わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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常磐線9年ぶり全線運転再開! 奇跡の復活を果たした「仙台ひたち」に全区間乗車【2020-12鉄道トレンド旅2】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

「2020鉄道トレンド旅」第2弾は、今年3月に全線で運転を再開した常磐線を全区間走破する通称「仙台ひたち」に乗ってきた様子をご紹介します!

 

12月9日(水)

さて、今回やってきたのは東京の上野駅。かつて東北・上信越・北陸の各方面へ多数の長距離列車が発着した「北の玄関口」です。

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上野駅といえば広小路口

今回はここから、常磐線経由で仙台まで運行される在来線の特急〔ひたち3号〕に乗車していきます!!

2020年の鉄道界でもひときわ大きな話題となった、3月14日の常磐線全線運転再開。2011年の東日本大震災およびそれに伴う福島第一原発事故の影響で、長らく一部区間が不通状態となっていましたが、今年9年ぶりに運転を再開し、東京都心~仙台駅間を直通する特急列車の運行も復活したのです。

東京から仙台へ移動する際、ほとんどの人は東北新幹線を使うと思います。しかし、この特急「ひたち号」は東北本線経由ではなく常磐線経由。つまり、茨城県内や福島県浜通りの需要を拾いながら、東京と仙台を結びます。全区間を通しで利用することが想定されているというよりは、東京都心⇔茨城⇔福島浜通り⇔仙台の各地域相互間での利用が想定された列車となっています。

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「仙台」の文字が輝かしい

改札をくぐり、発車標を見上げます。常磐線の特急といえば、大半は「いわき」か「勝田」ですが、その中に一つとんでもない行先が混じってますね(笑)。上野9:30発までは上野始発で運行されるということで、私が今回乗車する上野8:00発の特急〔ひたち3号〕仙台行も上野始発となっています。

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特急専用ホーム仕様の駅名標

この9年の間に、常磐線の特急は大きく様変わりしました。2013年には、それまでの651系に代わり新型車両E657系が導入され、程なくして651系常磐線特急から引退。2015年には上野東京ラインの開業により、多くの特急列車が東京・品川へと乗り入れるようになりました。また、かつて列車名は〔スーパーひたち〕〔フレッシュひたち〕でしたが、2015年の品川乗り入れに合わせ〔ひたち〕〔ときわ〕へと一新されました。

2020年3月14日、東京都心と仙台を1日3往復する通称”仙台ひたち”が設定されましたが、そのうち2.5往復は品川発着となっています。つまりこの朝の下り1本のみが、かつての「ロングランスーパーひたち」の面影を残す「上野発仙台行」となっているのです。

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今回も17番線からの発車!

ひたち3号は、上野駅17番線からの発車となります。13~17番線は、終着駅の趣を残す頭端式のホームで、スーパーひたち・フレッシュひたちが発着していた時代には中間改札があり、ここで特急券の検札を受けることでホームへ立ち入れるようになっていました。

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堂々10両編成で仙台へ

常磐特急に使用されるE657系は、10両の固定編成ということで、上野から仙台の全区間が10両編成にて運行されます。震災前の仙台直通の際は、上野~いわき駅間を11両編成で運行して、その先は基本編成7両を切り離し付属編成4両のみで仙台まで向かっていたようですので、震災前と比べてもかなりの輸送力を保ったまま仙台まで向かうことになります。

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本当はもう存在していないはずだった

側面の行先表示器にはしっかりと「仙台」の文字が刻まれています。実は元々、震災がなければ2012年の秋をめどに常磐線特急はいわきで運転系統が分割される計画が進められており、スーパーひたちの運行区間を上野~いわき駅間のみとして、いわき~仙台駅間ではE653系を使用した別の特急を新たに設定する予定でした。しかし2011年の震災の影響で常磐線浜通り区間が不通となったことでこの「いわき~仙台駅間の特急」の計画は白紙となり、ここで使用されるはずだったE653系は2015年の北陸新幹線開業にあわせ新潟地区でデビューした特急〔しらゆき〕に使用されることになりました。

その後、2020年春に常磐線が全線で運転再開するとなった際、元々の2012年秋の計画もあって、「東京都心~仙台駅間直通の特急が復活することはないだろう」と誰もが考えていたところ、JR東日本から1日3往復の東京都心~仙台直通特急の復活が発表され、いわば「奇跡の復活」ともなったわけです。

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いよいよ乗車!

それでは、前置きがかなり長くなりましたが、いよいよ乗車していきます! ホーム上でのアナウンスで、駅員さんが「17番線の列車は、常磐線回りの特別急行ひたち3号、仙台行です」 と案内していたのがめちゃくちゃアツかったです!! 

上野駅地平ホームを、定刻通り8:00に出発。仙台までの所要時間は約4時間半となっています。

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黒いモケットが特徴的な車内

今回は普通車に乗車中。常磐線特急は2015年より全車指定席での運行となっており、座席上方のランプが緑色になっていればその座席が発売済みとなっていることを示します。黒いモケットで大人な雰囲気を漂わせる車内は、平日の朝ということもあってビジネス客が多いように見えます。満席というほどではないですが、窓側は大半が埋まっているように見えました。主に茨城方面への出張等での利用が大部分を占めるということかと思います。おそらく終点仙台まで利用するのは私くらいかな…なんて思ったりします。

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スカイツリーも見える!

列車は鶯谷、日暮里と通過し、日暮里から大きく右にカーブを描き常磐線へと入っていきます。この辺りは南千住、北千住、松戸といった乗降客数の多い駅が連続しますが、そこはやはり「特別急行」ということで一気に通過していきます。

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我孫子車両基地?も通過

ひたち3号は上野を出ると、柏、土浦、水戸、勝田、常陸多賀、日立、磯原、泉、湯本、いわき、広野、富岡、大野、双葉、浪江、原ノ町、相馬と停車して仙台へ至ります。列車によっては上野~水戸駅間ノンストップのひたちもありますから、水戸までの間に柏と土浦に停車するのはやや停車駅多めといえるかもしれませんが、特に柏からはかなりの乗車がありました。

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土浦を発車

上野~水戸駅間では、一部区間で最高時速130kmを出して走るということで、何とも素晴らしい走りを見せてくれました! これまで当該区間を利用する際は普通列車がほとんどだったので細かく停車していっててとても長く疲れるという印象でしたが、特急ならとってもらくちんですね(笑)。当たり前ですが。

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茨城県の中心に到着

9:18に、列車は途中の水戸駅へと到着。言わずもがな県庁所在地ということで、やはりここで多くの人が降りていきました。また少しばかり乗車もありましたが、ここから乗る人は仙台まで利用するのか…? 可能性はあると思います。

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勝田にもすべての列車が停車する

水戸駅を定刻通り発車し、列車はさらに北を目指します。程なくして次の勝田駅にも停車。ここは水戸市のお隣、ひたちなか市の中心だったかと思いますが、なぜ勝田駅にもすべての特急が停車するのかは以前からちょっと不思議に思ったりします。〔ときわ〕についてはほとんどがこの勝田駅を終着駅としており、これより先は特急の本数が半減します。

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一瞬海も見える!

茨城県北部では、常磐線の線路がわりかし海沿いを走る区間も多く、車窓からはオーシャンビューも楽しめるようになります! 日立や磯原といったいくつかの駅に停車していきますが、意外にもびっくりしたのは、高萩は通過なんですね。もちろん時間帯によっては停車するものもあるでしょうが。

大津港を過ぎると、列車は福島県へと入っていきます。勿来の辺りで再び海を眺めながら、さらに北上していきます。

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ハワイアンズの最寄駅

泉や湯本といった駅には、すべての特急が停車するようです。湯本駅といえば「スパリゾートハワイアンズ」の最寄駅のようですが、湯本駅で二次交通への乗り換えが必要なことを考えると、わざわざ特急で行く人はどれくらいいるのでしょうか…東京都心から直通のバスの方が便利ですもんね。

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ついに特急復活区間へ…

上野を出てから2時間あまり、10:23に列車は福島県いわき駅に到着。これより先が、いよいよ特急としての運行が復活した区間となります。現在でも大半のひたち号がいわきどまりですが、この列車は上野からの10両という輸送力をしっかり保ったまま、福島浜通りへと突入していきます。車内販売の営業はこのいわきまでとなっています。

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広野駅に停車

いわきを出ると、次の停車駅は広野となります。この辺りは海に近いのはもちろんですが、鉄道の復旧自体は比較的早かったように記憶しています。駅の東側には、最近新しくできたと思われる建物がいくつか確認できます。

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晴れてきた!

列車は比較的海に近い場所をずっと走っていきます。車窓右手を見てみると、だんだんと雲が晴れてきて海が綺麗に見えてきました! 線路の東側は海までほとんど遮るものがなく、田園風景といった様子ですが、震災前からこのような景色だったのかは気になります。もしかすると震災前はもっと民家やら建物があって、津波で流された後は更地のまま…なんてこともあるのかもしれません。余所者の私には確かなことはわからないので明言は避けますが。

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富岡~浪江駅間が最後の復旧区間

そして列車は広野の次、富岡にも停車。これより突入する富岡~浪江駅間放射線量が特に高く、2020年3月13日まで不通区間として残っていた部分になります。朝晩は同区間代行バスが走っていましたが、途中の町にはノンストップで、走行中はバスの窓を決して開けないよう厳重な警告がありました。現在では特急でも途中の大野、双葉に停車します。

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大野駅(わかりにくいですが)

富岡を出てさらに数分すると、大野駅に到着。ここは1面1線の駅ですが、すべての特急が停車します。2020年3月の鉄道復旧にあわせ、震災前よりもだいぶ駅の設備が簡素化されたように見えますが、しっかり10両編成の特急がホームに収まる姿は圧巻です。駅前のロータリーのすぐ脇には帰還困難区域への立入禁止を示す看板が見え、未だ復興は道半ばであると痛感させられます。

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廃線跡が緊急用の道路に?

そしてふと窓の外を見ると、線路にぴったり沿うように道路ができています。これはかつて使われていた上りの線路を剥がして道路としているもので、線路上を走る列車に何かあった際に緊急車両が通れるようにということでこのような仕様になっています。震災前は複線でしたが、現在この原発に近いエリアの線路は単線での運行となっており、このひたち3号もこの後の桃内駅運転停車をして対向列車との行き違いを行いました。おそらく、2020年春の運転再開に間に合わせるべく、取り急ぎJRが保有する線路沿いのわずかな敷地のみを除染したというところなのかなと思います。周辺一帯は今も放射線量が高い地域ですから、何かあった際に一般道では駆け付けられないのだろうと思います(間違っていたらすみません)。

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双葉駅には線路のないホームが

続いては双葉駅に停車。この辺りは本当に停車駅が多いですが、単線区間ということで駅舎側のホームにあったはずの線路は剥がされています。駅舎側のみをホームとして残せば階段のないバリアフリー構造となったはずですが、そのようにできなかった理由があるのでしょう。

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浪江は2年前に来訪

そして浪江駅にも停車していきます。この富岡、大野、双葉、浪江といった各駅は非常に近い距離にありますが、いずれの駅にもすべての特急が停車するということで、これこそが実は”仙台ひたち”復活の意図なのかもしれない、なんて思ったりします。この辺りの自治体は震災以降、急激な人口流出が続いており、除染が進んで自由な人の立ち入りができるようになった地区であっても未だに人の姿がなく閑散としているところが多いのが現実です。そうした町のひとつひとつへ、東京都心から直通する特急が1日3本出ているというのは決して小さいことではないはずです。観光にも、ビジネスにも、品川・東京・上野駅から乗り換えなしで行けるわけです。3時間ほどですから決して近いとはいえなくても、乗り換えなしで行けるのなら心理的に近いというのは感じるはず。今はコロナもあって積極的に東京からの人を呼び込むことは難しいのかもしれませんが、今後の観光PR等にも期待したいところです。

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かつては原ノ町発着のスーパーひたちもあった

続いては原ノ町駅に停車。ここはかなりの主要駅で、普通列車の運行系統はここを境に仙台方面といわき方面へと分かれています。いわき方面へはE531系が使われており、首都圏の常磐線と同じ車両ということでまだまだ東北は先なのかと勘違いしてしまいそうです(笑)。

震災前は、この原ノ町発着のスーパーひたちも設定されていました。2011年3月11日の14時46分、この原ノ町駅で発車を待つ始発の特急〔スーパーひたち50号〕上野行がありましたが、地震発生により車内にいた乗客は避難し、乗客の荷物が車内に残されたまま5年もの間原ノ町駅構内に留置されていました。2016年に車両は撤去され、解体されたようです。

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相馬駅が最後の停車駅

原ノ町を出ると、次の停車駅は相馬となります。ここが仙台に到着する前の最後の停車駅となり、相馬~仙台駅間は約40分間ノンストップとなります。1日1往復だけ、亘理と岩沼にも停車するひたち号があるようです。

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お昼ご飯たーいむ

相馬を出たところで、ようやくお昼ご飯です! 今回は上野駅売店で買った「東北復興弁当(1,200円)」です。震災からの復興の象徴ともいえる”仙台ひたち”に乗車しているということで、いつもより少し奮発しました(笑)。

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豪華なおかずの数々!

蓋を開けると、そこには東北の食材を使った豪華なおかずが何と20種類も! 聞いたことのない名前のおかずばかりだったので一つひとつじっくり味わいました。いやぁこれは贅沢、濃いめの味付けの者が多いのでお酒ともよく合いそうです。

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いよいよ宮城県

お弁当を味わっているうちに、気づけば列車は福島県を抜けて宮城県へと突入していました。新地・坂元・山下駅の辺りは震災後高架化され、ピッカピカの駅舎やホームが再建されたため、何だか新路線の様相を呈しております。この辺りも甚大な津波被害に見舞われたエリアですが、そこを再び東京都心からの特急が走っているというのは何とも驚くべき組み合わせです。

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いよいよ終点「仙台」へ

そして気づけば列車は岩沼で東北本線に合流し、車内のディスプレイには「まもなく終点仙台」の文字が。いやぁ何とも感動的というか、上野からずっと1本の在来線特急でここまでやってきたことが俄かには信じられない、謎の高揚感に包まれています。

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仙台駅のホームが見えてきた!

大きく右にカーブを描きながら、いよいよ杜の都・仙台へと入線していきます! たくさん並ぶ在来線地上ホームが、いかにもターミナル駅といった様子です。

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仙台駅にE657系が入線!

そして12:31、ついにひたち3号は終点の仙台駅に到着! 上野から4時間31分、距離にして何と363.5kmにも及ぶロングランとなりました。東海道本線でいうとほぼ東京~名古屋駅間の距離に匹敵することを考えれば、いかに壮大な距離かがわかります。

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ひとまず回送列車となる

この後、ここまでやってきたE657系はいったん回送となりどこかへ引き上げるようです。すぐに折り返し品川行の特急となることはないようで、上り特急まではまだ少し時間があるみたいです。

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時間がかかっても構わない

仙台には今まで何度か来ていますが、”仙台ひたち”で都心から4時間半というのが特に苦痛になることはありませんでした。新幹線の3倍もの時間をかけているわけですが、みなさんも是非一度乗ってみていただきたいです。今は1日3往復の運行体制が維持されていますが、今後利用者が低迷すれば減便や乗り入れ終了というのも十分考えられると思いますから、常磐線沿線に用事がある際は是非積極的に活用してみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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