わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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高崎線・川越線・外房線が数分差で同じホームに!? カオスを極めた横須賀線「武蔵小杉駅」のご紹介

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、神奈川県川崎市にある「武蔵小杉」という駅についてご紹介しようと思います。

撮影に行ったのがもう半年近く前なので真夏の画像を使用していますが、本記事を通じて少しでも「武蔵小杉の凄さ、面白さ」に気づいてもらえたら嬉しいです!

 

2020年8月28日(金)

みなさんは「武蔵小杉」という駅をご存じでしょうか。首都圏、特に東京や神奈川にお住まいであれば知っている、利用したことがあるという方も少なくないと思います。

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武蔵小杉駅周辺図(Yahoo!地図データを元に作成)

武蔵小杉駅は神奈川県川崎市中原区にある駅で、JR東日本東急の2社が乗り入れています。JRでは大きく分けて「南武線」と「横須賀線」の2路線が乗り入れ、東急では「東横線」「目黒線」の2路線が乗り入れます。近くに東海道新幹線の線路がありますが、新幹線は停車しません。

これだけ聞くと、乗り入れ路線が多いとはいえよくある「主要駅」の一つに過ぎないのではないか、と思うかもしれません。

しかし、実際に行ってみるとそう単純な話でもなさそうなのです。

上記の地図をご覧ください。画面右下から左へかけて大きく左カーブを描く縞模様の路線が「南武線」です。南武線武蔵小杉駅は地上ホーム2面2線の対向式ホームで、1番線が川崎方面、2番線が立川方面となります。これは特に不思議なことではありません。

続いて画面中央やや左寄り、まっすぐ斜めに走る細い線が「東急東横線東急目黒線」です。この区間では方向別複々線となっていて並走しており、武蔵小杉駅では1・4番線が東横線、2・3番線が目黒線で島式ホームが2つ並ぶ2面4線のホームとなっています。1番線は東横線の横浜方面、2番線は目黒線の日吉方面、3番線は目黒線の目黒方面、4番線は東横線の渋谷方面となります。複数の地下鉄路線やその先の私鉄線とも相互直通運転を行っているため非常に複雑ではありますが、今回取り上げたいのはこの東急のホームではありません。

今回取り上げたいのは、混沌を極める「横須賀線ホーム」なのです。

画面中央やや下、えんじ色に塗られた平行四辺形の右下にあるホームが「横須賀線」です。東海道新幹線と並走し、大きく右にカーブを描いて多摩川を渡ります。ここはJRの3・4番線として割り振られており、2010年にできたばかりの新しい高架ホームとなっています。それまで新川崎西大井駅間には途中駅がなかったのですが、昨今の再開発に伴い武蔵小杉駅周辺の人口が急増したことをうけてホームが設置されました。こうした歴史的経緯から、横須賀線ホームは他のホームよりもやや離れた位置にあります。

3番線は横浜方面、4番線は東京方面です。しかしこの高架ホームには、実際には横須賀線のみならず、他にも実にさまざまな列車・路線が乗り入れカオスな状態となっているのです…。

というわけで実際に行ってきた際の画像とともに、詳しくご説明していきます。

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情報量がなかなか多い

まずはこの高架ホームの駅名標を見てみます。上り方面は「西大井」、そして下り方面は「新川崎」と「羽沢横浜国大」の二手にわかれているということがこの駅名標からよくわかります。

この武蔵小杉駅JR高架ホーム3・4番線には「横須賀線」「湘南新宿ライン」「相鉄・JR直通線」の3路線が発着します。いずれの路線でもすべての列車が必ず停車し、ほとんどの列車が短くても10両、長ければ15両の列車が高頻度で発着するホームとなっています。

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主力車両はE217系

1980年のSM分離によって横須賀線は川崎経由から品鶴線経由となり、現在のような運行系統となりました。運行系統上の「横須賀線」は東京~久里浜駅間のみですが、実際には東京より先で多くの列車が「総武線快速」へと直通し千葉方面へと向かいます。また、さらに一部の列車は千葉より先、「外房線」「内房線」「成田線」「鹿島線」に直通するものもあり、千葉より先はいくつも枝分かれしていくのです。15両か11両での運行で、全列車にグリーン車が2両ずつ連結されています。

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湘南新宿ラインもかなりややこしい

2001年には湘南新宿ラインが開業。これは東海道線横須賀線高崎線宇都宮線を新宿経由で直通する運行系統で、湘南色E231系E233系が使用されています。全列車が首都圏の南北を縦断するロングラン列車となっており、武蔵小杉駅では「普通」「快速」「特別快速」のいずれも必ず停車します。こちらは15両または10両での運行で、やはり全列車に2両ずつグリーン車が連結されています。

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「複雑」な駅が「超複雑」に

これだけでもかなり複雑なのですが、これに輪をかけてさらに複雑にしたのが2019年に開業した「相鉄・JR直通線」です。これは相鉄線の海老名から埼京線の新宿を結ぶ運行系統で、一部列車は新宿以北へも乗り入れます。横浜羽沢貨物駅に隣接して造られた「羽沢横浜国大駅」を境に運行事業者が変わり、羽沢横浜国大~武蔵小杉駅間はJRの貨物線を経由して運行されています。同区間では約15分間全列車がノンストップで運行され、途中に停車駅がありません。相鉄12000系・20000系または埼京線233系が使用され、全列車が10両編成でグリーン車は連結されていません。

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情報量が多いいいいい

…と、首都圏の鉄道に詳しくない人にとってはここまでの説明で既に情報過多で「なんのこっちゃ」状態だと思うのですが、それでは肝心の発車標を見てみることとしましょう。

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千葉県に混じって埼玉県

平日朝7時台の、上りホームがこちら。さすがに「横須賀線ホーム」と呼ばれるだけあって、横須賀線の列車が割合的には最も多いわけですが、しかし驚くべき運転間隔ですよね。朝ラッシュということで、7:26発の千葉行、7:29発の武蔵浦和行、7:31発の津田沼行が立て続けに発車していきます。横須賀線が5分差というだけでもなかなかの高頻度運転ですが、その間に埼京線直通を入れ込んでしまうという秒刻みのダイヤが実現しています。ちなみに横須賀線は横浜方面からの列車ですが、埼京線直通は横浜駅を通らず相鉄線海老名方面からの直通列車で、ここ武蔵小杉で初めて合流するわけですから、少しでもどれかが遅れればこの緻密なダイヤは崩壊することになります。

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さすがの混雑

平日朝なので主に4番線(上りホーム)が混雑しているわけですが、3番線(下りホーム)も一大ターミナルの横浜駅へと向かう列車が発着するわけですからそこそこ混んでいます。ほぼ常時、上り下りどちらかのホームで接近アナウンスが流れているような状態です。

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こっちもワケわかんない

下りホームもかなり混沌を極めております。まず7:37発の大船行と7:44発の久里浜行はどちらも「15両」で、大船まで同じ所要時分で各駅に停車をしていきますが、大船行は「湘南新宿ライン」、久里浜行は「横須賀線」なので、同じ15両編成でもグリーン車の停車位置が異なります。また久里浜行の2分後に続行する海老名行は相鉄線直通の列車なので横浜方面へは向かわず、ここ武蔵小杉を出ると15分間ノンストップとなります。また「相鉄線内特急」と書いてあるので羽沢横浜国大、西谷、二俣川、大和、海老名以外は通過となります。7:37発と7:46発は新宿方面からの列車で、その間にある7:44発は東京方面からの列車ということになります。

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合間にはライナーも通過

こんなにも混沌とした中ですが、何とこのホームでは平日朝の時間帯に運行される「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」も通過していきます。列車によっては川崎経由のものもありますので全てのライナーが武蔵小杉を通過するわけではないのですが、国鉄時代から続く185系の通過を見ることができるというわけです。

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うかうかしてると一気にカオス度が高まった

そして湘南ライナーの通過した上りホームは、さらに混沌を極めていました。現在表示されているのは7:43発、7:45発、7:48発です。いやぁここまで高頻度の運転間隔ってJRではなかなか珍しい気がします。

先発7:43発の津田沼行は横須賀線なので、横浜方面からやってきて東京方面へと向かう列車です。その2分後にやってくる高崎行は湘南新宿ラインなので、横浜方面からやってきて新宿方面へと向かう列車です。そのさらに3分後、大宮行は埼京線直通列車なので横浜方面ではなく相鉄線海老名方面からやってきて、新宿方面へと向かいます。7:45発と7:48発はどちらも新宿・大宮方面行ですが、途中池袋~大宮駅間は運行ルートが異なり、また7:45発が通過する西大井駅に7:48発は停車するなど、この発車標からは読み取れない両者の違いがたくさんあります。湘南新宿ラインは大宮駅地上ホーム発着ですが、埼京線は大宮駅地下ホーム発着ですので注意しましょう。

7:45発にはグリーン車が連結されていますが、7:48発には連結されていないため、グリーン券を所持して新宿方面に向かいたい場合は7:45発に乗車する必要があります。もっとも、この平日朝のラッシュ時間帯に武蔵小杉から座れるとは到底思えませんが。

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215系も通過

先ほどの185系湘南ライナーに続いて、今度は215系のライナーも通過していきました。通過とはいっても前後に列車が詰まっているので、たいしてスピードが出ているわけでもありませんが。東京方面行なのか新宿方面行なのかまではちょっとわかりかねます。

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究極の3列車

そしてさらに少し待ってみると、上りホームはご覧のような表示に。8:21発は湘南新宿ライン高崎線直通の快速高崎行、その2分後に出る8:23発は埼京線川越線直通の川越行、その3分後に出る8:26発は総武線快速外房線直通の上総一ノ宮行です。これら3本が同じホームから出ていくの、なかなかにヤバすぎませんかね?

 この画像をツイートしたらややバズったのを今でも覚えています。

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乗車位置案内もカラフル

これだけたくさんの運転系統が乗り入れるホームですから、足元を見てみるとかなり乗車位置目標もカラフルです。上りホームでは「湘南新宿ライン」と「埼京線直通」が同じ整列位置になっていますが、これはどちらも同じ「新宿方面行」だからでしょう。また下りホームでは、「サフィール踊り子」や「踊り子」の乗車位置目標も貼られていました。

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ホーム新設工事中

そんな武蔵小杉駅高架ホームは、現行の島式1面2線のみでは人を捌ききれないということで、現在下りホームの新設工事が進められています。おそらく現在の3番線はフェンスか壁でも立てて乗降不可とし、東側に下りホームを新設することで下り列車の乗降はそちらから行うということかと思います。実現すれば現在の京急線横浜駅のような構造になるのでしょう。上り下りが同じ一つの島で発着する光景はもう数年で見納めとなりますから、早いうちに記録してみてはいかがでしょうか。

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時代は「○○線直通」

ということで、今回は混沌を極める武蔵小杉駅の様子をご紹介しました。どことなく名鉄名古屋駅に近いものを感じるのですが、名古屋のみなさんどうでしょうか。いやそれでも名駅には及ばないのかもしれませんが…。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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