わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【まさかの快速運転】水素燃料電池バス「京王050系統」で東京の街並みを楽しもう!

 

2023年1月29日(日)

今回は渋谷駅へとやってきました。これから、ある変わった手段を用いて東京駅へと移動していきます。

「渋谷駅から東京駅へ」と聞くと、一般的には鉄道を利用するという方が多いことでしょう。JRであれば「山手線内回りで乗り換えなし」もしくは「山手線外回り→新宿で中央線快速へ乗り換え」の2通りのルートがあるかと思います。このほかにも、地下鉄を利用し山手線の内側をショートカットすることも可能です。

しかし今回は、何と路線バスで移動していきたいと思います!

乗車するのは、渋谷駅13時10分発の京王バス050系統 バスターミナル東京八重洲です。水素燃料電池バス「SORA」が使用されます。

乗り場は、京王井の頭線のホームがある渋谷マークシティを出て真正面にある2番乗り場。2022年9月17日の「バスターミナル東京八重洲」開業と同時に従来の「052系統」のルートを一部変更する形で運行開始されました。

発車時刻も近いので車内へ入ります。運賃は前払い制で、区間にかかわらず大人210円均一となっています。

車内もピカピカで新しく、座席背面の形状などはまるで海外のバスを思わせます。

車内の前方と中央の2ヵ所に、横長の大きなビジョンが設置されています。均一運賃なので運賃表を表示する必要もなく、とてもスマートなデザインです。

13時10分、バスは定刻通りに渋谷駅を出発。他にも各方面への路線バスが行き交う中をかきわけてスクランブル交差点へと出ます。座席はほぼ全ての区画が埋まっており、乗客は車内全体で10名程度です。

大勢の人が信号待ちをしている渋谷のスクランブル交差点。そこを水素燃料電池バスの車内でスイスイと通過する優越感はたまりません!

渋谷センター街が一瞬ちらっと見えますが、日曜日の昼間ということで大変な人の数でした。

スクランブル交差点を突っ切ると、そのままバスは公園通りへと入ります。渋谷モディ西武百貨店などがある「神南一丁目」の交差点を斜め左へと曲がり、すぐにJRの線路からは離れていきます。

渋谷駅の周辺は坂が多く、「渋谷」という名前の通りここがかつて谷底にあったことを実感することができます。歩いていると人混みもあって疲れる街ですが、バスなら快適です。

LINE CUBE SHIBUYAのあるT字路を左に曲がると見えてくるのが、NHK放送センターです。テレビ局の建物が見えると「東京に来たなぁ~」というのを実感できるもので、バスに乗りながら東京観光を楽しむことができます(観光案内的な放送等は特にありません)。

井の頭通りに入り、放送センター西口へ到着。目の前にNHKの中継車が並んでおり、小さいころからNHKを観て育った自分としてはテンションが上がります。

ここからしばらくは、代々木公園明治神宮を右手に望みながら道なりに進んでいきます。水素燃料電池バスなので走行音がとにかく静かで、小さく「ウィーン…」という音だけが聞こえるので、いかにも未来の乗り物という気分です。

途中、代々木公園駅では東京メトロ千代田線との乗り換えが可能です。隣接する小田急小田原線代々木八幡駅へも歩けなくはないですが、代々木公園駅の端から端まで歩き通すような感覚なので少し大変かもしれません。

「参宮橋」を渡って小田急小田原線の線路を跨ぎ、その先にようやく「参宮橋駅」停留所があります。頭上に首都高がある位置で駅までは数分歩きますが、こちらに関しては小田急小田原線へ乗り換え可能である旨がしっかりと車内で放送されます。

ここからいよいよ、バスは新宿の街へと入っていくことになります。ルートとしては首都高速新宿料金所の真下を通過して十二社通りへ入り、新宿中央公園を回り込む形で新宿駅西口へと向かっていくことになります。

甲州街道と交差する位置で真上を見てみると、複雑な首都高速のジャンクションがあります。道路が何層にも重なる立体的な都心の街並みをバスの車内から楽しみます。

ヒルトン東京新宿住友ビル新宿アイランドタワー…などなど立派なビルだらけの街の中を走り、「新宿警察署裏」の交差点を直進。無数に車線があるこの交差点全体を大きく囲うように頭上に円形の構造物があり、道路信号機がいくつも取り付けられています。

東京モード学園の奇抜な外観を左手に、バスはまもなく新宿駅西口へと到着します。丁寧な乗換案内がなされ、各路線の路線記号までしっかりと反映されているところに「さすが最新鋭のバスだなぁ」と感心させられます。

バスは中央通りを進み、突き当りをいったん左折して新宿駅西口のバスロータリーを時計回りにぐるっと回り込みながら入っていきます。そして、新宿駅周辺を循環する「WEバス」と同じ駅真正面の乗降場へと停車します。

13時40分、バスは新宿駅西口を発車。多くの乗降があり、車内は少し空きました。

渋谷駅を出てから既に30分ほどかかっていますが、もちろんゴールはまだまだ先。果たしてどれくらい時間がかかるのでしょうか…?

西新宿一丁目の交差点を左折し、ここからしばらくバスは甲州街道を走行していきます。JR新宿駅南口バスタ新宿に面する横断歩道、こちらも渋谷のスクランブル交差点に負けじとかなりの人混みです。

そしていよいよここからが、このバス最大のお楽しみ区間でもあります。新宿駅西口~バスターミナル東京八重洲間は次々にバス停をすっ飛ばしていき、この区間での途中停車箇所は新宿御苑、四谷一丁目、大手町の3ヵ所のみ。特に四谷一丁目~大手町間は4km以上ドアが開かない区間となり、路線バスとしては異例です。

新宿四丁目の交差点を直進し、道なりに進みます。頭上に掲げられた青看板の枚数は計り知れず、こんな複雑怪奇かつ車線数の多い道路など私は100年かけても運転できそうにありません。

そして山手線の内側の街の恐ろしいところは、どこまで進んでも永遠に都会で建物が絶えないことです。ひたすらに車通りも人通りも多く、常に様々な建物や文字が視界に入ります。

四谷一丁目に到着。JR四ツ谷駅へも十分徒歩圏内です。

このバス停で待っていたとあるお客さんが「次どことまりますか?」と尋ねる光景がありました。運転手さんは当然「大手町です」と答えるわけですが、その瞬間お客さんはかなり驚かれていたように見えました。そりゃそうですよね、、、、四谷から大手町って相当な距離ですから。

バスは四谷一丁目を発車。すぐにJR四ツ谷駅前を通ります。せっかくここを通るのならば駅前に停車した方が利便性が高い気もしますが、おそらくそうもいかない理由があるのだろうと思います。

甲州街道が皇居とぶつかる「半蔵門」交差点を左折。右手に目をやると、ほんの一瞬ですが国土交通省外務省など各省庁の建物が見えます。

ここからバスは、皇居の北側を時計回りにぐるっと回っていくことになります。さすがに皇居の中央を突っ切ることはできないので回り道をするしかありません。

代官町通りへ入り、皇居のお堀を渡って竹橋方面へと進みます。

皇居と北の丸公園に挟まれたこの辺りでは、東京国立近代美術館の分室があり、そのレンガ造りの外観は目を引きます。他にも日本武道館科学技術館など様々な文化施設のあるエリアで、東京のど真ん中ながらも静かな空間です。

首都高速の集まる竹橋ジャンクションを過ぎ、バスは神田警察通りへと入ります。ここも新宿料金所の辺りに負けず、見ていて楽しい立体的な街並みです。

この通り沿いには、テラススクエアや神田スクエアホールといった施設が立ち並びます。渋谷や新宿の繁華街とはまた違ったオフィス街の雰囲気で、丸の内が近づいていることを実感します。

まっすぐ道なりに進むと神田駅方面ですので、美土代町の交差点を右折して本郷通りへと入ります。神田橋を渡れば、大手町はもう目の前です。

四谷一丁目からは20分ほどかけ、ようやく大手町(グランキューブ)へ到着。地下鉄各線へも乗り換え可能で、名だたる有名企業のオフィスも入る大きなビルの1階エントランス付近へ直接乗り入れます。

少しばかり渋滞にはまったせいもあってか、バスは数分遅れぎみでグランキューブを出発。

そしてようやく、次が終点のバスターミナル東京八重洲です。驚いたことに新宿駅西口~バスターミナル東京八重洲間の途中では乗降があまりなく、ほとんどの乗客がこの区間を乗り通しているようでした。

大手町の交差点を左折し、永代通りへ入ります。丸の内一丁目の交差点を直進し、JR各線および新幹線の高架の下をくぐります。

呉服橋交差点を右折し、東京駅の八重洲側へとやってきました。目の前に東京ミッドタウン八重洲が見えていますが、バスターミナル東京八重洲はこの地下にあります。

14時25分頃、ようやく終点のバスターミナル東京八重洲へと到着。定刻よりも5分ほど遅れたため、渋谷駅からの所要時間は実に約1時間15分となりました。路線バスにしては異例の長さです。

冒頭でもご紹介した通り、バスターミナル東京八重洲は2022年9月に開業したばかりの新しいバスターミナルです。現在は地下2階の11~16番乗り場のみがオープンしていますが、今後数年かけて段階的に拡大され、最終的にはバスタ新宿をも凌ぐ巨大バスターミナルとなる予定のようです。

現在のところ、ここを発着するバスは主に房総方面が中心のようです。このほか広島方面や四国方面へ向かう一部の夜行バスも既に使用しているようで、今後私自身もここから夜行バスに乗る機会があるかもしれません。

地下1階にあるインフォメーションカウンターは、まるで映画館のフロントのようなデザインです。

というわけで、今回は東京都内の様々な街並みが楽しめる「京王バス050系統」をご紹介しました。

今回私が乗車したのと逆方向(バスターミナル東京八重洲→渋谷駅)はまた違ったルートを通るそうなので、行き帰りで乗り比べをしてみても面白いかもしれません。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。