わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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一周しない山手線が登場!? 前代未聞の品川新宿ラインにも乗車!【渋谷駅改良工事】

f:id:watakawa:20211023192534j:plainみなさんこんにちは! わたかわです。

既に多くのメディアやSNS等でも発信されている通り、本日【10月23日(土)】から明日【10月24日(日)】にかけては山手線内回りの池袋~大崎駅間が終日運休となっています。

今回は山手線が具体的にどのような運行形態で運行されているのか、またその他の路線で登場した珍しい光景や臨時列車についてご紹介していきます。

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JR東日本では、山手線渋谷駅の改良工事に伴い、明日24日(日)の終電まで山手線内回りの池袋~新宿~大崎駅間が終日運休となります。内回りの大崎~東京~池袋駅間および外回りの全線については列車の運行があるものの、通常より本数を減らして運行されています。環状運転をしない列車については、大崎駅および池袋駅にて折り返し運転となっています。

またこれに伴い、並行する各線でも列車の増発等が行われています。

・池袋~大崎駅間で並走する埼京線は列車が増発されます。

・田端~品川駅間で並走する京浜東北線は日中に実施している快速運転を取りやめ、終日全列車が各駅停車での運行となります。

相鉄線直通列車については、新宿発着となっている列車が全て池袋発着へと変更され、新宿~池袋駅間で大幅な本数増となります。

山手貨物線の線路を利用し、新宿~品川駅間で臨時列車を運行します。

 

2021年10月23日(土)

というわけで、まず最初にやってきたのは相鉄線羽沢横浜国大駅です。

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ここは2019年に開業した相鉄・JR直通線の列車のみがやってくる駅ということで、通常2番線(都心方面)から発車する列車は朝の時間帯を除き全列車が「新宿行」となっています。しかしそれらが全て池袋行へと変更されているため、今日と明日の2日間はこの駅から新宿行が発車することはありません。「池袋」の文字ばかりが並んでいるのを見ると何だか東武東上線の駅にでもいるかのようです。

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なお、相鉄・JR直通線の池袋行については、通常ダイヤでも朝の通勤時間帯に2本設定がありますが、午前9時を過ぎてこの羽沢横浜国大駅で見れるものではないのでなかなか貴重な光景です。

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羽沢横浜国大9:02発の池袋行に乗車して、西大井まで移動。西大井駅では都区内パスを買うために下車しました。

西大井からは後続の横須賀線で品川へと向かいます。

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品川駅の山手線ホームへとやってきました。これから品川9:43発の山手線外回り 大崎行へと乗車してみたいと思います。

普段山手線では、朝ラッシュ後や終電を除きほぼ全ての列車が途中駅で終点になることなくぐるぐると回り続けています。しかし今回、山手線の外回りについては概ね2~3本に1本程度の割合で大崎どまりの列車が混じっています。品川駅2番線(外回り)の発車標では、環状運転を行う列車についてはいつも通り「渋谷・新宿方面」と表示されますが、次の大崎が終点となる列車については「大崎行」の表示となります。

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なぜ運休区間があるのは内回りだけなのに、外回りでも運転変更が生じるのでしょうか

これは「大崎→東京→池袋」と走らせた内回りの列車を再び池袋から大崎に戻さなければならないためです。池袋で終点となった内回り列車は「池袋→東京→大崎」と外回りの線路を走ることで内回り列車の始発駅である大崎駅に戻ってくることができ、再び内回り列車の運用に入れるということになります。

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さっそく乗り込み、隣の大崎へと向かいます。「次は終点」の文字も、土日の白昼の山手線ではあまり見慣れない文字ですよね(平日の同じ時間帯にはわずかながら大崎どまりの列車も運行されています)。

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数分程度で終点の大崎駅に到着。車内放送や車掌さんのアナウンスで「終点」という言葉を繰り返すも、しばらく気づかず車内に座り続ける人の姿も多数見られました。

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大崎駅では山手線のホームは2面4線となっており、1・2番線が内回り(品川・東京方面)、3・4番線が外回り(渋谷・新宿方面)となっています。1番線と3番線にのみホームドアが設置されており、通常多くの場合はこの2つのホームを中心に使用されています。

先ほど乗車した大崎どまりの列車は、ホームドアのない4番線へと入りました。乗客全員の降車を確認すると、回送列車としてすぐに品川方面へと回送されていきました。

隣の3番線で待てばすぐに後続の環状運転の外回り列車(渋谷・新宿方面)がやってくるため、多くの人はそちらへ乗り換えていたようです。

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さて階段を渡り、隣の1・2番線へと移動してきました。こちら内回りホームでは、ホームドアが設置されている1番線にのみ列車がやってくるようです。

発車標には何気なく「品川・東京方面」と表示されており、いかにも環状運転を行うかのように見えますが、実際は全て池袋どまりの列車です。ホーム上のアナウンスではしっかりと「池袋行」と言っていましたが、もしかしたら大崎駅の発車標ではそのように表示できない理由があるのかもしれません。

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しばらくすると、品川方面から回送列車として入線してきました。折り返し作業を行い、ここ大崎から9:59発 池袋行の内回り列車として発車していきます。

内回りの大崎~池袋駅間は、今回概ね10分間隔での運行となっています。10分間隔なんて首都圏の郊外路線では何ら珍しくない光景ですが、山手線で10分間隔というと大晦日終夜運転でもない限りはなかなか見られることはなく、驚くべき本数の少なさと言えそうです。

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車体前面・側面の行先表示器はしっかりと「池袋行」に対応。関西ならば「奈良方面加茂」や「姫路方面網干」のように方面を示す列車が多数存在しますが、山手線はそのようにはせず「池袋行」との表示のみです。この列車をパッと見ただけでは渋谷・新宿経由なのか品川・東京経由なのか分からないですが、そこは正しい方面のホームに降りていることが前提なのかもしれません。

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列車は定刻で始発駅の大崎を発車。これより品川、高輪ゲートウェイ、田町…といつも通り各駅に停車していきます。

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次の品川駅からは、ちゃんと発車標が「池袋行」の表示になっていました。

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品川~田端駅間では京浜東北線と並走します。このうち品川駅と高輪ゲートウェイ駅を除く各駅では山手線と京浜東北線が対面乗り換えできるようになっており、隣の京浜東北線といつも抜きつ抜かれつの攻防(?)を繰り広げます。

興味深いのは、日中にも関わらず京浜東北線が快速運転を行っていない点。京浜東北線は日中全列車が快速運転を行い、品川~田端駅間のうち新橋、有楽町、御徒町鶯谷、日暮里、西日暮里を通過するため、こんな白昼の都内で京浜東北線が「各駅停車」で走る様はなかなか見ることができません。なお、山手線の車内で京浜東北線の乗り換え案内をするのはいつも通り快速停車駅のみだったのもなかなか面白かったです。

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田端を過ぎて京浜東北線と分かれ、列車は池袋方面へと向かっていきます。週末ですから区間によってはかなり混みあいましたが、一体この乗客のうちどのくらいの人が山手線の区間運休を事前に知っていたのかは気になるところです。

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列車は大崎から40分程度で終点の池袋に到着。

池袋駅では5~8番線が山手線ホームとなっており、このうち5・6番線が内回り、7・8番線が外回りとなっています。ホームドアが設置されているのは中線(6・7番線)のみで、先ほど私が大崎から乗車してきた池袋どまりの列車は6番線に入線しました。

ここ池袋駅でも、大崎駅と同様に終点と気づかず車内に留まる人のほか、中には「回送」の表示に切り替わっているにも関わらず新宿・渋谷方面に向かえると勘違いして乗り込む人の姿も見られました。「本日このホームからご乗車できる列車はございません」等の車掌さんのアナウンスが飛び交い、まもなくすると回送列車としてそのまま目白方面へと引き上げていきました。

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変わってこちらは7・8番線ホーム。山手線外回り(上野・東京方面)です。ホームドアが設置されている7番線には環状運転の列車がやってくるようで、いつも通り「約○分後」の表示になっています。一方の8番線、こちらは池袋始発で大崎どまりとなる列車のホームになっており、列車間隔は内回り列車と同様に概ね10分間隔となっています。内回りホームの6番線で客扱いを終え、いったん目白方に設置されている回送線に留置された後、しばらくして今度は8番線へと入線してくるということのようです。

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さて、続いては新宿駅へと移動してきました。ここからは本数の少ない山手線を補うべく、貨物線を利用した臨時列車が運行されるということで前々から鉄道ファンの間でも話題になっていた列車をご紹介します。

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今回の工事に伴って、山手線と並走するように新宿~品川駅間ではE231系E233系を使用した山手貨物線経由の臨時列車が運行されています。乗り換え検索アプリ等では「湘南新宿ライン」として表示されるようですが、この列車は湘南を通りませんので、正しくは「品川新宿ライン」といったところでしょうか。わずか2日で廃止になってしまいます(笑)。

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今回は新宿11:14発の臨時 品川行へと乗り込みます。使用車両は湘南新宿ラインと同じですのでグリーン車も連結されていますが、ホーム上の停車位置案内を見てみると看板の明かりがついていません。ホーム上の貼り紙にもある通り、今回この貨物線経由の臨時列車についてはグリーン車の営業を行わず「締切扱い」として運行することにしているようですが、実際にはドアが開いており、自由に着席できるようになっていました。実際に発車間際となるとグリーン車はかなり多くの人が”タダ乗り”しており、事実上の無料開放状態となっていたようです。

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ホーム上のグリーン券売機にも、臨時列車についてはグリーン車の営業を行わない旨が表示されていました。今回のこの運用が「無料開放」にあたるかはグレーゾーンのようなので、私は普通車に乗車して品川まで移動していきます。

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列車は定刻で新宿を発車。途中の停車駅は渋谷、恵比寿のみとなっています。発車前のアナウンスでも「この列車は湘南新宿ラインではございません」「この列車は大崎にはとまりません」と繰り返し案内されていました。車内のディスプレイには全く何も表示されていません。

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渋谷駅では多数の工事関係者の方が作業されているのを確認。金曜深夜から月曜早朝までの52時間運休というのは史上最長時間の運休になるようですが、それでもこれほど多くの人の力があって初めて成り立つ工事ということなのでしょう。本当にお疲れ様です。

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恵比寿を発車すると「次は終点、品川」のアナウンスが。五反田を通過し、まもなく大崎に差し掛かるというところで線路が左に分岐し、湘南新宿ライン埼京線の走る線路と分かれて進んでいきます。こちらの列車は大崎駅の湘南新宿ライン埼京線ホームを見下ろす位置で颯爽と通過。大崎駅に停車しないのはこのためで、貨物線上にホームがないため客扱いを行えないのです。

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大崎を通過すると、西大井方面へと向かう線路を見下ろしながら左に大きくカーブを描き、東海道新幹線と合流します。ちょうど新大阪方面からの上りN700Sがやってきました。

お気づきの方も多いでしょうが、今回のこの新宿~品川駅間の臨時列車については、コロナ禍で現在運休中となっている成田エクスプレスのスジを使い、同じルートで運行されています。そのため運行本数も新宿・池袋発着の成田エクスプレスと同じく1~2時間に1本程度となっているようです。

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新宿から15分ほどで終点の品川駅に到着。横須賀線の14番線ホームへと入りました。

この列車については回送列車としてどこかへ引き上げることはしないようで、到着後はすぐに折り返し新宿行の臨時列車の運用に入るようです。

 

というわけで、今回は山手線渋谷駅ホーム改良工事に伴う運休や臨時列車等についてご紹介してきました。

大崎~新宿~池袋駅間については、山手線の内回りは運休となっているものの外回りは本数を減らして運行されています。目白や新大久保、原宿といった山手線のみが停車する駅へおいでの方は、この2日間に限り池袋方面から湘南新宿ライン埼京線等の南行列車でいったん目的地の駅まで乗車し、山手線の外回り列車で折り返し乗車をすることが認められているようですので、利用される方はそちらも是非検討してみてください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。