みなさんこんにちは。わたかわです。
今日は、今年のお正月に四国に出かけた「お正月四国堪能きっぷで四国周遊の旅」の続編です。まだ(1)をご覧になっていない方は先にこちらのリンクから(1)を是非ご覧ください!
さて、特急〔南風3号〕で高知駅に11:30に到着。ちょうどお昼時ということで、せっかくなので高知の美味しいものでも食べようかと思います。
高知といえば…かつおのたたきですよね! 本当は高知駅周辺のご飯屋さんで食べたいと思ったのですが、折り返し12:13発の列車に乗車しなければならないということで、あまり時間がありません。なので高知駅名物の「かつおのたたき弁当」をゲットすべく、ホームに降り立ちました。
「かつおのたたき弁当」というのは高知駅の名物駅弁だそうなんですが、生ものであるかつおのたたきを駅弁に入れるという前代未聞の駅弁のようで、この高知駅で買って折り返しの列車の中で食べたい! …と思っていたのですが…。
何と残念、売り切れ。自分の目の前で売り切れになってしまいました…。
また改札付近等にも駅弁屋はなく、徳島駅の時と同様食事の調達に困ってしまいました。
しかし土産物屋の一角で何とかお弁当を調達し、12:13発の特急〔南風14号〕岡山行に乗り込みます。
先ほどまで乗車していた南風3号がそのまま折り返しで運用に入っています。こちらは先ほどとはうってかわってガラガラの車内。この高知駅が始発ということもあり楽々座れました。
車内で、昼食タイムとします。高知駅で何とか調達できたお弁当がこちら!
こちらが、「土佐はちきん地鶏母子弁当」(500円)。ご飯の上に鶏そぼろや錦糸玉子、それと細かく刻んだ唐揚げのようなものがのっています。土佐の地鶏を使ったお弁当ということで、濃すぎないちょうどよい味付けでとても美味しかったです! 駅弁とはちょっと違いますが、リーズナブルなのもまたいいところ。高知に足を運ばれた際は、かつおのたたきだけでなくこちらも是非食べてみてください。
お腹も満たされたところで、阿波池田駅で下車。先ほども乗り換えで利用しましたが、今度も乗り換えです(笑)。
阿波池田駅から土讃線の普通列車に乗り換え向かうのは「坪尻駅」。徳島県三好市にある秘境駅で、全国でも珍しいスイッチバックの駅としても知られています。
南風14号が阿波池田駅に到着したのが13:22。そのまま13:35発の普通列車に乗り換え、20分弱で坪尻駅に到着です。
1面1線のホームがあり、上の画像でいうと奥側が琴平・多度津方面、手前側が阿波池田・高知方面となります。2つ並ぶ線路のうち、左側の線路はホームが終わる部分で行き止まりとなっているので、坪尻駅に入線する列車は、一度左側の線路に入ってから、進行方向を逆転し、引き込み線で再度折り返す必要があります。
こちらが、ホームから撮影した南側の引き込み線の様子。要はX状の配線になっているということです。この画像では手前右側の線路がホームに向かい、手前左側はホームを通らずに琴平・多度津方面に抜けていく線路となっています。列車がちょうど停車している線路が引き込み線で、奥の右側の線路はそのまま阿波池田・高知方面へ向かう線路となっているのです。
急斜面であっても駅を設置するためにこのような構造の駅が出来上がったのだろうと思いますが、それでは駅周辺はどのようになっているのか? と思い、探索してみることにします。約1時間後の14:54発の列車で阿波池田駅へ戻ればよいので、駅を出て近くを走る国道32号まで出てみることにしました。
しかしこれが…予想以上の悪路でして。坪尻駅が山に挟まれた谷間にあるので、駅よりも高い所を通る国道32号線まではずっと登り坂となるわけなんですが、駅への連絡通路というよりは完全にただの登山でしたね。全く舗装されておらず、一歩踏み外せば奈落の底。途中に人の歩いた痕跡はなく、両脇の竹藪から竹が傾いてきていて行方を阻みます。この日は天候も穏やかで明るい時間帯だったのでまだ良かったですが、これが雨や雪の日ならば非常に危険だと思います。また私が歩いている時も、茂みの向こうで何やらガサゴソ小動物が動いている気配があり、夜歩くのも大変危険です。四国有数、いや全国有数の秘境駅だと思います。駅から国道に出るまでに15~20分ほど山登りを続けて、ようやく国道32号線に出ることができました。
国道を少し歩くと、地元の方のご厚意によって建設されたであろうコンクリート製の小高い「坪尻駅展望台」なるものがあり、そこから坪尻駅や周囲の山々を見渡すことができます。こうして見てみると、こんな場所によく線路を敷き、駅を設置したな…とつくづく思います。見たところ駅のすぐ近くに集落はあまりなく、坪尻駅を日常的に利用する人もそうそういるとは思えません。新年早々とんでもない秘境駅に来てしまったな…という思いとともに、謎の高揚感に包まれます。
そんなことをしているうちに、列車の時刻が迫ってきたので、また駅に戻ることとします。今度は国道から駅に向かって急斜面の山道を降りていくのですが、足を滑らせては危険なのでゆっくりと歩いていきます。登る時よりも時間がかかるかもしれませんが、何とか間に合い、14:54発の阿波池田行に乗り込みました。
阿波池田駅からは、15:23発の特急〔南風18号〕岡山行に乗り込み、琴平を目指します。今度は2000系というやや古めの特急車両で、新型特急の登場により今後どんどん数を減らしていくものと思われます。もちろん自由席に乗り込みますが、車内は余裕があり楽々座ることができました。
23分間の乗車の後、琴平駅には15:46に到着。ここで途中下車します。
琴平駅で下車したのは、もちろん「金刀比羅宮」への初詣のため! 早朝に初日の出を見届けたので、あとは初詣をすれば何とかお正月感は出るのではと思い、金刀比羅宮に行くことにしました。実は琴平の街には5年前にも来たことがあるのですが、その時は時間がなさすぎて金刀比羅宮を行程に組み込むことができなかったんですよね。JR琴平駅の駅舎に掲げられた立派な「琴平駅」の文字が印象的でしたが、その頃から駅舎もリニューアルされているようです。今回は1時間ほど琴平での滞在時間があるので、詣でることができるでしょう。
…と思っていたのですが、これが大誤算。
金刀比羅宮までの道のりには、お正月ということで屋台が両脇に出ていて賑わいを見せているんですが、流石は”こんぴらさん”の愛称で知名度の高い金刀比羅宮だけあります。初詣は想像を絶する混雑。前に進むのにも一苦労です。
しかもこの人でごった返す屋台街を抜けると、境内まで長い上り階段が続きます。この上り階段も人だらけ。かなり階段が急なので急ごうとすると危険で、ゆっくりゆっくりと階段を上っていきます。普段なら駅から境内まで20分ほどでたどり着ける距離なのでしょうが、お正月の混雑が想像を遥かに超えてきました…。
何とか境内に入ることができ、本殿を目の前にしたところでタイムアップ。本殿への入場規制が敷かれていたので、流石にこれを待つことはできず、敢え無く初詣は断念することにしました。金刀比羅宮へ初詣される方は、半日~1日がかりになることを見越しておいたほうが宜しいかと思います。
今度は駅までダッシュで戻ります。来るときとは少し違うルートで、観光客の少ない道を通って行ったので走っても迷惑にならないような道を全速力で駆け抜けていきました。そして列車発車の3分前に何とか琴平駅に到着です。
琴平駅からは、16:47発の高松行に乗車していきます。土讃線でもこの辺りまでくると電化されているようで、2020年初の”デンシャ”乗車はこの琴平駅からとなりました。車内は初詣を終えた観光客で大混雑でしたが、私が乗車するのは多度津までの15分程度なのでそんなに気にしませんでした。
途中の多度津駅に、17:03に到着。土讃線が予讃線に合流するこの駅で、私は下車します。
土讃線の起点駅ともなっているこの多度津駅は、各方面への特急も停車する交通の要衝。駅前には「四国鉄道発祥の地」の碑もあり、歴史を感じさせます。駅に併設されたパン屋さん「ウィリーウィンキー」で少しおやつのパンを買い、この後の列車内で食べることにしました。
多度津駅から、続いては松山へ向かいます。ここまでで高松、徳島、高知と四国3都市を制覇してきたので、残るは愛媛の県都・松山のみとなりました。最後はここ多度津からまっすぐ一気に特急で松山まで向かいたいと思います!
多度津17:25発の特急〔しおかぜ19号〕松山行の自由席に乗り込みます。この列車は岡山から瀬戸大橋を渡り松山までを結ぶ特急で、尖った顔が印象的な車両で運行されています。自由席はかなり混雑していて、通路側であれば空きがあるかな…という程度。お正月からみなさんかなりお出かけされているんですね。
車内にて、先ほど購入したパンを開封していきます。
贅沢にも2つ購入。「たどつあんぱん」(227円)は2020年1月1日、つまりまさにこの日から販売開始のようで、中にはつぶあんとクリームがぎっしり詰まった甘くて美味しいあんパンです! 「たどつ」の文字が刻まれた印象深いあんパンでした。また「TADOTUコッペ あんホイップコーヒー」(200円)は、白いふわっふわのコッペパンにたっぷりコーヒークリームやホイップクリームが挟まっていて、至福の一品。TADOTUコッペは他にもいろいろ味のバリエーションがあるようなのですが、私が行った際は閉店間際ということであまり残り数は多くありませんでした。
しおかぜ19号は、すっかり日の落ちた予讃線を西にひたすら走り続けます。途中の新居浜や伊予西条でそこそこの下車があり、終点の松山に到着する頃にはかなり空いていました。
2時間ほど乗車した後、19:23に終点の松山駅に到着。続きは次回お送りしていきます。