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[12]限界まで歩きまくる室蘭観光&気軽に楽しめる登別温泉【2024GW北海道ひとり旅】

 

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2024年5月4日(土)6日目

東室蘭駅近くの「ホテルテトラ東室蘭」にて1泊し、迎えた土曜日の朝。朝7時台の気温は11℃ほどとなっています。

5泊6日に渡るこの旅も、いよいよ最終日となりました。

本日は、これまでなかなか観光する機会のなかった室蘭・登別エリアを観光しつつ、新千歳空港へ戻る行程となります。

まずは東室蘭駅より、室蘭本線室蘭駅へ向かいます。

乗車するのは、東室蘭7時47分発の室蘭本線 室蘭行。使用車両は737系普通電車で、2023年にデビューしたばかりの最新鋭です。

東室蘭室蘭駅間は室蘭本線の支線ですが、一日を通して毎時1~2本程度は列車が設定されています。そのうち2~3時間に1本は札幌方面から直通する特急〔すずらん〕で、全車指定席として運行されていますが、同区間では各駅に停車し、特例により乗車券のみで普通車の空席を利用することができます。

ゴールデンウィーク中ですが、駅や車内には高校生の姿もちらほら。おそらく午前中の部活動等でしょうか。

車窓の右手側には、いくつも工場が立ち並びます。室蘭は古くから鉄鋼業で栄え、特に室蘭港周辺には工場が密集しているのです。

7時59分、終点の室蘭駅に到着。東室蘭駅からわずか12分ほどで、あっという間の到着です。

室蘭駅の1日平均乗車人員は600人ほどで、円筒状の駅舎は1997年に室蘭駅がこの地に移転した際に完成したものです。

なお、この室蘭駅到着をもって、(おそらく)JR北海道全線完乗を果たすことができました! 私にとってJR一社の全ての営業路線の完全な乗り潰しはこれが初めてになります。

ここからは、室蘭市内を時間の許す限り観光していきたいと思います。

まず室蘭駅から徒歩でやってきたのは「室蘭観光協会」。古風な造りが目を惹くこの建物は、何と室蘭駅を再利用したものなのです。

先ほど降り立った円筒状の室蘭駅舎は1997年から使用されている4代目駅舎ですが、この旧室蘭駅舎はその前の1912年から1997年まで使われていた3代目にあたります。現在は主に観光案内所としての役割を果たしているほか、館内には様々な鉄道関連資料も展示されており無料で見学することができます。

また、来館の記念に硬券風の「来館証明券」を購入することもできます。特に有料エリアなどがあるわけではなく、この硬券が何らかの効力を発することはありませんが、この地がかつて駅だったことになぞらえた粋な演出です。しかも重い鋏をお借りし、実際に入鋏を体験させていただくことができました。

室蘭観光協会前より、8時51分発の道南バス「絵鞆循環線」に乗り込み、先へと進みます。なお、室蘭市内の路線バスは個人的にかなり複雑だったのでレンタサイクルがないか調べましたが、私の調べた限りでは見つかりませんでした。

8時57分、室蘭築港で下車。ここからは路線バスの走らない場所などへも向かうため、徒歩で巡っていきます。

まずは室蘭築港のバス停より1.1kmほど歩き、「室蘭港エンルムマリーナ」へ。ここではどうしても手に入れたいお弁当「母恋めし」を販売しており、何とか朝早くに入手したいと思いやってきました。

遅い時間に行くと売り切れてしまっていることも多いそうですが、今回は無事に入手完了! 場所を移し、後ほどいただきます。

また2階部分は貝にまつわる様々な展示がありました。こちらも入館無料です。

エンルムマリーナよりさらに1.4kmほど歩き、やってきたのは「絵鞆岬」。こちらでいざ、母恋めしをいただきます!

「母恋めし」は室蘭本線の母恋駅および本店(エンルムマリーナ内)で販売されている駅弁です。かつては室蘭駅でも販売されていたそうですが、現在は取り扱いを終了しています。

包みを解き、蓋を開けると中に入っているのは「ほっき貝のおにぎり(2個)」「燻製チーズ」「燻製半熟玉子」「おつまみわかめ」「ハッカ飴」。お値段は1,500円と量の割にお高めですが、その理由は一口食べるとすぐに分かりました。

ご覧ください、おにぎりにはほっき貝がこれでもかというくらいふんだんに使われているのです。パッと見た限りではお米よりもほっき貝の占める体積の方が大きそうなくらいで、これだけ贅沢に使っていればお値段が張るのも無理はありません。

また、手作業のため大変な手間がかかっており、1日に製造できる個数も限られています。そう考えれば、やはり室蘭に来たら必ず食べておきたい駅弁です。

絵鞆岬からは、内浦湾の景色を一望することができます。うっすらと遠くの方に見える陸地は対岸の長万部町辺りかと思いますが、見えている山はまさか羊蹄山でしょうか。流石に距離的にも方角的にもあれが羊蹄山なわけはないか…。

見る方角を変えると、団地の向こうには室蘭市のランドマークである「白鳥大橋」も見えます。後ほど近くでじっくりと見てみたいと思います。

絵鞆岬からは来た道を戻り、続いては「道の駅みたら室蘭」へと向かいます。その距離1.5km…地味に遠い。

絵鞆漁港周辺の歩道には、あちらこちらに貝殻が落ちています。磯の香りも立ち込め、カモメの鳴き声も聞こえてきます。

漁港周辺には、一見一般道のように見えて実は「漁港関係者以外立入禁止」の道路がありますので注意しましょう。

こちら「道の駅みたら室蘭」に到着。ちなみにすぐ近くには温泉施設もあり、めちゃくちゃ入りたかったですがこの後の行程の都合上そちらはカットしました。

道の駅の展望台からは、先ほどよりもだいぶ近い位置で白鳥大橋を望むことができます。また施設内では白鳥大橋の建設の歴史等も記されており、このほか地域の土産物品等を取り揃えています。

では、白鳥大橋をもっと近くから見たい場合はどうするか…そう、橋のすぐ根元の部分にある展望台へ上ればよいのです。

道の駅みたら室蘭からさらに0.9kmほど戻ると、ちょうど橋の付け根の部分にあたります。ここには長い階段があり、誰でも自由に上ることができるようになっています。立入にあたっては無料ですが、エレベーターなどの便利な設備はありません。

いかがでしょうか…!? かなりダイナミックに見えており、橋の臨場感が伝わる角度になっているかと思います。

白鳥大橋は、室蘭市の祝津町とその対岸の陣屋町を結ぶつり橋として1998年に開通。国道37号の一部となっており、自動車専用で一部の路線バスもこの橋を経由します。もちろん橋の途中にバスの停留所はありません。全長はわずか1,380mですが、歩道はないので歩いて渡ることはできません。

白鳥大橋を様々な角度からじっくり見学したところで、室蘭築港のバス停に戻りバスで室蘭駅へと戻ります。ちょうど室蘭築港11時15分発の便がありましたので、これに乗車。

10分ほどの乗車で、室蘭駅前に到着。バスで10分かかる距離ですから、やはりこの距離を徒歩というのは極めて厳しいものがあります。ならばバスの路線をもう少し分かりやすくするか、レンタサイクルなどを整備して観光客にも優しい街であってほしいと思うものですが…地元の方はうまくこのバス路線を使いこなしていらっしゃるのでしょうか。

続いては室蘭駅より歩いてすぐのところにあるラーメン店「味の大王 室蘭本店」へ。

母恋めしを食べてからまだ2時間程度ですが、ここでどうしても食べておきたい室蘭のご当地グルメがあるのです。

それが…カレーラーメン(930円)です!!

人気店とあってゴールデンウィーク中の昼時は長蛇の列ができており、私も入店まで30分ほど並びました。ちぢれ麺にカレースープがよく絡み、やみつきになる味わいです。

麺をすすり終わった後は、小ライス(150円)を注文。母恋めしを食べた直後なので追加でのライス注文は胃袋的に少し不安がありましたが、これほど美味しいカレースープを目の前にしてこれを「ご飯にかける」という選択肢が私の頭の中から消えることはありませんでした。まあ美味しくないわけがないんですよ、これが。

というわけで胃袋が想像以上に膨れ上がったので、腹ごなしに駅周辺をゆっくり散策。少し歩いたところにある「室蘭八幡宮」では、ちょうど桜が見頃を迎えていました。

よく見るとだいぶ葉っぱもついてきているようで、満開になってから少し日数が経過しているのかもしれません。いずれにせよゴールデンウィーク中に桜の花が楽しめるのは北海道ならではのことです。

そろそろ室蘭の地を離れることにしましょう。

室蘭駅の発車標には「特急」の文字。続いて乗車するのは、室蘭13時29分発の特急〔すずらん7号〕札幌行です。

札幌から出る特急…ではなく、札幌に向かう特急に奇数の号数が割り振られていることについてはやや違和感があるかもしれませんが、これは恐らく函館~札幌駅間を結ぶ特急が函館本線の起点である函館駅を基準にして、そこから発車する特急を「下り」とすることに倣っているものと思われます。

列車は時刻通りに室蘭駅を発車。東室蘭駅までであれば乗車券のみで利用できますが、今回はその先の登別駅まで乗車するため全区間特急券を購入しています。

列車は5両編成で、全車普通車指定席。このうち4号車は「uシート」で、全席にコンセントが設置されています。すずらんには785系・789系1000番台のいずれかが充当されますが、いずれの場合でも4号車には全席コンセントがあるようです。

途中の東室蘭までは全ての駅に停車することもあって、普通列車と同じように使うことができるので地元の高校生等も大勢乗り込んでいました。そしてその高校生らは東室蘭で一斉に降りていきます。

東室蘭を出ると登別まではさほど遠くありません。登別市役所などがある町の中心地は手前の幌別駅ですが、観光の拠点となるのはやはり登別駅です。

13時56分、登別駅に到着。北海道内滞在も残すところあとわずかですが、ここで最後の観光といきましょう。

登別観光といえば、向かう先はただ一つ「登別温泉」です。実は私は登別温泉の訪問は今回が初めてとなるので、旅も終盤でありながら最後までかなりわくわくしております。

登別駅から登別温泉までは、往復とも路線バスで移動します。もちろんバス車内でも運賃の支払いは可能ですが、乗り継ぎに余裕がある場合は予め登別駅構内にあるバスの券売機にて往復券を購入しておくとよいです。車内にて小銭をジャラジャラ準備する必要がないだけでなく、片道350円の区間を往復640円(60円引き)で利用できるのです。

さて、それでは登別駅前14時22分発の道南バス 登別温泉に乗り込みます。車内はかなり混雑しており、訪日外国人観光客の割合がかなり高めです。

バスは市街地を抜け、道道2号を上っていきます。緩やかな上り坂になっており、次第に標高が上がっていくのを感じます。

20分ほどの乗車にて、登別温泉に到着!

路線バスが次々に行き交うターミナルとなっており、その背後には温泉街のホテル群もそびえています。

滞在時間は限られておりますので、優先度の高いアクティビティ(?)から実行していきます。

まずは何といっても温泉入浴。登別温泉は宿泊客をメインにした温泉地で、各ホテルが日帰り入浴等も受け付けていますが、今回は数少ない日帰り客専用の施設「夢元さぎり湯」へ入ることにしました。

温泉銭湯のため入浴料は490円とリーズナブルですが、タオル・石鹸類は持参もしくは別途購入の必要があるため注意しましょう。登別の湯は白い濁りが特徴ですが、浴場内の湯舟を見比べてみると一つ一つのお湯の濁り方が少しずつ異なっています。様々な泉質を気軽に楽しむことができる画期的な銭湯でした。

もちろん最繁忙期なので浴場内は超絶激混みでしたが、国籍を問わず利用マナーは総じてよく、また登別に来た際は再訪したいと思います。

さっぱりしたところで、続いて向かったのが「登別地獄谷」。こちらは温泉街の奥へ奥へと進んでいった先にあり、入場は何と無料です。

ここは直径約450mの爆裂火口群で、温泉がいたるところから湧出しています。またもくもくと白煙が立ち込めている部分もあります。観光用の歩道が整備されており、中まで歩いて入っていくことができるようになっています。

どう考えても有料でもおかしくないほどスケールの大きな自然の営みですが、これを無料で開放していることには驚きを隠せません。

たくさん歩いて疲れたので、ソフトクリームで一休み。のんびりとしていたところ、登別温泉ロープウェイに乗る時間がなくなってしまったので、そちらはまた今度としたいと思います。

帰りは登別温泉17時00分発の道南バス 東町ターミナル行へ乗車。行き以上に多くの人が乗り込んでおり、やはり多くは外国人観光客です。なお「東町ターミナル」とは東室蘭駅の南側にあるバスターミナルで、要は東室蘭と登別は路線バスでも結ばれているくらい近い距離に位置しているということです。

15分程度で登別駅に帰還。登別駅のみどりの窓口は既に営業を終了しており、1台しかない指定席券売機に長蛇の列ができるというカオスな状態でした。せめて券売機が複数台ほしい所ですが…。

 

そんなわけで、室蘭・登別観光の様子をお届けしました。

次回はいよいよ最終回、新千歳空港から空路で帰京する様子をお届けできるかと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。