わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

今後の旅行再開方針について

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回の記事は、私の今後の旅行方針について、報告させていただきます。

 

既にお伝えしている通り、私は現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、旅行を取りやめています。2020年3月29日の朝にサンライズ出雲横浜駅に到着したのを最後に、すべての旅行を自粛しています。

2020年5月25日、政府より、全国に出されていた緊急事態宣言をすべて解除すると発表がありました。最後まで緊急事態宣言の対象であった北海道、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県が解除され、これで全国すべてで解除されたことになります。

しかし、緊急事態宣言が解除されたからといって、すぐにコロナ前の日常が戻ってくるわけではありません。特に県境をまたぐ移動については「段階的に緩和」するようにということで、政府から目的や時期ごとの緩和方針が示されたので、私もこれに従おうと思っています。

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県境をまたぐ移動について(NHKより引用)

【わたかわの旅行再開方針】

~5月31日
旅行は引き続き全面的に自粛

6月1日~7月9日
神奈川県内のみで完結する旅行を再開

7月10日~
状況を見つつ、県境を越える旅行を順次再開

※ここでの「旅行」は、以下①②の少なくとも1つを満たす行為を指します。
①鉄道趣味目的または観光目的で外出すること
②必要に迫られた外出のついでに、鉄道趣味目的または観光目的で外出先にて寄り道や写真撮影等不要不急の動きを取ること

 

上記方針に沿って、6月1日以降は慎重に旅行を再開していく方針です。

ちなみに、ここで使用している「旅行」という言葉の定義は()の通りですが、②が少しわかりづらいと思いますので例を用いて補足させていただきます。

私はアルバイトをしており、そのバイト先は生活必需品を取り扱うということで、コロナ禍であっても基本的に営業が継続されます。私もコロナ前とあまり変わらないペースで出勤をしております。出勤のためには必ず鉄道を利用しなければならず、これは不要不急の鉄道利用にはあたらないと考えています。ただし、その途中、横浜駅で珍しい列車がやってくるからそれを見るために少し長く駅にいよう、というのは不要不急にあたります。

緊急事態宣言発令下は、こうした行動は一切自粛していましたが、6月1日以降は順次再開していくという考えです。

ただし、①・②を問わず、6月1日以降の旅行については、以下の点を遵守して行っていきます。

1.マスクを常時着用し、アルコール消毒液を常時携帯および使用し、石鹸でこまめに手を洗う
2.混雑している列車・車両その他公共交通機関の利用を極力控える
3.3密が発生していると判断される観光地・商業施設等には原則立ち寄らない
4.帰宅後は所持品のアルコール消毒を行う

このようにして旅行を再開していき、その様子は随時当ブログでもアップしていく予定です。

また、今後感染拡大の勢いが再加速し、第二波の発生が強く懸念される状況になったり、緊急事態宣言が再度発令されるような状況になるなど、状況が変化した場合には、方針を見直させていただく場合がありますのでご了承ください。

 

以上方針を踏まえ、直近の活動予定は以下の通りになります。

5月30日・31日の渋谷駅ホーム並列化工事に伴う運用変更密着旅→中止
6月7日沼津駅工事に伴う東海道線の一部運休・バス代行輸送密着旅→中止
・6月1日~7月9日は神奈川県内で廃線跡や屋外の鉄道関連施設等を徒歩中心でめぐる旅を検討中

 

上記一連の方針について「甘すぎる」「対策が足りない」等のご批判もあるかと思いますが、そうしたご意見は是非参考にさせていただきたいのでコメントやTwitterにてお寄せください。ご意見が数多く寄せられるようであれば再度方針を見直させていただきます。

 

今日の記事は何だか終始重たい感じになってしまってすみません!

まだまだ過去の旅行の様子等、ストックはたくさん用意しておりますので、当ブログではそちらもどんどんお届けしていきます!

5日間を締めくくる小樽観光&札幌名物「スープカレー」を食す旅!【2019夏の北海道15】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2019年9月の北海道旅行の第15弾記事、いよいよ最終回となりました。

4泊5日の北海道一人旅の様子を小出しにしながら半月に渡りお届けしてきましたが、今回がいよいよラストとなります。

最終日は、夕張へ観光に出かけた後、スーパーとかち号で札幌に戻ってきました。

今回はその続きとなります。

 

2019年9月12日(木)③

新夕張から乗車した特急〔スーパーとかち8号〕は16:18に札幌駅に到着。

この日の夜に新千歳を発つ羽田便でいよいよ帰京することになりますが、まだもう少し時間があるので、5日間の締めくくりとして北海道を代表する観光地・小樽に出かけていきたいと思います!

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今はもう見れない「区間快速いしかりライナー

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札幌16:28発 区間快速いしかりライナー〕小樽行

札幌から乗車するのは、16:28発の区間快速いしかりライナー〕小樽行。札幌を出ると停車駅は琴似、手稲手稲から先の各駅です。札幌~小樽駅間では「快速エアポート」とこの「区間快速いしかりライナー」がそれぞれ2本/時ずつの本数で運行されていましたが、区間快速いしかりライナーは2020年3月14日のダイヤ改正で廃止されてしまいました…。この時は廃止されるなど思ってもいなかったので、思いがけず乗り納めとなったのです。

平日の夕方ということで、車内は通勤通学客でかなりの混雑。定刻通り札幌を出発し、手稲までは比較的快調な運転をします。

この列車に乗れば一気に小樽まで行けるのですが、私はその手前の朝里駅という駅で途中下車をすることに。ここでは、一度見ておきたいものがあったのです。それが…こちら!

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自動改札機があるけど…通り抜けられない⁉

そう、朝里駅には通り抜けられない自動改札機が設置されているのです。通ろうと思っても、行く先はただの壁。知らずにこの駅にやってきた人は、ちょっと戸惑うかもしれません。

この朝里駅は無人駅ですが、札幌と小樽の間にあり、ICカード「Kitaka」の利用可能エリアに含まれています。なので、駅に簡易タッチ機を設置する必要があり、この自動改札機は単なる「簡易タッチ機」としてのみ置かれているのです。乗客はわざわざ無理にこの自動改札機を通り抜けずとも、乗る時に右側の緑の部分にタッチし、降りる時は左側の黄色の部分にタッチすればOK。自動改札機を転用して使っているという、ただそれだけのことです。

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無人駅だけど立派な駅舎もある

海側には駅舎があり、この中にはよく見る一般的なスタイルの簡易タッチ機がありますが、駅舎を通らずとも山側のホームから駅の外に出ることもできるようになっていて、そういう人のために山側のホームに「通り抜けられない自動改札機」が設置されているようです。

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駅の目の前は石狩湾

海のすぐそばにある駅ということで、眺めも最高。中国で公開された映画のロケ地としても使われたことがあるそうで、中国人観光客の聖地巡りの定番スポットのようですが、一方で写真を撮るために勝手に私有地に入るなどして近隣住民から迷惑がられているという側面もあるようです。

20分ほど滞在し、後続の普通列車でいよいよ小樽へと向かいます。

17:15発の小樽行に乗車すると、10分ほどで到着!

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レトロな小樽駅

北海道の一大観光地でもある小樽は、札幌から快速エアポートで30分程度。札幌方面から続く函館本線の電化区間はいったんここまでとなり、これより先の余市倶知安ニセコ方面は非電化区間となります。基本的にほぼすべての列車がこの小樽駅にて乗り換えとなりますが、1日2往復の列車が気動車を使用しこの小樽駅を跨いで電化区間と非電化区間の直通運転を行っています。

だんだん陽が沈んできて、小樽の主要な観光施設はもう閉まってきてしまいましたが、どうしても行ってみたい場所がいくつかあるのでそれをめぐっていきます!

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手宮線跡地

まずは何といってもこちらの手宮線跡地! 小樽に来たら一度は見てみたかった鉄道スポットです。

この「手宮線」は、北海道最初の鉄道路線である「官営幌内鉄道」の一部として1880年に開業しました。運行区間手宮~開運町(現・南小樽)~札幌駅間で、現在はその大部分が「函館本線」として旅客営業を行っています。1889年には北海道炭礦鉄道に譲渡されますが、現在の小樽駅が開業するのは1903年(「小樽中央駅」として開業し、わずか数日後に「稲穂駅」に改称。翌1904年には「高島駅」に改称し、さらに翌1905年に「中央小樽駅」に改称)で、高島(現・小樽)~小樽(現・南小樽)駅間がつながるのは1905年になってからのことでした。1906年に国有化され、1909年に小樽(現・南小樽)~手宮駅間が「手宮線」と名付けられることになります。

1962年に旅客営業は廃止されますが、その後も手宮線は貨物線として存続されます。そして1985年に、手宮線は惜しまれつつ廃止されました。

「北海道最初の鉄道」でありながら、晩年は函館本線南小樽駅で分岐する支線的扱いでしかなかった手宮線ですが、その廃線跡の大部分が現在も遊歩道として整備されています。また終点の手宮駅には現在「小樽市総合博物館」が建てられており、そこは鉄道博物館的要素もあるようなのですが、もう夕方ということで閉館時間を迎えていたため博物館はまたの機会に訪れることにします。

手宮線跡地の遊歩道を歩いていくと、目立つのは自分と同世代くらいのカップルの姿。ここを1人で訪ねている私は…うーん何とも虚しくなるぅぅぅ…。きっと恰好のデートスポットなんでしょうねぇ。自分もいつか…自分もいつか…。

そして、手宮線よりさらに海側にある、小樽を象徴する観光スポットといえば…そう、小樽運河です。

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小樽運河の夜景は素晴らしい

ちょうど歩いているうちに陽が沈み、美しい夜景を眺めることができました。空が曇っていたのでその点はちょっと残念でしたが、晴れた日の夜にまたこの小樽運河の絶景を眺められたらなと思います。

この5日間、本当にいろんなことがありました。初めて尽くしの1人旅で、実はこの北海道旅行の直前に山梨に住む両親の実家に帰省して夏のご挨拶をして(9月5日)、その翌日(9月6日)に飯田線上諏訪豊橋行を全区間乗り通すという過酷なチャレンジに挑み、そのさらに翌日(9月7日)は名古屋から東京までお座敷列車「華」で直通するクラブツーリズムの団体ツアーに参加してから、一度も自宅に戻らずにこの北海道の地にやってきたのです。複数の旅行や用事を繋ぎ合わせた結果、何と合計8日間もの大旅行になってしまっていました。

大きな荷物を岐阜の宿から札幌の宿に着払いで送りましたが、住所不備でちょっとしたトラブルになりました。極寒の小幌駅で風邪をひき、頭痛が激しい状態でこの北海道最終日を迎えていました。大変なことも起こるのが長旅というものだと思いますが、こんな素晴らしい景色を最後に見れたら、やっぱり旅は良いものだなぁと思い知らされます。そしてまた旅に行きたくなるのです。こうして記事を書いている今も、また旅に出たくて仕方がありません。

この小樽運河も、周りはカップルだらけ。自分もそういうご縁があればいいなぁとは思うものですが、一方で一人旅だからこそ見える景色というものもあると思います。楽しかった思い出を振り返りながら、歩いて小樽駅へと戻りました。

小樽からはまっすぐ快速エアポート新千歳空港に向かうのみですが、少し時間があったので、駅構内を散策。

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味のある小樽駅構内

駅舎に隣接するホームは「裕次郎ホーム」と名付けられ、ここだけ時がとまったかのようなデザインです。ごめんなさい歴史的経緯はよくわからないので気になる方は調べてみてください(笑)。

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小樽19:00発 快速〔エアポート194号〕新千歳空港

それでは、小樽19:00発の快速〔エアポート194号〕に乗車し、一気に新千歳空港まで向かいます! かなりの長距離乗車になるので指定席(uシート)で快適に行こうかなとも思ったのですが、小樽は始発駅なのでほぼ確実に座れますし、座ってしまえばロングもクロスも一緒だなと思ったので、自由席でいきます。

定刻通り小樽を発車。車内は観光帰りの人や地元の方でかなりの混雑です。しかしほとんどの人が札幌で下車。そして札幌からは、千歳線沿線の通勤通学客を積み込みます。

実はこの日の夕方、千歳~南千歳駅間でシカとの衝突があったようで、千歳線はダイヤが乱れていました。そのため、この快速エアポート194号も新千歳空港に遅れて到着することに。20:12着予定のところ、10分遅れて20:22に到着しました。

まだ夕食を食べていませんでしたが、飛行機の時間までまだ余裕があるので、新千歳空港ターミナルビルの中で北海道最後の晩餐とすることにします。

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骨付きチキン入りスープカレー(1,490円)

洋食屋さん(店名は忘れてしまいましたが)の「骨付きチキン入りスープカレー」(1,490円)を注文。札幌といえばやっぱりスープカレーは是非とも食べておきたいグルメの一つです。大学生の私にはちょっと豪華なディナーですが、出てきたスープカレーを見てびっくり。野菜がゴロゴロ入っております。これはとっても食べ応えがありました! 本当に美味しい。たっぷり野菜の旨みがカレーとよく合います。北海道は美味しいものがたくさんあるなぁと、最後の最後まで実感することができました。

さて、いよいよ北海道を飛び立つ時間がやってきました。搭乗するのは新千歳21:45発のAIRDO44便で、羽田到着予定時刻は23:30となっています。

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帰りは3番ゲートから

ANAとの共同運航便で、2ヵ月前の予約で8,260円でした。3+3列のシートで、すべてエコノミークラスのようです。

21:41頃、いよいよ機体が滑走路を滑り出し、北海道の地に別れを告げて、21:54頃にテイクオフ! 機内はかなり満席に近いような搭乗率で、私は旅の疲れもあってほとんど機内では寝ていました。窓側を取ったはいいものの、札幌の夜景など特に眺めることなく爆睡です。

次に気づいた時は、羽田空港の滑走路に着地した瞬間の振動で目が覚めました。時計を見ると23:17。おおむね定刻通りのフライトだったようですが、これほどまでに夜遅いと眠くなるのも当然です。

23:23頃に飛行機は停止しましたが、周辺にターミナルビルは見えません。何とここからは、滑走路に直接降り立ち、バスに乗り換えて到着ロビーに向かうということでした。飛行機は何回も乗ったことがありますが、こんな経験は初めてです。夜遅いからなのか、AIRDOだからなのかはわかりませんが。

バスは5分ほどで到着ロビーに到着。私は大きい荷物を札幌の宿から自宅に発送済みなので、預け荷物もないため、すぐさま京急のホームへと向かいます。

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ぜ~んぶ品川行

夜遅い時間のため、羽田空港国内線ターミナル駅から発車するエアポート急行はどれも品川行でしたが、23:40発に乗車し、京急蒲田で横浜方面に乗り換えて何とか自宅に戻ることができました。自宅へ到着するころには既に日付を越えておりました。

 

こうして、壮大な長旅が完結したのでした!

現在はもちろん新型コロナウイルスの影響でこういった旅にも出れていませんが、いつかまたこうしたビッグプロジェクトも実施していきたいなと思う今日この頃です。

全15回に渡りお届けしてきた北海道旅行シリーズ、いかがだったでしょうか。もう半年以上前の旅行になるので記憶が薄れているかと思いきや、こうして文字に起こしてみると思いのほか覚えているものです。逆にそれくらい新鮮で、印象的な体験の連続だったということだと思います。

最後に、この最終日を含めた4泊5日の北海道旅行の全行程をまとめて掲載しておきます。今はもう走っていない列車等もありますが、みなさんが旅行される際に是非参考にしていただければと思います。

 

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最後までご覧いただきありがとうございました!

北海道旅行の全15回の記事で、まだご覧になっていないものがある場合は、アーカイブよりご覧ください。

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炭鉱のまち・夕張をじっくり散策&観光する旅。石炭産業で栄え、財政破綻を迎えた町のいま。【2019夏の北海道14】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2019年9月の北海道旅行第14弾記事となっております。

スーパーおおぞら号と夕鉄バスを乗り継ぎ、旧夕張駅前(ホテルマウントレースイ前)までやってきました。

今回はその続きです。

 

2019年9月12日(木)②

ゆうばり屋台村でお腹いっぱいになったところで、続いては夕張市内を散策・観光していきたいと思います。

この日は北海道旅行の最終日ですが、夕張に来た以上は、「北海道の”いま”を知る」というテーマで行っている今回の旅行において決して避けられない話題に触れなければなりません。少し重たい、難しい話になりますがお読みいただければと思います。

みなさんは「夕張市」というとどんなイメージを持ちますか。人によっては「メロン」というかもしれません。それも間違いではないでしょう。しかし、私が今回お伝えしたいのは「財政破綻」のお話です。

元々夕張は、1891年に炭鉱が開かれて以来、長らく「石炭のまち」として栄えてきました。当時重要なエネルギー源として位置づけられていた石炭ですので、炭鉱で働く人やその家族が夕張に住み、一時人口は12万人を数えたともいわれます。

しかし、世の中のエネルギー源が石炭から石油に移行するにつれて、石炭産業は一気に衰退していきます。1970年代頃から急速に炭鉱の閉山が進み、人々は都市部に流出。1990年に最後の炭鉱が閉山され、現在では人口1万人を切っています。

石炭産業が衰退した夕張は、すぐさま観光産業に力を入れ始めます。しかし急速なシフトが重荷となり、転換は失敗。多額の借金で資金面のやりくりが限界を迎え、2007年に財政破綻を迎えます。この時から夕張市は「財政再建団体」として第二の人生を歩み始めることになりました。

財政再建団体とは何か、ここでは簡単に説明させていただきます。本来こうした市町村は「地方自治体」ですから、その市のことはその市が「自治」を行って決めることができます。しかし財政再建団体に指定されると、国の管理下に置かれることになり、夕張市は「地方自治体」でありながら「地方自治」が認められない全国でも唯一の自治体となりました。通常なら市の担当者レベルで話し合われるような小さな議題も、夕張市では幹部クラスでの議論が交わされます。

現在も夕張市の財政は非常に厳しい状況が続いているわけですが、同時に歯止めのきかない「人口減少」や「少子高齢化」も押し寄せています。

財政再建団体に指定されているのは全国でもこの夕張市だけですが、夕張市に限らず全国の多くの市町村、特に北海道の市町村では「財政難」「人口減少」「少子高齢化」といった同じ課題に直面しているところも少なくないはずです。

「北海道の”いま”を知る」ために、この夕張の市街地を散策し、博物館で歴史を学び、まずは現状を理解するところから始めようと考えました。

夕張駅の前にはマウントレースイくらいしかなく、市街地はここからさらに奥に進んだところにあるので、まずは旧夕張駅前から歩いて市街地へと向かっていきます。

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夕張の街の様子と、廃墟になった公共施設等

自然が豊かな場所ですが、人の気配はあまりありません。廃校になった中学校や、市役所のすぐ隣で廃墟になった関連施設等、街はあまりにも寂れてしまっています。中には廃校になった小学校を有効活用している事例もあるようですが、そういったごく一部の例を除いては(失礼な表現ですが)街の中が完全にゴーストタウンと化してしまっています。これは平日の日中だからこのように寂れているように見えただけで、朝晩や週末はもっと賑わうのかもしれませんが、少なくとも都会育ちの私にとってはセンセーショナルな光景が続きます。この町が観光客で賑わう光景を、残念ながら私はイメージできませんでした。

また、街中のいたるところに数々の巨大映画ポスターが掲げられております。これは、「ゆうばりキネマ街道」として、夕張市を「映画のまち」に位置付けているんだそうで、建物の外壁に突如昭和の映画のポスターが現れたりします。

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昭和の匂いがプンプンするポスターが続出

そして「ゆうばりホテルシューパロ」の前に到着。ここからは再び夕鉄バスに乗車し、さらに奥を目指すことにします。

ホテルシューパロ前を12:29に出る「夕張市石炭博物館」行のバスに乗り込みます。

バスは市街地を抜けて再びのどかな道を走り、5分ほどで終点の「夕張市石炭博物館」バス停に到着。新夕張駅から続くバスの終着点がここになります。

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「石炭の歴史村」も今は昔

ここにあるのが、まさにバス停の名前の通り夕張最大の観光スポットである「夕張市石炭博物館」です。炭鉱で栄えた夕張の歴史を存分に学ぶことができます。

ただ、バスを降りてから博物館まではかなり歩きます。というのも、この博物館を含め、昔はこの付近一帯が「石炭の歴史村」として一日中楽しめるようなレジャー施設であったようなんです。いわゆる遊園地やテーマパークのようになっていて、園内を走る鉄道であったり、水上レストランもありました。1983年に全面開業しましたが、やはり実態としては大赤字だったようで、2006年よりパークは閉鎖され、そのまま再開されず2008年より順次各種アトラクションが解体されていったのでした。

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もう使われていない「園内鉄道」のホームと「水上レストラン望郷」

かつてこの地が遊園地であったことなど想像もつかないまま、奥へ奥へと歩き進めていくと、ようやく「夕張市石炭博物館」へと到着します。石炭の歴史村の中で今も生きながらえているのはこの博物館くらいで、あとはすべて広大な空き地・廃墟となりました。

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外装は古いが、中身はリニューアル済み

建物の外観は少々古めかしいですが、館内は2018年にリニューアルされています。

この博物館では、最大の目玉であった「模擬坑道」の内部で2019年4月に火災が発生し、現在も立ち入れない状況が続いています。そのため入館料金が大人1,000円のところ700円へと値下げされていました。

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とても勉強になる興味深い展示の数々

館内には、夕張が石炭のまちとして栄えてから衰退し、そして再起を図る歴史が詳しく紹介されています。石炭産業について主に詳しく学ぶことができますが、それに付随して夕張の昔の鉄道の歴史や観光産業等についても展示があり、まさに「夕張の歴史は炭鉱の歴史」といわんばかりの充実した展示内容でした。

あまり写真をたくさんは載せられませんが、これは是非とも一度行ってみてほしいです。夕張のまちに出かける機会があれば、一度は必ず訪れるべきオススメ観光スポットだと思います。

隅々までたっぷり見学し、博物館を後にしました。

帰りのバスの時間までは少しまだ余裕があるので、石炭の歴史村周辺を散策。

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広大な駐車場はあるが、希望も花畑もない

石炭の歴史村の外にも、かつて花畑牧場の直営店があった痕跡がある等、一大レジャー施設であったことが窺えます。広大な駐車場は今もありますが、車はほとんど停車しておらず何とも虚しい光景。かつては観光で栄えたかもしれませんが、そんな光景も昔のものになってしまいました。

それでは、「夕張市石炭博物館」バス停を14:15に出発し、一気にまっすぐ新夕張駅へと戻ります。

夕張の滞在は短い時間でしたが、とても多くのものを見て、聞いて、学ぶことができました。とても充実した滞在でした。

45分ほどの乗車で、再び新夕張駅へ。15:02に到着したバスに合わせるかのように、15:12発の特急〔スーパーとかち8号〕札幌行がやってきます。

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新夕張15:12発 特急〔スーパーとかち8号〕札幌行

今度はピカピカの261系です。4両編成で、先頭4号車のみ自由席、3・2号車が指定席、1号車がグリーン車となります。4両編成でもグリーン車があるのはすごいですよね。

北海道フリーパスを利用しているので、自由席に乗車。1両しかないのでかなり混んでいましたが、何とか座ることができました。

そして16:18に、札幌駅へと到着。あっという間の快適な1時間でした。

この日の夜の飛行機で羽田へ帰ることになりますが、飛行機の時間まではまだもう少しあるので、4泊5日の北海道旅行の締めくくりとして、代表的観光地に最後に足を運びたいと思います!

 

その様子は、次回ご紹介していきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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スーパーおおぞら&夕鉄バスで行く夕張の旅! かつての終点・夕張駅の現在の様子は?【2019夏の北海道13】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2019年9月の北海道旅行記第13弾ということで、4泊5日の旅の様子を複数回にわけてお届けしておりますが、いよいよ最終日、5日目へと突入していきます。最終日もなるべく一日中北海道内を周遊し、なるべく夜遅くの飛行機で帰京するというプランになっております!

 

2019年9月12日(木)①

朝は「GARDENS CABIN」で少し遅めのスタート。

これはもう何度でも言うんですが、札幌の大通にあるこのGARDENS CABINっていうキャビンホテルは、コスパ最強の超神がかった宿泊施設ですので、みなさんも札幌で宿泊される際は強くオススメします。

5日目の朝は、優雅に朝風呂まで浸かって、ゆっくりしてからのチェックアウト。

北海道滞在の4泊のうち、初日の1泊のみ帯広でしたが、あとはこの札幌のに3泊しました。

大きな荷物を宅急便で自宅へ発送し、札幌駅まで歩き、朝一番に乗車していくのは、こちら!

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今はなき「スーパー特急」!

札幌8:54発の特急〔スーパーおおぞら3号〕釧路行です。札幌から千歳線・石勝線・根室本線を通り、釧路までを結ぶ北海道おなじみのロングラン特急です。2020年のダイヤ改正で北海道の特急の列車名から「スーパー」を冠することをしなくなったので、今や貴重な光景となりましたが、このスーパーおおぞらを利用して、最終日のこの日は道央の夕張へと旅していきたいと思います!

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札幌8:54発 特急〔スーパーおおぞら3号〕釧路行

列車は283系の6両編成で、私はあらかじめ前から2両目の2号車指定席を予約しておきました。

ちょっと発車間際の乗車になってしまいましたが、何とか乗り込み、無事に札幌を出発!

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のどかすぎる車窓

何と車内はほぼ満席で、特にビジネスマンが多いかなといった印象です。こればかりは本当に指定席を取っておいてよかったなと思いました。

新札幌、南千歳に停車し、その先は石勝線へと入っていきます。2016年までは駅として存在していた東追分信号場付近では、車窓にのどかな牧場が広がります。こんな広大な土地も北海道ならではです。

札幌を出発してから1時間余り、列車は10:01に新夕張に到着。私はここで下車しますが、ここで降りた人はほとんどおらず、おそらく大半の人が帯広や終点の釧路まで利用するのだろうと思います。

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不自然に隠された文字

鉄道ファンの方であればご存じの方も多いと思いますが、この新夕張駅からはかつて「石勝線夕張支線」という路線が分岐していました。新夕張夕張駅間を結ぶローカル線で、利用者の減少を理由に2019年3月31日で廃止されています。

私が北海道を訪問したこの旅はそれから約半年後でしたが、以前のブログ記事で、「2018年9月に北海道への旅を計画していた」というお話をしたことがあります。その最大の理由が、この夕張支線の乗り納めをしておきたいからだったのです。

 

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現在使用されているのは手前の1・2番線のみ

新夕張駅のホームは、2面4線で1~4番線がありますが、現在は1・2番線のみが使用されています。分岐駅でなくなった現在では2面4線もの広大な設備は不要になってしまったためと思われます。

かつての夕張支線の列車は、新夕張から石勝線に直通し、千歳線千歳駅まで乗り入れを行っていました。そうした普通列車は、夕張支線廃止後は新夕張駅での折り返し運転となっているようです。新夕張新得駅間は引き続き特急のみが走る区間となっており、普通列車の運行はありません。

今回は廃線後の訪問ということで、新夕張からは「夕鉄バス」に乗り換えて夕張駅方面へと向かっていきます。

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新夕張駅周辺、人の姿はない…

新夕張駅前を10:21に出発する「夕張市石炭博物館」行のバスに乗車します。北海道フリーパスでは乗車できないので、車内で運転手の方から1日乗車券(1,200円)を購入しました。

この「新夕張駅」と「夕張市石炭博物館」を結ぶ夕鉄バスの路線が、かつてのJR夕張支線の代替交通手段となっており、バスはかつての線路沿いに走っていきます。

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清水沢駅

途中の主要な市街地である旧清水沢駅周辺には、平日の日中であってもそれなりに人や車の姿があるなという印象を受けました。一方で車窓には、現在は誰も入居していなさそうなアパート等もあり、過疎が進む町である様子も窺えます。

夕張やその周辺は、かつて炭鉱で栄えた町として知られています。かつてはこの夕張支線だけでなく他にも多数の鉄道路線がありました。しかし炭鉱の閉山と共に町は急激に衰退していき、2007年に夕張市財政破綻を迎えます。夕張の歴史は、後程訪問した「夕張市石炭博物館」で詳しく知ることができるので、次回そこを取り上げた際に詳しくご紹介します。

11:00、バスは「レースイリゾート前」というバス停に到着。私はここで下車します。

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夕張駅舎とその背後に見えるホテルマウントレースイ

振り返ると、目の前にある三角屋根の小さな建物こそ、かつての夕張支線の終点である夕張駅です。2019年3月31日までは、確かにこの駅に列車がやってきていました。

現在も駅舎やホームはそのまま残され、観光案内所として利用されているようですが、土曜・休日のみの営業ということで、私が訪問した際は閉まっていました。

そしてこの夕張駅舎の目の前にある巨大な建物こそ、「テルマウントレースイ」と呼ばれる大型リゾートホテルです。夕張駅から徒歩0分の立地にありますが、ホテルマウントレースイに来る人のほどんどは札幌方面からの直通のバスかマイカーで来るものと思われ、鉄道は利用されなかっただろうと思います。

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夕張駅構内には入れないが、今もほぼそのまま残されている

1面1線の棒線駅だった夕張駅ですが、駅名標が取り外されているほかはほぼそのまま残されているといった印象です。もっとも、廃線跡として残しているというよりは、まだ廃線から半年ほどしかたっておらず当時から放置されているといった方が正しいかもしれません。

ここで少し早いですが、昼食にしたいと思います!

夕張駅の目の前には、「ゆうばり屋台村」があります。ここは、観光客向けに夕張の美味しいお店が10店舗ほど集まったフードコートとなっており、雰囲気ある屋台街になっています。

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ゆうばり屋台村

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夕張石炭くろラーメン+半チャーハンセット(1,100円)

ここで注文したのは「夕張石炭くろラーメン+半チャーハンセット」(1,100円)。前の日の晩も札幌駅でボリュームのある味噌ラーメンを食べたばかりですが、今回は醤油ラーメンです。夕張が石炭の町であることにちなんで、イカスミを練り込んだ真っ黒な麺を使ったラーメンになっています。いやぁこれまた本当に美味でして。黒い器の中に黒いスープと黒い麺とはとことんこだわったなという感じですが、味は確か。あっさりした味で、とても印象に残っています。夕張に来たら何度でも食べたくなる味です。

お腹いっぱいになり、ゆうばり屋台村を後にしました。ごちそうさまでした!

 

この後は、夕張の市街地や「夕張市石炭博物館」を観光していきますが、その様子はまた次回お届けします。

今回はここまで!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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日本一の秘境駅「小幌駅」&異様な珍駅「北吉原駅」をめぐる旅【2019夏の北海道12】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は2019年9月の北海道旅行記第12弾記事ということで、4泊5日の旅行のうち、4日目の午後の様子をお届けしていきます。

 

2019年9月11日(水)③

豊浦14:55発の室蘭本線長万部行に乗りこみ、いよいよ「小幌駅」を目指します!

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豊浦14:55発 室蘭本線 長万部

ホームで待っていると、見たことのない車両がやってきました。どうやらキハ150形というそうです。1両の気動車で、わりかし車内は混雑していました。選ばなければ座れるかなという感じです。

この列車で20分ほど移動し、15:14にようやく日本一の秘境駅・小幌へと到着です!

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無事ホームに降り立ったものの…

自分の他に、同じように鉄道ファンと思しき方が2名下車したこの小幌駅は、2面2線の対向式ホーム。トンネルとトンネルの間に挟まれたわずかな陸地に駅が造られています。

辺りに民家や集落等は見当たらず、鉄道以外での到達はほぼ不可能といってもいいこの場所。なぜこんな場所に駅があるのか、それは歴史を紐解いていくと少し見えてくるかもしれません。

元々小幌駅は、1943年に信号場として開設され、1967年には仮乗降場になりました。信号場時代から旅客扱いをしていたようですが、正式に旅客駅へと昇格したのは何と国鉄が分割民営化をしてJR北海道が発足したタイミングの1987年とのこと。

つまり、元々運行管理上の要衝だったところに、ついでにホームを造り旅客営業もしていたことから、現在も旅客駅として存続している、ということのようなんです。

まぁしかしこのホームというのは板張りで、歩いていていかにも不安になってくるような細くて不安定なものでして、しかもこの時はかなり強い雨が降っていましたのでホームに屋根等もなく、雨を凌げる場所がありません。おまけに駅舎や待合室のようなものもなく、駅ノートは蓋つきの入れ物に厳重に保管されていました。読んでみたかったですが、この大雨の中で取り出すとたちまちノートがゴミと化してしまうのでやめておきました。

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厳重に管理されている駅ノート

この駅は基本的に外の世界との交流を断絶した世界線にあると思っていただくのがいちばん適しているとは思いますが、実は海側に駅の出入口があり、そこを進むと「文太郎浜」という海岸に出るようです。まぁ出入口と言ってもただの茂みで、かすかに人の歩いた跡が未舗装の道として形成されている程度なんですけれども。進んでみたかったですが、この大雨で足元がぬかるむ中、命の危険を感じたのでやめておきました。

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小幌駅出口(文太郎浜方面)

それにしても寒い。本当に寒い。9月上旬ってまだまだ残暑厳しい時期かなと思っていたのですが、大雨で日射しがないこともあり、私が訪問した際は日中にも関わらず気温は7℃。9月ってまだまだ夏かなと思っていたのですが、吐く息が白かった時はぞっとしました。恐らく私が2019年下半期で初めて白い息を吐いた瞬間だったことでしょう。

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小幌駅全景

こんな秘境駅ですが、一応函館~札幌を結ぶ特急街道ではあるので、線路はずっと複線になっているようです。小幌駅の両端はトンネルですが、上り線と下り線に1つずつトンネルが整備されています。また、その2本のトンネルの間にもう1本トンネルのあった痕跡があるので、ここにも昔は列車を通していたのかもしれません。駅にもホームのない中線が存在していた名残を見ることができます。

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駅時刻表 (左)長万部方面 (右)東室蘭方面

当然ながら、この駅には普通列車しか停車しません。それどころか、普通列車でさえもここを通過する列車が設定されています。本数は、長万部方面が1日4本東室蘭方面が1日2本ということで、基本的に同一方向での乗り継ぎをこの駅で行うことは現実的ではありません。小幌駅から列車に乗車する時は、来た道を後戻りするというのが基本です。そして私がまさに今回行った、「15:14長万部行でやってきて、15:44発東室蘭行で帰る」というのが最も一般的な訪問の仕方だろうと思います。

駅周辺に人は全く住んでいないので、当然ながら生活利用者は0人で、年間を通じた1日平均利用者数も毎年決まって0人というのがお約束になっています。JR北海道は、小幌駅の維持管理にコストがかかるため、2015年10月に廃止する方向で動いていたこともあるようですが、観光資源として活用できるため地元の豊浦町が廃止に反対し、2016年より豊浦町の管理で存続が決定したのでした。

廃止を免れたとはいえ、それでもなお決して安泰ということではないと思いますから、そう遠くないうちに廃止されてしまう可能性はあると思います。訪問できる時に訪問しておくというのが大事ですね。

もっとも、天候に恵まれた日に来るべきだっただろうとは思いましたが、仕方ありません。そして身をもって実感したのは、雨の日に小幌駅に来るべきではない、ということだと思います。マジで凍え死ぬかと思いました。

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小幌15:44発 室蘭本線 東室蘭

そして駅滞在30分ののち、ようやくやってきた15:44発の東室蘭行です。キハ40の1両ですが、雨と寒さで凍えていた私にとっては、あったかいキハ40の車内が天国に見えました。ちなみにこの列車が、東室蘭方面の初電となります。

この列車に乗り込み、終点の東室蘭まで移動します。

伊達紋別と稀府からは高校生がたくさん乗ってきました。9月の平日にこんな旅ができる、大学生としてのある種の優越感のようなものを感じます。

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東室蘭駅で対面乗り換え

終点の東室蘭駅には16:55に到着。ここからは、接続する16:58発の苫小牧行に乗車していきます。時間があれば室蘭周辺も観光してみたかったのですが、それはまたの機会の楽しみに取っておきたいと思います。

苫小牧行に30分ほど乗車し、やってきたのは「北吉原」という駅。

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何の変哲もない無人駅かと思いきや…?

この北吉原駅こそ、私が小幌駅と並んで一度訪れてみたかった駅でもあります。普通列車のみが停車する無人駅で、一見何の変哲もない駅のようにも思えますが…駅の外に出てみると、その異様さがわかるのです。

それが…こちら!

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謎の宇宙船のような、無人駅に似つかわしくない立派な橋上駅舎

そう、この吉原駅の駅舎は、無人駅に似つかわしくない異様な形をしているのです。これこそが、私がこの北吉原駅を訪れたかった最大の理由です。

1965年に開業した北吉原駅は、2面2線の対向式ホームの駅。駅前には幹線道路もあり、先ほどの小幌駅と違って秘境駅というわけではありません。ただ、その道沿いにあまり高い建物はない中で、なぜかこの北吉原駅は荘厳なコンクリート造りの橋上駅舎が建てられています。長く続く直線区間に突如現れるこの北吉原駅舎は、異様以外の何物でもありません。

実はこの北吉原駅舎は、老朽化に伴い解体されることが決定していました。それに先立ち、見納めということで私は今回訪問したのです。現在は工事中で、この駅舎は使用されていないようです。

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駅舎内部はとにかく薄気味悪い

この駅の目の前には、広大な日本製紙の工場があり、駅周辺はパルプの異様な臭いが漂っています。北吉原駅はこの工場の操業開始に伴い、工場へのアクセス駅として開業したのでした。当時の大昭和製紙の本社が静岡県吉原市(よしわらし)にあった(現在の富士市)ことにちなみ、それよりも北にあるということで「北吉原(きたよしはら)」という名称になったのです。なので北吉原という地名は元々北海道にあったわけではなく、完全に造語というわけです。

駅の建設も大昭和製紙が全額を負担したそうですが、その駅舎内は今では寂れてしまいとにかく薄気味悪くなっています。駅舎からホームに降りる階段が上下2本ずつ計4本あるのですが、そのうち2本は既に塞がれて利用できなくなっています。改札口のようなものは通れなくなっており、窓口があったと思われる場所も板で塞がれています。

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ホームはもはや草むら

駅滞在中にかなり陽が沈んできて、駅舎内のライトが突如点きましたが、それでも薄気味悪く、45分程度の滞在時間がとても長く感じました。

そしてようやく、18:13発の東室蘭行がやってきたので、これでいったん登別まで移動し、そこから特急で札幌に帰ることにします。

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北吉原18:13発 室蘭本線 東室蘭

例によって小幌駅と同様、同一方向の列車を待っていると時間がもったいないので、これでいったん少し来た道を戻ることになります。辺りはすっかり真っ暗でした。

12分の乗車で、登別に到着。

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温泉に入りたかった

登別といえば温泉ですが、私は今晩も札幌のGARDENS CABINに宿泊するので、ここで油を売るわけにはいきません。次に登別に来るときは、必ずや温泉に行きたいと思います。

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最新鋭の発車標モニター

登別から札幌まで、この日最後に乗車するのは、登別18:39発の特急〔すずらん11号〕札幌行です。

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登別18:39発 特急〔すずらん11号〕札幌行

オリジナルヘッドマークを掲げやってきたのは、789系5両編成。前から2両目の4号車のみ指定席(uシート)で、あとはすべて自由席です。例によって今夜も、意味もなく指定席を予約しておきました。

特急〔すずらん〕は、室蘭~札幌駅間を結ぶ特急で、運行区間の大部分は特急〔スーパー北斗〕と重複しています。そのため遠近分離として、すずらんの方がスーパー北斗よりも少し多めの停車駅となっており、すずらんは沼ノ端や千歳等にも停車します。

uシートで快適に過ごしながら、窓の外に移りゆく景色を眺めていると、何と先行する普通列車サッポロビール庭園長都駅間でシカと衝突してしまったようで。私の乗っているすずらん11号も、南千歳で足止めを喰らうことになりました。

しかし何と、わずか12分後に運転を再開。現場がどのようになっていたかはわかりませんが、安全が確認できたということで南千歳を12分遅れで発車しました。流石は北海道、シカとの衝突対応もお手の物です。

結果的に、終点の札幌には20分遅れて20:15に到着。

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札幌エスタ10F「らーめん共和国」

今夜の夕食は、札幌駅の駅ビル「エスタ」の10階にある「らーめん共和国」で本場の味噌ラーメンを食べたいと思います!

ここは、いくつものラーメン店が集まったレストラン街で、好みの店のラーメンを味わうことができます。しっかし私はどこが美味しいとかはよくわからないので、とりあえず視界に入ったお店に入りました。お店の名前は忘れてしまいましたが。

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「全部のせ味噌らーめん」(1,100円)

いろいろと考えるのももう面倒だったので、豪華な「全部のせ味噌らーめん」(1,100円)を注文。いやぁこれが本当に美味しかった。こってりなのに、食べやすいんですよ。チャーシューが3枚ものってボリューム満点。普段あまり味噌ラーメンは食べないのですが、札幌に来たらやっぱり一度は食べたくなる味ですね。

そうして、今夜も歩いて札幌駅からGARDENS CABINに戻り、北海道滞在4日目はこれにて終了となりました。

 

次回からは、いよいよ北海道旅行最終日の様子をお届けしていきます。

某路線の廃線跡を辿り、某有名観光地へ行き、飛行機の時間ギリギリまで北海道を満喫した旅の模様をご紹介していきますのでどうぞお楽しみに!

 

また、4日目のエンディングということで、この4日目の行程を一覧にして掲載しておきます。

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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スキマ時間で洞爺湖を観光! 1時間でどれくらい楽しめる?【2019夏の北海道11】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2019年9月の北海道旅行記第11弾記事です!

非常に内容の濃い5日間の旅だったので、複数回にわけてお届けしております。

第15回くらいまでで完結すると思うので、是非ともお楽しみいただければと思います!

 

2019年9月11日(水)②

札幌から、山線(小樽・倶知安)経由の臨時特急〔ニセコ号〕にて、11:27に長万部に到着。

せっかくこの長万部エリアに来たということで、今回は「日本一の秘境駅」として知られる「小幌駅」を訪ねてみることにしました!

しかしこの小幌駅は列車本数が非常に少なく、駅にアクセスできる普通列車がやってくるまでには時間があるので、空き時間でサクッと洞爺湖観光をしていきたいと思います!

長万部からは、すぐにやってくる11:33発の特急〔スーパー北斗7号〕札幌行に乗車していきます。

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長万部11:33発 特急〔スーパー北斗7号〕札幌行

やってきたのは、青い281系8両編成。北海道の特急といったらやっぱりこの青いボディのイメージが強いです。最近では白い261系の北斗も多いようですが。

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車体側面のディスプレイはリニューアル済み

私は北海道フリーパスで乗車するので、自由席利用となります。8両編成のうち、先頭の8号車と7号車が自由席。長万部から洞爺までの乗車時間はわずか20分程度ですが、無事座れました。

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外国人観光客の姿が目立つ

着席するとまもなく、検札がやってきます。私が北海道フリーパスを提示すると、「どちらまで乗りますか?」と尋ねられるので「洞爺までです」と答えるだけ。これは楽ちんです。特急券購入の手間が省けるので、普通列車感覚で気ままに特急に乗れるのが北海道フリーパスの良いところです。

それにしてもこの長万部~洞爺駅間はトンネルがかなり多め。後程訪問する小幌駅をいったん通過し、その先の洞爺には11:56の到着です。

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洞爺に到着!

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曇っているが洞爺駅はなかなか立派

洞爺駅で下車したら、ここからはバスに乗り換えていきます。

ちょうどタイミングよく、12:12発の洞爺湖温泉方面行のバスがあるのでこれに乗車していきます。

洞爺駅から洞爺湖温泉まで、運賃は330円、所要時間は20分です。道南バスなので、北海道フリーパスは使えません。

バスの車内は、とにかく外国人観光客だらけ。バス車内の案内表示も、中国語が目立ちます。

山道を抜け、12:32に洞爺湖温泉バスターミナルへと到着!

時間の関係で、この洞爺湖観光に割けるのは1時間しかないので、温泉には入れないのですが、洞爺湖周辺の気になる観光スポットを見て回ります。

バスターミナルから歩いて数分のところにある「洞爺湖ビジターセンター・火山科学館」へ。

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洞爺湖ビジターセンター・火山科学館(外観は工事中でした)

ここは、名前からもわかる通り、「洞爺湖ビジターセンター」と「火山科学館」の2種類の施設が1つの建物にまとめられているスポットで、ビジターセンターの方は入場無料、火山科学館は大人600円となります。先に火山科学館の方に行ってみました。

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興味深い展示の数々

ここでは、有珠山の噴火の歴史を貴重な写真や当時の実際の噴石等とともに紹介しています。中でも、2000年の有珠山噴火で大破した軽トラックの展示がとても印象的です。

また、館内に併設されたシアターでは、2000年の有珠山噴火の当時の記録映像をリアルな振動とともに鑑賞することができます。シアターは撮影禁止でしたが、とても勉強になる資料映像でした。

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ビジターセンターでは洞爺湖周辺の自然について学べる

併設されている「洞爺湖ビジターセンター」では、洞爺湖周辺に生息する動植物について学ぶことができます。こちらもかなり面白い展示が数多くありましたが、時間の都合であまりじっくり見ることはできませんでした…。また洞爺湖に来る機会があったら是非とも立ち寄ってみたいと思います。

建物の外に出て、改めて洞爺湖畔まで歩いてみることに。

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視界不良すぎる

見渡す限りの絶景!…と言いたいところですが、あいにくの天気でどんよりした景色に。雨も次第に強くなってきて、寒さすら感じるようになってきました。大体、外を歩いている人が全然いないですからね。晴れていれば素晴らしい景色が広がっていたのでしょうが、これは残念です。

洞爺湖温泉バスターミナルに戻り、13:35発のバスで洞爺駅へと戻ります。

今回は本当に慌ただしく、回りたいけど回れなかった観光スポットも数多くありました。また何よりも洞爺湖温泉に来ておきながら温泉に浸かることができなかったということで、次は是非とも洞爺湖温泉で優雅に1泊、ゆっくり過ごせたらなと思います。

20分ほどバスに乗車し、洞爺駅に13:56に戻ってまいりました。

ここで、少し遅めの昼食とします。洞爺駅には駅弁の出店販売があるのですが、先ほどスーパー北斗7号で洞爺駅に11:56に到着した際に、既に売り切れ寸前だったので、残り少ない駅弁の1つを買っておきました。ただ洞爺湖観光の時間が限られていたので、一度洞爺湖へ行って、また戻ってきたこのタイミングでやっとその駅弁を食べられる、ということになったのです。洞爺駅には駅舎に隣接して喫食できるスペースが少し設けられているので、そこで食べることにしました。

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洞爺駅の「かにめし」(1,000円)

購入しておいたのは、洞爺駅の「かにめし」(1,000円)。有名な長万部の「かなやのかにめし」よりは少しマイナーですが、味は確かです。かにフレークがたっぷりのったかにめしは本当に絶品! 私は正直そこまでかにが好きというわけではないのですが、このお弁当でかにの魅力に憑りつかれそうです…(笑)。やっぱり美味しい駅弁は一度食べてみるもんですね。

さて、お腹も満たされたところで、次なる目的地・小幌駅に向かっていきます…が、ここでちょっと急遽計画変更をすることに。

 

本来の予定では、洞爺14:48発の長万部行に乗車してまっすぐ小幌駅へと行く予定だったのですが、その前の14:23に洞爺駅前を出発するバスがあることに気づきました。このバスに乗車すると少し早く1つ隣の豊浦駅まで先回りできるということがわかり、さらにこの豊浦駅では、小幌駅の「わがまちご当地入場券」を販売していることもわかりました。せっかく小幌に行くのなら、記念入場券の意味も込めてこの「わがまちご当地入場券」を買いたいと思い、洞爺駅前を14:23に出る豊浦方面行のバスに乗車することに。

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豊浦駅まではバスで行くことに

かにめしを何とか食べ終わり、14:23発の道南バスに乗車していきます。このバスは、先ほどの洞爺湖温泉に向かうのとは別の路線で、「天然豊浦温泉しおさい」に向かうバスとなっています。

洞爺駅から豊浦駅までこのバスで12分、運賃は290円です。

そして14:35に豊浦駅へと到着!

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駅と食堂が一体となった豊浦駅舎

豊浦駅の駅舎内には、食堂のようなカフェのような設備が備わっており、地域の人によって運営されているみたいです。駅としては無人駅なので、何と「わがまちご当地入場券」はこの食堂のカウンターで購入できます。わがまちご当地入場券のストックが厨房にあるという、面白すぎる光景でした!

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小幌駅訪問者への注意喚起文が4ヵ国語で用意されている豊浦駅

また、駅舎内には、「小幌駅を訪問される方へ」という注意喚起の張り紙等もありました。こんなところでも多言語対応しているとは驚きです。

いよいよ、豊浦駅から、14:55発の普通列車小幌駅を目指します!

 

が、今回はここまで。

小幌駅はあまりにもお伝えする内容が多そうなので、次回詳しくお届けしていきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

是非とも拡散・コメント・評価・読者登録等よろしくお願いいたします!

函館山線を走る貴重な臨時特急〔ニセコ号〕で長万部へ! 人の温もりを感じる旅【2019夏の北海道10】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2019年9月の北海道旅行記の第10弾記事となります!

4泊5日の行程はいよいよ後半戦の4日目に突入していきます。

あまりにも内容の濃い5日間だったので、何回にもわけてお届けしております。今回で10回目ですが、最終的には全15回くらいになりそうです…今月末頃まで続きますがどうかお付き合いいただければありがたいです!

 

2019年9月11日(水)①

この日も朝は札幌大通にある「GARDENS CABIN」から札幌駅まで歩きます。

札幌駅からまず朝一番に乗車するのは…こちら!

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昔ながらの山線特急!

札幌7:57発の特急〔ニセコ号〕函館行です!

札幌~函館駅間で1日1往復、夏に運行される臨時特急となっています。

札幌~函館駅間の移動といえば、特急〔スーパー北斗〕(現在は特急〔北斗〕)が有名ですが、このスーパー北斗ニセコ号の最大の違いは「経由路線」にあります。

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スーパー北斗〕と〔ニセコ号〕の経由路線はこう違う!

スーパー北斗は札幌駅を南東方向に出発し、苫小牧・東室蘭を経由する「室蘭本線経由」ですが、ニセコ号は札幌駅を北西方向に出発して小樽・倶知安を経由します。両者は長万部で合流するのでそこから先は同一のルートですが、札幌~長万部駅間の経由路線が大きく異なるのです。

ニセコ号の通る路線は全区間が「函館本線」ですが、このうち札幌~長万部駅間(小樽・倶知安経由)は、現在定期特急列車の運行がない、いわゆる”ローカル線”です。札幌から函館方面に向かうには、距離の上ではこの小樽・倶知安経由のルートが最短ですが、実際には起伏の激しい山道を越えていくため高速での運行が難しい区間となります。このため小樽・倶知安経由のルートは通称「函館山線」とも呼ばれます。

それに対し、毎日数多くの特急が行きかう苫小牧・東室蘭経由のルートは、「千歳線室蘭本線経由」となります。距離はこちらの方が山線経由よりも長いのですが、比較的平坦な道のりが続き高速で安定した運行が可能となることから、所要時間はこちらの方が短くなっており、札幌~函館駅間を結ぶ大動脈は現在この千歳線室蘭本線経由となっています。

かつてはこの山線経由でも多数の特急・急行が運行されていましたが、1986年に特急〔北海〕が廃止されたことで定期運用が消滅。以降は季節臨として今回のように臨時特急・急行が運転されています(最近はもっぱら特急ですが)。

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札幌7:57発 特急〔ニセコ号〕函館行

ホームに上がると、そこにはキハ183系の姿が! 数年前までは北海道内を縦横無尽に走っていましたが、今や貴重な存在になってきていますね。前面には何と「ニセコ」と書かれたオリジナルのヘッドマークまで! これは堪らない!

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方向幕は「特急 函館」

定刻通り札幌駅を出発し、ノスタルジックな走行音をたてながら札幌の高架を走行していきます。

今回この特急は3両編成で、函館寄りの先頭3号車のみが自由席、2・1号車は指定席となります。私は今回確実に座りたかったので、指定席を取っておきました。

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乗客はほとんどが中高年

この列車の停車駅は、手稲、小樽、余市倶知安ニセコ、昆布、黒松内長万部、森、新函館北斗五稜郭、終点函館です。函館の到着時刻は13:40なので、札幌から函館まで6時間近くかけていくことになります。スーパー北斗なら3時間半~4時間程度で行けてしまうので、いかに時間がかかるかおわかりいただけると思います。

車内を見渡してみると、乗客のほとんどが中高年で、自分のような若年層の鉄道ファンはほぼいません。これは恐らく、9月の平日であり、かつ「大人の休日俱楽部パス」の有効期間内であるためと思われます。大人の休日俱楽部パスというのは、私も詳しくは知らないのですが、北海道と東日本の広いエリアが新幹線・特急含め何日間も乗り放題になる夢のようなフリーパスらしく、指定席も回数制限つきで無料でつけられるようです。

札幌を出発した時点では乗車率7割程度でしたが、小樽でかなりの人数が乗ってきて、車内は満席になりました。

小樽の次の停車駅は、余市ニッカウヰスキーで有名なこの地では少し長めの停車時間が用意されています。車内アナウンスにて、この駅ではホーム上でアップルパイの販売をするということで、一度ホームに降りて私も買うことに。

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余市駅に特急がやってくる光景は貴重!

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余市駅ホームのアップルパイ(320円)

最後の数点でしたが、何とかゲットし再び車内へ。

アツアツなので冷ましながら食べていると、隣の席のおじいさんに「あ、買ったんですね!」と声をかけられました。

聞けば、その方は岩手から旅行に来ている方のようで、函館山線への乗車は学生時代の修学旅行以来数十年ぶりだとか。余市駅を出発後、すぐに仲良くなり、とても話が弾みました。そのおじいさんからすれば私は孫くらいの世代だと思いますが、とても優しくしていただき、札幌の円山動物園で買ったというどら焼きまでプレゼントしていただきました。

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あいにくの天気だが羊蹄山も見えた!

倶知安を出ると、車窓右手には羊蹄山が見えてきました。私は通路側、おじいさんが窓側に座っていたのですが、何と「窓側に座りますか?」と、席を交代してくれたのです! いやぁこれは嬉しすぎます! 「私は初めてではないのでどうぞどうぞ」と、本当に懐の深いおじいさんでした。

しかもしかも、倶知安からニセコまでの1区間だけ、地元の観光協会の方々による車内販売が行われるのですが、そこで何と「飲むヨーグルト」を奢ってくださったのです!

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飲むヨーグルト(160円)

人の優しさや温かさに触れ、楽しく会話をしながら、札幌から長万部までの3時間半をとても楽しく過ごせました。

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長万部に到着!

11:27に長万部へと到着。

10:30までに電話で予約をしておけば、長万部駅停車中に名物駅弁「かなやのかにめし」を購入できたようなのですが、私はすっかりこの情報をスルーしていたため長万部駅ではゲットできず。駅構内でかにめしの常時販売はしていないみたいです。これはまたの機会の楽しみに取っておきます。

 

今回はここまで。

次回は、長万部から洞爺へと移動し、洞爺湖観光をしていきます!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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