わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【走るレストラン】「TOHOKU EMOTION」デザートブッフェコース乗車記[久慈→八戸]

 

2023年8月14日(月)

本日は岩手県久慈市にある久慈駅へとやってきました。JR八戸線の終点であると同時に、ここから宮古・釜石・盛方面へ三陸鉄道が続いています。

本日乗車するのは、JR東日本のレストラン列車「TOHOKU EMOTION(東北エモーション)」。週末を中心にJR八戸線を1日1往復運行しており、ちょうど10年前の2013年に運行を開始しました。

TOHOKU EMOTIONは団体列車として運行されており、その運行時刻は駅や市販の時刻表には掲載されていません。みどりの窓口指定席券売機等で予約することはできず、「のってたのしい列車」予約サイトをはじめとする旅行商品にて申し込む必要があります。

www.jre-joyful.com

今回は久慈14時18分発の八戸行「デザートブッフェ」コースを予約。私の他に同行者が1名おり、旅行代金は1人あたり7,400円でした。

発車の約10分前に改札開始。今回私は「のってたのしい列車」予約サイトより申し込み、事前の乗車券類等の発券の必要はなく、スマホ上に表示される「乗車証」を提示してホームへと入ります。

ホーム上には、既にTOHOKU EMOTIONの車両が停車中。キハ110系を改造した3両編成で、外観は白を基調としたデザインになっています。運行開始10周年を記念したオリジナルヘッドマークも取り付けられており、今年はまさに記念すべき年といえそうです。

一見すると白色のシンプルな車体にも見えますが、よく見ると繊細なデザインがなされており、他のキハ110系とはまるで雰囲気が異なります。車体側面に取り付けられた行先表示器は改造後も健在で、「TOHOKU EMOTION/団体 東北エモーション」「八戸/for HACHINOHE」と表示がなされます。

扉の部分も形を合わせてドアのようなデザインがなされていますが、3両の全てのドアが開くわけではなく、乗客の乗降は2号車からのみとなります。3両編成のうち、八戸寄りから順に1号車が「コンパートメント」、2号車が「ライブキッチン」(座席なし)、3号車が「オープンダイニング」となっており、予約の際はコンパートメント・オープンダイニングのいずれかを選択することになります。

ちなみに2号車の形式記号は「キクシ」となっており、これはそれぞれキ=気動車、ク=運転台あり、シ=食堂車、を意味します。国鉄・JRを問わず国内で唯一の例だそうです。

今回は贅沢にも「コンパートメント」を予約。全て海側に窓がある定員4名の個室で、1編成に7部屋しかありません。私は今回2名での利用ですから、かなり広々と使えそうです。

テーブルにはあらかじめカトラリーやメニュー等がセッティングされており、早くも列車内とは思えないような雰囲気です。

テンションが上がっていると、列車は定刻通り14時18分に久慈駅を発車。これから八戸駅まで64.9キロ、約1時間40分の旅の始まりです。

テーブル部分には引き出しがあり、開けてみるとポストカードとペンがありました。何とコンパートメント車両の乗客限定のお土産品だそうで、これも良い記念になります。

久慈駅発車とほぼ同じタイミングで、まずはドリンクをオーダーします。メニューの右側がドリンクとなっており、ジュース・紅茶・コーヒーなど豊富に用意されています。こんな高級感のあるレストランだと普通は値段を気にしてしまうところですが、TOHOKU EMOTIONは食事代金込みの旅行商品ですから気にする必要はありません。しかも何とこれらのドリンク、飲み放題なのだそうです…!!

私は果汁100%の青森りんごジュースを注文。これがとんでもなく美味しく、普段私が知っているりんごジュースとは比べ物にならないくらい濃厚です。

また、列車の揺れでグラスが倒れたりこぼれたりしないよう、上に向かってすぼんだ形になっているのも特徴的です。

そしていよいよ、デザートが運ばれてきました!

まずは「デザートのアソートプレート」ということで、左から順に「抹茶のアイスクリーム」「ムース フレーズ」「チーズケーキ」の3種となっています。見た目もとっても華やかで美しく、もちろんどれも絶品です。こんな繊細な盛り付けを列車内で行っているというのも凄い話です。

陸中中野駅を過ぎると、車窓からは次第に太平洋が望める区間となります。この日はあいにく雲一つしかない空ではありましたが、それでも遠くまで続く大海原は見ていてとても感動的です。

そして…食事はあのアソートプレートで終わりではありません!

この列車のコース名にもある通り、午後の久慈発八戸行では「デザートブッフェ」が楽しめるのです!!

ブッフェメニューは先ほどのアソートプレートのメニューとは別にデザート6種類、さらにオードブル3種類が用意されています。好みのものをチョイスするとアテンダントの方が直接個室まで運んできてくださるという夢のような時間で、これがまた何と驚くべきことに食べ放題となっています。

「全てのメニューを注文しなければならない」というルールは全くありませんが、注文の際にはアテンダントの方が全メニューを一度に注文するよう勧めてくださいましたので、私も同行者も全メニューを注文。デザートメニューは「フルーツショートケーキ」「山ぶどうのシフォンケーキ」「ガトーショコラノワール」「りんごのヴィクトリアサンドウィッチケーキ」「マンゴープリン」「グレープフルーツのジュレ」の6種類で、甘いもの好きの私としてはまさに夢のようなひとときでした。

また甘いものばかりで少しお口直しをしたい…なんてこともあろうかと、オードブルメニューが用意されています。こちらは「生ハム」「シーフードマリネ」「ミックスナッツ」の3種類で、お酒との相性も抜群に良さそうです。今回は注文しませんでしたが、どうやら車内ではアルコール類も注文できるようですので、気になる方は是非…!!

久慈駅を出て約1時間、列車は種差海岸駅に到着。一応停車駅となっていますが、途中駅で降車するプランはJR東日本「のってたのしい列車」予約サイト上では発売されておらず、乗降はほぼ想定されていないものと思われます。

甘いもの好きの私はさらにおかわりをして、フルーツショートケーキと温かい紅茶を注文。

全国各地でレストラン列車がブームとなっている昨今ですが、「食べ放題・飲み放題」というケースはなかなかないのではないでしょうか。もちろんこの列車が仮に食べ放題でなかったとしても、それでも提供されるデザートやサービスの一つ一つが大変に質の高いものであり大満足の内容であることには相違ありません。

しかし列車に積み込める食材というのは限られており「全員に同じ内容の料理を1回提供するところまで」という列車が多い中で、大々的に「何度注文してもよい」と銘打って運行できるレストラン列車はそうそうないような気がします。それほどこの列車の運行に携わるスタッフの皆様の思いは大変に強いのでしょう。

鮫駅手前、車窓右手には蕪島神社が見えてきます。陸から突き出たような場所にあり、丘の上に立つ境内はウミネコが飛来することでも知られています。

鮫駅までやってくると、いよいよ八戸の市街地に差し掛かります。漢字一文字で「鮫」という駅名はなかなかインパクトがあります。なお、各種メニューのラストオーダーは15時30分頃まで(鮫駅到着の少し前)となります。

やがて立派な高架駅、本八戸駅へと到着。まだ終点ではありませんが、こちらが八戸市街地の中心部に位置する駅として知られています。

様々な貨物線や青森方面からの新幹線・在来線が見えてくると、終点の八戸駅はもう目の前。名残惜しさもありつつ、降車の支度をします。

16時01分、列車は定刻通り終点の八戸駅に到着。

例によって紙の乗車券類は持っていませんが、スマホ画面上のデジタル乗車証を青い森鉄道有人改札で提示することで出場できます。

あっという間の1時間40分でしたので、次は是非他のコースでの運行時にも乗車してみたいと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。