わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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【一時代を築いた名列車】「スワローあかぎ」まもなく廃止へ…1日1本限定「新宿行」に乗車

 

2023年2月27日(月)

おはようございます。本日は朝の高崎駅へとやってきました。

今回乗車するのは、高崎7時40分発の特急〔スワローあかぎ6号〕新宿行。7番線から発車します。

スワローあかぎ〕は、2014年春のダイヤ改正より運行を開始した特急列車です。

当時、首都圏のJR特急というとまだどの列車にも「自由席」が連結されていた時代。平日朝夕の着席ニーズに応えていたのは、数百円の追加料金で乗車することのできる座席定員制の「ホームライナー」でした。

そんな中、高崎線では「スワローサービス」とよばれる新たな着席サービスの提供を開始。これは列車そのものを全車指定席として運行する一方、列車や座席を指定しない座席未指定券スワローあかぎ料金券)を購入することで普通車指定席の空席を利用できるというものです。

スワローあかぎ〕は、従来の〔あかぎ〕のうち平日朝夕の通勤時間帯に運行されていた列車と、上野~鴻巣駅間で運行されていた〔ホームライナー鴻巣〕を統合するかたちでデビューしました。2014年当初は下り9本・上り4本が設定されていましたが、現在は下り5本・上り4本となり、主に下り列車が大きく減便されています。

スワローあかぎ〕はほとんどの列車が上野発着ですが、今回乗る6号だけは「新宿行」。1日1本限定の特別な運用へ乗車していきます。

スワローあかぎ〕に使用される651系は、1989年に常磐線特急〔スーパーひたち〕としてデビューしたのが始まりです。「タキシードボディのスゴいやつ」というキャッチコピーは後世まで語り継がれる名台詞となり、長らく常磐線で活躍してきましたが、車両の老朽化等に伴い2012年に新型特急E657系がデビューしました。これによって651系に余剰が生まれ、2014年より高崎線に活躍の場を移しています。

しかし先日、2023年のダイヤ改正高崎線特急に大きな変化が起こることが発表されました。

【主な変更点】

  • E257系リニューアル車両を導入
  • スワローあかぎ〕廃止→列車名を〔あかぎ〕に統合
  • 〔あかぎ〕自由席廃止、新たな着席サービスを開始
  • 草津〕廃止→列車名を〔草津・四万〕に変更

すなわち〔スワローあかぎ〕としては9年続いた歴史に幕を下ろすことになり、その代わりに〔あかぎ〕がそれまでのスワローサービスにあたる着席サービスを引き継ぐ形となります。また車両の置き換えにより651系は定期運用から引退することになっており、今回貴重な機会ということで乗っておくことにしました。

普通車には何度か乗ったことがあるので、今回はグリーン車に乗ります。

何といっても特徴は3列のゆとりあるシート。近年では4列でも快適なグリーン車が広く普及してきたことで、平成初期の残り香漂う3列グリーンは首都圏では貴重な存在になりつつあります。

そして実は、3月18日より導入されるE257系リニューアル車両にはグリーン車の連結がありません。すなわち高崎線特急でグリーン車を利用できるのは今が最後というわけです。

7時40分、列車は定刻通りに高崎駅を発車。一週間の始まりを告げる青空の下、この先新町、本庄、深谷、熊谷、鴻巣、北本、桶川、上尾、大宮、池袋へと停車し新宿に向かいます。

高崎から新宿まで、特急料金とグリーン料金を合わせて3,850円。普通車ならば1,580円ですから、2倍以上の価格設定になっています。

しかし、今回はJR東日本株主優待を利用。運賃・特急料金・グリーン料金等は4割引となるため、3,850×(1-0.4)=2,310円で購入することができました。普通車でももちろん4割引になりますのでその場合は1,580×(1-0.4)≒940円になるかと思いますが、どうせ安くなるならその割引額も大きい方がよかろうと思ったのもグリーン車にした理由の一つです(笑)。

1人がけの座席から車内を見渡すとご覧の通り。普通車と比べると座席一つ一つに重厚感と高級感があり、格の違いを感じます。

列車は最初の停車駅である新町駅に到着。高崎を出てまだ10分ほどですが、早くも群馬県内最後の駅となります。

利根川を渡り、列車は埼玉県へ入ります。

新町に続き、列車は本庄駅へ停車。一部の〔スワローあかぎ〕はこの本庄駅を始発・終着として運行されています。「高崎まであと少しなのに…」と思う気持ちもありますが、実際のところ東京都心~高崎間であれば多くの人が新幹線を使うのでしょう。

籠原~熊谷駅間にある「熊谷貨物ターミナル」を右手に望みながら進んでいきます。

籠原駅普通列車の行先としてよく見ることでもおなじみですが、特急は全て通過となります。とても気持ちがよいものです。

高崎を出て30分、8時10分に熊谷駅へと到着。ここも新幹線との乗り換えが可能な駅となっています。

ただし新幹線の方は朝の通勤時間帯にかなり本数が充実しており、〔たにがわ〕〔あさま〕を中心に5~20分間隔で運行されています。ある程度経済的余裕のある方であればこれはもう新幹線通勤の方が圧倒的に利便性が高いのではないでしょうか…。もちろん勤め先が東京方面か新宿方面かによっても変わってくるところかとは思います。

さて、ここで少し車内の設備を見てみましょう。

グリーン車ということで、各席足元にはフットレストが備わっています。もちろん座席の前後間隔が広いので、フットレストを使わない人でも足元の窮屈さを感じることはありません。

背面テーブルは十分な大きさがあり、ノートPCを広げることもできます。ただし1989年の車両なので、車内にフリーWi-Fiやコンセントはありません。

新幹線だと熊谷~大宮駅間はノンストップですが、〔スワローあかぎ〕は同区間で途中鴻巣、北本、桶川、上尾に停車します。特に北本駅については、〔スワローあかぎ〕〔あかぎ〕と湘南新宿ラインの特別快速は停車しますが、快速〔アーバン〕は通過となっており、逆転現象が発生しているのも興味深いところです。

桶川駅の上りホームでは大勢のお客さんが列車を待っており、「いよいよ車内が混み始めるか…?」と思いきや、ほとんどの人が後続の普通列車を待つ人のようでした。下りホームにいたってはラッシュと反対方向になるため、ホーム上にほとんど人がいません。

上尾を発車し、鉄道博物館の前を通過。ここで列車は急激に速度を落とし、何と線路上で停止してしまいました。どうやら宇都宮線で急病人が発生し、大宮駅の非常停止ボタンが扱われたようです。これまで長きに渡り多数の通勤客を運んできた〔スワローあかぎ〕という列車も、この9年の歴史の中で幾度となくこうした場面に立ち会ってきたのだろうと思います。

高崎駅を出て約1時間、列車は大宮駅へと到着。埼玉県最大のターミナル駅です。

何とここ大宮駅からかなりの乗車があり、車内は一気に混雑してきました。もとより座席数の少ないグリーン車においては、通路に面したB席でさえも一部埋まるほどの混雑率です。

大宮~池袋・新宿はそれほど距離も長くない上、湘南新宿ライングリーン車もありますから、まさかここでこんなに混むとは思いもしませんでした。

大宮駅を発車し、さいたまスーパーアリーナの前を通過。この先列車は湘南新宿ラインと同じルートを通り、新宿へと向かいます。

なお、この列車は高崎線特急で唯一浦和駅赤羽駅を通過します。両駅とも湘南新宿ラインのホームはありますので物理的には停車できるのではないか…という気がしますが、確かに湘南新宿ライン宇都宮線高崎線の線路は完全に分けられており、ホームも別々に用意されていることを考えるとダイヤや運行管理の都合上通過せざるを得ない事情があるのかもしれません。

荒川を渡り、列車はいよいよ東京都へ突入。ちなみに先ほど大宮駅手前で発生した遅延が回復する様子はありません。

赤羽駅を通過し、列車は京浜東北線と並走。東京都に入りしばらくはこのように上野・東京方面へ向かう列車と並走することがありますが、田端駅の手前で大きく右に曲がりその先は池袋・新宿方面へと進んでいきます。

そしてようやく列車は池袋駅に到着。

朝ラッシュのピーク時間帯こそ過ぎてはいるものの、それでも人が多いのはさすが東京だなという感じがします。

反対側のホームには、池袋どまりの相鉄線の列車がやってきました。相鉄・JR直通線も開業から3年と少しがたち、YNB車両がNewDaysのあるホームに入線してくる光景もようやく違和感がなくなってきたというところでしょうか。

さて、繁華街のビル群を横目に、列車はまもなく新宿へと入線していきます。

大宮駅手前での遅延が回復せず、この辺りでは少しノロノロとした運転になっていました。

9時11分頃、列車は定刻よりも4分ほど遅れて終点の新宿駅に到着。

列車の特性上、普通車・グリーン車とも終点まで乗り通す人はかなり多かったように思います。

仮に遅延がなくとも新宿駅到着は9時を過ぎるため、それよりも前に始業する会社への出勤には向かない時間帯での運行ですが、それでも相当な数の通勤客が利用していることを改めて知ることができました。

その証拠に、3月18日のダイヤ改正以後もこの「高崎発新宿行の特急列車」は存続が決まっています。

運行時刻と停車駅はそのままに、E257系(5両編成)を使用した全車指定席の特急〔あかぎ6号〕(平日のみ運行)となりますので、気になる方は是非乗ってみてください。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。