わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【罠】名湯「草津の温泉」は大阪から1本で行けるらしい…?

※本記事には一部演技を含みます。あしからずご了承ください。

 

2024年1月2日(火)

おはようございます。本日は大阪駅へとやってきました。

突然ですが皆さん、「有名温泉地」と聞いてどこを思い浮かべますか?

大阪から鉄道あるいはバス1本で行くことのできる温泉地としては、主に近畿・北陸地方城崎温泉有馬温泉加賀温泉芦原温泉和倉温泉…等がまず思い浮かびます。

本当は今回、お正月の休みを使って北陸地方の温泉地をめぐる旅に出る予定だったのですが(これは本当)、周知の通り1月1日に発生した能登半島地震の影響で特急列車は運休続き。大阪駅の電光掲示板を見ると、1月2日の昼頃から運転を再開する旨の情報も入っていましたが、さらなる余震のリスクのほか、物理的にも心情的にも現地は観光客を受け入れる状況・段階ではなく、今回の北陸行きは見送りました。

一方で近頃は公共交通の進歩が凄まじく、何と草津温泉」までも大阪から1本で行くことができてしまうらしい…そんな噂を耳にしました。

草津温泉といえば、群馬県に位置する首都圏有数の温泉地。大阪から行くのであればまず東海道新幹線で東京へ出て、そこから特急や高速バスへ乗り換えるものかとばかり思っていたのですが…どうもそうではないらしいのです。

というわけで乗車するのは、大阪9時45分発のJR京都線 新快速 野洲です。新幹線でもなく特急でもなく快速列車…!? これで本当に草津温泉へ行けてしまうのでしょうか。

やってきたのは、紛うことなき”アノ”新快速電車です。最高時速130kmを誇り、その速さのあまり「無料特急」ともよばれるほど人気の高い列車…ではありますが、そうはいっても新快速でもできることとできないことがあります。流石に草津温泉へは…とは思うのですが。

何とこの新快速は、4号車が指定席「Aシート」となっている模様。せっかくならば草津温泉へと向かう旅行ですから、快適な指定席にしましょうか。

喜びもつかの間、予約した座席は何と視界の大部分を壁に遮られる「窓割ガチャハズレシート」だった模様…(笑)。まぁ顔の位置からギリギリ外の景色が見えないこともないのでよしとしましょう。

列車は定刻通り、大阪駅を発車。新快速なのでこの先新大阪、高槻、京都…と停車していきます。

数分で新大阪に到着し、すぐに発車。お正月ということもあってか車内はかなりの混雑で、窓側・通路側含めほぼ満席です。

乗車間際にe5489にて購入した、指定席券がこちら。券面には確かに「草津」と印字されていますので、本当に大阪から草津まで1本で行けてしまうようです。

そして所要時間ですが…何とたったの50分JR京都線はいつの間にリニア新幹線への直通運転を行うようになったのでしょうか。

新快速ですがAシートの座席は完全に特急列車と同等の仕様で、背面テーブルが備わり、リクライニングも可能です。また各座席にはコンセントもあり、車内にはフリーWi-Fiも整備されています。

指定席料金は通常840円ですが、今回私はe5489チケットレス指定席券(600円)を購入。「チケットレス」ですが発券も可能なので、駅で発券してから乗車したというわけです。

京阪間ではその車両性能をいかんなく発揮し、130km/h近いスピード感のある走りが続きます。とはいえ500km/hには遠く及ばないわけで、このペースで50分間で草津温泉まで行けるのか…だんだん疑問に思えてきました。

10時14分、列車は京都駅に到着。既に半分以上の時間が経過しています。この先流石にリニア新幹線へ直通したとて、20分程度で群馬へ行ける気など到底しないのですが果たして…。

京都を発車すると、車内はかなり空いた様子。京都市内の神社へ初詣に訪れるお客さんがどうも多かったようです。

山科を出ると長いトンネルに入り、まもなく滋賀県へと入ります。

ホーム上には確かに「草津米原方面」の文字。「名古屋」も「東京」も差し置いて草津の文字を出すとは、草津温泉がいかに全国に誇るべき温泉地であるかが窺い知れます。

この辺りでは高い建物も減り、遠くには山々を望みます。琵琶湖の対岸にそびえる山々でしょうか…(これはマジで推測なので違っていたらすみません)。

10時35分、草津駅に到着。本当に大阪からわずか50分で来ることができてしまいました…。しかしもちろん走行していたのはずっと在来線の線路です。

ホームを見渡しても、上野方面からの特急〔草津・四万〕がやってくる様子はありません。というか草津温泉の最寄駅って、こんなにホームが長くて立派だったっけ…?

はい、というわけで皆様長すぎる茶番にお付き合いいただき誠にありがとうございました。

ここは滋賀県にある東海道本線琵琶湖線)の草津駅。もちろん群馬県草津温泉とは全く別の場所で、草津市の代表駅です。

滋賀県草津市の面積は群馬県草津町約1.36倍、人口に至っては何と25倍以上というとんでもなく大きな街です。そりゃま「市」と「町」ですから、これくらいの差があって当然といえば当然なのですが…。

草津温泉の最寄駅は、正しくはJR吾妻線の「長野原草津口駅」です。しかしこの駅は草津町内にはなく、それどころか草津町内に鉄道路線はありません。これに対し、滋賀県草津市は天下の東海道本線が通り、ここ草津駅からは柘植方面にのびる草津線が分岐しています。むしろしっかりターミナル駅です。

今回来ている草津駅ですが、1日平均乗車人員は27,446人(2022年度)となっています。群馬県長野原草津口駅は1日平均わずか680人(同)ですので、その差は何と約40倍にも上ります。様々な面において、群馬県草津町よりも滋賀県草津市の方が圧勝という感じがしてしまいます。

しかし改めて考えると、私は今回「温泉」を求めて大阪から出発したわけです。

となると、何としても温泉に入らずしてこの草津の地を去ることはできません。

いやしかしここは群馬県ではなく滋賀県。流石に温泉などあるわけ…

あるんです。

滋賀県草津市にもどうやら人気の高い温泉施設があるそうで、今回はそちらへ向かいたいと思います。(群馬県草津温泉はまた別の機会にでも…。)

温泉を求めて、再び草津駅改札内へ。来た道を少しだけ戻り、一つ隣の「南草津」という駅へ向かいます。乗車するのは草津10時52分発の琵琶湖線 新快速 姫路行

何でか分かりませんが3分ほど遅れていたようで、その影響もあってか車内はより混雑しています。

3分ほどの乗車で隣の南草津駅に到着。ここからは路線バスへと乗り換えます。温泉への行き方としては、長野原草津口駅と似ているといえば似ているのでしょうか。

ちなみにここ南草津駅は、一時期滋賀県内の鉄道駅で利用者数第1位となっていた時期がありました。2022年度の1日平均乗車人員は25,383人ですが、それでも草津駅に続いて県内第2位となっています。

ホーム上には、特急〔びわこエクスプレス〕の乗車位置案内もありました。2024年3月のダイヤ改正からは名称が〔らくラクびわこ〕へと改められる予定のため、この表示も今だけの貴重な光景です。

改札口付近は天井が高くなっており、そのそばにはコンビニもあります。1994年に開業した比較的新しい駅で、2011年に新快速が停車するようになりました。2014年に初めて県内乗車人員第1位となり、その後も上位を常にキープし続けています。

現在南草津駅周辺は主に大企業の工場や研究施設が集中しています。また少し南へ進むと立命館大学びわこ・くさつキャンパスも位置しています。

バスまで少し時間があるので、先ほど草津駅にて購入した「うばがもち」(350円)をいただくことにします。「うばがもち」は草津を代表するご当地和菓子で、いわゆる”あんころ餅”の類です。甘いこしあんに包まれており、小さくて食べやすい大きさでとても美味しいです。

それではバスに乗り込み、いよいよ温泉を目指します。

南草津駅西口11時15分発の近江鉄道バス イオンモール草津へと乗車。終点まで利用します。

近江鉄道バスのカラーリング、どこかで見覚えがあると思ったら西武グループなのだそう。この地域では近江鉄道等と一体的に「近江鉄道グループ」を形成しており、近江鉄道の方ではかつて西武鉄道で使用されていた車両も活躍しているそうです。

バスは途中、目立った乗降もなく順調に進んでいます。交通系ICカードも利用することができ、南草津駅西口~イオンモール草津間の運賃は250円です。

しばらくすると、前方にイオンモール草津が見えてきました。駅からは4kmほど離れており、徒歩ではしんどいですがバスならあっという間です。ただ、もちろん群馬県草津温泉周辺とは景色が全く異なりこちらは完全に市街地です。

11時30分、終点のイオンモール草津に到着。広大なイオンモールの一角にバス停留場が設けられており、各方面からのバスがここに集まります。とある方が「バスは病院・イオンモール・空港に集まる」とおっしゃっていましたが、まさにその通りです。

琵琶湖のほとりに佇む「イオンモール草津」。私は横浜育ちでイオンモールになじみがないので、この絶大な集客力を誇る郊外の商業施設にいつも驚かされます。

話を戻しますが、今回目指していた「温泉」はこのイオンモール草津の一角にあります。ただしバス停留場からは少し離れており、看板に従って駐車場内の安全な場所を歩いて移動していきます。

敷地内を数分歩き、ようやく到着。

こちらが”滋賀県にある草津温泉”こと、「草津湯元 水春」です。

料金は大人平日950円、休日1,050円。いわゆる「スーパー銭湯」の類の施設ですが、お正月とはいえ昼間だったためそこまで混雑はしておらず、内湯も露天風呂も広々としていて快適なお湯に浸かることができました。露天風呂に設置されたテレビでは関西ローカルのお正月の演芸番組が放映されており、思わず見入ってしまいました(笑)。

館内には食事処も併設されており、今回はお正月なので贅沢に近江牛すき焼き膳」(2,780円)を注文。スーパー銭湯ですが地元のブランド牛をいただけるのは大変嬉しいことです。

鮮やかな色をした近江牛は、割り下との相性も抜群。舌の上でとろける美味しさで、新年早々幸せな気持ちになれました。天ぷら、お刺身等もとても美味しく、少しお値段は張りますがとってもおススメです!

トータルで2時間半ほど滞在し、帰りはイオンモール草津から草津駅西口へ直結するバスにたまたま乗ることができたのでまっすぐ戻ってきました。

というわけで、”滋賀県草津温泉”もこれはこれでとても良い場所でしたので、皆さんも是非足を運んでみてください!

イオンモール草津へと向かうバスは、草津駅南草津駅のほか、大津駅や瀬田駅から出ています。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。