わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【最長片道切符グランドフィナーレ】東京九州フェリー「それいゆ」で故郷の神奈川へ

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2021年9月9日(木)

35日間に渡る「最長片道切符の旅」を無事に終え、18時前にゴールの肥前山口駅へと到着。

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長崎本線から佐世保線が分岐するこの肥前山口駅は、2022年9月の西九州新幹線開業に際し駅名を「江北」へと変更します。それと同時にこの西九州エリアでは最長片道切符のルートが変わるため、肥前山口がゴールではなくなってしまうようです。

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さて問題は「ここからどのようにして地元横浜へ帰るか」です。もちろん福岡空港or佐賀空港から飛行機で羽田へ飛ぶことも検討しましたが、それでは余韻に浸ることもできずあっという間に帰れてしまい、やや味気ないなぁという気がしていました。また、新幹線を使ったりサンライズを組み込んだり…というのもアリですが、今回でなくとも乗る機会はありますから何もわざわざ…という気がしてしまいます。

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そこで今回は、2021年7月に就航したばかりの「東京九州フェリー」で帰ることにしました。福岡県北九州市と神奈川県横須賀市を結ぶ長距離フェリーです。出港時刻が迫っているので、さっそく肥前山口18:31発の長崎本線 鳥栖へと乗り込みます。

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肥前山口駅から今回向かう小倉駅までは130kmほど離れており、金銭に余裕があれば博多まで特急、その先新幹線を利用したいところ。しかしこの日は長崎本線の人身事故の影響で特急にも遅延が発生しており、特急を待っているとフェリーの出港に間に合わない可能性もあったことから、とりあえず目の前にやってきた普通列車に飛び乗りました。最長片道切符の旅をゴールしたその日に現地で購入した学割乗車券、これも良い思い出になりそうです。

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終点の鳥栖駅からは鹿児島本線へと乗り換え。福岡地区の区間快速は列車によって快速運転を行う区間が異なっており、間違った列車に乗ってしまって危うく間に合わなくなるところでしたが、何とか軌道修正することができました。

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小倉駅には21時半頃に到着。ギリギリでしたが何とか間に合いそうです。

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小倉駅の新幹線口(北口)からは、フェリー乗り場へと向かうバスを利用していきます。北九州からは様々な方面へフェリーが就航しており、港の位置も少しずつ違っているので、正しいフェリー乗り場ゆきのバスに乗るよう気をつけましょう。

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最長片道切符の道中で数回お会いした博多の内通者さん旅国さんに見送られ、22:10に小倉駅新幹線口を出発。遅い時間にも関わらずありがとうございました!

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そしてようやくフェリー乗り場の北九州・新門司港へと到着です。まだ就航したばかりということで、建物はかなり新しく綺麗です。そのすぐ右隣には…既にフェリーが停泊しています!

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改めて、今回乗船するのは門司港23:55発の東京九州フェリー「それいゆ」横須賀港行です。”東京”九州フェリーという名称ですが東京都内の港を発着するわけではありません。北九州から約21時間かけて横須賀へと向かいます。

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門司港を出ると四国・近畿・東海の南側を通っていきます。外海を航行する時間が長いため、船酔いしやすい人は注意が必要です。

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今回は前もってインターネット上で予約および決済を完了させ、当日乗船前にフェリー乗り場でチケットを発券しました。最長片道切符のゴールが大幅に遅れてしまうと、最悪の場合この乗船券を払い戻さなければならない可能性もあったので、その意味でも無事に間に合ってホッとしています(笑)。

今回私は最も安い「ツーリストA」という設備を利用していきます。通常運賃12,000円のところ、学割適用で2割引となり何と9,600円。九州~首都圏の移動手段にしてはかなり安い気がします。

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23:10頃よりいよいよ乗船開始。まず船内中央部は吹き抜けになっており、とても開放的な造りです。何とエレベーターもあります。イオンかと思った(わたかわ談)

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最下等の設備である「ツーリストA」は、カプセルホテルのようなイメージで寝台が2段になって並んでいます。カーテンもありますのでしっかりプライベート空間を保つことができ、これで学割で1万円を切ると思うと安すぎます。各カプセルの出入口は上段と下段で互い違いになっており、配慮されています。

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カプセル内は特段広いというわけではありませんが、寝具一式のほかコンセントもあり、特に不満はありません。

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船内には売店自動販売機のほか、フリースペースも充実しています。客室は4~6階の3フロアに分かれており、先ほどお見せしたエレベーターのほか階段でも行き来ができます。

レストランは出港前の23:30より夜食の営業があるということでした。

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レストランは翌日以降も何度か使う機会があると思いますので、とりあえずまずは小倉駅で買っておいたスーパーの半額の弁当で夕食とします。

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パッと食べ終えて6階の展望デッキに上がると、時刻はまもなく23:55となり無事に定刻通り門司港を出港。真っ暗な深夜の九州を離れ、いよいよ丸一日かけて故郷の神奈川へと帰ります。

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出港後は、6階にある大浴場で旅の疲れを癒します。出港がかなり遅い時間ということもあってか、大浴場は深夜1:30まで開いているので余裕をもってゆっくり浸かることができました。

船内は一部を除き深夜1:00になると消灯されます。

 

2021年9月10日(金)

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最長片道切符の旅全体を通じての疲れもあってか、夜はぐっすり眠ることができました。それほど船が大きく揺れることもなく、穏やかな朝を迎えています。

船は高知県室戸岬付近を航行中。一晩でかなり進みましたが、横須賀はまだまだ先です。

レストラン・大浴場・売店等の各種船内施設は8:00より一斉に営業を開始します。一般的なビジネスホテルではもっと早い時間にチェックアウトする人もたくさんいるでしょうから8:00では少し遅い気がしますが、東京九州フェリーなら夜までずっと海の上なのでこの時間からでも大した問題ではありません。

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朝食は船内のレストランにて、和風朝食(900円)を注文。やはり海の上なので量の割に少々割高ではありますが、味は確かです! 他にもいろいろ朝食メニューがありますので、好みに合わせて選んでみてください。

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10:15頃、フェリーは和歌山県の潮岬付近を航行中。本州最南端の岬です。

船内放送があり窓の外を見てみると、何と昨晩同じくらいの時刻で横須賀港を出港した逆方向の東京九州フェリー「はまゆう」新門司行とすれ違いました!

こちらが新門司港を出港してから10時間半ほどですので、ちょうど距離的にも時間的にも中間地点となります。

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お昼ご飯は…お待ちかねのバーベキュー

もちろんレストランではランチメニューがありますが、何と東京九州フェリーでは洋上のデッキでバーベキューを楽しめるのです(前夜のうちに受付で要予約)。

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お肉や野菜の盛り合わせは900円、ライスが200円。食材の持ち込みはできませんが、逆に手ぶらで気軽に楽しめるのでとってもオススメです。「一人でバーベキューをやるのは…」と思うかもしれませんが、周りを見ていると一人でされている方もかなり多いので特に気にする必要はないかなと思います。

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14:00からシアタールームで映画「E.T.」の上映があるということで、BBQ終わりにさっそく向かいます。大きなスクリーンの前にはyogiboが並んでいて、くつろぎながら約2時間の映画を楽しむことができました。

映画を観終わり、16:00頃になると船は静岡県御前崎付近を航行中。いよいよ首都圏が近づいてきました。

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昨晩は真っ暗闇のため景色が見えませんでしたが、改めて太平洋に沈む夕陽を眺めながら絶景露天風呂に入ります。そう、この東京九州フェリーは何と内湯だけではなく露天風呂までついているのです。暗い時間の入浴だと洋上には明かり一つなく本当に何も見えませんが、日中や夕陽の時間帯は本当にオススメです。

平日ということもあってか露天風呂はガラガラで、終始貸切状態でした。海風に当たりながら長湯します。

改めてこの1ヵ月以上に渡る長旅を振り返ってみると、口では「疲れた」「しんどい」「お金ない」とは言いながらも実際にはとんでもない贅沢だったのだということに気づかされます。まとまった時間や数十万円という大金を確保でき、多くの人に応援され励まされながら旅を続けることができた私は本当に幸せ者です。この時ほど「心からの夢が叶った時の達成感」を味わい深く嚙みしめたことはありません

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せっかくなので船内のレストランでそのまま夕食もいただいてしまいましょう。東京九州フェリーオリジナルハンバーグセット(1,200円/ライスorパン・サラダ・スープ付)を注文しました。こちらもお値段はやや張りますがとってもオススメです!

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すっかり日も沈み、船はいよいよ東京湾へと進入していきます。長らく太平洋上を航行していましたので陸地が見える機会はほとんどありませんでしたが、ここにきて故郷の街明かりがはっきりと見えてきました。「家に帰るまでが遠足」とはよく言ったもので、もしかすると最長片道切符の真のゴールは故郷なのかもしれません。

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フェリーは定刻通り、20:45に神奈川県の横須賀港へと到着。こちらも新門司港と同じく新しくて綺麗なターミナルです。

横須賀港からは京急横須賀中央駅まで徒歩圏内。駅では最長片道切符の道中でも会いに来てくれたルーメットくんにも再び出迎えてもらい、ついに旅のグランドフィナーレを迎えることができました。

 

何回目か分かりませんが、何回でも言わせていただきます。

これまで最長片道切符の旅を応援してくださった皆様、道中でお会いした皆様、そして何よりもちろん安全第一で列車の運行に携わっていただいたJR6社・私鉄ほか各社局の皆様に心より御礼申し上げます。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。