わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

時代の最後は1階席で…Maxとき下りラストランに乗車 #ありがとうMax

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みなさんこんにちは! わたかわです。

前回の記事では、E4系新幹線「Max」定期運行ラストランとなった〔Maxたにがわ416号〕の模様をお届けしましたが、今回は「下りMaxとき」としてのラストランとなった同日夕方の〔Maxとき337号〕の模様をお届けしていきます。

Maxたにがわ416号の様子(E4系定期運行ラストラン)については以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

2021年10月1日(金)

さて、今回は東京駅にやってきました。余談ですがちょうどこの日は午後にリモートでの内定式があったので、式典出席後に急いで着替え、自宅を飛び出してきました。

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グランスタには感謝のメッセージ

東京駅のエキナカ商業エリア「グランスタ」のエスカレーターには、社員の皆様からの感謝のメッセージが綴られていました。

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Maxの文字も今夜で見納め

今回乗車するのは、東京17:40発の〔Maxとき337号〕新潟行です。いつもと変わらぬ様子で発車標に表示されていますが、この列車が下りMaxとき号としてのラストランになります。すなわち東京駅を発車する「Maxとき」としてはこれが最終列車となるわけです。

同時にこの列車は「新潟行のMax」としても最終列車にあたるわけですが、今回私は都合上途中の越後湯沢までの乗車となります。

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指定席とグリーン車のマークが併記される表示も見納めに

 

ホームに上がってみると、まだ入線前にも関わらずあちこちに大変な人だかりができており、連休初日をも遥かに凌駕する賑わいすら感じます。

ホーム上の乗車位置案内には、普通車指定席を意味する「指」のマークとグリーン車を意味する四つ葉のマークが併記されています。詳しくは後程解説しますが、これも2階建て新幹線ならではということでこの日で見納めとなります。

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いよいよ入線!

17:28頃、列車がいよいよ入線してきました。越後湯沢始発の〔Maxたにがわ412号〕として入線し、清掃作業を済ませわずか12分後に折り返します。この東京駅での限られた時間内での清掃作業の技術の高さは説明するまでもなく有名ですが、特にこの2階建て新幹線の場合は客室面積も広く、座席数も多かったために清掃員の皆様も日々苦労されてきたことだろうと思います。

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新潟に向けて羽ばたく

 

トキ色の帯が入った大きな車体は、無数の新幹線が発着する東京駅の中においてもひときわ存在感を放っています。これは偶然かもしれませんが、車体側面に描かれたエンブレムでは、3羽のトキがちょうど新潟の方向を向いて飛び立つように描かれていました。新潟に向けて”羽ばたく”のもこれが最後となります。

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先頭車両付近は大変な人だかり

そして特に先頭車両付近では、Maxときの最後の東京駅出発を見届けるべく大変な人だかりができています。ホーム上では「柵から離れて撮影してください」等と安全を呼びかけるアナウンスが鳴りやみません。E4系の発車自体はこの後も17:52発、18:16発、18:32発と計3本もの「Maxたにがわ号」がありますのでまだ見届けられますが、やはりMaxとき号としてのラストランを見届けたいという人は大変多いように思います。もちろん私もその一人です。

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特徴的な螺旋階段

車内清掃が終了後、いよいよ車内へと入ります。デッキにある大きな螺旋階段と物販用のエレベーターは2階建て新幹線の象徴ともいうべきもので、何度見てもテンションが上がるものです。

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たくさんの人に見送られながら発車

17:40に定刻通りに東京駅を発車。たくさんの人に見送られながら、新幹線ホームから羽ばたくその姿はまさに大勢の人から見守られるトキのようです。

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1階席を利用

今回は7号車の1階席を利用していきます。車内はかなり満席に近い状態ではありますが、通路側であれば若干の空席があるように見えました。もちろん途中からの乗車もあると思いますが、やはりMaxの輸送力の大きさを実感せずにはいられません。

Maxとき337号では1~4号車が自由席、7・8号車のそれぞれ2階部分がグリーン車、その他は指定席となっています。すなわち私が今座っている真上もグリーン車の客室となっているわけで、1つの車両の中に普通車とグリーン車の両方の設備があることになります。東京駅の乗車位置案内で「指」と「四つ葉のマーク」が併記されていたのはこのためで、E4系以外に現在日本国内を走る新幹線で1つの車両の中に普通車とグリーン車の両方の設備がある車両はないと思うので、これもMaxならではの光景と言えます(在来線特急等では多数存在します)。

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これが1階席の醍醐味

列車はすぐに次の停車駅、上野へと到着。ここからも多数の鉄道ファンが乗車してきます。何といっても1階席の醍醐味と言えばこの窓の外の目線の低さにあり、他の新幹線ではまず味わうことのできない臨場感です。1階席でカメラを取り出すと盗撮と疑われそうでヒヤヒヤしましたが、実際1階席から覗けるという話は聞いたことがありません。

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埼京線の駅を次々通過

列車は上野を出て再び地上へ、そして埼京線と並走しながら、次々に駅を通過していきます。

埼玉県内に入るころには、辺りは真っ暗になっていました。まだ秋分の日を過ぎて間もない頃ですが、夕方6時ともなるとこんなにも暗いのかと季節の変わる早さを感じずにはいられません。

気づかぬうちに季節が進むのと同じように、当たり前のように走っていた新幹線もいつか終わりを迎えます。この日のE4系はまさにその最たる例でしょう。

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発車標を見上げる

18:04に大宮へと到着。ホームで立っている人の目線よりもさらに低い位置から見上げると、遥か高くに発車標が取り付けられているかのような錯覚を覚えます。

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1番E席

今回のこのMaxとき337号は、早くから特急券を準備していたわけではなく、発車の約30分前に東京駅の指定席券売機を操作していたら偶然にも指定席の窓側に空席を1つだけ見つけることができ、運良く乗車することができました。恐らくは誰かが直前でキャンセルしたのだろうと思いますが、車両の一番後ろの部分ということで気兼ねなくリクライニングも可能な「イチバンイーセキ」(1番E席/一番良い席)を取ることができて何だか縁起が良かったです。

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発車間際に偶然確保

Maxでは1階と2階がそれぞれ別の列車として扱われるため、座席の指定を受けた特急券では列車名の部分に「1階」または「2階」の文字が入るようになっています。こうした表記も新幹線ではE4系が最後。「Max」という列車名とともに、とても思い出に残るものになりました。

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臨時売店も大繁盛

また、4号車と5号車の間にあるデッキでは臨時売店が営業していました。既にMaxグッズは完売していたようですが、限られたスペースの中で多くの鉄道ファンが列をなし、お菓子や飲み物を買っていきます。

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車内で買い物ができるだけありがたい

私の番が回ってくる頃にはかなり品薄になってしまっていましたが、何とか柿の種をゲット。今や車内販売も絶滅寸前の状態という中で、車内で買い物ができるというのはとってもありがたい話です。

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高崎に停車

18:30に列車は大宮の次の停車駅である高崎へと到着。この時既にデッキにもかなりの人が溢れかえっていました。一部の都道府県で発出されていた緊急事態宣言が9月いっぱいで解除され、解除後初の週末ということもあって鉄道ファンでない一般の乗客の方も一定数乗車されていたように見えます。自由席も指定席も全く空席がないわけではありませんが、やはり相席するよりはデッキで立って過ごす方が密を避けられるというのはありそうです。

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一足早く役目を終えた公衆電話

そのデッキには、2階建ての複雑な構造を示した車内の案内図が貼られ、またその隣には現在使用停止となっている公衆電話が置かれています。Maxの車内にあるこうした一つひとつの「当たり前」がやがて姿を消していくと思うと寂しくもあります。

しかしそれが時代の流れなのです。過去を懐かしむことを否定はしませんが、過去に固執するだけでは時代の流れに乗り遅れてしまいます。目まぐるしく変わり続ける世の中、決して誰もが生きやすいとは言えない困難な時代ですが、ある一瞬の”とき”を大切にすると同時に、いかに生きやすい世の中を創っていくかは私たち一人ひとりの手にかかっているように感じます。

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一度は廃止された

何よりも今まさに乗車しているこの「Maxとき」そのものが、それを体現しているように思います。というのも、1994年にE4系の前身となる2階建て新幹線「E1系」により運行開始されたMaxときですが、1997年に一度「とき」とともに列車愛称としては廃止されています。しかし地元からは新潟の象徴とも言える「とき」の愛称を復活させてほしいという要望が根強く、それまでの「あさひ」「Maxあさひ」に代わり5年後の2002年に「とき」「Maxとき」は新潟発着の新幹線として奇跡の復活を遂げ、今日に至ります。

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時代の流れには逆らえないけど…

今回のE4系の廃止は、新幹線の主目的が「大量輸送」から「高速走行」へと変化したことを如実に表す出来事でもあり、大きな時代の転換点であることは間違いありません。

時代の流れには逆らえないので、今後2階建て新幹線が復活する可能性はもしかするとかなり低いでしょう。しかし、平屋建ての新幹線を愛することはこれからの自分たちにもできるはずです。今回の私のMaxとき下りラストランへの乗車は「今あるものを愛する」という姿勢を忘れないでいたいと思える、そんな1時間15分となりました。

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さらに北を目指す

18:55、列車は定刻通りに越後湯沢へと到着。ここでもたくさんの人に見送られながら、終点新潟を目指して発車していきました。本当は私も終点まで乗りたかったですが、最後に窓側指定席から1階の臨場感ある眺めを楽しめただけでも満足です。

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越後湯沢改札内のメッセージコーナー

越後湯沢駅の新幹線改札内には、ラストランに向けて乗客が思い思いのメッセージを付箋に書いて貼れるコーナーも設けられていました。眺めているだけでもMaxへの熱い思いがたっぷり伝わってきます。

 

というわけで、Maxとき下りラストランの模様をお届けしてきました。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。