わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

(37)JR四国「最古参」と「最新鋭」の特急車両を乗り継ぐ!【最長片道切符の旅2021】[徳島→高知]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅21日目の後半の様子をお届けしていきます。

 

2021年8月26日(木)21日目②

四国を含めて実施している今回の「最長片道切符の旅2021」。この日は早朝から動き始めてスタート地点の阿波海南からまずは牟岐線で徳島へとやってきました。

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徳島駅は一見すると大変立派な造りをしており、駅舎には商業施設やJR系列のホテルまで入っています。駅前のバスロータリーもかなり広大で、常に多数の路線バスや高速バス等が発着しています。

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しかし改札口はこの一ヵ所のみ。当然のように自動改札機など設置されているはずもなく、ラッチの数自体も県庁所在地の駅にしてはかなり少ないように見えます。列車が到着した際など一時的に改札口が混みあうことはあるかもしれませんが、それ以外は基本的に改札口を出入りする人の姿もあまりなく、これで事足りてしまうというのも納得です。

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阿波海南→佐古を6の字で結ぶ「四国最長片道切符」では四国を時計回りに一周する場合と反時計周りに一周する場合のどちらでも可能ですが、今回私は時計回りに一周するため、徳島駅からは徳島線に乗車し阿波池田方面へと向かいます。乗車するのは徳島12:00発の特急〔剣山5号〕阿波池田です。

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ホームへ入ると、既に列車は入線していました。こちらが特急剣山号に使用される「キハ185」です。185という数字を見ると首都圏民の私は踊り子号を連想してしまいますが、四国の場合は「キハ」がつくことからも分かる通り気動車です。

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今から30年以上前に製造された国鉄末期の車両ということで、行先表示器は昔ながらの国鉄フォントの方向幕。出入口の号車札の下には「禁煙車」の文字もあり、時代を感じさせます。

この列車は3両編成ですが、そのうち真ん中2号車のみ「アンパンマンカー」となっており、内装・外装ともにド派手なデザインになっております。JR四国ではアンパンマンとタイアップした特急車両や観光列車を四国内各地で運行しており、これもその一つというわけです。

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さっそく車内へと入ります。キハ185系にはグリーン車がなく、前から順に3号車が全席自由席、2号車が全席指定席、1号車が一部指定席となっております。くすんだ色のモケットなどを見ると車両の古さを感じます。

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列車は定刻通りに徳島駅を発車。前面展望が楽しめる席を確保できました。

まずは一つ隣の佐古駅を通過していきます。この佐古駅を出ると徳島線高徳線から分岐していくことになり、四国全体をぐるっと一周してきた後にもう一度ここへやって来れば四国最長片道切符のゴールとなります。

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高徳線と分岐。この列車は左へと進みます。なお徳島駅からここまで複線のようにも見える区間が続いていましたが、それぞれ単線の線路として分岐していくことからも分かる通り、ここはあくまでも「単線並列」の区間となっています。

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車内でも徳島のご当地グルメをいくつかあじわっていきます。鳴門金時ポテト(2個入298円/「日本の食」81品目)と、ザ・すだち(108円/「日本の食」82品目)で優雅なアフタヌーンティー(?)の時間を過ごします。

鳴門金時ポテトはとっても甘く、ラーメンを食べた後でもあっという間にペロリでした! ザ・すだちというのはその名の通り徳島県の名産であるすだちを使ったジュースで、すだちの独特の風味とさわやかな酸味を存分に味わえます。

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徳島線内は基本的に単線ですが、途中一部の駅には交換設備があり列車の行き違いができるようになっています。徳島~阿波池田駅間はわずか74.0kmしかありませんが、途中蔵本、鴨島阿波川島阿波山川、穴吹、貞光、阿波加茂の計7駅に停車していきます。いずれも線内で比較的利用者の多い駅なのだろうとは思いますが、そもそも徳島線自体が特急の走るような幹線というよりは地域密着のローカル路線という印象なので、特急停車駅とは言うもののどの駅もこぢんまりとしています。「とにかく多くの駅を飛ばして徳島~阿波池田駅間の所要時間を短くすることに意味がある」のではなく「途中の短区間利用者に便利な運行をする」ということなのでしょう。

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しばらくすると、車窓右手に吉野川が見えてきます。徳島線は大部分を吉野川に沿って走り「よしの川ブルーライン」という愛称までついています。雲は出ていますが川の眺めはとても美しかったです。

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そして列車は佃駅を通過。ここで多度津方面からやってきた土讃線と合流します。分岐駅なので主要駅かと思いきや、ここも佐古駅と同じく通過のようです。

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13:17に終点の阿波池田駅へと到着。わずか1時間少々でしたが、国鉄時代の趣を色濃く残す素晴らしい特急の旅となりました。

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阿波池田からは土讃線に乗り換え、さらに先へと進んでいきます。乗車するのは阿波池田13:32発の特急〔南風9号〕高知行です。約15分の待ち時間と接続も比較的良好で、先ほどの特急剣山5号とは対面ホーム乗り換えなので焦ることはありません。

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待っていると、列車がやってきました。先ほどのキハ185系とは大きく異なり、こちらは最新型の2700系です。さっそく乗り込み、定刻通りに阿波池田駅を発車しました。

阿波池田を出ると、途中大歩危土佐山田、後免に停車して終点の高知へと至ります。

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南風9号は3両編成。この点は先ほどの剣山5号と同じですが、客室内はまるで新幹線かと思ってしまうほどの洗練されたデザインでキハ185系とは大違いです。それもそのはず、この特急南風号は岡山~高知を結ぶ四国縦断ルートの主要路線であり、特急の運行頻度も徳島線とは比べ物にならないほど多いです。先頭車両は一部グリーン車となっているほか、約1.5両分が自由席となっています。

夏休み期間中とはいえ、平日の日中にも関わらず自由席の車内は相当な混雑です。というか土讃線の特急は日時を問わず常に混雑している印象があるのですが、逆にガラガラな時などあるのでしょうか…?

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2021年現在、徳島~高知駅間を直通で結ぶ特急列車の運行はありません。しかし、阿波池田駅で改札を出ずに乗り継ぐ場合であればこの区間は特急料金を通算できることになっています。

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なお、これはあくまでも徳島線経由の場合でのみ通算され、高松経由の場合には通算されません。まぁ高松経由の方がそもそも遠回りですので、もし両駅間を移動する際は多くの人が徳島線経由を選択すると思いますが、特急の本数で見ると剣山よりもうずしおの方が圧倒的に多いため、利用する際は注意しておく必要がありそうです。

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列車は徳島線に引き続きこちらでも吉野川に沿って進みます。ただ徳島線沿線の比較的開けた地形とは裏腹に、土讃線へ入るとかなり険しい渓谷となり、厳しい地形に合わせ線路も右へ左へくねくねと曲がりくねっています。

この美しい渓谷風景は「大歩危小歩危」と呼ばれ、少しの時間ですが列車の車内からもその眺めを楽しむことができます。

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土佐山田付近まで来ると、一気に車窓が開けてきました。ドア上部のディスプレイも、まるで最新式の新幹線のようです。

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14:42に終点の高知駅へと到着。開放的なドーム型の高架ホームがとても印象的で、少し小さめの旭川駅といった感じです。

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まだ明るい時間帯ですが、最長片道切符の旅21日目の移動はここまでとします。高知には一度だけ来たことがあるのですが、まともな滞在はまだ一度もできていないので、今回は一晩滞在してしっかり休息を取りたいと思います。

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高知駅構内のお土産物屋さんで、まずはこちらを購入。「ごっくん馬路村」(135円/「日本の食」83品目)です。高知県馬路村公認のゆずはちみつドリンクで、蓋を開けた瞬間からゆずの香りがいっぱい溢れてきます! 小さめの飲みきりサイズなので、名前の通りごっくんといただいてしまいましょう。

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まだホテルにチェックインするには少し早い時間なので、高知を代表する観光名所の一つ「桂浜」へと行ってきました。高知駅~桂浜間は観光周遊バス「MY遊バス」が約50分で結んでおり、ちょうど桂浜行の最終便が15:40に高知駅バスターミナルを発車するということで乗り込みます。乗客は最初から最後まで私一人だけでした。

バスを降りてから砂浜までは少し歩きますが、夕刻の開放的な桂浜で少しばかりのんびり過ごすことができました。重い荷物を肩から降ろし、波の音に耳を傾けるだけでもとても良い気分転換になります。

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最長片道切符の旅を計画し実行される方は世の中にたくさんいますが、その中で桂浜に足を運ぶ人はあまりいないでしょう。というかそもそも最長片道切符の旅の途中に四国を挟む人がそう多くはありませんから、これは私だからこそ味わえた貴重な経験だと思います。

約3週間前に始まった途方もない挑戦は、この時既に折り返し地点を過ぎていました。今思い返せばこの後ゴールまでの道のりはあっという間だったと胸を張って言えますが、当時の自分にとってはまだこの先に途方もない道のりが待っていて、しっかり旅を続けていけるかという不安を抱きながらもその道のりにワクワクしていた頃だったように記憶しています。

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帰りは路線バスに30分ほど揺られ、はりまや橋に到着。高知駅前よりもこの辺りの方がはるかに賑わっていて、街の中心であると感じます。

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そして「ひろめ市場」へとやってきました。

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ひろめ市場でいただく「日本の食」84品目はもちろん鰹のたたきです。

目の前で豪快な藁焼きの様子を見ることができ、出来立てを提供してくださいます。塩味をいただきましたが、一口頬張ると驚くほど柔らかく、至福の時間を味わえます!

ほんのり香ばしい藁の香りがまたいいアクセントになっていて、気づいたら完食してました…。これは高知に行ったら是非また食べたい味です。

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今夜は高知駅から徒歩圏内の「ホテルタウン錦川」に泊まります。友人と2人で移動しているためツインルームですが、1人あたり2,750円で泊まることができました。決して広くはありませんが、必要なものは揃っていてコスパ十分です。

 

というわけで、最長片道切符の旅21日目はこれにて終了。

次回は窪川宇和島方面へと進んでいきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。