わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【2022年GW最終日】東京ゆき最終列車「のぞみ64号」混雑やいかに!?

 

2022年5月5日(木)

今日はGW最終日。2019年以来3年ぶりに緊急事態宣言・蔓延防止等重点措置のいずれも発出されていないGWだったこともあってか、昨年・一昨年と比べてもとりわけ人の動きが活発だったことが各所で報じられました。

連休最終日の夜、やってきたのは新大阪駅。新幹線改札内は非常に多くの人が行き交い、家路を急いでいます。

東京方面へと向かう上りの新幹線は概ね3分間隔での運行になっています。発車番線があちこちに散っているため、目の前で1本逃すとまた一度コンコースへと降りてこなければならない点は品川・新横浜・名古屋・京都等と大きく異なりますが、当駅始発の列車がどれなのかも案内されているので分かりやすいです。

連休最終日の上り新幹線といえば、Uターンラッシュのピークで指定席の確保が困難であることは言うまでもありません。中でも新大阪を21:24に発車する〔のぞみ64号〕は東京行の最終列車ゆえ、その混雑率等が注目されがちです。

新幹線や特急等の空席照会ができる「JRサイバーステーション」にて、21時前に指定席の発売状況を確認してみると、東京行ののぞみ号の普通車はいずれも△(空席少々)と表示されました。コロナ禍前であればこれは×(満席)であったことが当たり前と考えると、その頃ほどの混雑ではないのかもしれません。

Twitter上でもこの「5月5日ののぞみ64号」の発売状況はとりわけ注目されており、一時は「満席になった」との報告も見られましたが、発売状況は刻一刻と変化するためしばしば空席も出ていたようです。とはいえ恐らくこの場合の△というのはB席(3人がけの真ん中)が1つか2つ空いた程度のものでしょうから、ほぼ満席といって差し支えない混雑状況であることは想像に難くありません。

今回私はちょうどここ新大阪におりましたので、これからこの〔のぞみ64号〕に乗車して混み具合など観察していこうと思います。

時刻は21時を過ぎ、26番線には東京行最終列車〔のぞみ64号〕の案内も表示されています。

21時台は00分発、06分発、15分発、24分発の4本が東京行ののぞみ号として運行されています。これら4本全て博多始発の列車ということで、新大阪駅の停車時間は短く、また指定席・自由席ともに満員の状態で入線します。

21:15発ののぞみ186号が発車していき、いよいよ次がお待ちかね(?)の最終列車となりました。本日中に首都圏へ帰る方法はこの世でたった一つ、混雑必至の〔のぞみ64号〕に乗り込むほかありません

26番線のホーム上では、入線前から繰り返し「この列車は本日の新横浜、品川、東京への最終列車です」とアナウンスがなされていました。

16両編成のうち、自由席は後寄りの3~1号車の3両のみ。長蛇の列ができてはいたものの、Jのカーブを描くというほどではなさそうです。

そこについに〔のぞみ64号〕が入線してきました。何度も言いますが、当日中に東京まで帰れる最後の手段です。

21:20頃、定刻通りに新大阪駅へと到着。ドアが開き、山陽新幹線区間を利用してきた乗客が次々に降りていきます。あまりに乗降に時間がかかっていることから、2・3号車付近で並んでいた乗客の一部が1号車付近へ移動してくる光景も見られましたが、編成の端っこに来たところで乗り込めるはずもありません。

「このままでは乗り遅れる」――。

そう気づいた乗客から、次々に指定席号車方面への大移動が始まりました。本来、自由席の乗客が指定席車両のデッキで立席乗車することはできませんが、今回の場合などには黙認されることも多いのが現実です。自由席車両は3両しかない上、各車両のデッキスペースなどたかが知れていますので、3~1号車に並んでいた乗客全員が自由席車両のみに乗り切ることなど到底不可能なのです。

「すいているドアからご乗車ください――!!車内は全て繋がっております!!!」というアナウンスの声。確かに車内は全て繋がっていますが、この混雑の中、自分の確保した指定席から遠い位置で乗り込んでしまうと車内で途方もないさわやかウォーキングを強いられることは言うまでもありません。

東京行ののぞみ号の場合は前から順に16~11,7~4号車が普通車指定席。その間にある10~8号車はグリーン車ですが、流石にこういった場合であってもグリーン車のデッキに立つことは良しとされないことが多いため、自由席車両に乗り切れなかった乗客はそこから近い4~7号車を目指します。

そしてようやく全ての乗客が乗り込み、列車は定刻通り21:24に新大阪駅26番線を発車していきます。

停車時間が4分間ほど設けられているとはいえ、これほどの混雑であっても定刻通り出発できたというのはある意味奇跡かもしれません。コロナ禍前の最繁忙期であれば乗客が多過ぎて発車が遅れるということもあったでしょうが、今回そうならなかったのは「帰宅時間の分散(ずらし旅の普及)」「全列車N700系化(2020年)に伴う本数の増強」等様々な理由が考えられそうです。

私もさすがに自由席のデッキには乗り込めなさそうだったので、指定席のデッキへと駆け込みました。先ほどご覧にいれた空席照会の結果通り、指定席はもちろんほぼ満席。自分の席をなかなか見つけられず、編成内を歩き回る方の姿も多くみられました。

私はとりあえず5号車から乗り込むことができましたが、やはり自由席のデッキに立てるならその方が良いというもの。運が良ければこの先の京都、名古屋で人が降りるタイミングにあわせて席が空くかもしれません。

というわけで自由席車両の方面へと向かってみましたが…こりゃ無理だ(笑)

自由席車両のデッキは、指定席のデッキとは比べ物にならないくらい多くの人で溢れかえっていました。一度入ってしまうと身動きが取れなくなるような空間でしたので、早々に指定席車両のデッキへと戻ることにしました。こんな混雑ですと到底私が自由席車両の空席に腰掛けられることはないでしょう。

「自由席は不自由席だ」とはよく言ったものですが、では具体的に何がどう不自由なのかと言われれば「2022年5月5日ののぞみ64号3号車」と答えるのが最も分かりやすいかもしれません。

最終的には7号車のデッキに落ち着きました。この辺りまで来ればデッキが騒然としているということもなく、それなりに平穏な時間を過ごせそうです。

車内がバタバタとしているうちに、列車はあっという間に次の京都駅へと入線。ここからもたくさんの人が乗り込んできます。

後方の自由席車両を見渡してみると、やはりここでも乗降には相当な時間がかかっている様子。その一方で、少なくない数の人が自由席車両からの乗車に見切りをつけてこちらへ移動してきています。「何としても今日中に東京へ帰らねば」という執念と「東京まで2時間、座ることは無理だ」という諦めの表れにほかなりません。新大阪であれば始発列車もあるわけですが、京都始発の新幹線というものは存在しませんので、どの時間の便を選んでも新大阪と比べて京都からは着席できる確率がぐっと下がるのです。

列車は21:38に京都駅を発車。次の停車駅は名古屋となります。

「自由席特急券」とはとっても便利なもので、通常の特急券よりも少しだけ安く、また列車や座席を指定することなく高速列車に乗り込むことができます。ある列車が混雑していれば「1本見送って次のにするか」ということも理論上は可能です。

しかし今はそうはいきません。これに乗ろうと思いながらも見送る乗客は誰一人いるはずがありません。今夜に限っては、この「自由特急券」とはもはや名ばかりで、実際は座席を手に入れることさえほぼ不可能な、ただ最高時速285kmで走る鉄の塊に乗り込むための権利でしかないのです。

あっという間に列車は東海地方へと入り、まもなく名古屋へ。ここでは相当数の方が降車されるようで、到着間際は指定席の車内もだいぶ騒々しくなりました。

22:11に名古屋駅へと到着。実はこの〔のぞみ64号〕の後にも名古屋どまりの列車は多数設定されており、新大阪22:00発や22:30発で名古屋行の「のぞみ号」もあります。急いでいなければそちらへ乗り込むというのも手段の一つではあるわけですが、とはいえ次の日は平日ですので朝から学校や会社があるという人も多いことでしょう。一刻も早く帰宅したいと願うのはごく自然なことです。

隣の15番線には、22:14発の〔こだま764号〕静岡行が停車しています。ちょうどここ名古屋でのぞみ64号からの接続を取るダイヤとなっており、これが最後に名古屋駅を発車する上りの新幹線となります。

22:14頃、のぞみ64号は定刻よりも約2分遅れ名古屋駅を発車。やはり乗降に時間がかかったようですが、この程度の遅延ならば東京まで響くことはないでしょう。ホームを見渡してもお客さんが残っている様子はないため、積み残しなく発車できたとみてよさそうです。

列車は静岡県内の駅を次々通過していきながら、一路東京を目指します。

意外なことに、車内販売のワゴンは何度も目の前を通りました。流石に指定席のデッキで「ワゴンも通れないほど通路が大勢の人で塞がる」といった状況ではなかったようです。尤も、自由席車両の客室内まで入っていけたとは到底思えませんが…(笑)。

窓の外に見える明かりの下には、連休最終日の夜の穏やかな家族の団らんがあることでしょう。一方で、こんな夜遅くであってもこれだけ多くの人を運んでいる新幹線もまだまだ捨てたものじゃありません。「リモートワークが普及するのだからリニアはいらない」などという意見もある今日この頃ですが、少なくとも今夜のこの超満員ののぞみ64号を見る限りでは、まだまだ新幹線が多くの人か必要とされていることは明白ですし、リニアができた暁にはリニアにもその役割を背負って活躍してもらいたいと願うばかりです。

そしてようやく、新横浜が近づいてきました。このまま終点の東京まで乗り通したいところではありますが、あいにく横浜在住の私はここで下車することにします。

車内は名古屋を出て以来約1時間ぶりに騒々しくなります。ここで下車する方も相当数いらっしゃるのでしょう。

新大阪駅を出てから2時間3分、23:27に列車は定刻通り終点の横浜駅へと到着です。指定席、自由席を問わず無数の乗客がホームへと放出されました。ここからは乗車客がほぼいませんので、それほど乗降に時間がかかることもなく、列車は定刻通りに発車して東京方面へと向かっていきました。

この23:28発の〔のぞみ64号〕をもって、本日新横浜駅から発車する新幹線は全て終了。ちなみに下りは23:07発の〔こだま815号〕三島行が最後となっています。

 

改めて結論としては、4年前の2018年に驚異的な話題となった某超大物鉄道系YouTuber様の時ほどの混雑ではありませんでした。それはもちろん当時と比べて帰宅時間の分散が進んだことや、ピーク時間帯の運行本数が当時よりも多いこと等が理由として挙げられると思います。

とはいえ、車内が満席、デッキにも私を含め立ち客は多数発生していたような状況ですから、やはり連休最終日の〔のぞみ64号〕の凄まじさをたっぷりと感じることができました。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。