2022年3月11日（金）
ダイヤ改正により姿を消してしまう列車・車両は数多くありますが、今回ご紹介する「大宮発着の成田エクスプレス」もその一つ。2022年春のダイヤ改正をもって運行取りやめとなることが発表されました。
今回はそんな”大宮N'EX”のラストランとなる新宿20:18発の特急〔成田エクスプレス46号〕大宮行へと乗車していきます。他のスケジュールとの兼ね合いで成田空港からではなく新宿～大宮駅間のみでの利用とはなりますがお許しください。
成田エクスプレスは昨日まで、都内各地および大船・八王子・大宮～成田空港駅間を結んでいました。しかし今回のダイヤ改正をもって新宿～大宮駅間での運行が取りやめとなり、池袋発着および大宮発着の列車は今後見られなくなります。
今回乗車する大宮発着のN'EXは、池袋発着の列車を延長運転する形で1998年に運行が始まりました。21世紀に入り様々な時代の潮流に揉まれながらも何とか生き残ってきましたが、ついにその24年の歴史に幕を下ろします。
まもなくすると、渋谷方から列車が入線してきました！ 成田空港を18:48に発車し、途中の東京駅で大船行の切り離しを行った列車です。
側面の行先表示器にはしっかり「大宮」の文字が出ています。これが見られるのも昨日で最後となります。
新宿駅での停車時間はわずかなので、さっそく乗り込み列車は定刻通りに出発。次の停車駅は池袋です。
普段ガラガラとネタにされることの多い成田エクスプレス、その中でも特に遠回りルートで有名な大宮N'EXですが、昨日のラストランでは思っていたよりも多くの人が乗車していた印象です。体感としては3割くらいでしょうか。「いやそれで多いのかよ！」という話ですが、空港旅客需要が低迷する昨今ではほぼゼロに近い人数というのも珍しくありませんので、やはりラストラン目当てで乗車した私のような鉄道ファンの方も多くいらっしゃったものと思われます。
車内のモニターには成田エクスプレスの運行路線図も示されます。見てみると、数年前に廃止された「高尾」「横須賀」や2004年頃に運行されていた「小田原」まで載っていることから、臨時運行や延長運転にも対応できるよう路線図を広めにとってあるみたいです。大宮発着は今回この列車で廃止となりますが、大宮の文字もこの路線図からはすぐには消えないのかもしれません。
そうこうしているうちに列車は池袋駅へと到着。短い区間でわざわざ料金の高い成田エクスプレスを使おうという人は（少なくとも一般の方では）まずいないので、ホームで並んでいる方々はみなさん後続の埼京線や湘南新宿ラインを待たれているのだと思います。
池袋を出ると列車は湘南新宿ラインと同じルートを進み、山手線の駒込方面まで一度東に進んでから赤羽方面へと北上します。赤羽は決して小さくない駅のはずですが、成田エクスプレスは通過してしまいます。
そしてしばらくすると列車は荒川を渡ることに。とはいっても車窓は真っ暗なので、ぼーっとしていると渡ったことすら気づかないかもしれません。成田エクスプレスが営業運転として荒川を渡るのはこれが最後になります。
これは余談になりますが、今回乗車にあたっては事前にえきねっとのチケットレス特急券を購入しておきました。最後なので記念に紙で買おうかとも思ったのですが、やはり「35%OFF」の安さには勝てず…。定価1,290円のところ830円で利用することができました。
また、昨日は青春18きっぷを使ってあちこち移動していたので別途乗車券も購入。正直なところ、成田エクスプレスは全車指定席なので特段の理由がない限り検札は行われません。特急券だけ買っておいて乗車券は買わずに18きっぷで…というのも出来てしまいそうではありますが、れっきとした不正乗車に他なりませんので絶対にしてはいけません。
池袋を出ると次は終点の大宮まで20分以上ノンストップです。前を走る列車もありますので特急だからとそんなに大層なスピードで走るわけではありませんが、停車駅の少なさはやはり特急らしさを感じます。ただ浦和は県庁所在地でもありますので、停車させたらそれなりの需要は拾えるのでは…？と思いましたが廃止されてしまったので時すでにお寿司ですね。
そして列車はまもなく大宮…というところで放送がかかったはいいものの、何と直前で一時停止。どうやら信号が変わっておらず進めないようで、最後に思わぬ遅延となりました。
列車は4分ほど遅れ、20:53頃に終点の大宮駅へと到着。これをもって1998年から続いてきた大宮N'EXの歴史は一つの区切りを迎えることになりました。
後続の列車もありますので、お客さんを全て降ろした成田エクスプレスはすぐに回送されていきました。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
