わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【普通列車より遅い?】まもなく廃止「アーバンパークライナー」で北千住から柏へ

 

2024年1月29日(月)

本日は東京都足立区にある北千住駅へとやってきました。これから向かうのは、千葉県の柏駅です。

「北千住から柏へ向かう」となれば、10人中10人がまず思いつくのはJR常磐線でしょう。快速線を走る列車に乗れば途中停車駅は松戸のみ、所要時間は20分ほどです。

またJRのホームからだけでなく、東京メトロ千代田線の発着する地下ホームからも柏方面へと向かう列車が走っています。こちらは北千住の次の綾瀬まで千代田線ですが、その先で常磐線各駅停車へと乗り入れ松戸・柏・我孫子方面へと向かいます。この場合、北千住~柏駅間の所要時間は30分ほどかかります。

ところが本日は平日の夜、いずれの路線であっても混雑は大変に激しくなっています。常磐線快速では主に品川・新橋・東京等から、また千代田線からの直通列車は霞ヶ関・大手町等から多数の乗車があり、北千住から乗り込める余地などもうほとんど残されていません

常磐線では全車指定席の特急〔ひたち〕〔ときわ〕も運行されていますが、残念ながら北千住駅は全て通過。もうこうなると八方塞がりで、一体どうすれば…と途方に暮れてしまいます。

しかし北千住駅に乗り入れる路線はこれだけではありません。そう、東武スカイツリーラインがあります。

「いや、スカイツリーラインで柏なんて…」と思ったそこのアナタ、甘い!

実は東武スカイツリーラインにも「柏行」の列車が走っており、しかも何と全車指定席の特急だというのです! ちょうどいい、これなら柏まで座って帰れそうです。

余談ですがこの時間帯の北千住駅では、上の写真の通り「東武日光」「赤城」「大宮」「柏」の文字の大きさと配置から、”スターウォーズ”等と呼ばれたりしているようです。

しかしこの特急の運行ルートを常磐線と比較してみると、かなりの遠回りであることが分かります。今回乗車する特急〔アーバンパークライナー1号〕柏行は、途中春日部まで東武スカイツリーラインを走行し、その先スイッチバックをして東武アーバンパークラインへ直通するため北千住~柏駅間の距離は実に55.9km。これは常磐線2倍以上の距離です。

何はともあれ、今回は終点の柏まで乗車してみようと思います。

東武特急の始発駅は北千住駅ではなく浅草駅ですが、特急利用者にとっては他路線との接続が豊富なこの北千住駅の方が重宝される傾向にあります。北千住駅のホームの端には「特急専用ホーム」があり、中間改札にて特急券を提示し先へと進みます。

特急専用ホームは1面1線の構造で、浅草発の下り特急列車のみ使用します。ただし普通列車のホームの延長線上に設けられているため、この時間帯は手前の1番線ホームにて通勤通学客をぎゅうぎゅうに詰め込んだ普通列車が次々とこのホームを通過していきます。

ホーム上には「アーバンパークライナー」の乗車位置も確認。この列車は6両編成ですが、そのうち前3両は大宮行、後3両が柏行となります。

待っていると、列車が入線。北千住19時03分発の特急〔アーバンパークライナー1号〕大宮・柏行です。2017年に東武500系「リバティ」の運行が開始され、これに合わせて新たに設定されました。

行先表示器には、確かに「柏」と表示されています。(春日部回り)等と書いてもよさそうなものですが、そこは”訓練された乗客”の集まるスカイツリーラインですから瞬時に分かるものなのでしょう。

列車は定刻通りに北千住駅を発車。柏までの途中停車駅は、せんげん台、春日部、藤の牛島、南桜井、川間、七光台、清水公園愛宕野田市、梅郷、運河、流山おおたかの森です。

草加や新越谷等を通過することで遠近分離を図る…のは良いのですが、停車駅の並びを見てもお分かりの通り、アーバンパークライン内はほぼ全ての駅に停車します

そして特急券が必要なのは次のせんげん台までで、せんげん台より先の区間は乗車券のみで乗車することができるようになっています。このためアーバンパークライン内まで乗車する場合も特急券は「せんげん台まで」の区間で印字され、特急料金は420円です。

乗車率は非常に高く、窓側はもちろん通路側までほぼ満席のようでした。

19時19分、列車はせんげん台駅に到着。驚いたことに、ここで半分近くの乗客が降りていきました。

そしてここから先は特急券不要のため「乗り得列車」となります。一応種別上は引き続き「特急」のようですが、実質普通列車です。

せんげん台からは、普通列車感覚で大勢の人が乗り込んできます。しかし次の春日部までの利用も多いのか、多くの人が客室内まで入ることなくデッキで立席乗車しているようでした。せんげん台~春日部駅間は約5分ですから無理もありません。

19時25分、春日部駅に到着。ここでスカイツリーラインからアーバンパークラインへと入ります。

春日部駅で入線するホームは、通常スカイツリーラインが使用する4番線です。ここで切り離し作業を行い、柏行が先に発車します。大宮行の進行方向は変わりませんが、柏行は進行方向が変わるためこのタイミングで各々座席の転換作業を行います。非協力的な乗客は冷ややかな視線を浴びることになりますので、阿吽の呼吸が大事になってきます。

春日部駅でもかなり乗客が入れ替わり、柏行は19時31分に発車。ここまで4号車側が先頭でしたが、今度は6号車側が先頭になります。

引き続き乗車券のみで利用可能ですので、春日部から新たに乗車した人の中には空いている座席を利用する方も多くいらっしゃいました。一方で浅草・北千住方面から利用している乗客も、着席保証はありませんがここまで利用してきた座席にそのまま座り続けることができます。

車内のディスプレイからは「アーバンパークライナー」「座席指定」の文字が消え、「柏」という行先のシンプルさもあいまってだいぶスカスカな表示となっています。東武特急は他の車両も含め原則は全車指定席ですから、特急車両なのに「座席指定」の文字が出ていないのはかなり違和感です。

実はこの「特急アーバンパークライナー」ですが、2024年3月のダイヤ改正をもって廃止となることが発表されています。しかしその理由は利用者低迷でも合理化でもなく、「春日部駅高架化工事」に伴うものとされています。先ほど通ったスカイツリーラインからアーバンパークラインへの渡り線が、工事に伴い使用できなくなるため、物理的に運行不可能になるというわけです。

高架化工事完了後に再び「特急アーバンパークライナー」の運行が行われるかは不明ですが、実際に乗車してみてもやはり需要はかなり高い列車であることが見て取れるため、今後に期待したいところです。

そして先述の通り、特急でありながらアーバンパークライン内はほぼ全ての駅に停車します。通勤客向け特急という特性上、郊外に多数の停車駅が設定されることは想像に難くありませんが、それだけでなくアーバンパークラインの場合は一部単線区間があり、仮に通過駅を設定したところで実質的には列車の行き違いのため運転停車せざるを得なくなってしまうという事情もあるように思われます。

春日部駅を出て数駅の間は比較的混雑した状態が続いていましたが、その後は降車する一方で途中駅からの乗車はそれほど多くありません。各停車駅においてもこの列車が「特急券不要」であることは十分周知がなされていることと思われますが、一方で発車標にはしっかりと「特急アーバンパークライナー」と表示されています。

醸造業のさかんな街として知られる、千葉県の野田市。駅周辺にはキッコーマンの工場や関連施設がいくつかあります。こちらの駅も近年高架化が進み、新しく綺麗なホームにこの「特急アーバンパークライナー」も入線します。

19時57分、列車は運河駅に到着。次の停車駅は流山おおたかの森で、途中の江戸川台・初石は通過します。また流山おおたかの森柏駅間もノンストップで、途中の豊四季は通過します。

流山おおたかの森駅でも多くの降車があり、せんげん台付近ではあんなに混んでいた車内もいよいよ数えるほどの乗客のみに。北千住~流山おおたかの森駅間はつくばエクスプレスの方が圧倒的近道ですので、そちらの方が混雑していることと思います。

そして…20時08分、列車はようやく終点の柏駅に到着。北千住からの所要時間は実に1時間5分、常磐線の3倍以上の時間をかけての到着です。

柏駅では、5号車の後寄りのドア1ヵ所のみが開きます。3両分の乗客がたった1ヵ所のドアに集まる…と聞くと無理があるように見えますが、そもそも満員満席というわけではありませんから、これも可能なのでしょう。

この後この車両は、柏20時38分発の特急〔アーバンパークライナー3号〕大宮行として運行されるようです。途中の運河駅までは全車指定席で特急料金は320円、その先は大宮まで特急料金不要とのことで、ほとんどの区間で特急料金がいらないことになります。Wi-Fi・コンセントも備えた近代的な特急車両に乗車券のみで乗れる区間がこんなにも長いとは、太っ腹ですねぇ(笑)。

それはそうと、北千住から柏まで通常の3倍以上の時間をかけることで快適に移動することができました。廃止まで残り1ヵ月を切ったアーバンパークライナー、乗り納めはお早めに!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【罠】名湯「草津の温泉」は大阪から1本で行けるらしい…?

※本記事には一部演技を含みます。あしからずご了承ください。

 

2024年1月2日(火)

おはようございます。本日は大阪駅へとやってきました。

突然ですが皆さん、「有名温泉地」と聞いてどこを思い浮かべますか?

大阪から鉄道あるいはバス1本で行くことのできる温泉地としては、主に近畿・北陸地方城崎温泉有馬温泉加賀温泉芦原温泉和倉温泉…等がまず思い浮かびます。

本当は今回、お正月の休みを使って北陸地方の温泉地をめぐる旅に出る予定だったのですが(これは本当)、周知の通り1月1日に発生した能登半島地震の影響で特急列車は運休続き。大阪駅の電光掲示板を見ると、1月2日の昼頃から運転を再開する旨の情報も入っていましたが、さらなる余震のリスクのほか、物理的にも心情的にも現地は観光客を受け入れる状況・段階ではなく、今回の北陸行きは見送りました。

一方で近頃は公共交通の進歩が凄まじく、何と草津温泉」までも大阪から1本で行くことができてしまうらしい…そんな噂を耳にしました。

草津温泉といえば、群馬県に位置する首都圏有数の温泉地。大阪から行くのであればまず東海道新幹線で東京へ出て、そこから特急や高速バスへ乗り換えるものかとばかり思っていたのですが…どうもそうではないらしいのです。

というわけで乗車するのは、大阪9時45分発のJR京都線 新快速 野洲です。新幹線でもなく特急でもなく快速列車…!? これで本当に草津温泉へ行けてしまうのでしょうか。

やってきたのは、紛うことなき”アノ”新快速電車です。最高時速130kmを誇り、その速さのあまり「無料特急」ともよばれるほど人気の高い列車…ではありますが、そうはいっても新快速でもできることとできないことがあります。流石に草津温泉へは…とは思うのですが。

何とこの新快速は、4号車が指定席「Aシート」となっている模様。せっかくならば草津温泉へと向かう旅行ですから、快適な指定席にしましょうか。

喜びもつかの間、予約した座席は何と視界の大部分を壁に遮られる「窓割ガチャハズレシート」だった模様…(笑)。まぁ顔の位置からギリギリ外の景色が見えないこともないのでよしとしましょう。

列車は定刻通り、大阪駅を発車。新快速なのでこの先新大阪、高槻、京都…と停車していきます。

数分で新大阪に到着し、すぐに発車。お正月ということもあってか車内はかなりの混雑で、窓側・通路側含めほぼ満席です。

乗車間際にe5489にて購入した、指定席券がこちら。券面には確かに「草津」と印字されていますので、本当に大阪から草津まで1本で行けてしまうようです。

そして所要時間ですが…何とたったの50分JR京都線はいつの間にリニア新幹線への直通運転を行うようになったのでしょうか。

新快速ですがAシートの座席は完全に特急列車と同等の仕様で、背面テーブルが備わり、リクライニングも可能です。また各座席にはコンセントもあり、車内にはフリーWi-Fiも整備されています。

指定席料金は通常840円ですが、今回私はe5489チケットレス指定席券(600円)を購入。「チケットレス」ですが発券も可能なので、駅で発券してから乗車したというわけです。

京阪間ではその車両性能をいかんなく発揮し、130km/h近いスピード感のある走りが続きます。とはいえ500km/hには遠く及ばないわけで、このペースで50分間で草津温泉まで行けるのか…だんだん疑問に思えてきました。

10時14分、列車は京都駅に到着。既に半分以上の時間が経過しています。この先流石にリニア新幹線へ直通したとて、20分程度で群馬へ行ける気など到底しないのですが果たして…。

京都を発車すると、車内はかなり空いた様子。京都市内の神社へ初詣に訪れるお客さんがどうも多かったようです。

山科を出ると長いトンネルに入り、まもなく滋賀県へと入ります。

ホーム上には確かに「草津米原方面」の文字。「名古屋」も「東京」も差し置いて草津の文字を出すとは、草津温泉がいかに全国に誇るべき温泉地であるかが窺い知れます。

この辺りでは高い建物も減り、遠くには山々を望みます。琵琶湖の対岸にそびえる山々でしょうか…(これはマジで推測なので違っていたらすみません)。

10時35分、草津駅に到着。本当に大阪からわずか50分で来ることができてしまいました…。しかしもちろん走行していたのはずっと在来線の線路です。

ホームを見渡しても、上野方面からの特急〔草津・四万〕がやってくる様子はありません。というか草津温泉の最寄駅って、こんなにホームが長くて立派だったっけ…?

はい、というわけで皆様長すぎる茶番にお付き合いいただき誠にありがとうございました。

ここは滋賀県にある東海道本線琵琶湖線)の草津駅。もちろん群馬県草津温泉とは全く別の場所で、草津市の代表駅です。

滋賀県草津市の面積は群馬県草津町約1.36倍、人口に至っては何と25倍以上というとんでもなく大きな街です。そりゃま「市」と「町」ですから、これくらいの差があって当然といえば当然なのですが…。

草津温泉の最寄駅は、正しくはJR吾妻線の「長野原草津口駅」です。しかしこの駅は草津町内にはなく、それどころか草津町内に鉄道路線はありません。これに対し、滋賀県草津市は天下の東海道本線が通り、ここ草津駅からは柘植方面にのびる草津線が分岐しています。むしろしっかりターミナル駅です。

今回来ている草津駅ですが、1日平均乗車人員は27,446人(2022年度)となっています。群馬県長野原草津口駅は1日平均わずか680人(同)ですので、その差は何と約40倍にも上ります。様々な面において、群馬県草津町よりも滋賀県草津市の方が圧勝という感じがしてしまいます。

しかし改めて考えると、私は今回「温泉」を求めて大阪から出発したわけです。

となると、何としても温泉に入らずしてこの草津の地を去ることはできません。

いやしかしここは群馬県ではなく滋賀県。流石に温泉などあるわけ…

あるんです。

滋賀県草津市にもどうやら人気の高い温泉施設があるそうで、今回はそちらへ向かいたいと思います。(群馬県草津温泉はまた別の機会にでも…。)

温泉を求めて、再び草津駅改札内へ。来た道を少しだけ戻り、一つ隣の「南草津」という駅へ向かいます。乗車するのは草津10時52分発の琵琶湖線 新快速 姫路行

何でか分かりませんが3分ほど遅れていたようで、その影響もあってか車内はより混雑しています。

3分ほどの乗車で隣の南草津駅に到着。ここからは路線バスへと乗り換えます。温泉への行き方としては、長野原草津口駅と似ているといえば似ているのでしょうか。

ちなみにここ南草津駅は、一時期滋賀県内の鉄道駅で利用者数第1位となっていた時期がありました。2022年度の1日平均乗車人員は25,383人ですが、それでも草津駅に続いて県内第2位となっています。

ホーム上には、特急〔びわこエクスプレス〕の乗車位置案内もありました。2024年3月のダイヤ改正からは名称が〔らくラクびわこ〕へと改められる予定のため、この表示も今だけの貴重な光景です。

改札口付近は天井が高くなっており、そのそばにはコンビニもあります。1994年に開業した比較的新しい駅で、2011年に新快速が停車するようになりました。2014年に初めて県内乗車人員第1位となり、その後も上位を常にキープし続けています。

現在南草津駅周辺は主に大企業の工場や研究施設が集中しています。また少し南へ進むと立命館大学びわこ・くさつキャンパスも位置しています。

バスまで少し時間があるので、先ほど草津駅にて購入した「うばがもち」(350円)をいただくことにします。「うばがもち」は草津を代表するご当地和菓子で、いわゆる”あんころ餅”の類です。甘いこしあんに包まれており、小さくて食べやすい大きさでとても美味しいです。

それではバスに乗り込み、いよいよ温泉を目指します。

南草津駅西口11時15分発の近江鉄道バス イオンモール草津へと乗車。終点まで利用します。

近江鉄道バスのカラーリング、どこかで見覚えがあると思ったら西武グループなのだそう。この地域では近江鉄道等と一体的に「近江鉄道グループ」を形成しており、近江鉄道の方ではかつて西武鉄道で使用されていた車両も活躍しているそうです。

バスは途中、目立った乗降もなく順調に進んでいます。交通系ICカードも利用することができ、南草津駅西口~イオンモール草津間の運賃は250円です。

しばらくすると、前方にイオンモール草津が見えてきました。駅からは4kmほど離れており、徒歩ではしんどいですがバスならあっという間です。ただ、もちろん群馬県草津温泉周辺とは景色が全く異なりこちらは完全に市街地です。

11時30分、終点のイオンモール草津に到着。広大なイオンモールの一角にバス停留場が設けられており、各方面からのバスがここに集まります。とある方が「バスは病院・イオンモール・空港に集まる」とおっしゃっていましたが、まさにその通りです。

琵琶湖のほとりに佇む「イオンモール草津」。私は横浜育ちでイオンモールになじみがないので、この絶大な集客力を誇る郊外の商業施設にいつも驚かされます。

話を戻しますが、今回目指していた「温泉」はこのイオンモール草津の一角にあります。ただしバス停留場からは少し離れており、看板に従って駐車場内の安全な場所を歩いて移動していきます。

敷地内を数分歩き、ようやく到着。

こちらが”滋賀県にある草津温泉”こと、「草津湯元 水春」です。

料金は大人平日950円、休日1,050円。いわゆる「スーパー銭湯」の類の施設ですが、お正月とはいえ昼間だったためそこまで混雑はしておらず、内湯も露天風呂も広々としていて快適なお湯に浸かることができました。露天風呂に設置されたテレビでは関西ローカルのお正月の演芸番組が放映されており、思わず見入ってしまいました(笑)。

館内には食事処も併設されており、今回はお正月なので贅沢に近江牛すき焼き膳」(2,780円)を注文。スーパー銭湯ですが地元のブランド牛をいただけるのは大変嬉しいことです。

鮮やかな色をした近江牛は、割り下との相性も抜群。舌の上でとろける美味しさで、新年早々幸せな気持ちになれました。天ぷら、お刺身等もとても美味しく、少しお値段は張りますがとってもおススメです!

トータルで2時間半ほど滞在し、帰りはイオンモール草津から草津駅西口へ直結するバスにたまたま乗ることができたのでまっすぐ戻ってきました。

というわけで、”滋賀県草津温泉”もこれはこれでとても良い場所でしたので、皆さんも是非足を運んでみてください!

イオンモール草津へと向かうバスは、草津駅南草津駅のほか、大津駅や瀬田駅から出ています。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【最後の砦】普通列車グリーン車よりも安くて速い! 特急しおさい号自由席[東京→千葉]

 

2024年1月29日(月)

本日は東京駅へとやってきました。これより、千葉方面へ向かいたいと思います。

東京駅から千葉駅へと向かう際、おそらくほとんどの方がまず思いつく方法は総武線快速でしょう。途中停車駅は新日本橋、馬喰町、錦糸町新小岩、市川、船橋津田沼、稲毛のみで、特に錦糸町より先の複々線区間での各駅停車との並走は見応えがあるものです。

東京~千葉駅間は約40キロ、総武線快速での所要時間は40~45分程度です。普通車でもさほど苦ではありませんが「せっかくならグリーン車で快適に移動したい…!」と思うことはありますよね。

しかしそこはグリーン車、決して安くはありません。東京~千葉駅間のグリーン料金は、事前に購入した場合であってもホリデー580円、平日780円となっています。飛び乗りで車内購入するとそこに260円加算された金額となり、平日では何と1,000円を超えてしまうのです。

そこでオススメしたいのが、普通列車ではなく特急しおさいです。東京~銚子駅間を結ぶ特急列車で、途中に千葉駅も通ります。9両編成のうち銚子寄り6~9号車は自由席となっており、こちらの利用が特にオススメです。

特急しおさい号に使用されている車両は、JR東日本255系と呼ばれる特急電車です。「房総ビューエクスプレス」の愛称のもと1993年に運行開始し、昨年デビュー30周年を迎えました。現在首都圏で活躍するJRの特急車両としては最古参の部類です。

しかし何事も「始まりがあれば終わりもある」というもので、何とこの「しおさい号」を含む房総方面の特急列車からは2024年3月15日をもって自由席が廃止され、全車指定席となります。これに合わせ255系は定期運用を終了する予定となっており、本記事でご紹介している方法が実行できるのも実はあと1ヵ月ほどというわけです。

2024/2/11追記:当初JR東日本千葉支社より、255系は2024年3月16日以降〔わかしお〕〔さざなみ〕〔しおさい〕のいずれの定期運用にも入らない旨が発表されていましたが、これを変更し一部の〔わかしお〕〔さざなみ〕にて2024年6月頃まで定期運用に入る方向で調整が進められている模様です。ただし、自由席は予定通り2024年3月15日を最後に廃止されます。

停車駅は総武線快速よりもさらに少なく、千葉までは途中錦糸町に停車するのみ。これは快速以上の時間短縮が見込めそうです。なお、東京駅地下総武ホームにおいて総武線快速は3・4番線からの発車が多いですが、特急しおさい号は2番線からの発車となりますので注意が必要です。

自由席特急券は改札外の自動券売機・みどりの窓口のほか、ホーム上でも発売されています。

10年ほど前から、首都圏では特急列車の全車指定席化が着々と進められています。2014年にデビューした高崎線特急〔スワローあかぎ〕を皮切りに、2015年には常磐線特急、2019年には中央線特急、2021年には東海道線特急、2023年には高崎線の全ての特急でそれぞれ自由席が廃止。”最後の砦”となっていた房総方面の特急が今回のダイヤ改正にて自由席廃止となるのに伴い、首都圏のJR特急からは遂に「自由席」が完全に廃止されることとなります。

6~9号車の自由席のうち、今回は一番先頭の9号車を利用したいと思います。特急しおさい号は大半の列車がE259系へ置き換えられる(一部はE257系)予定につき、6両編成での運行となるため7~9号車への乗車体験も貴重なものとなります。

自由席の座席はご覧の通りのデザインです。JR東日本初期らしくクッション性のある座面と背もたれで、落ち着いた色合いです。

洗面所や化粧室のデザインも、最近の車両とは一線を画す古めかしいデザインです。新しくはありませんが、清潔に保たれています。

10時11分、列車は定刻通りに東京駅を発車。自由席では、車掌さんによる検札が行われます。近年では人件費削減、ならびに新型コロナウイルス感染症流行に伴う接触リスクを考慮して全国的に特急券の検札が減少する傾向にあり、今や希少な光景となりました。しおさい号の場合も指定席であれば所定の座席への着席を車掌さんが端末で確認するのみですが、自由席の場合は列車・座席の指定がされていないため乗客一人ひとりに声をかけて検札をする必要があります。なお自由席の場合は事前に特急券を購入せず飛び乗ることも公式に可能とされており、その場合はこのタイミングで車内精算となります。普通列車グリーン車と異なり、自由席の車内精算は事前料金と差がありません。この車内精算も、車掌さんの業務を圧迫する要因の一つとされてきました。

さて、肝心の料金ですが…東京~千葉駅間の自由席特急料金はわずか520円普通列車グリーン車の最も安い場合(休日・50キロまで・事前購入)での同区間と比べても60円安く、特に本日は平日ですから普通列車グリーン車よりも260円安いことになります。

直近10年ほどで全車指定席化が進んだ首都圏の特急列車の多くは、A特急料金でもB特急料金でもない「新たな料金体系」の特急料金が適用されています。今後10年、20年と経った時にこの特急券を見返して「”B”って何のことだ…?」となる人は少なくないでしょう。

「自由席廃止」と聞くと単なる値上げのように思われがちですが、新たに設定される特急料金は従来の指定席特急料金よりも安くなっています(特急草津・四万を除く)。つまり指定席を利用する限りにおいては値下げになり、かつ予約可能な座席数も増えるというわけでメリットづくしなのです。

今回の私のような自由席利用者にとっては、気軽にふらっと乗ることが難しくなり、かつ値上げであることは事実です。しかし「新たな特急料金」から100円値引きされたチケットレス特急券えきねっとにて発売される予定で、例えば50キロまでの区間ならチケットレスにて660円にて購入することができます。

しかも2024年6月末までのキャンペーン価格で、このチケットレス特急券がさらにもう100円引きされる予定となっており、こうなると50キロまでは560円。もはやこれまでの自由席特急料金とほとんど変わらない金額で、指定席に乗ることができるようになる期間もあるとは驚きです。

あれやこれやと制度やら料金やらの話をしているうちに、列車は新日本橋・馬喰町をあっという間に通過。なお私の乗る9号車は乗客数名程度でガラガラです。平日のこの時間帯であり、かつ編成の端ですから階段から遠いというのもあるでしょう。

東京駅を出て間もないですが、列車は錦糸町駅に停車。ここからの乗車も少なくありません。

錦糸町駅は新宿方面からやってくる中央・総武線各駅停車との接続駅。すなわち新宿方面からの利用の場合は、東京駅から乗車するよりもこの方が便利だったりします。しおさい号はかつて新宿駅を発着する列車もありましたが、2015年のダイヤ改正で全て東京駅発着となりました。

他にも錦糸町といえば東京メトロ半蔵門線も通ります。渋谷方面・押上方面のみならず、直通運転を活かして東急田園都市線東武スカイツリーライン方面からの利用の場合もこの錦糸町乗り換えは便利でしょう。

255系は、近頃の特急車両と比べると座席周りの構造も大きく異なっています。自由席ですが、何と足元にフットレストがあるのです。まあ個別の装置ではなく横に長いパイプが渡してあるのみなのでレストできるかと言われると微妙ですが、短足の私にちょうど良い位置でした。

逆に、画像を見ていただけるとお分かりの通り普通車には背面テーブルがありません。元々ビジネス利用よりも観光・行楽客を輸送する目的で設計されているため、大人数で座席を回転して利用することを想定したという面もあるものと思われます。

また床は海水浴客等の乗車も想定して掃除しやすいような特殊な加工がなされており、この点は時代背景というより列車の利用特性に合わせた「他にはない特徴」と言えます。

快速線緩行線(各駅停車)、いずれも「総武線」ではあるのですが、路線別複々線となっているため事実上完全に別路線のような立ち位置です。横浜方面における「東海道線京浜東北線」の関係に近いです。

そして今しか味わえない光景がもう一つ。何としおさい号はほとんどの場合、船橋駅を通過します。

厳密には土休日の上下1往復のみが停車するのですが、土休日のそれ以外の列車と平日の全列車が通過。千葉県内では県庁所在地の千葉市に次いで2番目の人口を誇り、土休日に運行される臨時特急〔新宿わかしお〕〔新宿さざなみ〕や、1往復のみ設定される千葉発着の特急〔あずさ〕〔富士回遊〕は停車するのに、しおさい号だけは通過です。

しかし、今度のダイヤ改正からはしおさい号も全列車が船橋駅に停車するようになります。これにより、成田エクスプレスを除く原則全ての列車が船橋駅に停車するようになります。

幕張本郷付近では、JRの線路4本に加え京成千葉線の線路もぴったり横について並走する区間があります。千葉方面へと向かう線路がずらり6本も並ぶ光景は圧巻です。

しおさい号は錦糸町~千葉駅間ノンストップですから、同じ快速線を走る総武線快速の列車と比べ表定速度は速くなります。列車本数の多い区間ですが、しっかりと特急が特急らしい走りをしてくれるのも鉄道ファンとしては嬉しいポイントです。

10時39分、列車は千葉駅に到着。東京駅からわずか28分での到着、これは快速列車よりもさらに10~15分ほど早いことになります。

列車はこの先佐倉・成東方面へ、引き続き総武本線を進みます。向かう先は千葉県最東端の街・銚子です。千葉県内のJR特急は全土において高速バスとの競争が激しく、近年ではJRが押され気味ではありますが、E259系となっても引き続き渋滞のない快適な移動手段として末永く存続することを願っています。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

【弾丸】わずか6時間で大阪市内を観光。王道観光スポット&グルメを堪能!

 

2024年1月1日(月)

本日は大阪へとやってきました。

お正月、家でゆっくりのんびり過ごしたりするのもよし。しかし2024年の私はこれまで以上に旅行に力を入れていきたいと考えておりますので、元日から行動を開始してまいります!

本日は17時42分に大阪駅を発車する特急サンダーバード号へ乗車する予定があり、それまで6時間ほど中途半端な空き時間がありますので、これを活用してお手軽に楽しめる大阪市内観光をしていこうと思います。

なおせっかくのお正月ですから、大阪天満宮住吉大社といった初詣スポットへも行きたいところですが、何時間かかるか分かりませんので今回初詣は予定しておりません。お正月感は皆無の観光ですのであしからず…(笑)。

時刻はお昼の11時前、現在は大阪駅に来ています。「いきなりお昼ご飯!」でも良いのですが…まずは大阪駅から歩いてすぐの人気スポットへ向かいます。

大阪駅中央北口を抜け、「グランフロント大阪」や「ルクア大阪」の間をすり抜けながら階段を降りていきます。すると正面中央に何やら目立つビルが見えてきました…!

こちらがまず1つ目の目的地「梅田スカイビル」です。旧梅田貨物線の跡地を横切るような歩行者通路がありますので、そこを突っ切ればすぐです。

梅田スカイビルは、1993年に完成した高さ約173mのランドマークビル。完成から30年以上が経過していますが、その古さを感じさせないほど今も側面は鏡のように光り輝き、周辺の景色を鮮明に反射しています。

ビルは主に「タワーイースト」「タワーウエスト」によって構成されており、その2つが上部で一つに繋がっています。館内には展望台・貸会議室・バスターミナル・レストラン等が入っており、また周辺にある「ウエスティンホテル大阪」「滝見小路」等と併せて「新梅田シティ」を形成しています。

今回の最大の目的は、何といっても展望台「空中庭園」からの景色。地上階から入るとまずはエスカレーターで数階上がったところに空中庭園のエントランスが現れます。

入場料は大人1,500円。チケットカウンターは何と39階にあり、この時点で実は空中庭園とあまり高さは変わりません。

40階展望台にて、まずは南方向の景色から。方角としては主に西梅田・福島周辺が見えています。大小無数のビル群に加え、そこに複雑に入り組む阪神高速はまさに大阪ならではの光景です。

少し足元の方へ目をやると、旧梅田貨物線の跡地も確認できます。画像左上に見えているのが大阪駅で、その手前の工事中のエリアにかつて線路が走っていたものと思われます。

続いては南西方向、こちらは大阪湾へと注ぐ淀川の河口が見えます。2025年の大阪・関西万博開催地である夢洲があるのもこの方角です。

展望台は広々としており、スタイリッシュなデザインです。それなりの混雑をも覚悟していましたが、思いのほか空いていました。

こちらは北方向、淀川に架かる阪急各線の橋なども見えます。主に十三・南方周辺が見えています。

また、こちらでもやはり旧梅田貨物線の跡地をはっきりと確認することができます。画像上が新大阪方面、下が西九条方面です。以前は特急はるか・くろしお等も走行していましたが、2023年の”うめきた新駅”開業に合わせ設備一式が地下化され、現在この展望台から走行の様子を見ることはできません。

40階の展望台よりもさらに一つ上の「屋上階」も開放されており、こちらは「スカイ・ウォーク」と呼ばれます。窓や余計なものがなく、より開放的な景色を楽しむことができます。

スカイ・ウォークより改めて、西梅田・福島方面を見てみますと…あの名所(?)「TKPを貫通する阪神高速」もしっかりと確認することができます。

十三・南方の方角を改めて見てみます。淀川には多数の橋が架けられていますが、今目の前に見えている橋は左から順に「新十三大橋」「NTT十三専用橋」「十三大橋」「阪急各線」の4本です。新十三大橋と十三大橋はいずれも国道176号の途中にあり、阪急は3路線分が束になっています。NTTの橋は地図上では表示されない通信用の橋だそうで、川の両岸にあるNTTのビルとそれぞれ接続しています。

さてこのスカイ・ウォークですが、歩行可能な部分は円形になっており、その中央部分はガラス張りの空洞になっています。ガラスに反射するその光景はまるで階段のようで、梅田スカイビルを象徴する景色の一つです。

39階にはカフェもありましたが、今回は時間の都合で割愛…!

梅田スカイビルを後にし、次の目的地へと移動していきます。

駅へと戻ってきました。続いてはJR大阪駅ではなく、Osaka Metro御堂筋線梅田駅です。

JRでは「大阪駅」という呼称が広く浸透していますが、元々のこの地名は「梅田」だそうで、この周辺の地下鉄駅は「梅田」「東梅田」「西梅田」等いずれも梅田を用いており、また阪急・阪神それぞれのターミナルは「大阪梅田」となっています(かつては「梅田」のみ)。東京駅周辺を「丸の内」と呼称するのに似ているかもしれません(東京の地下鉄に「丸の内駅」はありませんが)。

天王寺がやってきましたので、乗車していきます。

なお御堂筋線では、平日終日6号車が女性専用車両となっています。首都圏と異なり「朝ラッシュ時のみ」ではないので注意しましょう。

8分ほど乗車し、なんば駅に到着。正式には漢字表記の「難波」となるようですが、旅客向けの案内はどこもかしこも「なんば」となっています。

駅を出て歩いてすぐのところにあるのが、通称「道頓堀」。飲食店や劇場が立ち並ぶエリアで、大阪観光では絶対に外せません。

道頓堀川に架かる「戎橋」と、そこから見える「グリコの看板」はもはや大阪の代名詞。お正月もものすごい人だかりで、これは記念撮影をするのにも一苦労というところかもしれません。

ちょうどお昼時になりましたので、道頓堀では食べ歩きを楽しみたいと思います!

まずは何といってもたこ焼き。道頓堀には数えきれないほどのたこ焼きの名店が並び、どれにするかも迷うところですが多分どれも美味しいです(笑)。今回はくれおーるのソースたこ焼き(4個/410円)をいただきました。

出来立てアツアツで、とろとろ感がたまりません! たこ焼きは美味しさのあまり食べる勢いが止まらずやけどしがちですので、注意しましょう。

お次は、最近SNSでも大バズり中の「10円パン」。大阪に限らずいろいろなところで味わえるものですが、なかなか機会もないので意を決して列に並びました。なお価格は10円…とはいかず、500円です。

中にはチーズがたっぷりと入っています。てっきり甘い感じのチーズソースのようなものかと思っていたら、ちゃんと塩気とコクのあるとろとろチーズそのもので、一口食べるととにかくチーズが伸びまくります。友達同士で楽しみながら食べるのがオススメです!

道頓堀には他にも、焼肉・餃子・寿司・焼き鳥・お好み焼き等実に様々なお店が並びます。各店が競うように大きな看板を出しているのも特徴で、見ているだけでも楽しいです。

続いては、リアルすぎる巨大なかにの看板が特徴的なかに道楽で「かにまん」(500円)を購入。中にはかにのほぐし身がたっぷりで、付属のマヨネーズをかけてもとても美味しいです!

他にもいろいろと食べたいものがありましたが、胃袋的にも限度がありますのでこの辺で切り上げ、続いての目的地へと移動していきます。

なんば駅から再び御堂筋線に乗車しさらに約4分、下車したのは動物園前駅。駅名の通り、目の前には天王寺動物園があります。こんな都会のど真ん中に動物園があるのも凄い話ですよね。

しかし今回は一人行動なので、動物園よりも気になる場所へ…そう、古くからの大阪のシンボル「通天閣」です!

通天閣がある通称「新世界」と呼ばれるエリアは、道頓堀と少し雰囲気が似ています。こちらは串カツのお店がとにかく目立ちます。

通天閣は高さ108mで、先ほどの梅田スカイビルと比べると少し低め。入場料は大人900円(2024年4月より1,000円に変更予定)で、有名観光地にしてはお手頃価格かもしれません。今回は高さ84mのところにある「光の展望台」を目指しますが、プラス300円でさらに上の高さ94.5mのところにある「天望パラダイス」へも行くことができます。

展望台へと上がるエレベーターがなかなかの混雑で、入館から展望台にたどり着くまでは何と40分ほどかかりました…まあでも入口にもそう書いてあったので、いかに人気であるかを実感します。

そしてやっと展望台に到着! まずは南東方向です。あべのハルカス天王寺駅天王寺公園等が見えます。あべのハルカスの存在感えげつないですね…。

眼下には、先ほど通ってきた新世界の通りの様子も見下ろすことができます。そういえばこの前夜に放送された大みそかNHK紅白歌合戦では、天童よしみさんがこの場所から歌唱をしていました。

続いては南西方向。こちらは新今宮駅があり、大阪市南部から堺市にかけての住宅街が広がります。

ベイエリアの方に注目すると、ひときわ高い建物が見えます。あちらはおそらくさきしまコスモタワーです。

北方向はとにかくビルが多く、大阪市中心部の過密さを目で見て感じることができます。

あべのハルカスはもちろん、梅田スカイビルと比べても低いところにある展望台ですが、だからこそ建物一つ一つが鮮明に見え、他では味わえない景色を楽しむことができました

通天閣を下り、JR新今宮駅へとやってきました。先ほどの動物園前駅とは隣接しており、乗り換えも可能です。

ホームは高架2面4線で、外側の大阪環状線ホームにのみホームドアがついています。

やってくる列車は大阪環状線のほか、主に大和路線阪和線です。おなじみ大阪特有の遠心力によって、天王寺から王寺・奈良・加茂方面へ飛ばされる列車や、関西空港・和歌山方面へ飛ばされる列車が内側のホームを使用します。また特急はるか・くろしおは通過です。

今回は遠心力に任せて大阪市外へ出てしまうと困るので、しっかりと1番線で環状線の列車を待ちます。山手線は日中でも数分おきにやってきますが、大阪環状線の環状列車は何と日中わずか15分に1本程度しかありません。まあ各区間で遠心力のはたらく大和路線阪和線の列車が走っているので実際の運行本数はもっと多いのですが…。天王寺駅での乗り換えを避けたい人にとっては少し不便な本数ではあります。

現在の主力車両は323系で、車内にはLCDも取り付けられ快適です。2019年頃までは国鉄201系も活躍しており、ここ数年で急激な近代化が進んだ印象です。

天王寺駅を発車し、大和路線阪和線と分かれていきます。あべのハルカスへも行きたかったですが…またの機会にします。

乗車すること約15分、到着したのは大阪城公園。ということで…続いては、大阪城公園を歩いていきたいと思います!

大阪城公園、通称「城公園」とも略されるこの場所は大阪城公園駅以外にもいくつかの駅が近接しています。JR東西線大阪城北詰駅、Osaka Metro長堀鶴見緑地線大阪ビジネスパーク駅などで、他にも公園の南側から入るのであればJR大阪環状線Osaka Metro中央線/長堀鶴見緑地線森ノ宮駅もあります。

大阪城公園内には、大本命である大阪城はもちろんのこと、コンサートやイベントが多く開かれる大阪城ホールや野球場等もあります。今回はふんわりと大阪城を見つつ、大阪城北詰駅方面へと歩いていきたいと思います。

園内には「ロードトレイン」も運行されており、小さな子どもにも人気があるようです。

大阪城天守閣は様々な方向から見ることができますが、ロードトレインの極楽橋駅付近からは特によく見えます。現在の天守閣は3代目のもので、1931年に復興されたものだそうです。

大阪城公園の京橋口を出ると、目の前には寝屋川が流れています。京阪本線京橋駅天満橋駅のほぼ中間に位置するこの橋が、まさに「京橋」です。

そこから京橋駅方向に歩いていくと、程なくしてJR東西線大阪城北詰駅があります。

この時、ちょうど屋外を歩いていたため正確なタイミングは分かりませんでしたが、ふと体に異変を感じる瞬間がありました。見ると近くの建物のシャッターがカタカタと音を立てており、「風かな…?」と思っていましたが…。

時刻は16時過ぎ、ちょうどこの場所を歩いていた辺りで能登半島地震が発生したのです。

スマホを開くと、「能登半島震度7」「津波警報」の文字。震源から離れたここ大阪市内で、屋外を歩いている限り明確な揺れには気づきませんでしたが、おそらく先ほどのカタカタと音を立てるシャッターがその揺れだったのだろうと思います。

約1時間半後に大阪駅を出るサンダーバード号に乗車する予定で行動していましたが、果たしてこれはどうなってしまうのか…とりあえずいずれにせよここからはまっすぐ大阪駅へと戻る予定でしたので、その予定でいこうと思います。

この場所には1997年までJR片町線の「片町駅」という駅がありました。四条畷・京橋方面からやってきた列車の終着駅でしたが、JR東西線の開業とそれに伴う直通運転開始のため現在は廃止されています。

片町駅の代替駅としての役割も請け負うのが、このJR東西線大阪城北詰駅。場所は当時の片町駅と近いものの、こちらは地下駅で駅の雰囲気は大きく異なります。

JR東西線は直接大阪駅へ乗り入れてはいませんが、大阪駅と近接する「北新地駅」がありますのでここで下車。運賃計算や途中下車の扱いについて一部特例が認められる場合があり、大阪駅・梅田周辺各線との乗り換えにも便利な位置です。

地上に上がって来てみると、やはり北陸本線は「運転見合わせ」の情報。その後の情報では福井~金沢駅間終日運転見合わせの一報も入り、本日の金沢入りは絶望的となりました。

また、サンダーバード号については、33号(大阪16時42分発)以降全列車が運休になると発表。そりゃ震度7地震が発生し、現地では大津波警報も出ているほどの状況ですから無理もありません。年始の北陸方面への旅行を大変楽しみにしていたところではありますが、乗車券類は全て無手数料で払い戻しをして中止とさせていただきました。

 

というわけで最後は残念な結末となってしまいましたが、大阪観光いかがだったでしょうか?

他にもまだまだ行きたいところがたくさんありますので、またの機会のお楽しみに!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【2024年3月開業へ】北大阪急行線延伸間近! 箕面萱野まで歩いてみた

 

2023年12月31日(日)

本日は、大阪市内へとやってきました。本題に入る前に、まずは腹ごしらえをしたいと思います。

Osaka Metro堺筋線に乗って、やってきたのは日本橋。「にほんばし」ではなく「にっぽんばし」と読みます。なんばと上本町の間に位置し、Osaka Metro堺筋線千日前線のほか近鉄難波線近鉄日本橋駅)の計3路線が通ります。

大阪といえばたこ焼き、お好み焼き、串カツ…等々絶品グルメが群雄割拠する街ですが、そんな中でも私がどうしても来ておきたかったのが「東京チカラめし」です。

「東京」とつくのにどうしてこれが大阪のグルメなのか…? と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。というのも、2011年に開店した1号店は東京の池袋西口店でした。かつては首都圏・関西圏を中心に100店舗以上が存在しましたが、手間のかかる調理工程やブームの終焉、さらに新型コロナウイルス感染症拡大も災いしわずか数年で急速な閉店ラッシュを迎えることとなり、2023年11月には首都圏最後の1店舗となっていた千葉県の新鎌ヶ谷店が閉店。現在国内では残りがこの「大阪日本橋店」1店舗のみとなっています(このほか海外に数店舗展開)。

看板メニューの「焼き牛丼」をはじめ焼肉・唐揚げ系の定食、カレー等のがっつり系メニューが豊富のようです。

みそかの昼間、店内は男性客を中心に大変な混雑を見せていましたが、運良くカウンター席が目の前で空いたので入ることにしました。店内に食券機があるので、購入して店員さんに渡します。

混雑もあって10分ほどかかりましたが、こちらが看板メニューの「焼き牛丼」です。朝から何も食べていなかったので、大盛りにしてみました(600円)。味噌汁はセットでついてきます。

商品名の通り、牛肉は煮るのではなく焼かれており、カリッとジューシーで絶品です!! よくからんだたれとの相性もよく、首都圏で多数店舗があるうちにたくさん食べておきたかった…と少し後悔しました。

この「大阪日本橋店」については、現時点で閉店時期は明言されていません。しかしゆくゆくはここもなくなってしまう可能性が高いのでしょうから(推測ですが)、気になる方は是非お早めに行っておきましょう。

前置きが長くなりましたが、改めましてOsaka Metro御堂筋線なんば駅へと移動してきました。

これから御堂筋線に乗り、千里中央方面へ移動していきたいと思います。

御堂筋線はなかもずから天王寺・なんば・梅田・新大阪を通り江坂までを結ぶ地下鉄路線ですが、江坂から先も線路は続いており、「北大阪急行」という路線へ直通運転を行っています。北大阪急行は現在江坂~千里中央駅間5.9キロを結んでいますが、2024年3月23日の延伸開業が決定しており、千里中央より先の「箕面萱野」までの区間が新たに開業することになります。

開業目前に迫った今、沿線はどのような様子なのか皆様にもお伝えするべく、今回は現地へ実際に足を運んでみようと思います。

御堂筋線の行先としてもはやおなじみの「千里中央行」ですが、延伸開業後は原則として「箕面萱野行」へ変わると思われますので、これも貴重な光景です。

というわけでなんば14時14分発の御堂筋線 千里中央へと乗り込みます。御堂筋線最新型の30000系がやってきました。

ドア上部には2画面が繋がった大きなLCDもあり、なかもず~千里中央の全区間をまとめて表示することができます。ご存知の方も多いと思いますが、御堂筋線大阪市内の主要ターミナル駅を結ぶ最重要地下鉄路線でもあり、平日・土休日を問わず一日中混雑しています。淀屋橋では京阪本線と接続、また梅田はJR大阪駅と近接する等、だいたいどの駅でも何らかの乗り換え路線があります。とんでもないことです。

梅田を出て少し進むと、列車は地上へと出てきます。地下鉄とは言いつつもこの先はずっと地上区間になっており、国道423号(新御堂筋)と並走する橋を渡ると西中島南方に到着します。

続く新大阪駅ももちろん地上ホームですので、到着前には新幹線の駅舎も望むことができます。新大阪を過ぎると車内はだいぶ空きました。

新大阪駅を出たところでは、ちょうど万博記念ラッピング車両の回送列車とすれ違いました。2025年に控えた大阪・関西万博の開幕まで残すところ1年ちょっととなります。

14時14分、列車は江坂駅に到着。御堂筋線としてはここが終点ですが、すぐに乗務員交代を行い北大阪急行線へと乗り入れます。停車時間も短く、また江坂駅を始発・終着とする列車は朝夕を除きほとんど存在していないため、御堂筋線北大阪急行線はまとめて1つの路線としての認識が強いように感じます。

御堂筋線北大阪急行線駅ナンバリングは連番になっており、アルファベットもMのまま変わりません。現在の途中駅は緑地公園桃山台の2駅のみで、いずれも地上駅です。

北大阪急行線駅名標デザインは御堂筋線とは少し異なっており、ホームドアには延伸開業を知らせるポスターも貼られています。

14時45分、終点の千里中央へと到着。1面2線構造の地下ホームですが、地上部分へ吹き抜けの構造になっており開放感があります。乗ってきた列車は1番線に入線し、折り返し「なかもず行」となるようですが、構造を見るに延伸開業後は御堂筋線方面からやってきた箕面萱野行の列車が2番線へ入線することになりそうです。

駅名標を見てもまだ終点駅の仕様で、箕面萱野方面の次の駅の表示はなく、またシールで一時的に隠されている様子もありません。今後開業までに新しいものへ交換されるものと思われます。

しかし線路は箕面萱野方面へ確実に繋がっています。この先へ進むと箕面萱野があります。

改札外の運賃表を見てみましたが、まだこちらも交換前のようで、千里中央駅が一番上の端に書かれています。Osaka Metro全域の路線図が掲載されているためレイアウトは既にギリギリですが、ここに箕面萱野までを掲載するとなるとさらにぎゅうぎゅうに文字を詰め込むレイアウトへ変更されそうです。

千里中央駅には北大阪急行線のほか、大阪空港~万博記念公園方面を結ぶ「大阪モノレール」も乗り入れます。すなわち繁華街の梅田・なんば・天王寺、新幹線と接続する新大阪だけでなく大阪空港(伊丹空港)までも乗り換えなしで移動できる超好立地で、近場から遠出まで大変便利な街だろうと思われます。駅名の通り「千里ニュータウン」の中心地で、大きなバスロータリーのほか百貨店や商業施設も併設されています。

さてこの先の延伸区間を、改めて地図上で見てみることにします。千里中央箕面萱野駅間は2.5キロで、途中には「箕面船場阪大前」という駅が設けられます。延伸区間大阪府豊中市と同府箕面市に跨り、阪急箕面線箕面駅と阪急千里線の北千里駅の間に挟まれた鉄道空白地帯の解消が期待されます。

この区間には現在路線バスが高頻度で運行されているものの、3キロ弱ですしせっかくならば沿線の様子をじっくり観察したいので、ここから箕面萱野駅まで徒歩で向かいたいと思います。

千里中央駅はやや複雑な構造で、脱出するまでに若干時間を要しましたが、ヤマダデンキの前を通り過ぎて国道423号(新御堂筋)へ出るとそこからはひたすら一本道となります。

千里中央駅を出てもすぐに地上に出るわけではなく、線路としては地下区間が続くようです。線路の真上の地上では現在もなお工事が行われており、新御堂筋の歩道の幅が少し狭くなっているようでした。

江坂~千里中央駅間の開業は1970年で、同年開催された大阪万博への会場輸送を目的としてつくられました。このため当時は千里中央駅が終点ではなくその先の「万国博中央口駅」まで開業しましたが、万博終了と同時に千里中央~万国博中央口駅間は廃止されました。

千里中央以南の開業は今から半世紀ほど前のことですから地上に線路を敷くことができたのでしょうが、今回の延伸にあたってはその大部分が地下となっています。千里中央駅を出てすぐのところに大きな団地があり、その先も建物が続く現代の大阪においてもはや「地上に線路を敷く」ということはほぼ不可能に近いと言っても過言ではありません。もとより千里中央駅自体が地下駅ですから、そのまま地下へ線路を延伸すればよい話なのです。

新御堂筋はしばらく上り坂が続き、足腰に負担がかかります。

坂を上り切ると少し視界が開け、遠くの方には箕面の山々が見えてきます。幹線道路沿いとあって商業施設やマンション等が立ち並びます。

この地域は「コムアートヒル」と名付けられた商業団地が広がり、古くから繊維産業をはじめ大阪の物流や商業を支える一大地域となっています。

この”船場”エリアに新たに誕生するのが箕面船場阪大前駅です。箕面市立文化芸能劇場に隣接し、既に地上部分の駅舎はほぼ完成しているようです。

駅名の通り「大阪大学箕面キャンパス」の最寄駅ともなり、また劇場・大学だけでなく駅周辺には高校・病院・温泉施設など様々な公共施設が揃っています。これまでも路線バスを利用してアクセスすることはできましたが、鉄道開業による利便性の向上は計り知れません。

後方を振り返ると、新御堂筋を跨ぐ新たな歩道橋には既に「箕面船場阪大前駅」の文字が隠されることなく掲げられていました。この歩道橋自体はまだ通行はできないようでしたが、間違いなくこの地下の部分に駅ができていることを感じさせてくれます。

さらにその先へ歩き進めていくと、今度は箕面方面に向かって下り坂になっています。山々がさらに近くまで迫ってきており、その谷間の部分に開業するのが終点の箕面萱野駅です。

この付近でも工事は続けられていますが、仮設の歩道が整備されているので線路に近い場所を歩くことができます。そしてついに…この辺りで新たな線路が顔を出しました!!

千里中央方面から続く長い地下区間はここで終わり、この先は何と高架区間に入ります。

地下区間から一気に高架区間へと出てくるのは、何も線路の勾配が激しいわけではなく、むしろ土地の起伏が激しいため。ここからは頭上に延伸区間の線路を見上げながら、箕面萱野まで歩いていきます。

歩道は仮設のため車道が狭くなっていますが、この辺りも現在細かな工事が進められている様子。真新しいピカピカの高架橋が印象的です。

そして萱野の交差点までやってくると、目の前に見えてくるのが終点の箕面萱野駅です。まずは駅の東側へ回り込んでみます。

高架ホームの駅舎はほぼ完成しているようですが、駅東側に広がるロータリーはまだ建設中の様子です。ちょうどロータリーの屋根の骨組みなどがあらかたできているようで、開業に向け急ピッチで作業が進められているものと思われます。

この場所には「みのおキューズモール」と呼ばれる大型商業施設があり、箕面萱野駅はここに隣接して設けられる形となります。エントランスには北大阪急行線延伸開業カウントダウンボードがあり、大みそか時点では開業まであと「83日」となっていました。

モールの建物どうしを繋ぐ歩道橋に上がってみると、箕面萱野駅の改札口があります。現在は工事の囲いで覆われており中を詳しく窺い知ることはできませんが、ここが改札口であることはほぼ間違いないでしょう。2003年に開業したこのモールは、これまでも「かやの中央」エリアの拠点として賑わってきましたが、ここにようやく鉄道路線が到達することとなります。

駅西側がちょうど新御堂筋と面する位置になっており、現在の公共交通の拠点である「かやの中央」バス停はここにあります。

千里中央へと向かうバスは日中毎時6本ほど運行されているようで、平日朝には何と1時間に10本運行される時間帯もあります。それほどこの区間の移動の需要がこれまでも高かったということでしょう。

来た道をまた歩いて帰るのも大変なので、帰りは路線バスで帰ることにします。かやの中央15時54分発の阪急バス20系統 千里中央です。阪急箕面線箕面駅から来ているバスで、色合いが我が故郷横浜の市営バスとも似ています。

千里中央駅までは10分ほどで戻ってくることができました。千里中央16時17分発の北大阪急行線に乗車し、大阪市内へ戻ります。

開業まであと2ヵ月ほどに迫った北大阪急行線箕面萱野延伸、開業したらまた改めて足を運びたいと思います!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【悲劇】大阪駅に行きたいだけなのに…JRの助言に背いた男の末路

※本記事には一部演技を含みます。あしからずご了承ください。

 

2023年12月31日(日)

本日は、東海道新幹線新大阪駅へとやってきました。これから在来線に乗り換え、大阪駅へ移動していきたいと思います。

乗り換え改札をくぐり、在来線コンコースへと入りました。年末とあって、構内は人でごった返しています。

さて、大阪駅へ向かうにはどれに乗ればよいのか…この膨大な情報量の発車標から探していきます。

まずパッと視界に入るのは、大阪駅へは7・8のりばが便利」という文字。どうやらJR西日本としては大阪駅へ向かう乗客へ7・8番線の列車を推奨しているようです。

しかし行先を見ると、宝塚、姫路、須磨…など、関西の地理に疎い人にとってはあまり聞き馴染みのないものも。これで本当に大阪駅へ着けるのか信じがたく、不安になってきました。路線名を見ても「JR京都線」「JR神戸線」「JR宝塚線」など…天下の大阪なのに「大阪」の文字が一つとして入っていません。

一方でその左側へ目をやると、どうやら「おおさか東線」という路線もあるようです。3番線から発車する列車は明確に「大阪行」となっており、路線名にも「おおさか」の文字が入っています。

大阪行となっているのだから確実に大阪駅へ行けるはずで、須磨だの何だのよく分からない(失礼)行先の列車よりも安心では…!?

というわけで、3番線から発車する列車に乗ることにします

ホームへと降りる階段の途中にも明確に「大阪方面 for Osaka」の文字があり、誰がどう考えても確実に大阪駅へは行けるはずです。

ホームへ着くと、ちょうど列車がやってきました。11時36分発のおおさか東線 大阪行へと乗車します。

側面の行先表示器を見ても、やはり「普通 大阪」の文字。

新幹線への乗り換えの需要からここ新大阪での降車客は相当多いようですが、その流れに反するように車内へ入ります。

列車は定刻通り新大阪駅を発車。多数の並走する線路を横目に、一路大阪駅へと向かいます。

転換クロスシートの快適な車内…なのは良いとして、大阪駅に向かう列車にしては何だかガラガラすぎじゃないですかね…?

いや確かに終点の一つ手前の新大阪駅で多くの乗客が降りたのはそうなんですが、別に終点の大阪駅まで利用するお客さんだってもっと多くて不思議じゃないと思うんですよ。何せ街はずれの寂れた終着駅などではなく、天下のターミナル「大阪駅」ですよ?

ただし間違いなく列車は大阪方面へと向かっているようで、新大阪を出てしばらくするとおなじみ「淀川」を渡ります。ここまではいつも通りの光景だったのですが…。

淀川を渡ってすぐ、何と列車は先ほどまで並走していた線路から離れ、右へと進むではありませんか。

私の知る限りでは大阪方面は間違いなくあっちの線路のはずで、何かがおかしいことにようやく気付き始めました。

11時40分、列車は大阪駅に到着…。

誰もが知るあの大屋根のホームではなく、見知らぬ地下の薄暗いホームへとやってきてしまいました。ここはいったい…!?

…とまぁ茶番はこのくらいにしまして。

お気づきの方も多いかもしれませんが、こちらはJR京都線JR神戸線ではなく「おおさか東線」の大阪駅。2023年春のダイヤ改正で開業した大阪駅地下ホーム、通称”うめきた新駅”です。

JR西日本では、2023年3月18日のダイヤ改正にておおさか東線の新大阪~大阪駅間を延伸開業。従来大阪駅の西側地上を走行していた梅田貨物線を地下化し、大阪駅寄りに移設した上でその途中に地下ホームを設けました。「うめきた新駅」とも呼ばれるこのホームですがあくまでも大阪駅の一部となっており、東海道本線JR京都線JR神戸線)・大阪環状線のホームとは改札内で繋がっています。

おおさか東線の列車は奈良・久宝寺・放出方面からやってきて、ここ大阪駅地下ホームを終点とします。21~24番線が割り振られており、まさに首都圏で言うところの東京駅の「地下総武ホーム」「地下京葉ホーム」とよく似ています。

この地下ホームでは先進的な取り組みが多数行われています。例えば化粧室は入口に個室の空き状況が一目で分かる大きなモニターがあります。

改札口には、通常の自動改札機とは別に「顔認証改札」なるものも導入されています。扉のないトンネルのような形状で、事前の登録をしておけば新大阪駅(東口)と行き来する場合に限り利用することができます。現在は実証段階ですが、うまくいけば今後他の駅へも拡大していくかもしれません。なお顔認証改札には交通系ICカードの読み取り機も設置されており、通常通りICOCA等でも通過することができます。

いったん改札口を出場し、地上へと上がってきました。「うめきた地下口」という呼称が用いられており、そこかしこで再開発工事が進められています。画像中央部に見えるのはグランフロント大阪です。

そしてちょうど目の前は大阪駅JR高速バスターミナル大阪駅高架ホームが並んでおり、ここでようやく大阪駅にやってきていたことを実感することができます。

周辺は交通量こそ多いものの、あまり人通りがあるようには見えません。尤も本日は大みそか、しかも天候もあまり良くないため、あまり参考にはならないかもしれませんが…。

再び先ほどのうめきた地下改札へと戻ってきました。もう少しいろいろと見ておきたいものがあるので、改めて改札内へと入ります。

今回実使用はしませんでしたが、うめきた新駅にはこんな面白いものもあります。自動券売機で発券できる「通行証」で、うめきた地下口~西口間を通過利用する場合に限り利用することができます。発行料は0円、ただし旅客列車内への立ち入りはもちろんのことホームへ降りることもできません。また発券から20分以内に使用することが求められており、入場券とは様々ルールが異なります。

今回はホームへ立ち入りたかったので、通行証とは別に入場券を購入。高架ホームからはかなり離れていますが、券面にはしっかり「大阪駅」と印字されています。うめきたの改札で入場し、地上の橋上改札等で出場することも可能です。

このホームで何としても見ておきたかったのが、21番線に設置されているフルスクリーン式ホームドア。このうめきた新駅はおおさか東線だけでなく在来線特急〔はるか〕〔くろしお〕も使用しており、21番線は関西空港・和歌山・新宮方面へと向かう列車の発車ホームにもなっています。

従来だと梅田貨物線は大阪駅を横目に見ながら通過せざるを得ず、〔はるか〕〔くろしお〕は大阪駅に停車しないというのがお決まりでした。しかしついにこれらの特急も大阪駅へ停車できるようになったというわけです。

特急列車は車両・号車によりドアの位置が変則的ですが、この21番線ではホームドアの位置を自在に変えることができ、透明なドア部分の開閉だけでなく大型のモニター自体もドアに合わせて左右に動くことで様々な編成の列車に対応できるようになっています。

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そのためホームドアの前で待つ、というよりもホームドアの上部に取り付けられた横書きの乗車位置案内を見て整列するのが正解で、位置によっては入線前にドアがなく大型モニターで阻まれていてもドアが開くタイミングでしっかりとモニター自体が動くので心配はいりません。

なお22~24番線にはホームドアはありませんので、おおさか東線の列車のほか〔はるか〕〔くろしお〕でも京都方面に向かう列車についてはホームドアのないホームから乗り込むことになります。

再びコンコース階へと戻ってきました。うめきたエリア付近にコンビニ等は見当たりませんが、無人の駅弁自動販売機があります。光っているボックスの中の駅弁は販売中で、種類は限られますが関空・和歌山方面への特急列車での移動の際には便利かもしれません。

最後は大阪駅西口方面へ、改札内を移動してみたいと思います。

うめきた地下口から入場した場合であっても、高架ホーム各線へ向かうことは可能です。うめきたコンコース内に発車標が取り付けられています。

やはりイメージとしては東京駅の総武線京葉線ホームに近いものがあります。しかし京葉線ほど離れてはおらず、途中に動く歩道はありません。エスカレーター・階段で少しアップダウンがあるくらいです。

その先へ進むと高架ホームへそれぞれつながるエスカレーターがあり、おなじみの各番線へとつながっています。うめきたエリアからは少し離れた「大阪駅西口」エリアで、うめきた新駅開業に合わせて乗り換えのために整備されました。

大阪駅西口の改札で出場しました。先ほどご紹介した「通行証」の場合は必ずここで出場しなければなりません。

西口改札外には、2024年が大阪~神戸間鉄道開業150周年の節目となるのを祝う路線図アートが施されています。一見普通の路線図のように見えますが、よく見ると2024年の干支になぞらえ「龍」の形をしています。

西口の出入口自体は昼間でも薄暗く、あまり人通りは多くないようです。これもまた大みそかなのであまり参考にはならないかもしれませんが…。

西口を出て道なりに歩いていくと、そのまま横断歩道を渡って桜橋口へと繋がっています。

 

というわけで、今回は2023年3月に開業した大阪駅地下ホームのご紹介でした。

どんどん便利になっていく一方で、大阪~新大阪駅間の移動はあくまでもJR京都線推奨です!

お間違えの無いように!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【不自由席?】大みそかの全車指定席「のぞみ号」に立席乗車。乗ってみてわかったことは…

 

2023年12月31日(日)

2023年も残すところあとわずか、大みそかの朝にやってきたのは東海道新幹線横浜駅です。

私はこれから年跨ぎで関西方面へ旅行に出かけよう…と思っているのですが、実はここ最近諸々多忙な日々を送っておりまして、旅程を細部まで詰めることができずに旅行当日を迎えてしまいました。すなわち、旅行当日にもかかわらずまだ新幹線のきっぷを購入していないのです。

しかし本日は年末年始で大みそか帰省ラッシュはピークを迎えています。東海道新幹線の下りは〔のぞみ〕だけでなく〔ひかり〕〔こだま〕も含め普通車指定席は全て満席で、一部のグリーン車に「△」こそあれど「○」はどこにも見当たりません。

指定席に空きがない以上、ここは自由席で行くほかありません。最近はスマートEXを使うことも多いですが、今回は久々に紙のきっぷで乗ってみることにします。新横浜から新大阪までの新幹線自由席特急券と、横浜市内→大阪市内の片道乗車券が1枚のきっぷにまとめられた「一葉券」です。計13,540円となりました。

いつもなら「とりあえず目の前に来たのぞみ号の自由席にでも乗るか」となるところですが、今回はそうはいきません。各方面でも報道・発信されている通り、今年の年末年始(2023年12月28日~2024年1月4日)は東海道・山陽新幹線全ての〔のぞみ〕が全車指定席で運行されているのです。自由席特急券で乗車する場合であっても〔のぞみ〕の指定席車両のデッキに立って乗ることはできます(グリーン車を除く)が、席が空いていても座ることはできません。

〔ひかり〕〔こだま〕については普段通り自由席が設定されています。

しかしここは東京駅ではなく新横浜駅。東京駅・品川駅で既に大勢のお客さんをのせた新幹線がこのホームへと次々入線してきます。〔ひかり〕〔こだま〕でさえ指定席が軒並み完売するほどの混雑具合の中、果たして自由席に余裕があるなんてことがあり得るのでしょうか。

ホーム上は足の踏み場もないほどの混雑。中には比較的所要時間の短い〔ひかり〕もありますが、人間の考えることなどみな同じというもので、きっとそういう〔ひかり〕の自由席車両はデッキまで人が溢れんばかりの大混雑でしょう。自由席を連結した新幹線でさえ着席の可能性は絶望的であるとするならば、いっそのこと〔のぞみ〕のデッキに立席乗車するのが最も時間効率のよい選択肢であると考えました。

というわけで、9時13分発の〔のぞみ313号〕新大阪行へと乗車していきます。このわずか3分前にも新大阪行の〔のぞみ〕が運行されており、改めてこれほど壮絶な過密ダイヤに驚くばかりです。

行先表示器を確認、確かに1~3号車にも「指定席」と表示されています。

序盤に乗り込みデッキに滞留すると、後ろから乗車してくる指定席客の妨げになってしまいますので、乗り込む順番はなるべく後の方にするようにしました。

先行列車混雑の影響で1分ほど遅れつつも、無事に新横浜駅を発車。既に隣のホームには9時15分発〔こだま711号〕が入線しています。

さて、まず何よりも気になるのが「デッキ部分の混雑」ですが…。

何とこのスペースには、私一人しかいませんでした!

指定席を取れなかった乗客で溢れかえる光景も覚悟していましたが、これは杞憂に終わったようです。ここだけでなく、隣の号車のデッキスペース等を見ても概ね0~2人程度ずつです。

普段の時期であれば「全車指定席の新幹線に自由席特急券で立席乗車する」という発想はなかなかないものですが、今回はこれが可能である旨がJR東海より公式にアナウンスされていました。しかし「全車指定席」という言葉が独り歩きするあまり、この情報にたどり着けず〔ひかり〕〔こだま〕を選択した乗客も少なからずいると思われます。

かたや客室内ですが、もちろん文字通り通路側・B席も含め綺麗に満席。新幹線ですから座席の前後間隔こそ比較的ゆとりはありますが、それにしても荷棚がびっしりと埋まるほどの車内は着席できていても周囲に気を遣い、あまりゆっくりできないという人もいるかもしれません。

その点立席乗車なら、広いデッキスペースで体が凝ることもなく、ある程度広いスペースを利用できます。窓側の座席を取ることができなくても、三島駅を通過したら進行方向右側へ視線をやれば富士山が見えるはず…でしたが、本日は曇りのため残念ながら実写ではなく心の眼で見ることにします。

新幹線車内なので客室内と同様にフリーWi-Fiは利用可能ですが、デッキ部分にコンセントはありませんので、立席乗車を覚悟する場合はモバイルバッテリーが必須です。尤も、Wi-Fiに関してもこれほどの混雑であるならば常時アクセスが集中するような状態であり、高速・安定した利用は難しいというのが正直なところです。一度接続できても、その後頻繁に切断される…なんてことの繰り返しでした。

ちなみに立席乗車ができる号車についてですが、新横浜駅の電光掲示板では「1~3号車のデッキをご利用ください」と案内されていましたが、新横浜駅ホーム上では「グリーン車以外の全ての号車が利用可能」と案内されていました。おそらく後者の方がより現実に即した合理性の高い措置であるものと思われます。

静岡県西部に入ると、先ほどまでの曇り空が嘘のように晴れ渡りました。ずっと立っているので足は疲れますが、時折屈伸運動でもすればリフレッシュになり、またそうしたことができるくらいにはスペースにゆとりがあります。客室内のお客さんがごみを捨てに来ますので、ごみ箱の利用の妨げにならないよう配慮しながら過ごします。

10時33分、列車は定刻通り名古屋駅に到着。約1時間20分ぶりに外の空気を吸うことができます。

名古屋駅では降車・乗車とも多く、一定の割合の乗客が入れ替わる様子が確認できました。名古屋以西もそれほどぐっと空くわけではなく、やはり東海道新幹線の需要の高さはすさまじいものがあります。

名古屋を発車し、しばらく進むと列車は木曽三川木曽川長良川揖斐川)を渡ります。木曽川を渡る区間ではちょうど名神高速道路と並走しますが、新幹線の混雑とは対照的に名神高速の下り線はかなり空いているようでした。

なお指定席車両のデッキに立席乗車していても、乗務員の方からの検札は求められません。通常であれば全車指定席の列車のデッキに立ち客がいるという光景は異様ですが、先に示した通りのルールがJR東海より明文化されており、自動改札機に必ず特急券を投入しなければならない新幹線ならではと言えるかもしれません。

滋賀県を越え、やがてトンネルを抜けると立派な京都タワー京都駅ビルが見えてきました。

京都駅では、降車客こそ多いものの乗車客はほとんどいません。何せ次の新大阪が終点であり、かつ自由席がないため「京都~新大阪のみ気軽に利用する」という需要を拾いにくいのです。

京都駅を発車すると、やはり車内には若干の余裕が生まれます。しかし繰り返しになりますが、私のように自由席特急券で乗車している乗客は座れません。ここまでの長時間立席乗車からの疲れもあってか、「満席で座れない」よりも「空席があるのに座れない」の方がしんどいのは気のせいではないような気がします。

2023年の東海道新幹線といえば、やはりまず真っ先に挙げられるのは「車内チャイムの変更」です。20年間親しまれてきた「AMBITIOUS JAPAN!」から「会いにいこう」へと変更され、まさに私が今回乗車した列車も「会いにいこう」が流れるJR東海車でした。また、車内販売の廃止も衝撃が走った話題の一つです。特に「シンカンセンスゴイカタイアイス」サービス終了を悲しむ声は少なくありませんが、これも時代の流れなのでしょう。

11時24分、列車は定刻通り終点の新大阪駅に到着。画面の中にほんのわずかに見切れていますが、ちょうど20番線には500系こだま「ハローキティ新幹線」が停車しており、JR西日本エリアへとやってきたことを実感させてくれました。

全車指定席の〔のぞみ〕についての総括としては、個人的には悪くなかったように思います。事前の周知も概ね行き届いている印象で、私の見る限りでは車内で大きな混乱やトラブルが発生している様子はありませんでした。むしろ指定席目線でいくと、これまで1列車あたり10両分あった「普通車指定席」が13両分になり、単純計算で約1.3倍になったにもかかわらず、それでも軒並み満席になるというところに、まだまだ最繁忙期の東海道新幹線には着席需要があることを感じさせます。

今回の年末年始の様子を踏まえ、おそらくは今後ゴールデンウィークやお盆といった大型連休、ひいては三連休等のスムーズな利用に向けてさらなる検討が重ねられるものと思われます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。