わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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【速報】京王を陰で支えた立役者!? 「準特急」深夜のラストランに乗車

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2022年3月11日(金)深夜

終電間際の、京王線新宿駅。日付が変わる頃ですが、駅構内はまだまだ多くの人が行き交います。

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今回はここ新宿駅から「準特急」のラストランに乗車していきます。

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京王線では、これまで速達種別として「特急」「準特急」の2種類が運行されてきました。停車駅の面ではさほど大きな違いはなく、どちらも追加料金は不要です。

しかし今回の春のダイヤ改正で「準特急」の呼称を取りやめ、同時に特急の停車駅として新たに笹塚・千歳烏山京王片倉・山田・狭間を追加することが発表されました。すなわちこれまで「準特急」として運行されていた停車パターンの列車が今後は「特急」として運行されるようになるため、言い換えると事実上の「特急廃止」とも言えます。

京王で準特急の運行が始まったのは2001年。21世紀以降この呼称を用いた鉄道会社は京王のみということもあり広く親しまれてきましたが、今夜その21年間の歴史に幕を下ろすこととなります。

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ラストランとなるのは、新宿0:18発の準特急 京王八王子。0時を過ぎているので果たしてラストランの日を「3月11日」というべきか「3月12日」というべきかは意見が分かれそうですが、ともかくこれに乗車していきます。

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まもなくすると、奥の方からゆっくりと列車が入線してきました。新宿0:04着の急行列車からの折り返し運用のはずですが、車両前面の表示を見てみると…一瞬ですが「準特急 飛田給」の文字が現れました!

真偽のほどは定かではありませんが、恐らく最終運行ということで乗務員さんによるサービスかと思われます。

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ラストランには7000系という車両が充当されました。デビューは1980年代ということで準特急の運行開始よりもはるか前から走り続けている車両ですが、リニューアルも施され今なお現役です。

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この新宿0:18発の準特急は、京王線新宿駅を発車する1日の最終列車(終電)でもあります。私鉄の終電というと速達列車ではなく各駅停車がのんびり走るイメージですが、京王の場合はこのメインの新宿駅とは別に都営新宿線へとつながる通称”新線新宿駅”がありますので、各駅停車はそちらの駅を発着してもう少し遅い時間まで運行されているようです。

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遅れていたJR線からの乗り換えを待って、列車は4分ほど遅れ0:22頃に新宿駅を発車。最終列車の接続を取るのも深夜ならではの光景です。

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車内は立つスペースも限られるほどの大混雑。やはり金曜夜の終電ということに加え、我々鉄道ファンの乗車がより一層混雑に拍車をかけているかもしれません。

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新宿を出て最初の停車駅は笹塚。都営新宿線からの列車との合流地点ということで、ここでは対面ホームにて笹塚0:25発の各駅停車 若葉台との相互乗り換えが可能になっています。

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ふと頭上を見上げてみると、車内に掲示された路線図からは既に準特急を示すオレンジ色のラインが消えて新しいものへと交換されていました。この一コマだけ見ると、存在しない種別の列車が運行されている何とも不思議な光景です。

明大前を発車すると、次の停車駅は千歳烏山。特に他の路線との乗換駅ではありませんが、京王ライナーと特急以外の全ての種別が停車する主要駅です。ダイヤ改正後はここに新たに特急が停車するようになりますが、これまで特急が明大前~調布駅間をノンストップで運行していたのには遠近分離の意味が大きいと思いますので、普段新宿~調布以西を移動される方にとってこの千歳烏山への特急停車がマイナスにはたらかないかは気になるところです。

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列車は新宿での遅れを引きずったまま、定刻よりも少し遅れて調布へ到着。向かい側には区間急行の京王多摩センター行がスタンバイしており、準特急からそちらへ乗り換えられる方もかなりいらっしゃいました。また新宿を出てからずっと編成の一番後ろの車両は女性専用車でしたが、ここ調布まででその扱いも終わりになります。

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調布を出ると次は府中までノンストップ。ここが意外に長く、各駅停車では途中駅が5駅もあります。

先ほど新宿駅で「準特急 飛田給行」という演出をご紹介しましたが、飛田給駅もこの調布~府中駅間にあり、通常特急や準特急といった速達列車は停車しません。ただし味の素スタジアムの最寄り駅となっており、イベント等の開催時には全列車が臨時停車を行うことがあります。

ホームの向かい側には各駅停車の高幡不動行が待機していました。

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続いて列車は分倍河原聖蹟桜ヶ丘へも停車。この辺りまで来ると車内は空いていく一方です。

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そしていよいよ列車は高幡不動に到着。まだ終点ではありませんが、準特急としての運行はここまでで、この先は種別を各駅停車へと変更して運行されます。

この列車の高幡不動駅到着をもって、京王での21年間の準特急の歴史に幕が下りることとなりました。特段さよなら放送や式典等のセレモニーはなく淡々としたラストランではありましたが、あえていつも通り運行して終わりを迎えるというのもそれはそれでいい気がします。

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ここで降りても野宿確定なので、終点の京王八王子まで乗車することにします。車内LCDの種別の色もオレンジから灰色へと変わりました。

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ここまで来るといよいよ車内はガラガラで、鉄道ファンの姿もそれほど多くはありません。

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南平、平山城址公園、長沼、北野と停車し、終点の京王八王子には定刻よりも4分ほど遅れて1:06頃に到着。すぐに列車は「回送」幕へと切り替わりました。

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というわけで、今回は京王の準特急ラストランに乗車した様子をお届けしてきました。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。