わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

日本海&瀬戸内海を同時に楽しむ! 1日1本限定のレア運用「鳥取はまかぜ」全区間乗車

 

2021年11月5日(金)

今回は早朝の鳥取へとやってきました。外は真っ暗で、ひとけも明かりもほとんどありません。

今回はこの鳥取駅から、1日1往復限定で運行されている通称”鳥取はまかぜ”へと乗車していきます。

関西~鳥取間を鉄道で移動する際に最も一般的なのは、智頭急行線経由で運行されている特急「スーパーはくと」です。1日6往復が設定されており、大阪~鳥取駅間を約3時間30分で結びます。

これに対し今回乗車する特急「はまかぜ」は1日わずか3往復の運行。智頭急行線ではなく姫路~和田山駅間を結ぶ播但線というローカル線経由で運行されています。しかもそのうち1往復は大阪~香住駅間、別の1往復は大阪~浜坂駅間のみでの運行ということで鳥取駅には来ないため、大阪~鳥取駅間を直通するはまかぜ号は1日にわずか1往復しかないのです。

朝早くから稼働する電光掲示板にて、発車番線を確認します。鳥取駅からは浜坂方面・倉吉方面・智頭方面と大きく3方向へ線路が続いており、はまかぜスーパーはくとはのっけから二手に分かれていくことになります。

私が今回乗車する特急〔はまかぜ2号〕大阪行は6:00ちょうどの出発。これに対し、一番右の画面には6:39発の特急〔スーパーはくと2号〕京都行が表示されています。鳥取駅を出る時点でははまかぜ2号の方が約40分のリードを許していますが、何と大阪駅へは後発のスーパーはくと2号の方が先に到着してしまうのです。

使用される車両はJR西日本キハ189系特急気動車です。2010年にデビューした比較的新しい車両で、3両編成での運行となります。ヒーローのような鋭い目つきが印象的です。

はまかぜ全車普通車指定席で、グリーン車や自由席はありません。鳥取駅を出る時点ではまだ朝早いということもあってか、ほとんど人は乗車していないようです。

列車は定刻通り6:00ちょうどに鳥取駅を発車。まもなくすると市街地を抜け、空はだんだんと明るくなっていきます。

特急はまかぜに乗る際にオススメしたいのが、日本海側(A席)からの車窓です。雲が多いですが穏やかな日本海を存分に眺めることができます。

列車は兵庫県へと入り、6:30に浜坂駅へ到着。特急列車が1日1往復のみの運行となっているのはここまでで、はまかぜ1・4号は大阪~浜坂駅間で運行されています。

そこから20分足らずで次の香住駅へと到着。はまかぜ3・6号の運行は大阪~香住駅間となっています。

ホーム上には「歓迎」と書かれた横断幕もありました。色的にクルーズトレイン「瑞風」関連かと思います。

7:12に城崎温泉駅へと到着。これより先の区間、京都方面(山陰本線)および新大阪方面(福知山線方面)はいずれも電化されていますので、一日を通じ多くの電車特急がやってくる”特急街道”の区間です。

かなり朝早いですので、流石に城崎温泉の宿泊客のみなさんが大挙して乗ってこられるということも特にありませんでした。城崎温泉駅では、このはまかぜ2号が1日の中で最も朝早い時間に出発する特急となります。

次の豊岡駅からは、かなりの数の乗車がありました。天橋立宮津方面へと続く京都丹後鉄道が分岐する主要駅でもありますが、純粋に京都方面へと向かうのであればこの列車の約20分後に京都行の「きのさき8号」があります。福知山や京都などを目指してこのきのさき8号を待つのであれば納得がいきますが、そうした主要都市をかすめもしないこのはまかぜ2号がまさか豊岡から混むとは思いませんでした。

7:51に和田山駅へと到着。ここから先は山陰本線を離れ、いよいよ播但線へと入っていきます。余談ですがここ和田山駅は2021年夏の最長片道切符の際に城崎温泉行の特急に乗車していたところ、大雨による抑止の影響を受け1時間以上も足止めを喰らった思い出のある場所です(笑)。

播但線は、その名の通り磨から馬にかけてを結んでいます。姫路~和田山駅間の全線が単線で、特急が走っているとは俄かに信じがたいローカル線ですが、かつて阪神・淡路大震災によりJR神戸線が不通となった際には、加古川線とともに迂回ルートとして活躍した過去をもちます。

途中停車する生野駅は、近くに銀山があることでも有名です。

また「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立」という小式部内侍の詩に詠まれたことでも知られ、天橋立へと向かう道のり(行く野)と地名の「生野」の掛詞を学生時代の国語の授業で勉強したのをよく覚えています。

列車は眼下に川を望みながら、山の中をくねくねと進んでいきます。山肌に目をやると木々が色づき始めているのが分かります(季節外れのハナテンで本当すみません)。

ちなみに、播但線の途中には天空の城として知られる「竹田城跡」があり、近年ブームとなっています。ただその最寄り駅である竹田駅に停車するはまかぜは一部のみのようで、今回乗車しているはまかぜ2号は通過となっていました。

寺前駅播但線の運行管理上非常に重要な駅。ここを境に姫路側は電化区間、ここまで走ってきた和田山側は非電化区間となっています。寺前以南は列車本数も格段に多く、日中でも1時間に1本は列車が運行されています。

播但線の終わりが近づくにつれ、車窓には建物も増えてきました。日本海側を走っていた時とは異なり、太陽が差していて雲もほとんどありません。

鳥取を出て約3時間、8:54にようやく姫路駅へと到着です。これより先はJR神戸線東海道本線山陽本線)へと入っていきます。

姫路駅では列車の進行方向が変わるため、6分間ほど停車します。播但線ホームに入っていますが、発車後に転線しJR神戸線へと入っていきます。大阪まではまだ距離があるため、停車中に乗客が各自で座席の回転を行っていました。

JR神戸線に入ってからの見どころといえばやはり明石海峡大橋です! 姫路駅で進行方向が変わったため、今度は進行方向右側がA席となり瀬戸内海に面することになります。「同じ座席から日本海も瀬戸内海も眺められる」というのはこのはまかぜでしか体験できない気がします。

神戸駅では路線名が山陽本線から東海道本線へと変わります。智頭急行線で運行されているスーパーはくと神戸駅を通過し2つ先の三ノ宮駅へと停車しますが、はまかぜは神戸と三ノ宮の両方に停車します。

新快速が高頻度で走る複々線区間では、播但線ののんびりとした走りが嘘のような100km/h以上の猛スピードで内側線を走る普通列車を追い抜いていきます。それくらいのトップスピードで走らないと後ろが詰まってしまうということなのでしょう。

三ノ宮を出ると次がいよいよ終点の大阪となります。福知山線経由で走る「きのさき」は尼崎にも停車しますが、はまかぜは停車しません。

鳥取駅を出て実に4時間、10:01に列車はようやく終点の大阪駅へと到着。ちなみに鳥取駅を約40分遅く出発したスーパーはくと2号は、逆にこのはまかぜ2号よりも40分ほど早く9:19に大阪駅へと到着しています。

なかなか全区間通して乗られる方はいないと思いますが、興味のある方は是非乗り通しをしてみてください! 予約の際はA席がオススメです。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。