わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【観光客にありがちなミスを再現】JR五稜郭駅から五稜郭公園へ歩くとこうなります

 

2022年9月30日(金)

今回は北海道の函館駅へとやってきました。少し時間があるので、これから函館観光に出かけたいと思います。

函館の観光地と言えば、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。

函館山、八幡坂、湯の川温泉トラピスチヌ修道院…などなど、函館市内には魅力的な観光地がたくさんあります。

しかし時間的にあちこちたくさん行くことは難しそう…というわけで、今回私が選んだのは「五稜郭」です。

綺麗な星型が地図上でも確認できる特別史跡五稜郭跡」への最も一般的なアクセス方法としては、市電や路線バスがあります。函館市電であれば「函館駅前」停留場から「五稜郭公園前」停留場まで乗車し、その先徒歩15分で辿り着くことができます。また路線バスであれば、函館駅前より「25系統」「19系統」「33系統」のいずれかに乗車し「五稜郭公園入口」というバス停で下車するよう公式HPでも案内がなされています。

一方で、JR函館本線にも「五稜郭」という駅が確かに存在します。しかしそれが五稜郭公園から遠いことは地図を見ても明らかです。今回は上の地図上の青いルートではなくあえて赤いルートの方で五稜郭公園まで行ってみたいと思います。

道南エリアのJRではICカードが使えませんので、まずは券売機できっぷを購入します。運賃表の左下に小さく描かれた五稜郭公園のイラストのそばには、五稜郭駅五稜郭公園のイラストの間に「徒歩約40分」と赤い文字ではっきり書かれており、JRの利用が推奨されていないことは明らかです。

運賃表のさらに下にも「五稜郭公園へは市電・バスが便利です」と黄色い文字で書かれたステッカーがあります。「約15分」という所要時間はあくまでも市電やバスの乗車時間のみを示したもので、実際には乗り物を降りてからさらに歩きますのでトータルで30分程度かとは思いますが、それでもJRの五稜郭駅を利用するよりは明らかに近いはずです。

さらに改札口の有人通路の窓にも、五稜郭公園へは市電やバスを利用するようう促す旨がありました。最後の最後まで何とかして旅行客にJRだけは使わせまいとする執念さえ感じます。JRとしては1駅だけでも旅行客の運賃収入が入った方が増収にはなるはずですが、そこに固執せずによりよい提案をしているところに好感がもてます。

しかし私は、そんな数多の忠告を振り切ってJRの改札内へ。乗車するのは15時44分発の〔はこだてライナー新函館北斗です。

五稜郭駅には特急・快速等を含め全ての定期列車が停車します。しかし「全ての列車が五稜郭駅に停車します」という様な貼り紙や横断幕は一切見当たりません。こんな案内をしてしまうとてっきり「五稜郭公園に行くにはJRの五稜郭駅を使えばよい」と勘違いしてしまう人が出るからでしょう。

列車は定刻通りに函館駅を発車。新幹線の駅へのアクセス列車ですが、地元の方も多く利用しています。五稜郭までは1駅ですが、運賃は250円。乗車時間はわずか4分ですから、割高にも思えます。

乗車中、列車の車窓からは確かに「五稜郭タワー」のてっぺんを確認することができました。しかし…JRの線路からはかなり遠いように見えます。というか本当に遠いのです。気のせいじゃありません。

15時48分、列車は五稜郭駅へと到着。地元の方の乗降もかなり多く、しっかりと地域の足として利用されているのが分かります。

跨線橋を渡って、駅舎へとやってきました。

五稜郭駅からはJR函館本線のほか、上磯・木古内方面へとのびる道南いさりび鉄道(旧JR江差線)が分かれていきます。

もし函館駅での数々の貼り紙に気づかなかったとしても、ここ五稜郭駅に着いてから取り返しがつくよう救いの手が差し伸べられています。駅前の②番のりば、もしくは④番のりばから出るバスに乗れば五稜郭公園の近くには行けるようで、およその所要時間と運賃が示されていました。

しかし、私はそんな救いの手さえも払いのけます。駅前にある看板を見ると、五稜郭公園までは2.1キロだそうで。これならいけるっしょ。というわけで歩いていくことにします。

今回進むルートはご覧の通り。北海道といえど函館市内ですので、市街地・住宅地が続きます。さすがに獣が出る荒野を進むような危険と隣り合わせの状況ではなさそうです。

それでは、いざ覚悟を決めて五稜郭駅を出発。駅舎にはいっちょ前に星型のプレートで文字がかたどられていますが、何も知らない旅行客を恐怖のどん底に陥れかねない代物です(笑)。

駅前を出て右へ進み、まずは少しだけ国道5号を歩いていきます。流石一桁国道ということもあり、車通りが多いです。道南~道央は「道央自動車道」で結ばれていますが、道南側は「大沼公園IC」で途切れており、そこから函館市内へ続く道としてはこの国道5号だ大動脈の役割を果たしているようです。

亀田本町の陸橋をくぐり、その先の交差点を右へ曲がります。特に名前はついていないようですが、交通量はかなり多いです。

国道5号から1本路地へ入るだけでこの静けさ。「新興通り」という名前がついた道を進みます。少なくとも、辺りに五稜郭公園へ行くと思われる観光客の姿はありません

新興通りに入った辺りから、ちらほらと前方に五稜郭タワーの姿が確認できます。五稜郭駅から歩いて向かう場合にも、この五稜郭タワーの展望台が見える方向へ歩いていけば何とか辿り着くことができそうです。

次第にタワーを遮る建物も少なくなってきて、タワーが大きく見えるようになっていきます。依然として観光客の姿は皆無ですが、確かに五稜郭公園が近づいていることを実感します。

亀田川を渡った先の交差点を右に曲がり、再び南へと進みます。函館中央警察署の前を過ぎて左へ曲がると、もうタワーは目の前です。

ついに…ついに…!!

五稜郭タワーへ到着しました!!

五稜郭駅からの所要時間はおよそ35~40分程度。急ぎ足で行けばもっと短い時間で着くことができるかもしれませんが、それにしても長い道のりでした。

この後の予定もあるためのんびりと五稜郭公園の中を散策することは難しいですが、せっかく来たので、せめて五稜郭タワー展望台からの眺めだけでも堪能することに。入場料は大人900円です。

地上約90メートルの高さにある展望台からは、星の形をした五稜郭跡の様子を肉眼ではっきりと確かめることができます! 日が沈みかけて少し赤みを帯びた函館の街は、より一層美しく見えます。

さらに、五稜郭跡と反対側を見てみるとちょうど雲間から夕陽が差し込んでいました!

目の前に見えるのは函館港と函館山。これぞ函館らしい景色です。

 

ちなみに帰りは函館市電五稜郭公園前まで歩き、そこから市電に乗りました。「五稜郭公園」という割には15分ほど歩くので「おや…?」とは思いますが、そうはいっても五稜郭駅からの徒歩に比べれば圧倒的に短く、またこちらの方が観光客が多いこともあってか繁華街が続いていました。

みなさんはくれぐれも五稜郭駅から歩くなどという暴挙に出ず、素直に市電やバスを使いましょう!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。