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【原爆投下78年】長崎原爆資料館・平和公園・原爆遺構を見学[2308長崎4]

 

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2023年8月11日(金)

長崎駅で昼食を取り、行動を再開していきます。

2日目となる本日の午後は、長崎市内をあちこち観光していきます!

長崎駅は、新幹線開業を見据え2020年に在来線ホームを高架化しました。その際かつての位置よりも西寄りに移設され、かつて改札口やホームがあった場所は広場となっています。かつての駅前に広がっていたペデストリアンデッキはまさに取り壊しが進められており、もうじき過去のものとなるのでしょう。

長崎市内の観光に便利なのが「長崎電気軌道」(路面電車)。1~5系統が運行されており、網の目のように市内あちこちを結びます。運賃は区間にかかわらず1乗車140円という驚きの安さで、一日乗車券(600円)も発売されているようです。一日乗車券は5回以上乗車することで元が取れるわけですが、観光予定もあり少し怪しかったので普通運賃で乗車することにしました。SuicaPASMOをはじめ全国相互利用の交通系ICカードも使用できます。

長崎駅前」停留場から10分ほど乗車しまして、まずやってきたのは原爆資料館」停留場。西洋風の屋根が特徴的です。

坂を少し上ると見えてくるのが「長崎原爆資料館」です。

1945年8月9日11時2分、長崎市上空で炸裂した原子爆弾。街を破壊し、市民の日常を一瞬にして奪ったその過去と向き合うべく、じっくりと館内を見て回ります。

まず入口へ進むと、目の前には「11時2分を指して止まったままの時計」があり、その先には脚の曲がった給水タンク等様々な展示物が並べられています。あの日、原子爆弾が炸裂したのは現在の長崎市松山町付近上空とされており、我々の想像を遥かに上回るほどの惨状であったことがよく分かります。

原子爆弾とは、核分裂のエネルギーを利用して爆発するもので、長崎には「ファットマン」と呼ばれるものが投下されました。放射線のみならず爆風や熱線はたちまち長崎の街へと降り注ぎ、死者7万人以上、負傷者はこれとは別に7万人以上と言われています。当時の長崎市の人口は約24万人であったことを踏まえると、実に過半数の市民に重大な被害を与えていることが分かります。

館内にある展示物の中でもひときわ印象的だったのは、「長崎を最後の被爆地に」というメッセージです。

同じく原子爆弾投下のあった街として、3日前(1945年8月6日)の広島が挙げられます。この広島が世界初の被爆地であるという歴史的な事実を変えることはできません。しかしその一方で、今後核兵器廃絶へ向けた動きが世界中で進み、これ以上世界のどの街にも原子爆弾が投下されなければ、永久的に長崎が「最後の被爆地」となるわけです。

日本人であれば誰もが広島・長崎への原爆投下の事実こそ知っているでしょうが、その詳細について少しでも学びを得ることで、平和への思いを新たにすることができた戦後78年目の夏でした。

館内を歩き回って少し疲れたので、ここで休憩タイム。資料館内には「ピースカフェ」というカフェが併設されており、軽食・デザート・飲み物等をいただくことができます。せっかくなので、私はカステラとアイスティーのセット(780円)をいただきました。長崎名物でもあるカステラはふわふわでとっても美味しく、キンキンに冷えたアイスティーとの相性も抜群です!

外が暑いのもあり、割と長めにゆっくりしてしまいました。

資料館の屋上には、爆心地を見渡すことのできる展望スペースがあります。今でこそ緑も多く静かな街並みですが、78年前の今ごろはパネルのような惨状であったことを思うと、自然とこみ上げてくるものがあります。資料館内は比較的混雑している一方でこちらはほとんど観光客の姿がありませんでしたが、是非資料館を訪れた際にはこちらも併せて足を運んでいただきたいと思います。

資料館から坂を下りると、目の前には「爆心地公園」があります。78年前に原子爆弾が炸裂したのはまさにこの上空であるとされており、厳かな雰囲気が漂います。

爆心地公園より一つ交差点を渡った先にあるのが「平和公園」です。爆心地からはほんのわずかに離れますが、こちらの方が有名な場所でもあると思います。公園をまっすぐ奥まで進んでいった先にあるのがとりわけ有名な「平和祈念像」で、毎年8月9日に開かれる平和祈念式典もこの像の前で行われます。

さらに、平和公園から少し坂を上ると見えてくるのが「浦上天主堂」です。爆心地からもほど近く、原爆投下の際には甚大な被害を受けました。その後1959年に再建され、現在は再び綺麗な姿となって佇んでいます。

さて、長崎の原爆投下にまつわる観光といえば概ねこれくらいが一般的でしょう。しかし今回はそれに加えて、知る人ぞ知る原爆遺構をいくつか見て回りましたのでご紹介します。

浦上天主堂から500メートルほど歩くと、長崎大学のキャンパスがあります。このキャンパス内にあるのが原爆遺構の一つ「ゲストハウス」です。戦前に宿泊施設(ゲストハウス)として使用されたこの建物は爆心地から500メートルほどしか離れていなかったにもかかわらず、鉄筋コンクリート造であったことから原型を留めた状態で今なお残っています。当時長崎医科大学の校舎はほぼ全て木造で、講義を受けていた学生および教員のほとんどが被爆して亡くなったとされています。

また、このキャンパス内の南側の出入口には「長崎医科大学門柱」があります。長崎医科大学(現在の長崎大学医学部)の正門があったとされるこの場所は爆心地から600メートルほどの位置にあり、原爆の強烈な爆風はこの門柱でさえもずれや傾きが起こるほどでした。この門柱は戦後の調査において重要な役割を果たし、現在もなお大学キャンパス出入口付近に置かれています。

キャンパスを後にし、さらに南に600メートルほど歩くと見えてくるのが「山王神社二の鳥居」です。向かって左半分が欠損し、何とも不安定そうな状態で立っているこの鳥居もまた原爆遺構の一つとなっています。

階段を上りきり、背後から見るとご覧の通り。すぐ隣にアパートもあり、万が一倒れたら大変…なんて思ってしまいますが、もちろん倒れてきたりはしません。

そのそばには、崩壊したもう半分の鳥居のパーツが分解された状態で置かれています。刻まれた文字はしっかりと確認することができる上、現在の技術をもってすれば復旧することも可能なのでしょうが、当時の惨状を伝えるため敢えて当時の様子をなるべく保った状態で保存がされているものと思われます。

浦上駅前」停留場まで降りてきたところで、ちょうど路面電車がやってきたのでこれに乗り込み長崎駅前方面へ移動します。

長崎駅に隣接する「アミュプラザ長崎」の中にあるスタバにて、再び休憩。期間限定のスイカフラペチーノをいただきます。

午前中の軍艦島クルーズを含め、丸一日炎天下の中を徒歩メインで移動してきたため、疲労がかなり溜まってきました。実際の写真はありませんが、直射日光を浴び続けており日焼けもすさまじいことになっています。

時刻は18時を過ぎ、いよいよ本日最後の観光地である「稲佐山公園」へと向かいます!

長崎駅前を18時18分に発車するバスに乗り込み、終点まで乗車します。

通常ですと稲佐山公園の展望台まではロープウェイを利用することが多いと思いますが、今回はそれよりも楽に山を登れる手段としてこの路線バスがあることに気づきました。お盆ですがバスの座席が全て埋まるほどではなく、快適に長崎市内を移動します。

スリル満点の急な上り坂も、大きな車体の路線バスはスイスイと上っていきます。まだ明るい時間帯ですが、日が沈んだ後どのような景色が見られるか楽しみです。

15分ほど乗車し、終点の稲佐山公園バス停に到着。しかしここはまだ夜景スポットではありません。

バス停から少し歩いたところに「長崎稲佐山スロープカー」の乗り場があります。今回は往復券(500円)を購入しました。18時台からは15分間隔での運転となりますので、バスの時刻表と照らし合わせてよく確認するようにしましょう。

改札をくぐると、モノレールの駅のような乗り場があり、列車(?)が停車しています。つやのある近未来的なデザインで、2020年1月に運行開始されたばかりのまだ新しい乗り物のようです。

2両をつないだスロープカーは中腹駅を発車し、8分ほどで山頂に着きます。スロープカーの車内からも絶景を眺めることができ、ちょうど海側の島々を望むことができました。

19時頃に稲佐山の山頂へ到着すると、まだ太陽は沈みきってはいないものの、かなり大勢の人が集まっていました。目の前には長崎港を一望でき、先ほどまでいた長崎駅周辺も見渡すことができます。

しばらく待ち、辺りが暗くなってきたところで目の前に広がる夜景がこちら!!

長崎の街の明かりがキラキラと輝く大パノラマの夜景で、モナコ・上海と並び「世界新三大夜景」の一つに数えられています。画像中央部に見えるのがちょうど長崎駅で、ひときわ明るく光り輝いています。

帰りのスロープカーやバスが混んでしまうと宿に帰るのが遅くなってしまうので、ある程度夜景を楽しんだら来た道を戻ることにします。帰りのスロープカーは山頂駅を19時45分に発車する便に乗車しました。

稲佐山公園バス停からは、20時20分発のバスに乗車。長崎駅まで戻ってきたところでバスを降り、長崎駅構内の「かもめ市場」内にある「ちゃんぽん蘇州林」さんで長崎名物のちゃんぽん(1,100円)をいただきました。野菜や海鮮がたっぷりで、大満足の一杯でした!

 

この後は再び「カンデオホテルズ長崎新地中華街」へと戻り、2日目が終了。

明日はいよいよ3日目(最終日)となりますが、その様子はまた別の記事でお届けします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。