わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【飛行機・バス禁止】全国に3つある「いずみちゅうおう駅」を1日で全て巡る!

 

2024年7月16日(火)

今回やってきたのは、仙台市泉区にある泉中央駅仙台市地下鉄南北線の始発駅です。

突然ですが皆さん、「この世界には自分とそっくりな人が3人いる」というのを聞いたことがあるでしょうか。

世界の総人口は81億人を突破し、様々な人種や国籍の人が往来する現代においては、いつどこで「自分とそっくりな人」に出会ってもおかしくありません。

鉄道大国日本。国内にある鉄道駅の総数は1万駅近くにも上るとされていますが、その中には同じ読み方をする駅も少なからず存在します。今回取り上げるのはその一つ、「いずみちゅうおう」駅です。

「いずみちゅうおう」と読む駅名は日本国内に計3ヵ所存在しているとされており、せっかくですからこの3駅を1日で全て回りきることはできないか、と考えてみました。移動手段は鉄道のみで、ここ仙台市泉中央駅をスタート地点とし、3駅目の「いずみちゅうおう」駅に到着できた時点で企画成功としたいと思います。

まずは改めて、今回のスタート地点である仙台市泉区の「泉中央駅」。1987年に八乙女~富沢駅間で開業した後、1992年に1駅延伸しここ泉中央が始発駅となりました。1日乗車人員は約2.2万人を数えます。

名前の通り仙台市泉区において重要な拠点駅となっており、駅周辺には区役所・商業施設・マンション等が建ち並びます。かつては「泉市」という別の自治体でしたが、1988年に仙台市へ併合されました。コンサートホール「イズミティ21」や「ユアテックスタジアム仙台」など、遠方から多くの人が集まる施設も駅のすぐそばに密集しています。

また地下鉄駅ではありながら広大なバスロータリーを有しており、富谷・中山・鶴が丘方面をはじめとする鉄道の通らないニュータウンや、市街地を離れた市内西部など多くの方面への路線バスが運行されています。また、バスタ新宿へ直通するWILLER EXPRESSの夜行バスもあり、どこへ行くにもそれほど困らない抜群のアクセスの良さです。

さて、ホームに降りてきました。いよいよ移動を開始していきます。

時刻は14時前とかなり遅めのスタートですが、本日中に3駅全て回りきることはできるのでしょうか。

ホームは1面2線で、2023年には駅名標に副駅名「ベガルタ仙台ユアスタ前」と追記されました。日中の運行本数は10分間隔です。

まずは泉中央13時53分発の仙台市地下鉄南北線 富沢行に乗車。使用車両は仙台市交通局の1000系で、1987年の路線開業時から活躍しています。

地下鉄とは言いつつも地上を走る区間は少なくなく、車窓は市街地と緑豊かな自然が交互に繰り返されます。

北仙台駅はJR仙山線との乗換駅となっていますが、仙台駅や繁華街へ出る場合はこの地下鉄の方が距離が短く、利便性は高そうです。

14時09分、仙台駅に到着。ここからは新幹線に乗り換え、次なる「いずみちゅうおう」を目指します。

地下鉄の仙台駅は、JRで言うと仙台駅とあおば通駅の中間に位置しています。JR仙台駅と離れすぎているというわけではありませんが、JR駅の直下ではないため乗り換え時間にはある程度の余裕があると安心です。

地上へ上がってくると、おなじみいつもの仙台駅。さて、新幹線乗り場へと急ぎます。

新幹線改札口の発車標には「東京」の文字がずらりと並びます。今回乗車するのは、仙台14時31分発の〔はやぶさ24号〕東京行。全車指定席で、〔こまち24号〕を連結し国内最長の17両編成にて入線します。

ホームに上がるとすぐに、列車がやってきました。〔はやぶさ24号〕は新青森始発ですが、やはりこの仙台~東京間の需要がとりわけ大きく、当駅からの乗車が非常に多くなっています。繁忙期の旅行シーズンでなくとも〔はやぶさ〕入線時にはいつもホーム上が混雑している印象で、流石東北最大都市であると実感するものです。

時刻通り、14時31分に仙台駅を発車。仙台を出ると、次は大宮まで1時間以上ノンストップです。

案の定車内は満席に近く、通路側までもびっしりと席が埋まっています。平日日中でさえこれほどとは驚きです。

昼食を食べ損ねていたので、仙台駅にて購入した「網焼き牛たん弁当」と「ずんだシェイク」をいただきます。仙台駅の売店では様々な種類の牛たん弁当が売られていますが、今回私が選んだのはその中でも特にリーズナブルな1,380円の商品です。

ひもを引き抜くとご飯が温められる構造で、数分待ってから開封します。リーズナブルなのでご飯もお肉もそれほど量は多くありませんが、噛むとじゅわっと旨味の広がる牛たんの味は確かでとっても美味しいです!

ずんだシェイクは仙台駅構内でプラスチックカップのものが有名ですが、今回は片手が塞がると不便なのでその近くにあった冷凍自販機販売のパウチ入りのものを購入。お値段は450円でした。キンキンに冷えた状態で自販機から出てくるので、新幹線に乗り込んでしばらくしてから飲み始めるくらいでちょうど良いやわらかさになっています。

至福の仙台グルメに舌鼓を打っている間にも、列車は320km/h近いトップスピードでぐんぐん南下していきます。辛うじて雨は降っていないようですが、空模様を見るとかなり先行きの怪しい雲の色をしています。

大宮を発車し、東京へ向かいます。首都圏に差し掛かると外は完全に雨で、雨粒が窓に打ち付けていることが車内からもはっきりと分かります。

約1時間半ほど乗車し、16時04分に東京駅へ到着。ここからさらに東海道新幹線へ乗り換えれば、2つ目の「いずみちゅうおう」駅はすぐそこです。

東京駅には東北・山形・秋田・北海道・上越北陸新幹線東海道・山陽新幹線の乗り換え専用改札がありますが、残念ながら交通系ICカードで乗車している場合には利用できず、いったん外側へ回る必要があります。今回私は東北新幹線をeチケットで乗車し、さらに東海道新幹線もスマートEXにて予約していたので、ダブルパンチで当然通れるはずもなく、ここで思わぬロスタイムを強いられることとなります。

何とか乗り換えに成功し、無事にホームへ。続いて乗車するのは東京16時12分発〔のぞみ47号〕博多行です。博多行ということはここからとんでもない長時間乗車が待ち受けている…!? のかと思いきや、実は今回の東京駅からの東海道新幹線はのぞみ・ひかり・こだまのどれであっても、また行先がどこであっても全く問題ありません。たまたまこれに乗らないと乗り継ぎ的に間に合わないというだけなのです。

そう、乗車区間はまさかの「新横浜」まで。特急料金が安く設定されており、運賃+特急料金込みで合わせてたったの1,380円です。

いったん着席してはみたものの、次の品川駅からかなりの乗車が予想されていたのですぐに席を立ちデッキへ。次の新横浜までもすぐの距離のため大した話ではありません。

品川を発車し、多摩川を越えて神奈川県へ。横須賀線と並走しますが、やがて離れていきます。

16時30分、横浜駅に到着。せっかくのN700Sでしたが、わずか18分間の乗車となりました。

新横浜から続いて乗車するのは、相鉄線です。2023年3月に相鉄・東急直通線が開業し、ここ新横浜にて相鉄線東急線と新幹線が乗り換えられるようになりました。

乗車するのは、新横浜16時37分発の相鉄新横浜線 湘南台。新横浜駅での乗り換えはわずか7分しかなく、新幹線と相鉄線東急線はやや離れているため正直かなりギリギリでした。旅慣れている方でも10分以上は余裕を見ておくことを強くお勧めします。

1番線に、東急5050系がやってきました。東急東横線の渋谷始発で、東急線内は急行として運行してきました。

東急車であっても、相鉄線内での車内LCDは相鉄車と同じものを表示できるようになっているのが凄いところ。すぐ上にある東急の路線図とのミスマッチ感はなかなかのものです。

JR埼京線と合流する羽沢横浜国大を発車し、次の西谷駅の手前で地上に出てきます。西谷駅では横浜方面からやってきた西谷止まりの各駅停車との接続を取って発車します。

二俣川駅では6分ほど停車し、この間に2本の列車との接続を行います。隣の1番線にはまず横浜方面から来た特急 海老名行が入線、続いてJR埼京線から来た各駅停車 海老名行が入線します。

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二俣川を出ると、海老名方面へ向かう本線と分かれていきます。湘南台方面に向かう「いずみ野線」は1999年に全線開業を果たした比較的新しい路線で、高架区間も多いのが特徴です。

車内LCDに表示された次なる「いずみちゅうおう」駅は…そう、いずみ野駅を出た先にある「いずみ中央駅」です。

17時06分、横浜市泉区の「いずみ中央駅」に到着!

仙台市と同じくこちらも「泉区」ですが、駅名の「いずみ」の部分はひらがなとなっています。

いずみ中央駅は、1990年にいずみ野線二俣川~当駅間で運行開始した際に終着駅として開業しました。いずみ野線はその後1999年に湘南台まで延伸開業しています。

1日の乗車人員は7,000人ほどで、隣の「いずみ野駅」よりも少し多くなっています。ただし設備の関係もあってか、特急は隣のいずみ野に停車し、こちらいずみ中央は通過となっています。

ホームは高架で、駅舎には商業施設が併設されています。こちらもまた「泉区役所」への最寄駅で、これこそまさに「いずみ中央」の駅名の由来でもあります。駅前および周辺からは立場・戸塚・長後など周辺の他の路線の駅へ向かうバスが発着しています。

雨が凄まじく、傘をさしていても体が濡れるほどで、すぐに屋根のある場所へ戻ることにしました。

さて、これにて「泉中央」「いずみ中央」の2駅を制覇しました。残る1つの「いずみちゅうおう」へ到達することができればクリアとなります。

いずみ中央17時23分発の相鉄いずみ野線 和光市に乗車し、来た道を戻ります。

車両は先ほどと同じく東急5050系。東急東横線直通のため種別の「各停」が赤文字になっており、渋谷より先は東京メトロ副都心線に直通します。

列車によってはさらにその先の東武東上線に入り、志木・川越市・森林公園・小川町まで直通する列車も相鉄線内から運行されており、直通ネットワークの広さに驚かされます。

またも30分ほど乗車し、17時55分に新横浜駅へ到着。約1時間半ぶりの新横浜です。

新横浜からは、さらに西を目指します!

残る1つの「いずみちゅうおう」は何と関西にあるらしく、新横浜18時07分発の〔のぞみ79号〕広島行に乗車。今度は新横浜駅にて12分ほどの乗り換え時間がありましたが、それでも駅弁をじっくりと吟味して選んでいる暇はありませんでした。

〔のぞみ〕は新横浜~名古屋駅間ノンストップ。特に最繁忙期ともなると「のぞみ12本ダイヤ」が敷かれ、数分おきに交互に〔のぞみ〕ばかりがやってきます。全て同じ色の車両で、行先も似通っていることが多いため乗り間違いには注意が必要です。

時刻通り、18時07分に新横浜駅を発車。車内は通路側もびっしり埋まり、やはり混雑しています。平日なので旅行というよりもビジネス利用が大部分を占めているようで、週末とは違った雰囲気です。

こちらはやや長い時間の乗車となることが分かっていたので、事前に指定席を仕込んでおきました。新横浜~新大阪駅間で普通車指定席を利用すると、閑散期でも乗車券+特急券で14,190円ですが、今回はスマートEXの早特利用につき約15%割引となり12,030円で乗車することができました。

夕食というかおやつというか、新横浜駅にてカツサンド(780円)を購入。何となく新幹線といえばカツサンド、的なところはあるものの…やはりなかなか良いお値段がするものです。まあ美味しいのでヨシ!

列車は静岡県へと入り、辺りがだんだん暗くなってきました。この方向にだいたい富士山が見えるはず…ですが、本日はこの曇り空ということで当然ながら見えるはずもありません。

列車は名古屋・京都に停車し、どちらも大量の乗降があります。ちょうど名古屋駅では目の前に住よしのきしめんの店舗があり、誘惑に負けそうになりましたがここで途中下車するわけにはいきません。私が目指しているのは3つ目の「いずみちゅうおう」駅なのです。

20時15分、新大阪駅に到着!

さらに乗り換え、「いずみちゅうおう」駅へ向かいます。

新大阪からOsaka Metro御堂筋線に乗車し、約16分乗車してなんばへ移動。

つい3時間前は同じアングルでいずみ中央駅から東急東横線に乗車していたはずですが、同じ”赤い電車”でもいろいろあるものですね。脳がバグを起こしそうです。

なんば駅南海線のホームにやってきました。いよいよこの企画で最後の列車に乗車します。

最後に乗車するのは、なんば20時50分発の特急〔泉北ライナー75号〕和泉中央です。行先からもお分かりの通り、3つ目の「いずみちゅうおう」とはこの泉北高速鉄道和泉中央駅です!

〔泉北ライナー〕は2015年に運行を開始した全車指定席の特急で、なんば~和泉中央駅間を結びます。今回使用されている車両は南海の11000系で、1992年にデビューした車両です。

基本的には朝夕のみの運行で、南海11000系と泉北12000系が交互に運用されています。泉北12000系の方は2017年にデビューした金色の塗装で知られる煌びやかな車両ですが、それとは対照的にこちらは外装・内装とも落ち着きのあるシックな色合いです。

20時50分、時刻通りなんば駅を発車。停車駅は新今宮天下茶屋、泉ヶ丘、栂・美木多、光明池終点和泉中央です。何といっても天下茶屋泉ヶ丘駅間ノンストップがなかなかの見どころで、途中にある堺東や中百舌鳥などの主要駅も通過します。

特急料金は乗車区間にかかわらず520円。約30分の乗車時間でこれを高いと見るか安いと見るかは人によるでしょうが、少なくともこの日の泉北ライナー75号は比較的空いており、快適な空間を手に入れることができるのは確かです。

新今宮ではJR大阪環状線との乗り換えが可能です。東京で言うところの、西武新宿線高田馬場駅京成本線日暮里駅の立ち位置とよく似ています。

南海高野線堺東駅堺市の中心となる駅で、橋本方面に向かう特急〔こうや〕〔りんかん〕を含めほぼ全ての列車が停車するものの〔泉北ライナー〕は通過。また中百舌鳥駅御堂筋線との乗り換えのほか、南海高野線から泉北高速鉄道線が分岐する駅ですが同じく運転停車さえすることなく通過していきます。

泉北高速鉄道に入ると、最初の深井駅を除く全ての駅に停車します。最初に停車する駅の名前は「泉ヶ丘」と本企画において何ともややこしいですが、ここは泉市でも泉区でもないようです(堺市南区)。

そして…21時22分、終点の和泉中央駅に到着!!!!

こちらは大阪府和泉市(いずみし)の駅です。

泉中央駅を出発してから約7時間半、これにて「いずみちゅうおう」3駅コンプリート!

和泉中央駅ではホームドア設置の準備が進められていました。訪問時は使用開始前でしたが、2024年7月20日より使用を開始したようです。

行先となる中百舌鳥は、御堂筋線では「なかもず」表記ですが、泉北高速鉄道では「中もず」と部分的に漢字にするそうです。

1日平均乗車人員は1.6万人ほどで、こちらもまた駅周辺にニュータウンがいくつも広がります。ただし和泉市役所はJR阪和線和泉府中駅近くにあり、当駅からはバス路線が伸びています。

和泉中央駅は、光明池和泉中央駅間が延伸開業した1995年に開業しました。周辺各地への路線バスの他、関西空港方面へのリムジンバスや東京方面への夜行バスも発着しています。

また、2025年度にはこの泉北高速鉄道南海電鉄経営統合されることが発表されています。これにより「泉北高速鉄道」という呼称は消滅する見込みで、「泉北高速鉄道」としての和泉中央駅を訪問するなら今のうちとなりそうです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。