みなさんこんにちは。わたかわです。
「お正月四国堪能きっぷで四国周遊の旅」の記事続編です。前回までをご覧になっていない方は先にこちらのリンクから(1)(2)をご覧ください!
1月1日、元日の夜。多度津から乗車した特急〔しおかぜ19号〕は定刻通り19:25に終点の松山駅に到着し、これで四国4都市制覇です!
松山駅の駅舎は何とも風情ある造りのようですが、もうすっかり夜になってしまって全然わかりません。
ただ愛媛県の県都・松山に到着したということで、今夜はこの地で1泊するのか…と思いきや、実はそうではありません。この後愛媛県の東予港を22:00に出港する「オレンジフェリー」に乗船して、一晩かけて大阪まで向かいたいと思います!
東予港というのはここ松山よりもだいぶ東の西条市にある港で、松山駅前から連絡バスが出ています。バスの出発時刻が20:10なので、それまでの間少しですが松山の街で見たいものがあるので出かけます。
松山といえば、伊予鉄道が路面電車と郊外電車の2種類の形態で運行されています。その中で、路面電車と郊外電車が交わる「電車と電車の交差点」(ダイヤモンドクロス)があるということで、見に行きました。
そのダイヤモンドクロスの現場は、JR松山駅から歩いて数分の郊外電車「大手町駅」と路面電車「大手町駅前電停」が近接するポイント。路面電車は道路の中央を走るため、道路と郊外電車が交わる踏切に路面電車が加わった結果、電車と電車が交差する形になったのです。郊外電車がこの踏切を通ろうとするときに遮断機が降りることで、ここを横切ろうとしていた路面電車が一時停止をする必要があるということで、「電車が電車を待つ」光景がこの松山の密かな名物となっています。
夜も遅い、暗い時間帯ですが、何とかその「電車が電車を待つ」光景が見れないか粘ってみたところ…見れました!
写真右側にちょこっと映っている路面電車と車が、遮断機の降りた線路を走る郊外電車を待って一時停止しています。これは紛れもなく「電車が電車を待つ光景」! テンションがあがりました。夜なのであまり綺麗には撮れませんでしたが、既に20:00を過ぎて、もうバスの発車まで10分を切っていたので、急いでJR松山駅前まで戻りました。
JR松山駅前から、派手なオレンジ色をした大型バスに乗り込みます。なおこのバスはフェリーの予約をする際に同時の予約が必要で、運賃1,250円は乗車時に運転手さんに現金でお支払いします。
バスは定刻通り、20:10にJR松山駅前を出発。この後、伊予鉄松山市駅前、松山インター口、川内インターにも停車し、フェリーへの乗船客を東予港まで運びます。JR松山駅前から乗車した人は数名でしたが、次の伊予鉄松山市駅前からはかなりのお客さんが乗ってきました。どうやらこのJRの「松山駅」周辺よりも伊予鉄道の「松山市駅」周辺の方がかなり発展しているらしく、どちらかというと松山の街としての中心部は後者になるようですね。
JR松山駅前から東予港までは1時間ちょっと。途中には松山自動車道も利用し、21:23に終点の東予港に到着しました。
フェリーの予約は事前にしてあったので、バスの車内で書いた乗船名簿を持って受付に行き、運賃を支払います。東予港から今回目指す「大阪南港」までは所要時間8時間で、大阪南港には翌朝6:00の到着。昨晩のジャンボフェリーとは異なり船内には様々な等級の客室がありますが、全室個室という何ともハイグレードな船。私は今回その中でも一番安い「シングル」を予約しておきました。繁忙期のこの年末年始ではありますが、受付で学生証を提示すれば学割が効くので、1人6,320円。移動と宿を兼ねてこの値段と考えれば本当に安いです!
乗船券を手に、いざオレンジフェリーへと乗り込みます。さよなら四国!
中に入ると、そこには驚くべき空間が広がっていました!
なんじゃこの豪華な船は~~!!
もう、目ん玉飛び出るかと思いました。だって豪華すぎませんか? 船内には真っ赤な絨毯と金色に光り輝く螺旋階段、そして開放的な吹き抜け。豪華絢爛な船内に見とれていると、レセプションの近くにいたスタッフの方から「お部屋はどちらですか? ご案内しましょうか?」と尋ねられたので、乗船券を見せて「この番号の部屋なんですが…」とお話しすると、「ここを上がって、ここを入ると…」と丁寧に教えてくださいました。いやぁ助かりました。豪華客船かここは。
そして自分の部屋にたどり着き、ドアを開けると…!
これは思ってたよりも快適そう…! めちゃくちゃ広いというわけではありませんが、恐らくサンライズのシングルデラックスと同じくらいの広さがあると思います。そして天井も十分に高く、一晩過ごすのには十分な広さ。寝具類は一通りついており、コンセントもあります。ただタオルや歯ブラシ等のアメニティは特になく、船内購入では値段が張るので、必要なものはJR松山駅に併設されたダイソーで買っておきました。
荷物を降ろし、まずはレストランに夕食を食べにいきたいと思います。このフェリーの中に、何とレストランがついているんですよ~。食事代は含まれていませんが、船内での食事はある意味楽しみの一つでもあったので胸を躍らせながらレストランへと向かいます。ちなみにこのシングルの個室は内鍵のみで、外から鍵はかけられないので、貴重品は常時携帯しておいた方がよいでしょう。
私は目を疑いました。何だここは!? と。まるで星がたくさん並ぶ高級ホテルのレストランのような出で立ちで、入っていいものかと一瞬ためらうくらいでした。
レストランの中では、いろいろなおかずがお皿に盛られた状態で用意されていて、好きなものを取って最後に会計するというスタイルです。また、注文カウンターでも出来立ての一品料理を注文できるということで、「鯛だしラーメン」(870円)を注文しました。
愛媛西南部の宇和島では鯛が有名ということで、出汁を鯛でとり、鯛の切り身までのった贅沢な一杯。あっさりとしたスープはレモンの酸味も効いてとても美味しく、麺によく合います。そして鯛の切り身とは何と贅沢な…。ほっぺたが落ちるかと思いました。鯛のラーメンで870円というのは、船内料金を加味せずとも地上でもそれくらいの値段してしまうと思うので、特別割高感はなかったです。
お腹が満たされたら、続いては大浴場に行きましょう。この船には、何と当たり前のように大浴場がついていて、こちらは乗船料金に含まれているのです! 流石に写真はないですが、本当に広々。そこらのちょっとした旅館の大浴場並みに広く、また船もそれほど揺れないので快適に疲れを癒すことができます。
さっぱりしたところで、再び部屋へ。船内にはフリーWi-Fiがあるのですが、正直あまり強くはないです。まぁ一晩の船旅なのでWi-Fiなどなくても快適に過ごせます。
船内にはフリースペースもあり、ここではテレビが設置されています。快適すぎてすっかり忘れていましたが、この日は元日ということで、「嵐にしやがれ」が放送されていました。
23:30以降は夜間照明に切り替わり、船内の通路が暗くなります。自室に戻り、明日の朝も早いので早々に寝ることに。全く揺れないというわけではないですが、気にならない程度のものなのでよほど神経質でもない限りはいつも通り寝られると思います。
2020年1月2日。朝は敢えて5時過ぎとかなり早い時間に起きました。というのも、朝風呂に入りたかったんです。貧乏性の私は、どうせ何回入ってもタダなら夜も朝も入ろうと思い、朝からリフレッシュしてきました。
脱衣所で着替えていると、何やら気になる船内放送が。何とこの船では、朝食バイキングまで用意されているとのこと! あの美味しいレストランでもう一度ご飯が食べられるとは! 当初予定はしておりませんでしたが、船内で朝ごはんまで食べていくことにしました。
朝食バイキングは900円。事前の予約等は不要で、様々なメニューが用意されています。何だか茶色いものばっかりで子どもっぽくてすみません💦(右上はカレーです)どれをとっても本当に美味しく、出来立てのあったかい朝食を船の上で食べられるなんて本当に感激です。当初の予定だと、この後新大阪から乗る新幹線の車内で、コンビニ飯か何かを食べようかと思っていたのですが、オレンジフェリーの朝食バイキングにして大正解でした。最後まで幸せな気持ちにしてくれるオレンジフェリー、最高です!
あまりに幸せなものでかなり優雅な朝食を取っていたのですが、気づけば時刻はとっくに朝6:00を回り、大阪南港に到着しておりました。とはいっても船内には8:00まで滞在できるのですが、私はこの後新大阪を7:30に出発する新幹線に乗る予定だったので、慌てて部屋に戻り、荷物をまとめて下船しました。もっと時間のある時には、遅い時間まで船内でゆっくりしたいものです。
オレンジフェリーが到着する大阪南港フェリーターミナルは、OsakaMetro南港ポートタウン線の「フェリーターミナル駅」に直結しております。直結といっても下船してから改札口まではそれなりに距離がありますが、ずっと屋根付きのボーディングブリッジでつながっているので雨でも安心。少し急ぎ目に歩き、フェリーターミナル6:34発のコスモスクエア行に乗車します。横文字が多すぎる。
ちなみにこの路線、現地では「ニュートラム」と案内されていますがこれがOsakaMetro南港ポートタウン線のことを指すようです。OsakaMetroというと地下鉄のイメージですが、湾岸部を走るこの路線はいわゆる新交通システムで、横浜シーサイドラインのような乗り物だとイメージしていただくとよいかと思います。乗っている間にどんどん空が明るくなっていきます。
終点のコスモスクエア駅で、OsakaMetro中央線の学研奈良登美ヶ丘行に乗り換え、本町駅へ。そしてOsakaMetro御堂筋線で新大阪駅まで向かいます。この2路線はどちらもフツーの地下鉄で、中央線は近鉄けいはんな線との相互直通運転を行っているようです。
新大阪駅には7:16に到着。ここからは、新幹線に乗り換え東を目指します。私が住むの横浜ですが、お正月ということで祖父母の住む山梨県の甲府へ新年のご挨拶に伺うため、新幹線のひかり号と身延線を利用して向かうことにします。
新大阪から途中の静岡まで乗車するのは、〔ひかり510号〕東京行。普段はのぞみばかりであまり乗る機会のないひかりということで、指定席を確保。
7:30、ひかり510号は定刻通り新大阪を発車。京都、米原、岐阜羽島、名古屋、浜松とかなり多くの駅に停車して静岡へ向かいます。静岡までだと通過するのは三河安城、豊橋、掛川だけですね。ひかりというより、「ひだま」(こだまのようなひかり)です。
そうは言いつつもやっぱり新幹線は速く、物凄いスピードで駆け抜けていきます。三が日の間ということもあってか、指定席でもまぁまぁ余裕がありました。
新大阪から2時間ほどで、静岡駅に到着。ここからは、身延線の特急〔ふじかわ3号〕に乗り換え甲府へと向かいます。
静岡9:41発の特急〔ふじかわ3号〕甲府行に乗り込みます。そういえばこの373系も昔ながらのヘッドマークを表示してくれるのはありがたいですね。
指定席を予めとっておき、車内へ。外国人観光客が圧倒的に多く、指定席はほぼ満席でした。なんで新年早々こんなに外国人観光客がいるんだ…? しかも身延線に…? とは思いながら、定刻通り静岡駅を発車。
列車は富士駅まで東海道本線を走行し、富士駅で進行方向を逆転し身延線に入るため富士までは座席が逆向きのまま走行します。
天気が良く、大きな窓には雄大な富士山の絶景が映ります。外国人観光客の方々はこれが目的なのか…はわかりませんが、みな車窓にくぎづけです。
暖かい日差しに少しウトウトしつつも、列車は定刻通り12:05に終点の甲府駅に到着。
前の晩は愛媛にいながら、その次の日の昼には甲府に到着しているという…オレンジフェリーといい新幹線といい、現代の乗り物は本当に便利だなぁとつくづく感じ、このシリーズはここまでとなります。「お正月四国堪能きっぷで四国周遊の旅」全3回お楽しみいただけていれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!