わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【合理的】飯田~新宿間は高速バスを使おう

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2021年10月31日(日)

今回は長野県の飯田駅にやってきました。全長約200kmを誇るJR飯田線の途中駅で、赤く丸い屋根が特徴的な駅舎をもちます。

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長野県南部を代表する主要都市でもあるここ飯田市ですが、実は致命的な弱点があります。県外へ出ることのできる実用的な鉄道がほぼ存在しないのです。

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飯田市内を通る鉄道はJR飯田線のみ。長野県中部~長野県南部~愛知県東部を縦に走っていますが、これほど長大な路線でありながら途中に乗換駅はほぼはありません。

東京へ出る場合、直線的な鉄道ルートが存在しないため、まず飯田線の終点である岡谷まで2~3時間乗り通し、そこから中央線の特急あずさ号へ乗り換えることになります。合計約5時間を要し、飯田線の本数が少ないためあまり現実的とは言えません。

名古屋へ出る場合は東京ほど遠くないものの、こちらもやはり直線的な鉄道ルートは存在せず、豊橋まで出てその先で新幹線や在来線を利用していくことになります。飯田~豊橋駅間では特急伊那路号が1日2往復運行されているものの、線形が悪くあまりスピードも出ないため、主要幹線を走る特急列車からは大きくかけ離れています。

すなわち東京・名古屋のいずれへ出る場合であっても、現時点で直線的な鉄道ルートは存在しません

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現在建設が進められているリニア中央新幹線は、概ね上の図の赤い点線矢印のルートで開業することになっています。完成すれば飯田~東京間・飯田~名古屋間のいずれでも絶大な時間短縮効果が見込めるものの、工事は難航しており具体的な開業の目途は立っていません。

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そんな陸の孤島・飯田を救うべく運行されているのが高速バスです。駅前のバス乗り場にある運行系統図を見ると、新宿・長野・名古屋・大阪など多方面へ便があることが分かります。コロナの影響で一部減便や運休も発生しているようですが、これほど多数設定されているとは驚きです。

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今回は東京方面へと帰るため、飯田駅前16:00発の京王バス 新宿行へと乗車していきます。新宿~飯田間は通常1時間に1本の運行があるようですが、コロナの影響で2時間間隔での運行となっているようでした。一つ手前の「飯田商工会館」を6分ほど前に発車し、ここ飯田駅前へとやってきます。

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車内は4列シートで、フリーWi-Fiとコンセントを装備したごく標準的な高速バスです。Wi-Fiはおろか電波さえ入らない秘境を走る飯田線普通列車とは大違いです(笑)。

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並んでいた乗客全員が乗り込み、バスは定刻通り16:00に飯田駅前を発車。今回私は予約から決済まで全てインターネット上で済ませており、価格は4,200円でした。メールで送られてくるQRコードを乗車時に運転手さんのタブレットで読み込むだけで乗車可能となります。

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飯田から新宿までは260kmほど。先ほど「直線的な鉄道ルートはない」と書きましたが、実はこれは道路であっても同じで、高速バスも飯田線に沿う様に一度岡谷方面へと北上していきます。そしてその先で進路を大きく東向きに変え、新宿方面を目指していくのです。山梨県と長野県の県境付近には北岳甲斐駒ヶ岳など名峰が連なる赤石山脈が続いており、ここを直線的に突破することは高速バスであっても不可能というわけです。

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飯田駅前を出発した後、バスはこまめに停車しながら乗客を拾っていきます。この先伊賀良、上飯田、高森、松川、飯島、中央道駒ヶ根IC、中央道宮田、中央道西春近、中央道伊那IC、中央道箕輪、中央道辰野が乗車専用バス停となっており、辰野に出るまでもそれなりの時間がかかることになります。

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飯田駅前を出て最初に停車する「伊賀良」バス停からは飯田駅前と大差ないくらいの相当数の乗車があり、これは意外でした。近くを国道153号線が通っており、周辺には大型商業施設や有名チェーンホテルが立ち並ぶ場所です。

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伊賀良を出るとバスは飯田ICより中央道へと入ります。JRの「中央本線」というと東京~塩尻木曽福島~名古屋間を結ぶルートを思い浮かべますが、「中央自動車道」は木曽方面ではなくこの伊那・飯田を経由するルートを取っており、JRと比べて沿線人口のより多い地域を結んでいます。

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中央道に入って最初の停車地は「上飯田」バス停。飯田駅からは直線距離で1kmも離れていませんが、飯田IC方面へと一度大きく迂回しているため、飯田駅前を出てからここまで20分ほどかかっています。

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車窓左手には雄大木曽山脈の夕暮れを望みながら進みます。秋だったので麓の木々は紅葉が見頃を迎えており、秋らしさを感じます(約半年前の乗車なので…w)。

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各バス停から数名ずつの乗車があることを考えると、やはり途中停車の需要も捨てきれないのだということを実感します。飯田のみならず駒ヶ根、伊那など他にも主要都市が点在する飯田線沿線ですので、東京方面に出る手段としてこの高速バスがかなり重宝されている気がしました。

最後の乗車バス停である「中央道辰野」を7分ほど遅れて17:21頃に発車。岡谷JCTよりバスは東向きに大きく進路を変え、山梨方面へと向かっていきます。

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飯田を出てから2時間余り、18:20頃にバスは双葉SAへと到着。ここで15分ほどの休憩となります。辺りはすっかり暗くなりました。JRで言うと竜王駅と塩崎駅の中間地点にあたり、甲府市街地もほど近い場所です。

停車時間は15分間ですのでフードコートで食事をするのは少し難しいかもしれませんが、お土産等を買っていくことは十分可能です。

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休憩を終え、18:35頃に双葉SAを出発。引き続き中央道を東京方面へと進んでいきます。

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しばらくは順調に進んでいましたが、山梨県を抜けて一瞬神奈川県へと入る藤野付近から渋滞が始まりました。日曜日19時台の上り線ということで、高速道路が特に渋滞しやすい時間帯です。こればかりは仕方ありません。

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やがて渋滞を抜け、いよいよバスは東京都内へと入りました。この先中央道八王子、中央道日野、中央道府中、中央道深大寺、中央道三鷹が途中降車可能なバス停となっています。

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各降車バス停では、降車ボタンが押されない限り通過となります。「中央道八王子」は通過しましたが、その先の「中央道日野」には停車。ここは多摩モノレール甲州街道駅が近いため、多摩地区からの中央高速バス利用に便利なバス停としても有名です。前方のモニターでも詳しく案内がなされていました。

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「中央道府中」「中央道深大寺」にも立て続けに停車。特に中央道と京王線が並走する形ですので、いずれも1~2kmほど歩けば何かしらの鉄道駅があります。

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中央道三鷹は通過となり、次はようやく終点「新宿」の文字が現れました。西新宿JCTで高速を降り、いよいよバスタへと入っていきます。

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20:40頃に終点のバスタ新宿降車フロアへと到着。定刻では20:15到着予定だったので、渋滞の影響で25分遅れでの到着となりました。混雑した高速道路ではなかなか一度発生した遅れを取り戻すというのは難しいのでしょう。

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鉄道の場合は岡谷回りで最速でも5時間はかかりますので、多少の遅れを加味したとしてもバスの方が速いと言えそうです。もちろんリニア中央新幹線が開業すれば高速バスよりも遥かに短い時間で移動できることになるでしょうから、それにも期待したいところです。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。