わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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【速報】2年ぶり運行再開! フジサン特急復活一番列車で河口湖から大月へ

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2022年3月12日(土)

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今回は富士急行線河口湖駅へやってきました。富士急行線といえば特急列車・観光列車のバリエーションが豊かなことでも知られていますが、今日またその歴史に新たな1ページが刻まれることになります。

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今回乗車するのは、河口湖11:10発の〔フジサン特急12号〕大月行。富士山麓を走る富士急行線を象徴する特急と言っても過言ではありません。

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しかし実は、このフジサン特急新型コロナウイルス感染拡大に伴い2020年4月より運休の状態が続いていました。2021年のダイヤ改正ではいったん時刻表上から抹消されるなど危機的状況に追い込まれましたが、本日2022年3月12日のダイヤ改正より運行を再開することになったのです。土休日限定ではありますが、約2年ぶりの復活ということになります。

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フジサン特急8000系は、かつて小田急ロマンスカー20000形「RSE」として活躍した車両を改造したものです。車体の塗装はロマンスカー時代から大きく異なりますが、そのシルエットは紛れもなくRSEそのものです。

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車体側面には様々な表情をした富士山のイラストが描かれています。一つひとつが異なる表情なので、見ていて飽きません。

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発車時刻も近づいているので、車内へ入っていきます。首都圏の車両としては珍しい折り戸式になっており、客室がハイデッカー構造になっているので乗車口に階段があります。いかにも古さを感じる造りです。

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列車は定刻通り11:10に河口湖駅を発車。まずは逆走するような向きで富士山駅へと向かいます。さっそく車窓からは立派な富士山の姿も見えました。

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列車は3両編成で、1号車が富士山寄り、3号車が河口湖・大月寄りとなります。富士山駅で列車の進行方向が変わるため、河口湖~富士山駅間では座席の向きと逆向きで列車が走ります。

1号車は指定席で、運賃・特急料金400円の他に指定席料金200円が別途必要となります。座席配置は2+1列のゆとりある座席配置になっていますがシートピッチ自体は普通車と同等で、単純に通路が広く、また1人がけの座席の窓際に細い木のテーブルが備え付けられているという感じです。大月行として走る場合に河口湖から富士山までは進行方向右側が1人がけ、富士山から大月までは進行方向左側が1人がけの座席となります。

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1号車には4人がけのセミコンパートメント的な座席もあります。中央にテーブルが設置されておりますのでグループでの移動向きですが、決して個室というわけではないので予約する際は注意しましょう。

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2・3号車は自由席なので、運賃に加え特急料金400円のみで利用できます。こちらは2+2列の標準的な座席配置で、座席自体の質は1号車と特に違いはありません。

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常軌を逸したひねり方をするジェットコースターが見えると、列車は富士急ハイランド駅に到着。併設されたトーマスランドにちなみ、駅名標や駅舎のデザインはかなりかわいい感じになっていますが、駅を出た先には国内トップレベルの絶叫マシンの数々が待ち受けています。

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次の富士山駅到着直前には、新宿方面からやってきた特急〔富士回遊11号〕河口湖行と並走します。富士山駅スイッチバック構造になっており、上り列車も下り列車も同じ方向でホームへと進入していくため、まるで複々線のような光景を楽しむことができます。週末ということもあってか富士回遊11号の乗車率はかなり高く、奇抜なデザインのフジサン特急に多くの方がカメラを向けていました。

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富士山駅には2分ほど停車し、ここで列車の進行方向が変わります。入線は富士回遊11号とほぼ同時でしたが、それぞれ互いの進路を塞ぐ形で発車していくので、発車まで同時とはいきません。フジサン特急が先の発車となりました。

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ここで座席をいろいろと見てみます。色合いやデザインが185系のものと非常によく似ており、往年の特急踊り子号に乗ったようなとても懐かしい気持ちになりました。簡易的なフットレストのほか、かつて東武特急きりふり号にあったような「壁に固定された細長い持ち上げ式のテーブル」もありました。背面テーブルがあればこれはいらないような気もするんですが…(笑)。

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カーテンにも様々な表情をした富士山のイラストが描かれており、乗客を飽きさせません。車体側面のイラストも含め、これほどいろいろなデザインを考えるのには実は相当な手間がかかっていそうな気がします。

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富士急行線の特急料金体系は実はやや複雑なのですが、富士急行線全線の特急自由席が2日間乗り放題になる「富士急特急フリーきっぷ」(2,600円)を購入すれば「フジサン特急」や「富士山ビュー特急」のそれぞれ自由席を利用することができます。大月~河口湖駅間の片道運賃は1,170円なので、ただ普通列車富士急行線を往復するだけでは元が取れませんが、特急料金は400円ですので往復どちらかだけでも特急を使えばその時点で元が取れます。

今回は1号車の指定席を利用しましたので、そこにプラス200円だけ別途支払えばいいというわけです。当日空席があれば駅でも購入できますが、インターネットから予約して当日駅で支払いをするのが個人的にオススメです。指定席券は映画のチケットの半券のような紙で渡されます。

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新倉山浅間公園の最寄り駅としても知られる下吉田駅では、ちょうどすぐ隣の線路に先代のフジサン特急が留置されていました。あちらは2000形と呼ばれる車両で、かつてJR東日本165系ジョイフルトレイン「パノラマエクスプレスアルプス」として活躍した車両が譲渡され、2016年までフジサン特急として営業運転を行っていました。現在乗車中の8000系は2014年より富士急行線で営業運転を開始したものになります。

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下吉田を出てしばらく進むと、富士急行沿線で特に綺麗に富士山の見えるスポットへとやってきました。ここでは車内アナウンスによる解説とともに、列車が少しの間徐行運転してくれます。同じ景色はもちろん普通列車からでも見えますが、徐行してくれるフジサン特急の車内から眺める富士山はまた格別です。少しでも天候が悪いとこの距離であっても富士山の姿が見えないことも多いのですが、今回は雲一つない空でくっきりと見えました! 2年ぶりのフジサン特急の復活を富士山も祝ってくれているのかもしれません。

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1号車の車端部にはラウンジスペースがあり、大月行の列車では後面展望をたっぷり楽しむことができます。記念乗車スタンプなどもありました。

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最後の途中停車駅である都留文科大学前を発車してしばらくすると、ちょうどリニア実験線が目の前に現れます。これも普通列車等に乗っていると見過ごしてしまうことが多いですが、フジサン特急であればアナウンスしてくれるので、放送に耳を傾けていれば見過ごすことはありません。何かとあまり良い知らせを聞かないリニア中央新幹線ですが、何とか事態が良い方向へ進むことを願っています。

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最後は後方を振り返り、リニア実験線の丸いアーチ越しに眺める富士山で締めくくります。ここも車内アナウンスでしっかりポイントを教えてくれました。

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田野倉駅では河口湖へ向かう「富士山ビュー特急」との行き違いを行いました。あちらは元JR東海で活躍した371系という特急車両を改造したもので、RSEと同じくかつて小田急線の新宿駅に乗り入れていました。共に御殿場へと向かう特急として活躍していた車両が、富士山の向こうの富士急行線で再び肩を並べる何ともアツい展開が2年ぶりに繰り広げられています!

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11:58に列車は終点の大月駅へと到着。河口湖駅から約50分間の素晴らしい旅を楽しむことができました。

 

当面は土休日のみの運行で、大月~河口湖駅間を1日2往復します。時間帯によっては混雑することもあると思いますので、自由席を利用する際は時間に余裕をもって大月駅へと向かうこと、また指定席を利用する場合はあらかじめインターネットや電話での予約をオススメします。

 

富士山麓へお越しの際は是非利用してみてください!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。