2022年3月11日(金)
2021年11月に新型車両E131系の運行が始まった相模線。つい先日には205系が予告なきラストランを迎えたことはSNS上でも大きな話題となりましたが、今日また一つ相模線の歴史に幕を下ろすものがあります。
それは、相模線の横浜線直通列車。明日のダイヤ改正後は全列車が線内完結運用となり、これまで朝夕に数本ずつ存在していた八王子発着の列車は横浜線への直通運転を取りやめることになります。
乗車するのは茅ヶ崎17:47発の各駅停車 八王子行。本日のこの列車が「八王子行」として走る相模線のラストランになります。
相模線~横浜線直通の歴史は意外に古く、始まったのは今から何と86年前の1936年。まだ相模線はJRどころか国鉄でさえなく、相模鉄道として運行されていた時代のことです。その後相模線は1944年に国有化され、戦後も長らく横浜線への直通運転が行われてきましたが、本日をもってこの歴史に幕を下ろすこととなります。
ちょうど帰宅時間帯のピークでもあり、決して広くない相模線のホームは列車が入線した途端に多くの人で溢れかえります。ホーム上や駅構内の番線案内には「八王子方面」の文字もまだ残っているのが意外でした。直通運転取りやめとなる明日以降も方向としては間違いではないため、もしかすると「八王子方面」という文字は残り続けるのかもしれません。
車体側面の行先表示器に「横浜線直通」の文字が表示されるのも本日が最後。E131系の運行開始からわずか4ヵ月でこの光景も見納めということになります。相模線は全列車が各駅停車ですので、わざわざ「各駅停車」と表示する必要があるかは分かりませんが、どちらにせよ分かりやすさの面では良いのかもしれません。
列車は定刻通りに茅ヶ崎駅を発車。この先八王子まで全ての駅に停車していくことになります。車内のLCDではしっかり「相模・横浜線 八王子行」と表示し、相模線区間と横浜線区間をそれぞれ異なるラインカラーで表記しています。
車内には鉄道ファンと思しき方の姿も多くみられるものの、それ以上に地元の方の利用が多く、鉄道ファンの姿も霞んでしまうほどです。
また、時間帯的にちょうど良いということもあってか、制服姿の中高生の鉄道ファンの姿も目立ちました。
ちょうど夕暮れ時を走るということで、進行方向左側の車窓からは美しい夕焼けを眺めることができます。区間にもよりますがそれほど高い建物も多くないため、富士山が見える瞬間もありました。
E131系はドアボタン式となっており、各駅到着時にドアは自動では開きません。ただ、そうはいってもこの時間帯は各駅とも乗降の需要があり、実際にはどのドアも開くことの方が多かったように見えました。
相模線 八王子行ラストラン
— わたかわ (@e235yokoso) 2022年3月11日
さよなら放送(?)が流れました! pic.twitter.com/tGKfvTQuWF
厚木駅付近では、車掌さんからさよなら放送のようなものが流れました!
相模線の八王子直通はこの列車をもってラストランとなる旨、そして明日から相模線でワンマン運転を開始する旨が伝えられました。
そして相模線の最大の(?)特徴は何といっても列車の行き違い。近年では特に沿線人口も多く、通勤通学路線として地域の人々の生活に欠かせない移動手段となっている相模線ですが、何と茅ヶ崎から橋本まで全線単線。特にこの夕方の時間帯は列車の本数を限界まで増やしており、頻繁に行き違いが行われます。私の確認する限りでは、今回の八王子行ラストランは北茅ヶ崎、寒川、倉見、社家、海老名、相武台下、原当麻、番田、南橋本の計9駅で行き違いを行いました。
茅ヶ崎を出て1時間余り、18:54に列車は橋本駅へと到着。これより先はいよいよ横浜線へと入っていきます。
これより先は横浜線の列車として走るため、車体側面の行先表示器は「横浜線直通」ではなく「横浜線」と表示されます。
車内LCDの黒い部分の上と下に横浜線のライトグリーンの線が入り、列車は19:00に橋本駅を発車。橋本駅では東神奈川方面からやってきた当駅どまりの横浜線の列車からの接続を取るため、車内の混雑はいっそう増しました。身動きも取れないほどになっています。
横浜線内はドアボタンの扱いを終了し、ドアは自動で開きます。E131系も横浜線E233系と同じ各車両4ドアですが、E233系は8両編成で運行する一方でE131系は4両編成で輸送力は半分程度しかないため、途中駅で車内が空くということはありません。
そして19:12にようやく終点の八王子駅へと到着!
八王子駅に営業運転で相模線E131系が入線する光景も今回のこのタイミングが最後となります。
列車は6分後に折り返し茅ヶ崎行として発車していきます。横浜線直通運用自体はこの八王子19:18発がラストランということになります。
こうして相模線の八王子直通列車は、本日をもって86年の歴史に幕を下ろすこととなりました。もとより相模線では205系が13編成在籍していたにもかかわらず、E131系は12編成しか導入されなかったため、運用区間を短縮せざるを得ないというのもあるのかもしれません。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。