わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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秋のときわ路を駆け抜ける! 快速「花咲くひたち海浜公園号」に乗ってきた【勝田→大宮】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は常磐線で運行された臨時列車「花咲くひたち海浜公園号」についてご紹介します。

 

2021年10月9日(土)

今回は茨城県にある常磐線勝田駅へとやってきました。

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今回はここ勝田駅を始発として運行される、ある特徴的な臨時快速列車に乗車していきます。使用車両や運行ルート、停車駅など興味深い点がいろいろありましたのでご紹介していきます。

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その列車というのが、勝田16:23発の快速〔花咲くひたち海浜公園号〕大宮行です。常磐線の上り列車といえば通常は上野・東京・品川方面へと向かうものばかりですが、そんな中で勝田駅の発車標に「大宮」の文字が表示されるのはかなり違和感があります。

運行日数の極めて少ない臨時列車ですが、勝田駅の発車標にはしっかりと列車名まで細かい文字で表示されています。直前の16:21には隣のホームから品川行の特急〔ひたち20号〕が発車していきますから、ここだけ切り取るとかなりの高頻度運転かのようにも見えます。

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ホームに降りると、さっそく列車が入線。花咲くひたち海浜公園号はこちらのE653系国鉄色」編成にて、全車指定席で運行されます。

この車両はかつて常磐線の特急「フレッシュひたち」として主に上野~勝田駅間等で運用されており、E657系により置き換えが進められたのに伴い2013年春のダイヤ改正で定期運用から撤退しています。2013年秋からは新潟~酒田・秋田駅間を結ぶ特急「いなほ」として第2の人生を歩み始めましたが、このうち1編成が再び茨城の地へと里帰りし、塗装を国鉄車両風に変更し2019年より臨時列車等で使用されています。

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列車は7両編成ということで、ちょうど2013年までのフレッシュひたちで言うところの「基本編成」が国鉄色に塗り替えられていることになります。かつてのフレッシュひたちとしての運用でもここ勝田を始発として上野に向かっていたわけですから、当時を知る人にとっては懐かしく思われるかもしれません。

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無事に乗車し、列車は定刻通りに勝田を発車。車内の乗客は鉄道ファンが比較的多いですが、特に鉄道ファンではなさそうな観光客の方もちらほらと乗車していらっしゃいます。ひたち海浜公園からの帰り道と思われます。
勝田を出てまず最初に停車するのは一駅お隣の水戸です。前方に勝田を2分早く発車した特急ひたち20号があるためかあまりこの区間ではスピードを出しません。

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16:31に水戸駅を発車。全車指定席といえど快速列車ですから、この先は赤塚や友部、土浦などこまめに停車するのか…と思いきや、何と次は武蔵野線吉川美南までドアが開きません

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この列車の最大のポイントは、水戸~吉川美南駅間約100kmもの距離をノンストップ(客扱い停車なし)で運行する点にあります。特急が停車するような友部、土浦、柏といった常磐線内数々の主要駅を全てすっ飛ばしていくのです。

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今回のこの列車は、あくまでも埼玉県内⇔水戸・勝田間を快適に移動できるようにするのが目的です。常磐線内の各駅からは水戸・勝田方面へ乗り換えなしで行ける特急・普通列車が多数運行されているにも関わらず、花咲くひたち海浜公園号の座席がそうした近距離利用客で埋め尽くされてしまっては本来の目的を果たせないため、このように遠近分離を図っているのではないかと思います。特急湘南号が川崎や横浜を通過するのと似ています。

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水戸を出発して、いよいよこの列車が本領発揮へ。何と最高時速は130km/h近くまで出し、快速でありながら数多の特急にも引けを取らない走りを見せてくれます。一般的に「臨時列車」というと定期列車の合間を縫って運行されるため、前の列車に追いつかないようにするなど比較的ゆっくりと走ることが多いのですが、今回のこの列車に関してはかつてのフレッシュひたちと遜色ない素晴らしい走りを味わうことができました。

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先ほどから散々「水戸~吉川美南駅間ノンストップ」と言い続けておりますが、実は厳密には途中の取手駅で2分ほど運転停車します。客扱いはないので扉は開きませんが、ここで乗務員の交代が行われていたようです。

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辺りも次第に暗くなり、列車は緩行線北小金駅付近を通過。ここで常磐線から武蔵野線へと入ります。とはいえ両路線が乗り入れる新松戸駅で直接線路が繋がっているわけではなく、その手前で右に分岐する武蔵野線北小金支線」という貨物線へと入ります。この線路を通る旅客列車は通常ダイヤでは存在しないため、旅客路線としての営業キロは設定されておらず、乗車券類は新松戸駅を経由するテイで発券されますが、実際には車窓左手のビル群にかすかに見えるか見えないか程度で武蔵野線へと合流していきます。

(この部分を通過する様子を撮影した画像データが誤って消えてしまいました…すみません)

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多少スピードを緩めながらもスムーズに武蔵野線へと合流。17:37に吉川美南駅へと到着です。約1時間ぶりの客扱い停車となります。

ここでは思っていたよりも多くの方が下車され、車内にはかなり空席が目立つ状態になりました。

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その後は南越谷、東川口、南浦和と立て続けに他路線との接続のある駅に停車。順調に各停車駅での下車がある一方で、武蔵野線内から乗車する利用する鉄道ファンの姿もちらほらありました。ただ特にこれが一般のお客さんにとって迷惑になっているようには見えないので、ちゃんと指定券さえ買っていればそんなに大した問題ではないと思います。

どの停車駅でも、ホーム上では「この列車は全車指定席の列車です~~」等というアナウンスがしきりに流れていました。ホームで待つほとんどの人は後続の普通列車を待っているものと思われますが、「大宮行」とだけ見て誤ってしもうさ号のような感覚で乗り込んでしまうと厄介なことになります。

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南浦和を発車し、次の武蔵浦和を通過すると列車は右に急カーブを描き武蔵野線を離れていきます。ここで先ほどとはまた異なる貨物線西浦和支線」へと入り、中浦和駅付近で合流してからは「大宮支線」へと入って東北本線に合流していきます。ここについては定期旅客列車として「しもうさ号」(海浜幕張方面)や「むさしの号」(八王子・府中本町方面)の運行がある区間となっているものの、やはり営業キロは設定されていません。埼京線とは武蔵浦和駅でいったん交差した後、続けて中浦和駅付近でも交差していますが、貨物線側には中浦和駅のホームはなく「たまたま中浦和駅付近で交差しているだけ」という状態です。

列車は与野駅付近で東北本線宇都宮線高崎線京浜東北線等)に合流することになりますが、この区間埼京線に乗車しているというテイで運賃が計算されます。実際には西浦和支線・大宮支線から埼京線には線路が繋がっておらず、また埼京線も厳密には「東北本線」の一部なので非常にややこしいのですが、埼京線ではいわゆる「宇都宮線高崎線」とは別の営業キロが設定されているため、今回の列車の運賃計算においてはそちらを用いるということです。

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列車は18:14に終点の大宮駅へと到着。勝田から約2時間でここまでやってくることができました。

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大宮駅11番線では、この列車のすぐ後に18:22発の高崎線籠原行)の列車があるため、乗客全員の降車が完了したのを確認したのち3分ほどですぐに回送されていきました。

 

というわけで、今回は「花咲くひたち海浜公園号」で勝田から大宮まで移動してきました。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。