みなさんこんにちは! わたかわです。
今回はガチタビ2日目の様子をお届けしていきます。
ルールおよび1日目の様子は以下の記事をご覧ください。
2022年1月27日(木)ガチタビ2日目
宿泊していた甲府駅南口の「ゲストハウスソノママ」を出発し、いざ2日目の移動がスタート。チェックポイントとしてはまだ「昇仙峡」と「大菩薩峠」が残っています。
まずはチェックポイント2つ目となる「昇仙峡」を目指し甲府駅南口9:15発の昇仙峡口行路線バスへと乗り込みます。ロータリーのモニターには各方面へと向かう路線バスの行先が表示されています…が、高速バスに関しては運休も多いようです。
4番乗り場へとやってきた緑色のこちらのバスが昇仙峡口へと向かいます。昨日に引き続き山梨交通なのでSuicaが使えるのは本当にありがたいです。
バスは中央本線のガード下をくぐり甲府駅の北側へ。湯村温泉郷を通り抜け、次第に険しい登り坂へと入っていきます。市街地では地元の方の利用も多くありましたが、最終的に乗客は私一人だけになりました。
甲府駅から30分ほどで終点の昇仙峡口へと到着。しかし名前からも分かる通り、ここから昇仙峡まではかなり離れています。道が険しいこともあり、歩くと数時間はかかります。
普段は路線バスが昇仙峡まで乗り入れているのですが、冬期は区間運休となりこの昇仙峡口どまりとなります。そこで今の時期は「昇仙峡渓谷オムニバス」というデマンド方式の輸送サービスが代替輸送を行っており、電話で連絡すると任意の運行区間を運んでくれることになっています。昇仙峡口での路線バスからの乗り継ぎに関しては、電話するまでもなくオムニバスが1台待機してくださっていましたのでタイミングよくこれに乗り換えることができました。
昇仙峡口から仙娥滝上までの2区間、8.5kmを所要時間15分程度で運んでくださいます。基本は電話すると来てくれるサービスなのでバスというよりタクシーのような乗り物ですが、運賃は1区間あたり300円とタクシーに比べ良心的。その代わりタクシーと違ってどこでも乗降可能なわけではなく、定められた任意の停留場でのみ乗降が可能です。今回私は「昇仙峡口→県営グリーンライン駐車場→仙娥滝上」と乗車したため2区間での移動になります。帰りもこの2区間を利用する予定のため、4回分1,000円の回数券を購入しました。
道中では物腰柔らかな観光協会のおじさんが運転しながら車窓の見どころを案内してくださいます。乗客は私一人だけだったので少し申し訳なさもありましたが、路線バスで上っていくよりも楽しめる気がします。
そして仙娥滝上に到着。山梨交通の「昇仙峡滝上」と書かれたバス停の看板もありますが、冬期全便運休につき時刻は表示されていません。
昇仙峡でどう過ごすかはあまり細かく決めていませんでしたが、とりあえず「昇仙峡ロープウェイ」の乗り場へ。昨日の身延山に続き、2日連続のロープウェイ観光をしていきます。
運賃は往復1,300円。20分間隔での運行です。こちらでもやはり前売りのお得なチケットが発売されているようですが、行き当たりばったり感の強い今回の企画ではなかなか使いどころがありません。
10:20発の便に乗車。乗車時間は5分程度です。対向のゴンドラとすれ違う様子も楽しめるほか、険しい山肌を一望できます。
そしてパノラマ台駅へ到着。昇仙峡ロープウェイは駅舎やゴンドラなど全体的にかなり年季が入っているように見えました。
展望台からはしっかりと富士山の姿も見えます! 雲は多いですがてっぺんの部分がしっかりと姿を現してくれていました。
別の方角に目を向けてみると、冠雪した日本アルプスの山々を一望することができます。昇仙峡は秋の紅葉の時期がベストシーズンのようですが、一方でこうした冬ならではの景色が楽しめるのも良さではないでしょうか。
パノラマ台では折り返しのロープウェイ1本を見送り35分ほど滞在していましたが、他にお客さんはほとんどいないようでした。路線バスやオムニバスが貸切状態だったことも考えると、やはり冬の時期は昇仙峡への観光客はかなり少ないのかもしれません。
11:00発のロープウェイで下山します。帰りは進行方向を向いているとだんだん地上に近づいていく様子が楽しめるのでオススメです。
麓に降り立ち、続いて立ち寄ったのは水晶宝石博物館。ロープウェイの駅のすぐ近くにあり、何と入場料無料です。
山梨県は水晶の研磨が地場産業になっており、特にこの昇仙峡周辺では右を見ても左を見ても水晶を取り扱うお店があちこちにあります。館内はそこまで広くはありませんが、軽くさーっと見るだけでも面白いと思います。無料で見させてもらったのでせめてミュージアムショップで何か買い物していこうかと考えましたが、ゼロが無数に並ぶ本物の水晶が所狭しと並んでいて思わず尻込みしてしまいました(笑)。
そして昇仙峡に来たら外せないのが「仙娥滝」(せんがたき)。画像だとちょっとわかりにくいのですが、岩肌の切れ目を伝うように水が流れています。
仙娥滝を含めた昇仙峡渓谷はハイキングコースとして整備されており、360°の大自然に囲まれながら散策することができます。仙娥滝の方から少し川下に向かって歩いていくと通行止めになっている区間があるので、そこで引き返してきました。
冬なので観光客はやはり少なめでしたが、ところどころに雪が積もっている景色も冬ならではで美しかったです。
また、仙娥滝上バス乗降場の目の前には「影絵の森美術館」があります。入館料は大人通常900円のところ、先ほどのオムニバスの車内で観光協会のおじさんから割引券をもらうことができたので800円で入館できました。あいにく館内は撮影禁止となっていますが、静かな空間で様々な美しい作品を鑑賞することができました。
ミュージアムショップの隣にはレストランも併設されているのですが、この後の移動の予定的にちょっと厳しそうなので甲府市街へと戻ることにします。電話をかけてオムニバスを呼び、昇仙峡口へと戻ってきました。ハイエースを降りるなり「タクシー使いませんか?安くしますよ」と声を掛けられましたが、観光協会の方が路線バスの運行時刻にちょうど接続するようにオムニバスを走らせてくれているのでお断りしておきました。っていうか今回の「ガチタビ」ではタクシー原則利用不可のルールでやってますのでね。
約30分で甲府駅南口に帰着。昇仙峡へのアクセスルートは基本的にこの一択なので、どうしても周遊ルートを組みづらいのが難しいところです。
何はともあれチェックポイント2つ目「昇仙峡」クリアです!
お昼ご飯は山梨県産のワイン豚を使ったしょうが焼き弁当。駅ビル内のお弁当屋さんで800円ほどで買い、駅前のベンチでいただきました。お肉がとってもやわらかくてこれまた最高に美味しかったです!
残るチェックポイントは「大菩薩峠」のみ。この後午後から向かってもよいのですが、時間的に余裕がありそうなので大菩薩峠はまた翌日に回すとして、甲府駅からいったん西に進んでみることにします。
乗車するのは甲府14:27発の特急〔あずさ25号〕松本行。スタイリッシュでまぶしいE353系がゆっくりと入線してきました。小淵沢まで乗車していくことにします。
JR東日本管内を走る中央線特急は主に新宿~松本駅間を結ぶ「あずさ」、新宿~甲府駅間を結ぶ「かいじ」、新宿~河口湖駅間を結ぶ「富士回遊」があります。基本的に甲府以西では「あずさ」のみの運行となり、列車によってかなり停車駅が異なります。甲府駅は県庁所在地ということもあり全列車が停車しますが、中には甲府を出ると長野県の茅野駅まで停車しない便もありますので注意しましょう。
中央東線の特急は全車指定席での運行です。その代わり特急料金は通年同額で、従来の自由席と指定席の中間くらいの金額に設定されています。スケジュールが未定だったので最初は座席未指定券を購入しておきましたが、乗車する列車が決まった段階で指定席の交付を受けました。この変更は乗車変更にカウントされません。
韮崎を発車。車窓右側には、雪を被った日本アルプスの山々も見えます。
14:53に小淵沢駅へと到着。中央本線ではここが山梨県内最後の駅となり、一つ隣は「信濃境」という駅名からも分かる通り長野県です。今回のガチタビはあくまでも山梨県をテーマにお届けしているので、ここで下車します。
小淵沢では小海線に乗り換え、別荘地としても知られる清里を目指します。小海線は小淵沢~小諸駅間を結ぶ非電化路線で、八ヶ岳の山麓を走っていく高原路線です。
ホームに停車しているキハE200形ハイブリッド車両へと乗り込みます。2007年にデビューした車両で、車体には青と黄色の模様が入っています。
15:00に小淵沢駅を発車です。
小淵沢を発車すると中央本線の線路と分かれ、小海線は大きく右にカーブを描きます。残念ながら小海線は短編成なのでそのカーブの迫力はイマイチ伝わりにくいかもしれませんが、それでも八ヶ岳の位置がみるみるうちに車窓右側から左側へと移るのでかなりのものです。
車内にはJR東日本でよく見る形のボックスシートでした。18きっぷシーズンでも週末でもないので車内に観光客の姿は全くありません。かなり空いており、余裕で着席できます。
清里までの途中停車駅は甲斐小泉と甲斐大泉の2駅。ただ比較的ゆっくり走ることもあり、駅から駅までの間隔は長く感じます。
15:23に清里駅へと到着。一つ隣の野辺山駅からは長野県となるので、やはりここ清里も山梨県内最後の駅となっています。今回は行きませんが、清里~野辺山駅間の県境付近にはJRの最高地点もあります。
雲がほぼない快晴の空の下、真っ白な洋風の清里駅舎はなかなか他では見ない形をしています。小海線は本数が少ないため帰りの列車の時刻を確認し、17:08までの2時間弱滞在することにしました。
清里駅周辺にはこれまたお洒落なお土産物屋さんや観光施設が林立しています。しかし先ほども述べた通り、清里高原は別荘地・避暑地として人気のある場所。すなわちベストシーズンは夏で、こんな真冬の昼下がりに来ても観光客は人っ子一人いません。
清里駅のすぐ北側には「清泉寮」というリゾートホテルを中心としたエリアが広がっています。清里高原の名物でもある「清泉寮のソフトクリーム」を求めて、人通りの全くない極寒の道を歩いていきます。「清泉寮」の看板自体は駅からさほど遠くないのですが、この清泉寮の敷地(?)がめちゃくちゃ広いのでソフトクリームの売っている場所まではさらに1km以上歩くことになります。
方角としてはまさに八ヶ岳に向かって歩いており、駅からずっと登り坂が続きます。たまに地元の方が犬を散歩して歩いているくらいで歩行者の姿はほとんどなく、歩道もまともに除雪されていません。通常は観光周遊バス的なものもあるようですが、昇仙峡のバスと同じく今の時期は全便運休のようでした。
30分ほど歩き、ようやく「清泉寮ジャージーハット」へと到着。観光客がゼロに限りなく近い冬の清里ですが、このお店だけは冬の間でも営業しており、名物のソフトクリームをはじめ各種お土産品等も販売しています。
こちらが清泉寮の名物ソフトクリーム! シャリシャリとした食感もあり、豊かな風味と甘みを感じられる珠玉の逸品です。お値段1個400円となかなかですが、何度でも食べたくなる忘れられない味になりました。気温0℃の中ですが、ここまでずっと歩いてきたのでそこまで体は冷えません。また長時間持っていてもほとんど溶けないので、むしろこのソフトクリームのベストシーズンは夏よりも冬なのではないかとすら思えてきました(笑)。
ソフトクリームを食べ終え、ジャージーハットからさらに2kmほど山を上りやってきたのは「美し森」の展望台。お土産物屋さんや観光案内所、大きな駐車場もありますが…残念ながらどれも営業していません。敷地内の自販機すらお金の投入口がガムテープで塞がれ、トイレも使えないようになっています。
この階段を上れば展望台があるはずですが、もちろん営業休止中。工事中ということなので必ずしも季節とは関係ないのかもしれませんが、まぁ冬の間は観光客もいないのでその合間に工事してしまおうということなのかもしれません。普通の旅行ならば入念な計画を立てる過程でこの情報を知ることができていかもしれませんが、そこはやはり直前に行先が決まった「ガチタビ」なのでなかなかリサーチが行き届きにくいところです。
ということで残念ながら展望台からの景色は見れませんでしたが、ともあれ列車の時刻が迫っているので急いで駅へと戻らなければなりません。「清里駅」→「ジャージーハット」→「美し森」とここまで計約4km歩いていますが、最後美し森から駅まではもうあと3km歩かなければならないのです。列車の発車まではあと30分ほどしかありません。急げ!
雪道なので足元に気をつけながらではありますが、駅までは逆に下り坂が続くので何とかギリギリの時間に駅まで戻ってくることができました。時刻は17時過ぎ、既に陽が傾き始めています。
ホームへ入るのとほぼ同時に小諸方面からの列車が入線。小海線内では小淵沢・清里・野辺山の3駅のみICカードが利用可能となっているので、乗車券を買う手間がないのが有難いところです。先ほどとは異なり、今度はキハ110でした。
列車は定刻通り17:08に清里駅を発車。車内は先ほど以上にガラガラです。
まさにこの小淵沢までの20分ほどの移動中に一気に辺りが暗くなっていきます。
17:30に終点の小淵沢駅へと到着です。すぐに乗り継げる列車もあるのですが、1本見送ることにします。
小海線の向かいのホームにも中央本線の列車が停車しており何事かと思いましたが、どうやらあちらは小淵沢始発の長野行の列車のようです。
小淵沢駅舎は2017年にリニューアルが施され、何と屋上には無料の展望台も設けられています。夜なのであまり見晴らしはよくありませんが、西の方角を見ると太陽が山影に沈みきる寸前の空を眺めることができました。
小淵沢から甲府まで、帰りは普通列車を利用していきます。特急を使うほどの距離でもありませんし、帰りは料金を節約する意味も込めて17:58発の中央本線 大月行へと乗り込みます。
やってきた車両はまさかの211系ボックスシート編成。これなら甲府までの1時間弱の乗車時間を快適に過ごせそうです。
小淵沢を出て2駅、日野春駅では後続の特急(あずさ50号・千葉行)を先に通します。何と10分間もの停車時間がありました。
18:49に甲府駅へと到着。昨晩に引き続き、今夜も甲府に泊まります。結局甲府が県内最大の都市なので、泊まる場所の選択肢が豊富なんですよね(といってももちろん東京や大阪ほどではない)。
ガチタビ2日目の宿は「東横イン甲府駅南口Ⅱ」。駅前でも特に目立つ大型ビジネスホテルで、U35割につき1泊4,600円のところ、さらに貯まっていたじゃらんポイント1,500円分を行使して3,100円で泊まることができました。
2日目の夜は小淵沢駅で買った駅弁「甲州Wワイン弁当」をいただきます。赤ワインハンバーグと白ワイン焼肉が入った贅沢な夕食です。
というわけで2日目はここまで。
昇仙峡と清里高原、どちらも冬はベストシーズンではないために観光客の姿はまばらでした。しかしそんな時こそ列車もバスも空いていて狙い目かもしれません。冬ならではの景色や体験も楽しめそうです。意図せず「ずらし旅」の良さを肌で感じた2日目となりました。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。