わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【車窓の変化に注目】青春18きっぷで横浜から新潟へおでかけしたら楽しすぎました!

 

2022年3月10日(木)

今回は、青春18きっぷで横浜から新潟まで移動してきましたので、その様子をお届けします。

いよいよ本日(2022年7月20日)より、2022年夏の青春18きっぷシーズンがスタート。この夏もたくさんの方が、青春18きっぷを片手にあちこちへお出かけされることでしょう。

今回の記事は2022年シーズンに旅行したものですので、現在は列車の時刻等が一部変更となっている可能性がありますが、首都圏~新潟間を青春18きっぷで移動しようとお考えの方は参考にしていただければと思います。

 

横浜から新潟までは360kmほど。横浜~岐阜などもほぼ同じくらいの距離です。もちろん普通列車1本のみで行けるわけではなく、何本かの列車を乗り継いで北へ北へと向かっていきます。

【1本目】横浜9:23発 上野東京ライン 高崎行

まずは上野東京ラインで一気に北関東へと向かいます。

青春18きっぷを一言で説明するならば「日本全国のJR線の普通列車のみが乗り放題になるフリーパス」。通常、首都圏~新潟間を鉄道で移動するなら上越新幹線を利用される方が多いかと思いますが、青春18きっぷでは新幹線や特急といった便利な乗りものに乗ることはできません。

15両編成の長大な列車がやってきました。終点の高崎まで乗り通していきます。

平日朝9時台ということで通勤ラッシュのピーク時間帯は過ぎていますが、車内はかなりの混雑。東京都内に入るまではかなりぎゅうぎゅう詰めの状態が続きました。

品川や新橋等でかなりの通勤客が下車し、東京駅に到着。ここで「東海道本線」は終わり、この先は「東北本線」へと入ります。かつては東海道本線の全ての列車がこの東京駅で折り返し運転を行っていましたが、2015年の上野東京ライン開業に伴い東海道本線高崎線宇都宮線等の相互直通運転が始まり、ここ東京駅を経由して乗り換えなしで関東地方の南北を移動できるようになりました。

なお「東北本線」という呼称は首都圏ではあまり一般的ではなく、東京駅より先は「高崎線」の列車として運行されます(正式な高崎線区間は大宮から先です)。

東京駅でかなり車内が空き、セミクロスシートを確保。列車の進行方向と同じ向きに座ることのできる座席です。

なお、上野東京ラインでは編成の中間に「普通列車グリーン車」が連結されており、追加でグリーン券を購入することで長距離の乗車でも快適なリクライニングシートへの着席が可能となります。青春18きっぷと組み合わせて乗車することも可能ですが、今回は節約のためにこの硬めの座席で引き続き移動することにしました。

エレファントカシマシの発車メロディが流れる赤羽駅を発車すると、まもなく列車は埼玉県へと入ります。

複々線区間が長く続くのも首都圏の大きな特徴。この辺りでは上野東京ライン宇都宮線高崎線)、湘南新宿ライン京浜東北線が並走するほか、少し離れた位置を埼京線が走ります。

浦和は埼玉県の行政機関が集まる街。2014年には湘南新宿ラインの線路上にもホームが造られました。先ほど通った赤羽とあわせて、近年「住みやすい街」としても再注目されています。

そして列車は大宮駅へと到着。新幹線や特急も集まる、埼玉県最大のターミナル駅です。

ここから先は宇都宮線高崎線が分岐していくため、改めて行先をしっかり確認しておきましょう。同じ色の車両でやってくるので、乗り間違いには注意が必要です。

大宮駅を過ぎると、並走する路線もなくなり高崎線が新潟方面へと繋がる一本道になります。

宮原駅では後ろを走る特急〔草津1号〕長野原草津口行を先に通しました。特急や新幹線の誘惑に勝ち、途中駅で抜かされることこそ青春18きっぷの旅の醍醐味の一つでもあります。

「日本一暑いまち」としても知られる熊谷を過ぎ、次の籠原駅ではしばらく停車。ここで15両のうち前寄りの5両を切り離し、ここから先は10両編成で高崎へと向かいます。籠原駅の電光掲示板にはここから先の運行両数である「10両」の文字に加え、その隣に「分割」という見慣れない表示があります。

先ほどまで東京都心の高層ビル群を走っていた列車ですが、この辺りまで来ると辺りはだいぶのどかになってきます。駅と駅の間隔も広く、沿線には田畑も広がります。

横浜を出て約2時間半、11:49に終点の高崎駅へと到着。この列車の終点であると同時に高崎線の終点でもあります。また県庁所在地ではありませんが、群馬県最大のターミナル駅です。

【2本目】高崎12:02発 上越線 水上行

この先へと続く線路は「上越線」という路線になります。普通列車の場合は基本的にここ高崎駅での乗り換えが必要となりますが、線路は高崎線からずっと繋がっており、かつて新幹線ができる前までは数多の特急・急行列車がここ高崎駅を跨いで運転されていました。現在でも特急草津号は高崎駅を跨いでの直通運転が行われています。

列車は10両から一気に短くなり4両編成211系と呼ばれる一昔前の車両で、ほんの10年ほど前までは高崎線等でも運行されていました。列車の本数・両数・車両の時代の違い等から、だんだんと東京から遠ざかってきたことを実感するものです。

列車は定刻通りに高崎駅を発車。車内はロングシートが並びます。

私が乗車してきた上野東京ラインよりも1本後に高崎駅11:58到着の湘南新宿ラインがあり、そこからの乗り換え客がかなり多かったように感じます。

新前橋を過ぎ、列車は群馬県内を北上していきます。高崎線内以上にのどかな景色が広がります。

渋川駅からは吾妻線が分岐していきます。上野を出発した特急草津号はこの先上越線を離れて吾妻線へと入っていきますので、これより先の上越線区間にはしばらく在来線定期特急列車の運行がない区間が続きます。

今回はあいにくタイミングが合いませんでしたが、群馬県内では週末等を中心にSL列車が運行されています。そのSLがここ渋川駅では長時間停車を行うということで、ホーム上の待合室等も三等客車を思わせるレトロなデザインになっています。

渋川駅を過ぎてしばらく進むと、前方に雪を被った険しい山岳地帯が見えてきました。ちょうど群馬県新潟県の境目にあたる地域は「上越国境」と呼ばれ、関東地方と日本海側を隔てる険しい山々が連なる交通の難所として古くから知られています。今いる群馬県側の麓ではまだほとんど雪はありませんが、上越国境の辺りでは3月ということでしっかり雪が積もっているのを見ると、気候の違いを感じずにはいられません。

高崎を出て約1時間、13:07に終点の水上駅へと到着。町名は「みなかみ町」とひらがなで書きますが、駅名は漢字の「水上」です。

かつては上野からここ水上まで、特急〔水上〕という列車が運行されていました。現在定期運行は終了していますが、主に年末年始に臨時列車として今でも運行されることがあります。

水上駅の駅前には食事処や土産物店等が立ち並び、いかにも観光の玄関口といった雰囲気。そして向こうには、上越国境の険しい山々がすぐそこまで迫ってきています。

難所越えを前に、ここで腹ごしらえとしておくことにします。

青春18きっぷの旅の道中では、ただひたすら乗り換え続けるばかりでなく休息も大事。前もってどこで食事を調達しておくのがよいか、どこで食べるのがよいかなど見当をつけておくと食事難民にならずにすみます。今回は高崎駅での乗り換えの際に買っておいた名物駅弁「だるま弁当」をいただきます。

その名の通りだるまの形をした容器の中には、山菜がてんこ盛り! ご飯がどんどん進む味付けで、あっという間に完食してしまいました。容器は洗えば持ち帰って再利用することもできそうですが、衛生的にちょっと気になるのとかばんの肥やしになってしまうので、ごみ箱を見つけた段階で捨てることにしました。

改めて駅の中に戻り、移動を続けていきます。

水上駅の時刻表を見てみると、ここまで通ってきた高崎方面は概ね1時間に1本程度列車があるのに対し、これから進む長岡方面は1日わずか5本しか列車の運行がありません。右の掲示板を見ると、旅行シーズンということでこのほか16時台に臨時列車の運行があるようですが、それでも首都圏と比べると圧倒的な少なさです。

【3本目】水上13:40発 上越線 長岡行

ということで、13時台の列車に乗車していきます。これを逃すと臨時列車を除けば次は17時台までなく、4時間ほど待ちぼうけとなりますので乗り遅れは何としても避けなければなりません。

雪深い水上駅から発車するのは、E129系という電車。主に新潟県内を中心に活躍する車両で、いよいよ関東脱出の瞬間であることを実感します。両数は先ほどの211系よりもさらに短くなり、わずか2両編成での運行です。

列車は定刻通りに水上駅を発車。車内はロングシートセミクロスシートがありますが、いずれも18きっぱー(青春18きっぷ旅行者)でかなり混雑しています。

水上の次の「湯檜曽(ゆびそ)」駅と「土合(どあい)」駅はいずれもホームがトンネルの中にあります。特に土合駅は地上に出るまでの階段が果てしなく長いことから「モグラ駅」と呼ばれることもあります。いずれも魅力深い駅ですので時間がある際は途中下車してみるのもよいですが、くれぐれも列車の時刻をしっかり確認しておきましょう。

土合(どあい)~土樽(つちたる)駅間でちょうど県境を跨ぎ、群馬県から新潟県へと入ります。ここが国境越え区間となりますので、駅間が比較的長め。ここでは不正乗車防止を目的として車内検札が行われる場合がありますので、青春18きっぷで旅行している際にはその日付のスタンプがはっきりと見えるように車掌さんに提示しましょう。

長い長いトンネルを抜けて新潟県へと入り、土樽駅へと到着。ホーム上は辛うじて除雪がなされているものの、フェンスを隔てたすぐそこからはものすごい積雪量です。一瞬冬かと勘違いしてしまいますが、3月ですからね…。

上越線沿線にはリゾートホテルなどがいくつも立ち並び、背後の雪山もあいまって完全に冬の装いです。この区間、これからの季節では冬や春とも違ったまた素晴らしい景色が望めるのではないでしょうか。

沿線にはスキー場も多く、中には線路のすぐそばまでゲレンデになっているところもあるようです。天候にも恵まれ、絶好のゲレンデ日和です。

まもなくすると、列車は越後湯沢駅に到着。新幹線も停車する主要駅で、普通列車で旅行をしていると季節を問わずここでそれなりに乗客が入れ替わります。

新幹線開業を機に、一時は「東京都湯沢町」と呼ばれるほどその利便性の高さが謳われた一大リゾート地でもある越後湯沢。新幹線ならば東京駅から1時間少々ですが、普通列車では実に4時間以上を要します。

越後湯沢駅を出てからも引き続き沿線にはいくつものスキー場が広がります。途中には「上越国際スキー場前」という名前の駅もあるほどで、駅の目の前にロッジのような建物がありいかにもスキー場への玄関口といった雰囲気です。もっとも、バスやマイカーを使う人が多いスキー場アクセスにおいていったいどの程度の方が上越線を利用してこのスキー場を訪れているかは分かりませんが…。

すっかり国境を越えて平野部へと入り、列車は遮るものが何もない銀世界の中を進んでいきます。7月に入り暑くジメジメとした日が続く今日この頃ですが、こんな銀世界の景色を見ると少し涼しくなった気分になりませんか…?

E129系は2014年にデビューした、比較的新しい車両。内装は首都圏で活躍する近郊型車両とさほど大きな違いもありません。そんな都会的な車両の大きな窓に映る白銀の大地をめいっぱい眺めていると、都会の喧騒を離れ心が洗われる気分になります。青春18きっぷの旅にもいろいろありますが、このような非日常体験を気軽にできることもその醍醐味の一つだと感じます。

小出駅からは只見線が分岐しており、山間部を抜けて福島県会津若松駅までを結びます。途中の区間が2011年の豪雨災害の影響で長らく不通となっていましたが、遂に本年10月より満を持して全線運転再開となることが発表されました!

宮内駅にて信越本線と合流します。信越本線を西に進むと直江津駅へと至り、その先えちごトキめき鉄道・あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道とつながって富山・金沢方面へ鉄路が続いています。

そして水上駅を出てから約2時間、15:29に終点の長岡駅へと到着!

すぐさま向かいのホームに停車する普通列車へと乗り換えます。

【4本目】長岡15:32発 信越本線 豊栄行

長岡駅では乗り換え時間が非常に短く、あれやこれや撮影する暇もなく慌てて列車へと乗り込みます。午後になり次第に列車内が高校生らで混雑する時間帯に差し掛かってきました。

バタバタしながらも、無事に新潟県第二の都市である長岡を発車。すぐそばには上越新幹線の高架橋がそびえ、ちょうどその陰になるようなところに敷かれたレールの上を走ります。

越後平野の辺りまで来ましたが、辺りはなおも一面の銀世界。湯沢の辺りと異なりそれほど高い山に囲まれているわけではありませんが、しかし都会民の私にとってこれほどの非日常感はたまりません。

…と思っていたら、そこからほんの十数分のうちに一気に雪がなくなり、車窓はのどかな田園風景になっていました。どこかに分水嶺のような場所があったのか全然気づきませんでしたが、やはり県内でも積もっているところとそうでないところがあるようです。

信越本線のこの区間は、首都圏~新潟(~東北日本海側)を結ぶ幹線ルートであると同時に、関西~青森を日本海経由で結ぶ通称「日本海縦貫線」の一角をなしています。ほんの10年ほど前まで長距離を走る寝台特急がいくつも運行されていましたが、今ではそれらも全てなくなり地域輸送に徹する普通・快速列車が主体となっています。

そしていよいよ新潟市内に入り、列車は新津駅へと到着。ここは新潟方面(信越本線)、新津方面(信越本線)、村上方面(羽越本線)、会津若松方面(磐越西線)の4方向へと線路がのびる主要駅で、数時間前の大宮と同じく「鉄道のまち」としても知られています。

越後石山駅近くには車両基地もあり、新潟地区で活躍する様々な列車の姿を見ることができました。これを過ぎればもう新潟駅は目の前です。

新潟駅到着目前にして、急に線路が真新しくなり登り坂へと差し掛かります。これは2018年に新潟駅在来線ホームの大部分が高架化されたためで、今では全面高架化が完了し在来線列車も全て高架ホームを発着しています。

遠くに見える高いビルは「朱鷺メッセ」。新潟のランドマークを列車内から確認し、これで新潟観光もバッチリデです(笑)。

そして16:50に新潟駅へと到着。列車はここが終点ではなく、この先進行方向を変えて白新線の豊栄へと直通します。

今回、横浜~新潟駅間の移動にかかった時間は7時間27分。横浜を出発する際には朝ラッシュの残り香さえ感じられる時間帯でしたが、新潟に着く頃にはもう夕暮れを迎えていました。

新幹線ならば東京~新潟駅間でもわずか2時間程度ですので、いかに技術の進歩が凄まじいかを実感せずにはいられません。一方で7時間以上に渡る長旅をわずか2,410円(青春18きっぷ1回分)でできてしまうのですから、コストパフォーマンスとしては抜群です。

みなさんもこの夏、青春18きっぷを握りしめて長旅に出かけてみてはいかがでしょうか!

ただしこまめな水分補給と余裕を持ったスケジュールを組むことをお忘れなく!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。