがします。

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東京都内に突入

様々な路線を跨ぎ、民家や東京の高層ビル群が見えてきたらいよいよ品川です。こだま732号がこの品川駅に17:40に到着するのに対して、踊り子16号は17:41に到着するためこの時点で先回りはできているのですが、1分しか差がないと私が在来線ホームに移動した時にはもう踊り子16号が発車してしまっている可能性が高いので、あえてここでは降りず両列車の終点である東京へと向かいます。

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山手線と並走

品川~東京駅間では山手線・京浜東北線等様々な路線と並走します。在来線も新幹線もここではあまり大きな速度差はないですから、もしかしたら新幹線の窓から踊り子16号の姿を目撃できるかもしれないと思いましたが、残念ながらそうはいかなかったようです。

④東京駅

そしてこだま732号は、17:48に定刻通り東京駅へと到着しました。本来ならば既に時を同じくして踊り子16号も入線しているはずですので、気をつけつつも急いで在来線ホームへと向かいます。果たして…!

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ちょうど入線!

ホームに上がると、まさにちょうど踊り子16号が入線してきました! あまりの興奮と驚きでピンボケしてしまっていますが、それくらいちょうどジャストタイミングだったということです。踊り子16号の東京駅への入線は3分ほど遅れたということで、4回目の先回りもギリギリ成功です!

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40年の歴史に幕

そしてこれをもって、185系での特急「踊り子号」は定期運用を終え、40年に渡るその歴史に幕を下ろしました。40年というと私が生まれるよりも遥か昔で、正直なかなか想像もつかないという感じではあるのですが、長年東海道を始め様々な路線で活躍してくれたこの185系に改めて感謝の思いを表したいと思います。

本当にお疲れ様でした!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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【速報】185系踊り子 下りラストランに乗車してきた!

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みなさんこんにちは。わたかわです。

今回は2021年春のダイヤ改正に関する速報記事ということで、つい先ほどラストランを迎えた185系特急踊り子号下り最終列車の様子をご紹介していきます。

新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底した上で乗車してまいりましたので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

2021年3月12日(金)

さて、本日は東京駅にやってきました。これより、185系で運行される下り「踊り子号」のラストランに乗車していきます。

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発車標には185系のイラストも

185系踊り子の下り最終列車となるのは、東京12:00発の特急〔踊り子13号〕伊豆急下田修善寺です。日本国内で現存する在来線特急として最長の15両編成で運行され、前寄り10両が伊豆急下田行、後寄り5両が修善寺行となります。

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「これが日本の特急だ」

先頭車両付近はかなりの人混みで、1年前のサフィール踊り子デビューの瞬間を思い出します。

首都圏に住む方、特に東海道線高崎線沿線に住んでいたことのある方なら誰もが一度は目にしたことのあるであろう「185系」。1981年にデビューし、今年で運行開始から40周年を迎えました。JR東日本の近年の車両としてはかなり長く使われ続けた例かと思います。デビュー当初は首都圏と伊豆を結ぶ急行〔伊豆〕号で、それまで使用されてきた153系を置き換える目的で導入されました。その半年後には首都圏と伊豆を結ぶ特急〔あまぎ〕と急行〔伊豆〕という2種類の列車が特急〔踊り子〕に統合される形で廃止され、この185系が「踊り子」という列車名を背負って走り抜けることになります。

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自由席も今日で見納め

国鉄末期の1985年には〔踊り子〕の全列車が185系での運行に統一され、長らく東京と伊豆を結ぶ観光客向けの特急列車として運行されてきました。しかし車両の老朽化に伴い、2020年春のダイヤ改正からはかつて中央線特急で活躍したE257系を転用したリニューアル車両がこの〔踊り子〕に充当されるようになり、この2021年春をもって185系は踊り子号としての運用を取りやめることになります。

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多彩な編成も魅力

現在は普通車に指定席と自由席がありますが、これも今日で見納めとなり、明日からは全車指定席となります。東京駅9番線のホーム頭上には185系の多彩な両数に対応した号車札が掲げられていますが、この札も本日12:00をもって役目を終え、過去のものとなります。

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今回は修善寺行に乗車

今回は東京から修善寺まで乗車していきます。東京~三島駅間は東海道本線を走り、三島から先は伊豆箱根鉄道へと直通する編成です。「踊り子号の修善寺行」自体は明日以降も運行されますが、全列車がE257系での運行となるため昔ながらの方向幕で「修善寺」の文字を見られるのは今日が最後となりました(伊豆急下田も同様)。

自由席の最終運用を楽しもうかとも思いましたが、コロナ対策として座席数以上の人が乗り込むような密な状況になるのを防ぐため指定席を購入しました。

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拍手でお見送りを

ホーム上のアナウンスでは「踊り子13号が185系踊り子の定期運用最終列車となります」「コロナウイルス感染拡大防止のため、大きな声を出すのではなく拍手でお見送りをお願いします」という放送がなされていました。今回のラストランは、JRからはあくまでも「定期運行の最終列車」として案内されていますが、春の臨時列車プレスリリースには臨時運用を含めて明日以降の185系踊り子運用はなく、またコロナ禍ということで観光地へ向かう増発列車の需要もそこまで高いわけではないですから、実質的には定期・臨時も含めてこの列車が東京から伊豆へ向かう最後の185系となる可能性が非常に高く、40年の歴史に幕を下ろすことになるようです。

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大部分の座席が埋まった状態で出発

そして時刻は12:00となり、列車は定刻通り東京を出発。当然ですがラストランなので車内も大変混雑しており、東京を出発した時点で大部分の席が埋まっているようです。ホームからの拍手はまばらなようでしたが、まぁ多くの鉄道ファンはカメラを構えて撮影しているので手が塞がっていて拍手するのも難しかったのかもしれません。私が確認する限りでは罵声が飛び交うような酷い状態にはなっていなかったようなので一安心です。

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品川に停車

列車は東京を出ると、品川、川崎、横浜、大船、小田原、湯河原、熱海…の順に停車していきます。東海道線内、特に神奈川県東部ではかなりこまめに停車駅が設定されているのが特徴です。華やかな鉄道唱歌のオルゴールが流れ、伊豆に向かってラストダンスの始まりです。

品川や川崎からも少しずつ乗車があり、徐々に車内は満席に近づいていきます。品川から乗車された、伊豆旅行にでも出かけると思われる老夫婦(鉄道ファンではないっぽい)は、そのあまりの混雑ぶりに驚いていらっしゃいました。いや逆に185系の踊り子下りラストランと知らずにこの列車の特急券を取れたのならそれこそすごいことですが。

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在来線特急の「15号車」はもう見れない?

修善寺編成は11号車と12号車のみ自由席で、13~15号車が指定席となっています。グリーン車はありません。わずか1週間前に急に思い立って乗ることにしたので、既に窓側は確保できませんでしたが、それでも「15号車」と印字された特急券を手に入れることができたのが何とも言えない嬉しさです。明日からの踊り子(E257系)は最長でも14両編成、また他にサンライズも14両編成ですが、15両以上の在来線特急というのは今日いっぱいで日本国内からなくなるでしょうから、新幹線でなく在来線特急で「15号車」に乗れる貴重な機会となりました。

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時代の変わり目にいることを実感

車両前方の広告は「START!新しい東海道線特急」のキャッチコピーでおなじみのポスターが掲示されており、まさに自分が今時代の変わり目にいることを実感します。40年間続いてきた列車の一つの歴史が、まさに今終わろうとしているわけですから。

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横浜でも多数の人

12:23には横浜に到着。ここでもわずかながら乗降があり、またホームの鉄道ファンの数もものすごいことになっています。私が中高生の頃だと、もっぱら国鉄特急といえば183・189・485系あたりが注目されていたような印象で、誰も185系には目もくれず、季節臨で185系が来ると誰もが肩を落とすということが多かったように思いますが、185系にたくさんのカメラが向けられているのを見ると、やはり時代は移り変わっていくのだと実感します。

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遥か先まで見渡す

大船の手前では大きく列車が右にカーブを描きます。窓枠にピントが合ってしまったので車両がぼやけてますが、15両編成というと全長およそ300メートルほどになると思いますから、後ろの車両からこのように前方を見渡せるわけです。E257系に置き換えられた後も最長14両編成ですからこのような楽しみ方はできると思いますが、185系でこのような光景を見られるのも今日が最後になりそうです。

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スカレンジとすれ違い

大船駅では、ちょうど横須賀線E235系も停車していました。昨年12月にデビューしたばかりの”スカレンジ”を185系の窓から見ることができる貴重な機会となりました。

東京から大船までは比較的こまめに停車してきて、まともに通過したのは新橋と戸塚くらいでしたが、大船を出ると次は小田原までノンストップとなり特急らしい走りを見せてくれます。

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相模川を渡る

かつては藤沢、茅ヶ崎、平塚といった駅にも停車していたようなのですが、まぁ流石に湘南エリアまでこまめに停まってしまうといよいよ特急と普通列車の区別がつかなくなってしまうので通過もやむを得ないといったところでしょうか。平塚は2000年代に入ってからも特急〔東海〕が停車していました。

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左手に海が見えてきた

小田原を発車し、しばらくすると車窓左手には海が見えてきます! 本日はあいにくの曇天、ともすれば小雨が降っているようですが、「♪思い出は~いつの日も~雨~」ですからね。思い返せば昨年春のダイヤ改正当日も雨だったように記憶しています。雨が降るということは、今日が忘れられない一日になることを意味しているように思います。

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熱海に到着

東京を出てから1時間20分、13:20に途中の熱海へと到着です。列車はここで切り離しを行い、伊豆急下田方面と修善寺方面の二手に分かれます。先に前10両が切り離され発車していきますが、その際に後5両が少し後退する必要があるため、開いていた後5両のドアがいったん閉まりました。切り離し作業完了後まもなく、後5両のドアが再び開くとともに前10両が発車、そして程なくして後5両も発車していきます。熱海駅では最後の185系切り離し作業ということで多くの鉄道ファンが詰めかけていたようですが、なるべく密になるのを避けるため私は連結部分へは行かずすぐに車内へと戻りました。E257系に置き換えられてからはこの切り離し作業の手順が変わったりするのかも気になるところです。

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185系うしのすれ違い

反対側のホームには、ちょうど東京行の特急〔踊り子8号〕が停車しており、この熱海駅ですれ違う形になりました。あちらは先に修善寺からの編成が到着して、伊豆急下田からの編成が連結するのを待っていたようです。

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丹那トンネルを爆走

13:25に熱海を出発し、私が乗る修善寺行は引き続き東海道本線を進みます。とはいってもこれより先はJR東海区間に突入するため、乗務員さんも交代されたようです。列車は長い丹那トンネルへと入っていきます。あいにくこの15号車というのはモーターを積んでいる車両ではなかったようで、走行音は比較的静かなのですが、それでも国鉄時代からの車両で丹那トンネルをくぐれるだけでもテンションが上がります。

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三島駅ではJRのホームに入る

13:38には三島へと到着。わずかでしたがJR東海はここまでとなり、これより先は再び鉄道会社が変わり伊豆箱根鉄道へと入っていきます。この三島~修善寺駅間は全車自由席の快速列車として運行されるため、三島からはかなりの乗車があり、車内の混雑度合いはやや増したような印象を受けました。

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えぐれたホームから分岐

三島で乗務員さんが交代となり、JRの1番線ホームを発車して伊豆箱根鉄道の線路へと分岐していきます。配線の都合でホームの途中から分岐するため、列車がホームにぶつかることなく分岐できるように1番線は少しホームがえぐれています。

伊豆箱根鉄道に入り、途中の停車駅は三島田町、大場、伊豆長岡、大仁、そして終点の修善寺となります。全区間が単線ですが、だいたいどの駅も列車の行き違いができるようになっているらしく、頻繁に普通列車とすれ違います。

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三島田町駅に停車

伊豆箱根鉄道に入ってから改めて、車掌さんからこの列車が最終列車である旨を伝えるアナウンスがありました。通過駅もありますからこの伊豆箱根鉄道線内でも普通列車より所要時間は短いようなのですが、しかし単線ということもあり特急らしからぬゆったりとした走りで進んでいきます。

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改めてちゃんと来たい

私恥ずかしながら伊豆箱根鉄道は生まれて初めて乗ったのですが、住宅街から開けた土地まで様々な車窓が楽しめて、いい路線だなという印象です。これはまた改めて時間のある時に修善寺方面へも旅行してみたいですね。

世界遺産韮山反射炉の最寄り駅である伊豆長岡、そして次の大仁も発車し、次がいよいよ終点の修善寺となります。車掌さんからのさよなら放送とともに、列車はゆっくりとホームに入っていきます。

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修善寺駅に到着!

東京を出てから2時間余り、14:06に終点の修善寺へと到着です。列車はこの後折り返し15:39発の特急〔踊り子16号〕東京行の運用に入りますが、下りの185系踊り子についてはこれが最後となりました。もう185系で伊豆方面へ旅ができることはないと思うと、何だかまだ実感が湧きません。

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普通列車と並ぶ

以前、東海道線でE257系特急車両が185系を置き換える旨がJRから発表された際に、「修善寺踊り子はどうなるんだ」と一時期話題にもなりました。修善寺発着は廃止され、東京~伊豆急下田駅間のみの運行に一本化されるのではという見方もありましたが、幸いにも明日以降もE257系で運行が継続されますから、沿線の観光地などはかなりホッとされたのではないでしょうか。

 

というわけで、今回は185系踊り子下りラストランとなった「踊り子13号」の模様を速報でお届けしてまいりました。

 

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五能線「リゾートしらかみ号」くまげら編成で冬の不老ふ死温泉へ! 一生に一度は立ち寄りたい絶景「海辺の露天風呂」に入浴【2021-02冬の北東北4】

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みなさんこんにちは。わたかわです。

本題に入る前に、少しお話がございますのでお付き合いください。

 

今日は2021年3月11日、東日本大震災から10年がたちました。

この10年間は、皆様にとってどのような月日だったでしょうか。

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岩手県陸前高田市「奇跡の一本松」(2015年7月訪問)

震災当時、小学5年生だった私は、現在大学3年生となりました。

決して短い月日ではなかったように思います。

しかしその一方で、10年前のあの日、あの瞬間の記憶はいつまでも私の頭の中から離れることはありません。当時も今と同じく横浜に住んでおり、横浜で地震に遭いました。

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宮城県東松島市「旧野蒜駅跡地」(2018年9月訪問)

東北3県をはじめとする被災地域と比べれば被害はごくわずかで、何か大切な財産を失ったり身近な人を亡くしたりしたわけではありません。しかし当時小学生ながら感じた地震の記憶、震災の記憶というものは、決して忘れることはないし、忘れるべきでもないと思っています。

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福島県双葉町「帰還困難区域を示す看板」(2018年9月訪問)

それと同時に、今の自分にできることは何かを考えた際に、東北という地域の魅力を全身で体感し、その素晴らしさを一人でも多くの方々に広め、その魅力に共感してもらえる人を増やすことだと考えました。

そこで今回は、前回からの続きということで、青森県内を旅行する様子をご紹介していきます。リゾートしらかみ号に乗車して「黄金崎不老ふ死温泉」に宿泊してきました。本当に素晴らしい経験となりましたので、是非とも一人でも多くの方に興味を持っていただければ幸いです。

▼前回の記事(津軽鉄道ストーブ列車)は以下のリンクからご覧ください。

watakawa.hatenablog.com

 

2日目 2021年2月26日(金)③

さて、津軽鉄道の旅を終えていよいよ五所川原駅へと戻ってまいりました。ここからは五能線の観光列車「リゾートしらかみ号」に乗車していきます!

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青森から秋田までかなりのロングラン

乗車するのは、五所川原15:10発の快速〔リゾートしらかみ4号〕秋田行です。1997年に運行を開始した、JR東日本を代表する観光列車の一つとなっており、秋田~青森駅間を五能線経由で片道約5時間かけて結びます。全車指定席で、臨時列車のため運転日には注意が必要ですが、他の観光列車と異なりリゾートしらかみはオフシーズンの平日でも運行がなされており、乗車チャンスの多い列車といえそうです。

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乗車位置は頭上で確認

リゾートしらかみには「くまげら」「青池」「橅」と計3種類の編成があり、運転日によってどの便にどの編成が用いられるかは異なります。今回乗車するのは「くまげら」編成で、2006年にデビューをしており、現在運行されている3編成の中では最古参となります。

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くまげら編成がやってきた!

凍てつくホームで待つこと数分、いよいよくまげら編成が入線してきました! 温かみのあるオレンジ色の顔をしており、雪景色の中でとっても映えます。種車はキハ40系ということですが、パッと見ただけではその古さを感じさせません。

五所川原での停車時間はわずかなのでさっそく乗り込み、定刻通り発車。今回は1時間40分ほど乗車していきます。

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特急さながらのリクライニングシート

車内は2+2列のリクライニングシートが並び、特急さながらの居住性の高さです。また窓がとっても大きく、車窓を存分に味わうことができるように設計されております。オフシーズンの平日ということと、コロナの影響もあってか車内はかなり空いていました。

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シートピッチが広すぎる

モケットは首都圏の普通列車グリーン車にもあるような赤紫色をしています。そして驚くべきは広すぎるシートピッチで、短足の私ならピーンと前に足を伸ばすこともできるくらいでした。そのため背面テーブルの他にインアームテーブルも備え付けられています。各座席にコンセントはないようですが、車内ではJR東日本のフリーWi-Fiも飛んでいます。

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一面の雪景色の中を進む

五所川原を出ると、木造、陸奥森田鰺ヶ沢千畳敷、深浦…と停車していきます。しばらく車窓には一面の雪景色が広がり、その絶景を暖房の効いた車内から眺めるという何とも贅沢なひと時です!

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りんごチップス美味すぎる

また、車内販売もあり、青森の名産であるりんごをフリーズドライした「りんごチップス」を購入。500円となかなかいいお値段ですが、これが本当にりんごの旨みをぎゅっと凝縮していて、甘くて美味しいです!

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車両前方にはラウンジもある

また編成の最前部と最後部にはラウンジもあり、前面展望・後面展望も楽しむことができます。本来は乗車記念のスタンプを押せるようですが、コロナ対策のため撤去されていました。

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鰺ヶ沢は猛吹雪

15:34に、日本海沿岸部の町である鰺ヶ沢へと到着。岩木山を車窓左側に望みながら(といっても実際は猛吹雪で見えない)、これより先はいよいよ日本海沿岸部を進むこととなります。画像からもお分かりいただける通り、外は本当に凄まじい吹雪となっています。

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日本海が見えてきた!

北金ヶ沢を出ると特に景色が素晴らしい区間へと入っていきます! 車窓右手に日本海がしっかりと見えてきました。空は曇っていてあいにくの天気ですが、水平線もはっきりと確認できます。目の前には五能線と並走する国道がありますが、車通りはまばらのようです。

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千畳敷では15分間停車

15:58には途中の千畳敷へと到着。1面1線の棒線駅ですが、ここでは15分間の停車時間が設けられており、駅前の千畳敷海岸を散策できるようになっています。本来は列車を降車して駅の外に出ると指定券は前途無効となりますが、無人駅ということで黙認されているようです。

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寒すぎる!!

千畳敷海岸はかなり長く、15分間の停車時間でくまなく散策することは難しいのですが、それにしても外に出ると本当に寒く、気温の低さに加え海風もあいまって凍えそうです。防寒対策をしっかりしていたとしても冬の千畳敷海岸を15分も歩くのはかなりハードに見えます。ごつごつとした岩のあたりまで歩いてみたかったですが、海水がかなり手前まで迫っていたので少し厳しそうでした。

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とんでもない場所に設置されたホーム

また後ろを振り返ると、千畳敷駅自体もかなり過酷なロケーションに設けられていることが分かります。目の前は断崖絶壁で、真っ白な氷柱が美しいというか何というか…この地域の自然環境の厳しさを物語っています。

発車3分前になると警笛が3回鳴るので、これが聞こえたら列車へと戻りましょう。こんな寒空の下で放置されたらひとたまりもないですからね。定刻通り16:13に発車です。

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遠くまで見渡せる

千畳敷を出てからも、列車はひたすら日本海沿岸を走っていきます。海岸線がくねくねとしているのに合わせて線路も右へ左へと曲がりくねっており、「快速」ではありますがあまりスピードを出すことはありません。

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日本海ギリギリを走る!

特に一部区間では、波打ち際ギリギリを走り抜けていきます。圧倒的な臨場感、そしてまるで生きているかのような荒波の勢いを目の前で感じることができます。

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五能線最大の途中駅?

16:37には深浦駅に到着。ここでは上下列車の行き違いが行われました。青森方面へと向かう列車は、リゾートしらかみ「橅」編成のようです。普通列車は基本的にこの深浦で系統分割がなされており、五能線の運行において最も主要な途中駅の一つでもあります。

そしてこの深浦を出ると、次が今回下車する「ウェスパ椿山駅」となります。終点の秋田まで一気に向かってもいいのですが、今回の旅で最も楽しみにしていた「黄金崎不老ふ死温泉」へと立ち寄るためここで下車します。

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ウェスパ椿山駅に到着!

16:53にウェスパ椿山へと到着。まだ明るい時間ですが本日の鉄道移動はここまでとし、ここからは不老ふ死温泉へと向かう無料シャトルバスへと乗り換えます。私を含めこの駅で下車した3人全員がシャトルバスへと乗り込みました。バスは乗り込み次第すぐに発車します。

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本日の宿泊先に到着!

5分ほどの乗車で、本日の宿泊先である「黄金崎不老ふ死温泉」に到着です!

フロントでチェックインを済ませ、まずはお部屋に案内していただきます。

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1人は広すぎる和洋室

今回は1人での宿泊ということで、シングル洋室を予約していたのですが、お部屋に余裕があったようで、無料アップグレードをしてくださり、こんなに広々としたツインの和洋室に1人で泊まらせていただけることになりました!! いやぁ~これは贅沢すぎやしませんか!?

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部屋の窓からも日本海

お部屋の窓からも、しっかりと日本海を望むことができます。窓も自由に開閉することができますが、あまりにも寒すぎるので一瞬で閉めました(笑)。

この黄金崎不老ふ死温泉は、温泉に浸かりながら日本海に沈む夕陽を眺めることのできる最高のロケーションとなっており、宿泊のみならず日帰りでも温泉を楽しめることで人気があります。まだ夕食の前ですが、部屋に荷物を置いて先に温泉に行ってみます!

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大浴場イメージ(公式HPより引用)

大浴場内では写真を撮れないので公式HPのものを引用させていただきますが、いやこれが本当に素晴らしい景色でして。一面ガラス張りの浴場から、徐々に暗くなっていく日本海を一望できるベストタイミングでした。あいにくの曇り空ということで美しい夕陽を眺めることは叶いませんでしたが、どっちにしても最高の気分です!!

泉質は「ナトリウム・マグネシウム塩化物強塩泉」と呼ぶそうで、鉄のような独特の匂いがします。また内湯だけでなく露天風呂もすぐ隣にあり、こちらはより素晴らしい景色を眺めることができます!あまりにも寒すぎて濡れた髪が凍りそうですが、贅沢なひと時を過ごすことができました。

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多過ぎて到底食べきれ…(以下省略)

そして夕食のお時間となりましたので、食事会場へ向かいます。夕食はさまざまなプランがありましたが、今回は最もスタンダードなプランで予約。それでも品数の多さに驚かされます。やはり土地柄もあり海の幸をふんだんに使ったメニューが並び、多すぎて到底食べきれない…かと思いきや、どれも美味しすぎるので箸が止まらなくなり、気づいたら完食しておりました! お刺身に帆立のバター焼きに鮭のちゃんちゃん焼き、立派な有頭海老まで入った鍋など、ボリュームも満点です。デザートの雪人参アイスも含め、すべて美味しくいただきました。

食後は部屋でゆっくり過ごします。建物はやや古そうですが、内装はリニューアルされていて、まるで最近できたかのような新しさがあり、水回りなどもとても清潔です。しいて言うならば部屋にWi-Fiがないですが、まぁデジタルデトックスにもちょうどいいかもしれません。

絶景を堪能する温泉に浸かり、美味しい夕食をいただき、部屋でゆっくり過ごす――。普段はなかなかできない贅沢を味わいます。修学旅行のように、大人数で来たらより一層楽しいでしょうが、昨今の情勢を踏まえれば私のような若者がそのような行動を取ることが世の中から叩かれることは目に見えているので、またの楽しみにとっておきます。

 

3日目 2021年2月27日(土)①

さて、3日目の朝を迎えました。朝食は昨晩と同じ食事会場で7~9時の好きな時間にどうぞということだったので、少し早起きをして朝風呂に向かいます。

昨晩の内湯・露天風呂ももちろん素晴らしかったのですが、不老ふ死温泉に来たら是非とも一度は入っておきたいのがこの「海辺の露天風呂」です!

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海辺の露天風呂!(Wikipediaより引用)

不老ふ死温泉の代名詞ともなっている、大自然の中に造られたひょうたん型の露天風呂は日の出から日没までの間のみ入ることができる露天風呂で、混浴と女性専用の2つに分かれています。もちろん撮影はできないので画像はWikipediaから拝借しましたが、男性専用がないのでなかなか勇気がいりますよね(笑)。実際私も少しヒヤヒヤしていたのですが、実際行ってみると朝早くということもあって空いており、おじさんが一人入られているだけでしたのでラッキースケベとはなりませんでした。おそらく夕暮れ時が一番混雑しているのでしょう。こちらのお湯も鉄の匂いがする泉質で、外が極寒のため感じにくいですが実はかなり高温とのこと。長湯は禁物です。

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朝食はバイキング

朝食はバイキングとなります。朝からお刺身やら何やら贅沢を味わうことができるのも、海沿いの町ならでは。青森県産のりんごを使ったりんごジュースも本当に美味しかったです!

私のように一人で宿泊している人もいれば、数人程度のグループ客もいましたが、複数人で食事をされているご年配の方でも対角線上に座るなどしてしっかりコロナへの対策意識を持たれているお客さんが多かったように思います。

 

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北海道へ向かうフェリー?

食後は部屋でゆっくり過ごしつつ、時間となったのでチェックアウト。後払い制で、部屋の鍵についているICチップを自動精算機にかざして宿泊料金を支払います。インターネット予約で割引となり、今回は諸税込で8,950円。これだけ贅沢な時間を過ごすことができて1万円を切るのなら決して高くはないように思います。本音をいえばGoToトラベルがあるとなおよかったかもしれませんが、しかしGoToトラベルがなかったからこそ宿泊客がモラルの高い方々ばかりだったともいえるかもしれません。

何にしてもGoToトラベルがあろうとなかろうと、もう一度泊まりたいと心の底から思いました。次に来る時は大学で仲の良い友人や、あるいは大切な人(夢のまた夢)と来れたらいいですね!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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津軽鉄道「ストーブ列車」に乗車! 70年前の客車で昭和の汽車旅を味わう【2021-02冬の北東北3】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は冬の北東北の続編としまして、津軽鉄道の「ストーブ列車」に乗車しましたのでその模様をご紹介します!

▼前回の記事は以下のリンクからご覧ください。

watakawa.hatenablog.com

 

2日目 2021年2月26日(金)②

さて、今回は青森県五所川原にやってきています。これから津軽鉄道の「ストーブ列車」に乗車していきますが、今回はスケジュールの都合で上り(津軽中里→津軽五所川原)の便に乗車するため、往路はバスで移動していきます。

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五所川原バスターミナル

五所川原駅前には「五所川原バスターミナル」と呼ばれる大きな平屋建てのバス乗り場があります。見ていただければわかる通り、かなり昔の建物が使い続けられているようで、広告や文字の書体から古さを感じます。

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昭和の空気が残る

中は待合室になっており、椅子が並んでいます。その椅子もまたかなり古そうで、観光客のためというよりは地元のみなさんが長年使い続けている愛着のある待合室という感じがします。奥には立ち食いそば屋さんもあり、こうした地方の町で昔ながらの光景が今もそのまま残っています。

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鉄道のようなきっぷ

待合室の片隅にある乗車券窓口で、840円のバス乗車券を購入します。これをもって「五所川原バスターミナル」から「中里駅前」までバスを利用していきます。津軽鉄道普通列車に乗ってもよかったのですが、ちょっと津軽中里駅での待ち時間が長くなりそうだったのでバスを選択しました。

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昭和初期くらいの時刻表にも見える

時刻表を確認します。これがまた時代を感じるもので、何と縦書きなんですよ。もはや博物館に収蔵されていそうなくらい貴重な代物ですが、五所川原では今も現役で使い続けられています。今回は五所川原バスターミナル12:40発の便に乗車します。

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弘南バス 小泊方面行

そうこうしているうちに、バスがやってきました。津軽半島北部の「小泊」という町まで行くバスで、五所川原からは50km離れています。

大勢のお客さんが乗り込み、バスは定刻通り発車。五所川原市街地を少しぐるぐると回り、その後は津軽鉄道と概ね同じようなルートで北上していきます。

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こんなところで一人で降ろされたら凍死してしまう

バスは雪が降りしきる中をどんどんと走っていきます。津軽中里駅より手前にある大きな町というと金木くらいで、それ以外は基本的に何もない雪原の風景が続きます。こうしている間にもまさに雪が降り続いていて、冬の時期は生活するにもかなり厳しい地域であろうことは容易に想像がつきます。

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津軽中里駅

定刻通り走り、40分ほど乗車して13:24に中里駅前へと到着。バスはこの後も引き続き小泊へ向けて北上していきますが、津軽鉄道の終点はこちらの「津軽中里駅」となります。ここから来た道を戻るようなルートにはなりますが、いよいよ「ストーブ列車」に乗車していきます!

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津軽中里駅改札口

改札口は少々手狭ではありますが、乗車券類の発売窓口のほか津軽鉄道のグッズ販売も行っているようです。この窓口で津軽五所川原までの片道乗車券(870円)とストーブ列車券(500円)を購入しホームへと入ります。

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日本最北の私鉄らしい

この津軽鉄道は、どうやら「日本最北の私鉄」、そしてこの津軽中里駅は「日本最北の私鉄駅」だそうです。そうか考えてみれば北海道はJRばかり…2016年に誕生した「道南いさりび鉄道」は私鉄というよりは”第三セクター鉄道”ですしね。2006年に廃止された「北海道ちほく高原鉄道」も第三セクターでした。

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国鉄初期の客車

1面1線の棒線ホームには、既に列車が入線していました。五所川原方に1両の普通列車を連結し、2両編成での運行となるようです。普通列車の方は乗車券のみで利用できます。

今回乗車するストーブ列車の方はというと、何と1948年に製造された元国鉄の客車ということで、運行開始から何と70年以上が経過しています。車両形式としては「オハ35系」と呼ばれる形式群のようで、1939年から1950年にかけて製造された客車とのことで、現在はこの津軽鉄道の他に大井川鐵道でしか見ることができない車両だそうです。

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かつては国鉄の長距離運用もこなした

側面にはサボが掲示されています。戦後の復興期や高度経済成長期にはおそらく国鉄の長距離運用を数多くこなしていたものと思いますが、老朽化が進み1983年に津軽鉄道へと譲渡され、塗装が改められて今に至ります。譲渡されてからも既に40年近くが経過しているということで、もはや現役で線路の上を走っているだけでも奇跡といえそうです。

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まさに博物館収蔵レベルの貴重な車内

発車時刻が近づいてきたので車内に入ります。ストーブ列車という名前の通り、車内にはダルマストーブが2台、対角線上に配置され、昔ながらのボックスシートが並びます。この椅子が70年前からずっと変わらず使い続けられているわけではないと思いますが、それにしてもかなり古いことには間違いないでしょう。

床は板張り、網棚も”ホンモノの網棚”です。

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この後の恒例イベントに向けて準備!

まだ発車前ですが、車内販売のワゴンが巡回してきましたので、スルメイカ(500円)を購入。これはすぐには食べず、この後の”とある恒例行事”に向けて準備しておきます。車内販売では他にも津軽鉄道グッズ等を多数取り揃えているようです。

ほどなくして発車時刻となり、13:37に定刻通り津軽中里駅を出発。停車駅は大沢内、芦野公園、金木、嘉瀬、津軽飯詰、五農校前、十川、そして終点の津軽五所川原となります。深郷田、川倉、毘沙門の3駅のみ通過し、所要時間はバスと同じくらいの36分間です。

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快適を通り越して心配になる

津軽中里から乗車したのは、私を含め何とわずか2人のみ。平日とはいえ金曜日、しかも津軽鉄道の代名詞といえるこの冬のストーブ列車に2人しか乗車していないのは大変まずい状況であるという気がします。やはりコロナの影響で旅行自粛をする人が多いのだと思われます。

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プロの職人技

しばらくすると、乗務員の方が巡回してくるので、持っているスルメイカをそのまま渡すとストーブの上で焼いてくださいます。これこそが津軽鉄道ストーブ列車の恒例行事「焼きスルメ」です! スルメを袋から取り出し、ストーブの熱が伝わる網の上にしっかりと押し付けて焼きます。軍手をしているとはいえとんでもなく熱いと思うのですが…職人技の域に達してますね。

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火が通ると丸まってくる

火が通り、丸まってきたら食べごろです。ただこのままでは大きくて食べにくいので、乗務員さんが細く割いて、先ほどの袋に入れてくださいます。

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この上ない贅沢

いやぁこの上ない贅沢ですよ。車内でアツアツの焼きスルメをかじりながら、あったかいストーブの目の前に座って一面の雪景色を眺めながらの汽車旅。まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのようです。

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金木で対向列車とすれ違い

列車は順調に進み、途中の金木駅に到着。ここは上下列車の交換が可能な駅となっており、津軽中里行の列車と行き違いを行います。主要な観光拠点の一つでもあり、近くには太宰治記念館「斜陽館」もあります。

この金木駅からは、3人のお客さんがストーブ車両に乗車してきました。いずれも観光客の方のようで、それでも車内の乗客は合計わずか5人です。

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昔ながらの硬券

先ほどスルメを焼いてくださった乗務員の方と少しお話をしたところ、例年であれば2月のストーブ列車は連日観光客で超満員なのだそうで。ツアーでやってくる団体のお客さんなんかも多いのだと思います。しかし今シーズンはこのようにガラッガラの状態で走る日が大半で、逆に当たり前の光景になってしまったとお話しされていました。元々決して経営状態はよくないであろう津軽鉄道ですから、このコロナ禍で経営はさらに厳しい状況であると思いますが、そうした中でも12月から3月まで、土日のみならず毎日3往復(12月の平日は2往復)ものストーブ列車を運行してくださっていることに、一人の鉄道ファンとして感謝の思いでいっぱいです。しかも70年以上前の客車を丁寧に整備して、追加料金500円で乗れるというのは本当に奇跡的なことだと思います。以前は料金が400円だったようで、その時代の硬券に「運賃変更」の印を押して今も使い続けていることから、それが決して簡単なことではないというのはよく見て取れます。

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何やらカラフルな列車が!

次の嘉瀬駅では、窓の外に何やらカラフルな列車が見えてきました。これは1997年にフジテレビ系「SMAP×SMAP」の企画でSMAP香取慎吾さんが地元の子どもたちと一緒にペインティングをした「夢のキャンバス号」で、地元では通称”慎吾列車”と呼ばれているようです。屋根も特にないので雨風にさらされて車体が傷んでいましたが、20年後の2017年には「おじゃMAP!!」の企画で再び香取さんらが来訪し、塗り直しを行って今に至ります。今回は時間の関係で途中下車できませんが、また時間のある時に是非ともじっくり見たいと思います。

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窓から少し雪が入り込む

列車は引き続き、五所川原に向けて走り続けます。窓の外に見える景色は来る時のバスからの車窓と同じくひたすらに雪原が続きますが、やはりこちらの客車は相当古いということでわずかですが車内に雪が入り込んできます。ただストーブの目の前に座っているのであまり寒くは感じません。ダルマストーブ恐るべし。

「ストーブの前の席は譲り合ってご利用ください」的な注意書きもありますが、乗客はわずか5人だけですから、常に乗客全員がストーブのすぐ近くに座ることができます。

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津軽五所川原駅に到着

楽しい時間はあっという間に過ぎ、14:22に終点の津軽五所川原駅へと到着。降車するやいなや凄まじく冷たい風が我々を襲い、気温以上に寒く感じます。ホームに屋根はありますが、吹雪いているともはやそれが意味をなさない状況です(笑)。

到着後、前方に取り付けられていた普通列車はすぐに切り離され、構内で機回しを行い改めて津軽中里方に連結されたようです。名残惜しいですがホームにいるのは寒すぎるので、待合室へと向かいます。

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改札口は別

五所川原駅では、JRと津軽鉄道の駅構内のみ共通ですが改札口は分けられています。中間改札がなく改札口がそれぞれ用意されているという駅は実は結構珍しいのでは…?という気がしました。

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津軽五所川原駅の改札口・待合室

津軽鉄道の起点駅である津軽五所川原駅の駅舎内にもお土産物屋さんがあり、こちらでもさまざまなグッズ等を購入できます。駅舎の外に出ても寒いだけなので、次に乗車する列車までこの待合室で待つことにしました。

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石炭の味がする?

せっかくなので「石炭クッキー」(270円)を購入。ストーブ列車にちなんで、石炭をイメージした真っ黒なクッキーです。

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パッと見石炭をぼりぼり食べているかのような見た目(笑)

開けてみると本当に真っ黒で、もしや津軽鉄道は本当に石炭を食用として売っているのか…!?とすら思ってしまいますが(そんなことあるわけない(笑))、この黒さの正体はブラックココアということで、一切人体に影響はございません(笑)。ちゃんと美味しいクッキーでしたよ~。

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津軽」を冠する

というわけで、今回は津軽鉄道の冬の風物詩「ストーブ列車」をご紹介しました。

列車の中でストーブを焚いて暖をとるという非日常体験はもちろんのこと、その客車の古さは鉄道ファンの方にとってもとても興味深いものがあると思います。是非一度、津軽鉄道に足を運んでみてください!!

▼ストーブ列車の最新情報はこちらからご確認ください。

tsutetsu.com

 

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五能線で活躍する「キハ40系」に乗車! 五所川原で立佞武多鑑賞&天中華を味わう【2021-02冬の北東北2】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は冬の青森・秋田をめぐる2泊3日の旅の第2弾記事ということで、まもなく見納めとなる五能線国鉄気動車「キハ40系」で旅をしてきたのでその様子をご紹介します!

▼前回の記事は以下のリンクからご覧ください。

watakawa.hatenablog.com

 

1日目 2021年2月25日(木)②

青森から奥羽本線普通列車に乗車し、途中の川部駅には17:18に到着。ここが五能線の乗換駅となります。

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川部駅五能線の「終点」

ちょうど反対側のホームを見てみると、五能線五所川原方面からやってきてこの川部から奥羽本線に入り、弘前へと直通する列車がやってきました。2020年12月より五能線でも運用が開始されているJR東日本の新型気動車「GV-E400系」です。新しくて快適な車両ですが、一方で古い車両が淘汰されていくのは鉄道ファンとしては少々残念な思いもあります。

五能線東能代川部駅間を深浦・鰺ヶ沢五所川原経由で結ぶ路線で、その沿線の景色の素晴らしさは鉄道ファンのみならず多くの旅行客に人気があります。東能代川部駅間を移動するのであれば奥羽本線の方が圧倒的に速く、距離も短いのですが、五能線の方が海に近い場所を走ります。奥羽本線の車窓からは海は一切見えず、ひたすらに山の中を進むことになります。

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無人だがLEDの発車標はある

川部駅にはみどりの窓口もありますが、私が行った際には既に閉まっており、駅員さんもいないようでした。自動改札機すらもない典型的な田舎の駅ですが、何とLEDの発車標は設置されております。

確認してみると、次の五能線の列車は川部17:38発の鰺ヶ沢ということで、これに乗車し本日の目的地である五所川原へと移動していきます。

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鉄道ファンでなくても古い車両とわかる

1番線で待っていると、さっそく入線してきました! こちらが五能線で活躍する「キハ40系」です。国鉄時代から全国各地で使われ続けてきた形式ですが、最近では新型車両への置き換えも進んでおり、だんだんと運行路線が少なくなってきています。五能線でも、先ほどご紹介した「GV-E400系」への置き換えが進んでおり、2021年3月のダイヤ改正をもって五能線での運用を終了することになっています。つまり、あと1週間でこの光景も見納めとなります。

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サボプレートがない…!?

側面には行先表示のLEDでもなく方向幕でもなく「サボプレート」と呼ばれる板を差して行先を示し運行します。しかし私が乗った際にはなぜか昔から使われている味のあるサボではなく、ただコピー機で印刷しただけの紙のようなものが差してありました。もしかすると何者かが盗んでしまったのかもしれません。何とも残念なことです。

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川部駅ではしばらく停車時間が設けられている

この川部駅では、五能線の列車が進行方向を変えるため、少し長めに停車時間が設けられていることが多いようです。冬の夕暮れ時、この停車時間に多くの地元の方々が乗り込み、列車は定刻通り川部を出発です。

 川部を出ると、列車は藤崎、林崎、板柳…と停車していきます。列車は2両編成で運行され、帰宅時間帯にあたるということで多くの高校生や地元のみなさんでほとんどの座席が埋まっています。

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車内のイメージ(画像は氷見線のキハ40系)

車内はご覧のようなイメージで、ボックスシートを主体として座席が配置されています。夕方で私自身も疲れていて、車内の撮影を忘れてしまったのですが、だいたい上の画像のような感じです。とにかくモケットがふかふかで、座り心地の良いのが特徴。昨今のJR東日本普通列車は座席が硬めな傾向がありますので、こんなふかふかな座席も珍しくなりました。

一駅、また一駅と停車していくうちに日も暮れてきます。心地よい列車の揺れに眠気を誘われ、しばしの眠りについておりましたが、気づけば次が五所川原。降りる支度をしておきます。

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五所川原に到着!

川部から30分ほどの乗車で、18:09に定刻通り五所川原へと到着。本日の移動はここまでとなります。

JRの五所川原駅はホームが1面2線のみではありますが、五能線の主要駅となっており、何より五能線の「五」は所川原から来ていますからね。たくさんの乗降がありました。

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誰も歩いてない

駅前に出てみると、タクシーや自家用車が数台停車していますが、人の姿はありません。おそらくここから自宅に向かうまでは車移動の人が多いとかなのかもしれませんね。

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ホテルサンルート五所川原

もうすっかり辺りは真っ暗なので、五所川原観光はまた改めて明日行います。

コンビニで食料を調達し、本日の宿泊先である「ホテルサンルート五所川原」にチェックイン。五所川原駅周辺ではかなり格の高いホテルではないでしょうか。

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一般的なシングルの客室

今回はじゃらんからの予約で、1泊6,200円。翌日午前中に大学関連のオンラインミーティングがあるため、少し遅い時間までホテルに滞在したかったため、13時から翌日の13時まで24時間滞在できるプランで予約。一般的なプランで泊まるよりも少しお高めです。

素泊まりのプランなので、夕食と翌日の朝食はコンビニで買ってきた冷凍食品で簡単に済ませます。五所川原の名物グルメは翌日に味わうこととします。

このホテルには大浴場も完備されているので、食後は大浴場へと向かいます。ものすごく広いというわけではないですが、平日なのでそんなに混むわけでもなく、ゆっくりと1日目の旅の疲れを癒すことができました。ただの大浴場でなく、ちゃんとした温泉なのが嬉しいです!

 

2日目 2021年2月26日(金)①

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部屋からの眺めもなかなかよい

さて、旅はいよいよ2日目、本日は五所川原から五能線鰺ヶ沢・深浦方面へ向かっていくことになります。

とその前に、まずは午前中に大学のオンラインミーティングを済ませ、少し遅めの11時頃のチェックアウト。せっかく五所川原に来たのですから、少しばかり市内観光をしていきます。

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立佞武多の館

というわけで、やってきたのはこちら。大きなガラス張りの外観が特徴的な「立佞武多(たちねぷた)の館」です。青森のねぶた、弘前ねぷたと並び有名なのが、この五所川原の「立佞武多」です。さっそく館内へと入ります。併設する美術展示の観覧を含め、入館料は850円ですが、リゾートしらかみの指定券を保持していれば760円で入館できます。

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圧倒的スケール!

館内へ入ると、そのスケールの大きさに驚かされます! 建物の4~5階あたりまで吹き抜けになっていて、カメラの画角に収まりきらないくらいの大きな山車がお出迎えしてくれます。これがまさに五所川原の名物「立佞武多」です。ねぶたは一般的に青森のような横に長いものが有名ですが、元々はこのように縦に高い山車が一般的だったのだそう。時代の変化とともにこうしたスタイルは一旦廃れかけたものの、1990年代に入って地元の有志により復活への取り組みがなされ、今では再び五所川原の名物として見る人に勇気や感動を与えてくれる存在となっています。

前日にワ・ラッセで青森のねぶたを見た時にも思いましたが、一観光客としてもやはりこうした立派な山車が再び町内を練り歩く姿を一度見てみたいと強く思います。2020年の夏は新型コロナウイルスの影響でこうしたお祭りが数々中止・縮小・延期となってしまったわけですが、まぁ一時的な中止はやむを得ないとしても、2021年は是非とも開催にこぎつけてもらいたいですね。

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「亀乃家」さん

大きな立佞武多を見た後は、お昼ご飯です。五所川原の名物をいろいろ調べていたのですが、どうもこちらの蕎麦屋さん「亀乃家」の”天中華”が人気らしいので、いただくことにします。

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天中華(800円)

こちらが「天中華」(800円)。簡単に言うと、「ほたてのかき揚げがのった中華そば」です。あっさりとしたスープが染みこんだほたてはまさに絶品で、ほどよい歯ごたえもありとっても美味しいです! かき揚げとラーメンってあまり一緒にすることは多くない気がしますが、意外にも合うんですね。五所川原に行かれた際は是非みなさんも食べてみてください!

 

というわけで今回の記事はここまでとなります。

次回は津軽鉄道の「ストーブ列車」に乗車した時の様子をご紹介しますのでお楽しみに!

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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