みなさんこんにちは! わたかわです。
少し間が空いてしまったのですが、今回は「#鉄道最速日本縦断2020」の続編で、いよいよ東京から西に進んでいきます。
改めてどういう企画だったか軽くご説明すると、これはJR最北端「稚内駅」からJR最南端「西大山駅」まで鉄道のみを利用した最速の乗り継ぎルートで向かうというもので、前回までに稚内から特急・新幹線を乗り継いで東京へとやってきていました。
前回の記事は以下のリンクからご覧いただけます!
今回の記事は、全行程の折り返し地点となる東京駅からスタートします。
10月15日(木)
稚内から特急〔サロベツ〕〔ライラック〕〔北斗〕、そして東北・北海道新幹線〔はやぶさ〕の4本を乗り継いで移動すること約14時間、いよいよ旅の折り返し地点となる東京駅にやってきました。稚内から西大山までの距離は3,080km、所要時間は約29時間ですから、時間的にも距離的にもこの東京駅がちょうど中間地点となるのです。
東京駅には20:32に到着したため、1時間半ほどの乗り継ぎ時間がありました。そこでここまでの旅の疲れを癒すべく、中央線で御茶ノ水へと移動し「RAKU SPA 1010」でリフレッシュしてきました。
それにしても、東京というのは本当に人が多いです。ここまでかなり長いこと北海道に滞在していて、基本的にどこへ行っても「あんまり人がいない」という光景に見慣れていたこの時の私にとっては、このスーパー銭湯でのあまりの人の多さには本当に驚かされました。
これが”東京”かぁ~って感じですよね。まぁ普段から神奈川を拠点にしている私にとっては、この東京も含め「首都圏」はとっても身近なわけです。しかし今回はこの東京で旅が終わるのではなくて、あくまでも通過点、中間地点でしかありません。今ここから横浜方面に向かう普通列車へと乗車すればすぐにでも自宅へと帰れるわけですが、そんなことをしてしまっては企画崩壊ですし、ここまで最速ルートで乗り継いできたという実績が水の泡になってしまいます。
というわけで、東京駅に戻り、いよいよ後半戦がスタート。
今回乗車するのは、東京22:00発の寝台特急〔サンライズ瀬戸・出雲〕高松・出雲市行です。鉄道ファンにとっては今さら説明するまでもない、おなじみの列車ですよね。日本で唯一の定期夜行列車、定期寝台特急として、今も毎日東京~四国・山陰間を結んでいます。
東京から先は東海道・山陽新幹線を利用して西に進むのが最速ルートかと思うじゃないですか? でも実際はこのようになっているのです▼
【①新幹線のみを乗り継ぐ最速ルート】
東京20:51発→(のぞみ115号)→新大阪23:21着/6:00発→(みずほ601号)→鹿児島中央9:46着
【②寝台特急を用いる最速ルート】
東京22:00発→(サンライズ瀬戸・出雲)→岡山6:27着/6:51発→(みずほ601号)→鹿児島中央9:46着
というわけで、①ももちろん不可能ではないのですが、新幹線のみのルートでは新大阪の滞在時間が約6時間半となり、深夜23時過ぎにホテルへチェックインし翌朝6時の新幹線に間に合うように起床するのはなかなかハードだと考え、それならば東京からサンライズに乗っても岡山で同じ新幹線に乗り継げることは変わらないので、今回はサンライズを選択しました。
ホームに上がると、既にサンライズは入線しておりました! これがサンライズとして使われる寝台電車「285系」です。前7両が〔サンライズ瀬戸〕高松行、後7両が〔サンライズ出雲〕出雲市行として、東京~岡山駅間では14両編成で運行されます。
東京駅での発車番線は9番線、東海道線のホームからとなります。かつては7~10番線の2面4線がすべて東海道線下り列車の発着ホームでしたが、2015年の上野東京ライン開業に伴い7・8番線は高崎線・宇都宮線・常磐線方面行のホームとなってしまいました。しかし9・10番線は今でも変わらず東海道線の下り列車が発車するホームとして使われているため、ホーム上の発車標も2015年以前からずっと同じものが使われているようです。
今回は岡山までの乗車なので瀬戸号・出雲号どちらでもよかったのですが、瀬戸号のシングルに乗車。出雲号のシングルが何と平日にも関わらず満席とのことでした…! そんなことってあるんですね…(笑)。
さっそく部屋に入り、息つく間もなく22:00になったところで列車は東京駅を出発。これから長い長い東海道・山陽の夜が始まります。
サンライズの編成中で最も部屋数の多い「シングル」は2階建てとなっており、2階部屋と1階部屋があります。またわずかながら車端部の連結付近には平屋の部屋もあるようですが、今回は2階の部屋を予約。仕事帰りのサラリーマンで混雑する駅のホームを斜め上から見下ろす恰好となります(笑)。
いやぁそれにしても、部屋に入ってまず何よりも感じたのは、「座れる以外の方法で移動できることがこんなにも幸せなんだ」ということです。稚内から東京まで、当たり前ですが特急も新幹線もすべて「座席」です。これは言うまでもないことで、長時間の乗車でも疲れにくいように設計されているはずです。
しかし、とはいっても14時間もの間列車で移動することなど想定されていないわけです。東京駅到着時点で、私のお尻は既に痛みの限界を突破していたわけですが、このサンライズで初めて「座って移動」ではなく「寝転んで移動」ができることに至福の幸せを感じました。
サンライズには、この「シングル」よりもさらに安く乗れる「ノビノビ座席」というのがあるわけで、あちらなら寝台料金が不要なのでシングルよりも7,000円ほど安い値段で乗ることができます。大学生ということで、決して金銭的に余裕があるわけではないですから、ノビノビ座席に乗ろうかとも考えたのですが、この時点での疲労を考慮しシングルを取っておいて大正解でした。シングルならふかふかのベッドで寝転べるし、鍵が付いた個室なのでプライバシーも確保できます。
この列車の岡山までの停車駅は、横浜、熱海、沼津、富士、静岡、浜松、姫路です。名古屋や京阪神は深夜帯にあたるため客扱いを行わず、浜松から姫路まで約4時間ドアが開かないのが特徴的です。
シングルは乗車券+特急券+寝台券を所持することで乗車でき、個室寝台ということで扉にはしっかりと暗証番号式の鍵がかかります。部屋は物凄く広いというわけではありませんが、十分な大きさのベッドと掛布団、枕、目覚まし時計、コンセントが備わっています。また、アメニティの類ではナイトウェア、コップ、スリッパが寝台料金に含まれています。歯ブラシやタオル、その他のアメニティはシングルでは備わっていないので、事前に準備して乗り込む必要がありますが、まぁそれでもこれほどいろいろついているのは本当にありがたい。今のこの数行に書いた設備やアメニティは、ほとんどノビノビ座席には備わっていないですからね。やっぱり寝台料金7,700円を払うだけの価値はあります。
夕食は既に新幹線の中で食べているので、サンライズの車内ではひとり晩酌タイムへと突入します。東京駅のNewDaysで慌てて買ったハイボールとおつまみを片手に、夜の東海道を疾走します。いやぁこんなにものんびりとくつろげるのは、さすが寝台列車といったところ。もちろん新幹線でもお酒とおつまみくらい楽しめますが、人目を気にせず思いに耽ることができるのは寝台個室ならではでしょう。
東京を出て20分余りで、列車は最初の停車駅となる横浜に到着。まさにここが私のホームタウンですから、まぁここからならすぐ家に帰れるじゃんという思いも沸き起こりつつ、もちろん降りたりはせずに引き続き乗車を続けます。
その後戸塚、大船、藤沢、平塚などの駅を順に通過していきます。外は真っ暗で、しかも一瞬で通過するのでよく車窓を見ていないとなかなか駅を通過したことに気づかないわけですが、しかしこうして壮大な旅の途中に馴染みの深い駅をいくつも通過するというのは何だか不思議な気分だったりします。あくまでも旅の道中なので決して降りることはできませんが、しかし見慣れた駅のホームがすぐ目の前にあるわけですから。
時刻は23時を過ぎ、列車は小田原付近を走行しているというところで、車掌さんから「おやすみ放送」が入りました。これより夜遅くの走行となるため、緊急時を除き岡山到着前までアナウンスは行わないとのことです。これより先も静岡県内でいくつかの停車がありますが、駅到着時でもアナウンスは入らないため、降り過ごしには注意が必要というわけです。
横浜を出てからさらに約1時間、23:21には熱海に到着。これより先はJR東日本からJR東海の区間へと入ります。夕方17時過ぎに新幹線で新青森駅を通り、JR東日本に突入してから約6時間。29時間のうちのほんの6時間だけですが、JR東日本様にはお世話になりました。
そして静かに熱海を出発。JR東海様には、これより約4時間ほどお世話になります。
次なる停車駅は、沼津です。向こうのホームにはJR東日本のE233系が停車しておりました。
まだ0時前ということで、普段ならもっと遅い時間まで夜ふかしをしているところですが、今回は疲れも溜まっているので早めに就寝することにしました。ナイトウェアに着替え、ふっかふかの布団にくるまります。おやすみなさい。
10月16日(金)
朝5時過ぎ、窓の外から差し込む眩しい光で目が覚めました。
眠い目をこすりながらブラインドを開けてみると、そこは紛れもなく兵庫県の姫路駅。いや~はるばるこんなところまでやってきたんだなと思わずにはいられません。
朝一番の停車駅となる姫路駅ですが、ここでも到着の車内放送は流れないため、もし降りる予定の場合は注意が必要です。この姫路でどれくらいの人が降りたのかはわかりませんでしたが、朝の始発列車が動き出す時間帯なのでホームにはそこそこ人がいました。
その後二度寝などしているうちに、外はすっかり明るくなり、列車は高速で姫路~岡山駅間を走行中。この辺りは山陽”本線”ではあるものの、峠越えの区間となり列車本数が大幅に減る駅間もあります。
そして車窓には、次第にマンションやその他の建物が増えてきました。まもなく岡山となります。着替えて荷物をまとめ、降車の支度をすませます。7時間ぶりくらいの車内放送では、各方面への乗換案内をしていました。
そして東京を出てから約8時間半、6:27に列車は岡山駅へと到着です!
新幹線なら東京から3時間20分程度で行ける距離ですが、寝台列車で行くのも悪くないですよ~!
岡山駅にて瀬戸号と出雲号が切り離しを行います。前方の瀬戸号から先に発車、続いて数分差で出雲号も発車していくことになります。少しでも寝坊や降り過ごしのリスクがある人は岡山までの乗車であっても出雲号に乗った方が良いでしょうが…まぁあんまり変わらないですかね(笑)。
一応、岡山の恒例儀式「切り離し」も見届けておきます。なお、先に発車する瀬戸号は切り離しと同時にそのまま発車となり、この先も引き続き瀬戸号に乗車する場合は切り離しを見届けることができないのでご注意ください。
岡山駅では、少し時間があったので、他のホームも見てみることに。
山陽本線、赤穂線、宇野線、伯備線、瀬戸大橋線、津山線、吉備線と、在来線だけでも多数の路線が乗り入れる一大ターミナル駅である岡山では、各ホームから実にバラエティ豊かな列車が発車していきます。瀬戸大橋線の快速〔マリンライナー〕などは比較的新しめの車両ですが、一方で国鉄時代からずっと現役で活躍しているであろう昔ながらの気動車まで、本当に見ていて飽きません。
そして、このタイミングで稚内を出発してからちょうど24時間が経過しました。24時間ほとんど同じ場所に留まって休憩することなく、ぶっ続けで鉄道に乗り続けるという経験はなかなかないもので、どこからどこまでが1日なのかがわからなくなってきます。サンライズでしっかりぐっすり眠れたので体力は復活しているのですが、やはり一晩経っても前日のお尻の痛みが完全になくなってはいないというのが少々不安です。
ゴールの西大山まではあと約5時間、もうひと踏ん張りです!
続きは後日ご紹介します。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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