わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

札沼線非電化区間最後の夏。札幌→新十津川全区間乗り通しの旅【2019夏の北海道7】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は2019年9月の北海道旅行記の第7弾記事ということで、4泊5日の行程の3日目がスタートします。

1日目・2日目の様子をまだご覧になっていない方は、是非アーカイブからご覧ください!

 

2019年9月10日(火)①

3日目となるこの日は、札幌の大通にある、最高すぎるキャビンホテル「GARDENS CABIN」を出発し、札幌駅まで歩きます。

3連泊なので大きな荷物はGARDENS CABINに置いていきます。各キャビンのベッド下に大容量の鍵付き収納スペースがあるのでとっても便利。

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JRタワーがシンボルの札幌駅

平日朝の札幌駅周辺は、通勤客で賑わっています。9月の平日が休みになるのが大学生の特権ってもんです。

これから乗車していくのは「札沼線」という路線です。

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どいつもこいつも駅名が長い…!

電光掲示板を確認し、6:58発の北海道医療大学行に乗車していきます。

札沼線は、札幌から新十津川までを結ぶ路線で、札幌の一つ隣の桑園という駅から分岐していきます。札幌~新十津川駅間は78.1kmで、長大な盲腸線になっています。沿線にはあいの里教育大北海道医療大学のように大学が点在することから、現地では「学園都市線」という愛称で呼ばれています。

既に報道にもあった通り、この札沼線のうち末端区間にあたる北海道医療大学新十津川駅間」が2020年5月7日付で廃止となりました。廃線から1年をきったこの訪問当時は「札沼線末端区間最後の夏」ということで、最初で最後の札沼線全線乗り通しをしていくことにしました。

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札幌6:58発 札沼線 北海道医療大学

10番線に上がると、折り返し北海道医療大学行になる列車が入線。大量の乗客を札幌で掃き出し、またここからは札幌近辺に住む人を大学方面へと運ぶ役割を担います。

列車は6両編成で、転換クロスシートでした。また「uシート」車両も連結されていましたが、今回は快速エアポートではないので指定席ではなく自由席での運用のようです。私は普通の転換クロスの方に乗車しました。

発車間際になると車内は超満員で、デッキも立ち客でいっぱいです。北海道の普通列車は、冬の寒さ対策ということなのか、普通列車でもデッキが備わっていて客室とは扉で仕切られています。

6:58、定刻通り札幌駅を出発。桑園で函館本線と分岐し、札沼線に入っていきますが、札幌駅からしばらくの間は高架区間が続きます。

朝のラッシュということで、途中駅での乗り降りもかなりあります。ずっと電化区間で、駅間も短く、かなり沿線人口が多いのだろうなという印象を受けます。

札幌を出てから40分、7:38に終点の1つ手前である石狩当別駅に到着。私はここで下車します。

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石狩当別駅の発車標はモニターで

ここから、7:45発の新十津川行へと乗り換えていきます。

鉄道ファンであればご存じの方は多いと思いますが、この「新十津川駅」まで行ける列車は1日1本のみとなっており、これが初電であり終電でもあるのです。この石狩当別7:45発を逃すと、その日にもう新十津川まで行ける列車はなくなってしまいます。

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石狩当別駅に気動車が入線する光景も見納めに

数年前まではこれが1日3本運行されていたのですが、晩年は1日1本となってしまいました。

そして石狩当別駅の一つ隣の北海道医療大学駅よりも先は非電化区間となります。このため新十津川行に使用されるのは北海道でおなじみのキハ40となります。

札沼線は札幌周辺と新十津川周辺でかなり路線概況が異なり、原則として札幌を離れれば離れるほど本数が減っていきます。札幌を発着する列車はすべて電車で、すべてあいの里公園行、石狩当別行、北海道医療大学行というように電化区間で完結する列車です。一方でこの非電化区間を走る列車は石狩当別駅を発着駅としており、石狩当別駅からは石狩月形まで8本、浦臼まで6本、そして新十津川までは1本の列車でしか到達できないというように、どんどん本数が淘汰されていきます。

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石狩当別7:45発 札沼線 新十津川

それではキハ40に乗り込み、いざ石狩当別を出発していきます!

列車はわずか1両で、乗客はやっぱり廃止間際ということで鉄道ファンが多いように思います。しかし生活利用と思われる方の姿もありました。

先ほどまでの冷房完備の電車とは異なり、窓を開けてけたたましいモーター音を響かせながら走っていくその姿は、とても同一の路線とは思えません。「通勤通学路線」から「地方ローカル線」へと一気に雰囲気が変わった気がします。

途中の石狩月形駅では、対向列車との待ち合わせのため何と約20分間の停車があります。

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いつから使っているんだと言いたくなる「方面」の看板

石狩月形駅は1面1線の島式ホームで、単線となるこの区間で貴重な「列車交換可能な駅」です。浦臼石狩当別行の上り普通列車とすれ違いとなります。

乗っていた鉄道ファンんの多くが一度列車を降り、駅巡りのようなものも兼ねてリフレッシュしていました。

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石狩月形駅らしい光景

しばらくすると、上り列車がやってきました。そして、この駅でタブレット交換。

もう日本ではなかなか見ることのできない光景です。

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キハ40が並ぶ石狩月形駅

それでは列車に戻り、再び新十津川へ向けて進んでいきます。

鶴沼駅からは小学生が50名ほど乗車してきました。遠足か何かかなと思いますが、車内アナウンスでも「鶴沼駅からは小学生が50名ほど乗車します。ご不便ご迷惑をおかけすると思いますがご協力をお願いします」という放送が。いやいや我々こそ道外からのよそ者ですから。子どもたちの邪魔にならないように気をつけますよ!(笑)

そうして、石狩当別駅を出てから約1時間40分で、終点の新十津川駅に到着です。

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こんな末端区間でも一応「学園都市線

9:28に定刻通り到着すると、大量の乗客がホームにあふれ出ます。そして、この列車は折り返し10:00発の石狩当別行となりますが、これが新十津川駅から発車する朝一番の電車であり、終電でもあります。

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上りは10:00発の1本だけ

駅は無人駅ですが、観光協会の方によって「新十津川駅到達証明書」というものを配布していました。驚くべきは何とこの証明書が無料ということ。欲しい枚数を言えば、日付の印を入れてもらうことができます。全然1枚100円でも200円でもお金取ればいいのにな…とは思いましたが。

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毎日の人数を記録

さらに、新十津川駅の駅舎内には、毎日の降車人数を記録するカレンダーも。やっぱり週末やお盆の人数が多いですが、私が訪問した9月10日がとても多いのは、もしかしたら青春18きっぷの夏のシーズンの最終日であることも関係しているかもしれません。

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これが札幌から続く札沼線の終点

また、駅前では、物販があったり、来駅記念顔出しパネルがあったりと、なかなかの賑わいを見せていました。

訪問してみて思ったのは、地元の方々がこの新十津川の廃止を悲しんでいる様子を見せていないということです。地元の方は多かれ少なかれやっぱりこの自分の町を走る札沼線に愛着があるはずです。普段の生活で利用することもあるでしょうし、最近は利用していなくとも学生時代に毎日利用していたという人もいるでしょう。そういう地元の鉄道が廃線になるというのは、本当は悲しいはずです。

しかし訪問客の我々には、そういった姿を見せません。むしろ廃線に向けて盛り上がりを見せ、華々しく最期を迎えさせてあげようという、この地元の人々ならではのこだわりや心意気を感じるのです。

ところでこの「札沼線」という路線名に疑問を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。「札」=「札幌」というのは容易に想像がつきますが、では「沼」というのは何を指すかというと、「石狩沼田」を指します。現在は留萌本線のみが乗り入れる石狩沼田駅まで、かつて札沼線は線路が続いていました。しかしこの新十津川石狩沼田駅間は1972年に廃線となり、それから48年間に渡り新十津川駅が終点の盲腸線となっていたのでした。

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新十津川駅から歩いてすぐのバス停

新十津川駅からは、折り返し10:00発の列車に乗ってしまうと、また2時間半ほどかけて札幌まで戻る必要がでてきますから、駅近くのバス停から路線バスに乗り、滝川駅を目指します。9:56発の滝川駅行バスに乗り込めば、滝川駅まではわずか10分。滝川駅函館本線根室本線が通る主要な駅ですから、こうした主要な駅がすぐ近くにあったことも、新十津川が廃れる要因の一つだったのではないでしょうか。

新十津川役場から滝川駅までのバスは230円。しかしほとんどの鉄道ファンはまた折り返しの列車で石狩当別方面へと向かったようで、この滝川駅行のバスに乗り換えた人はほとんどいませんでした。

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滝川は「グライダーのまち」

10:07に滝川駅に到着。

ここからは深川方面に向かい、続いては留萌本線を旅していきますが、それはまた次回として今回はここまで。

お読みいただきありがとうございました!

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また、札沼線末端区間のラストランは当初2020年5月6日の予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、ちょうど1ヵ月前の2020年4月17日に繰り上げられていました。急遽ラストランを迎えることになったことについては、ラストラン当日に私もブログを更新して心境を綴っていますのでそちらも是非ご覧ください。

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