みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は2020年9月18日(金)~21日(月)で出かけた京都旅行の第8弾記事ということで、「嵯峨野観光鉄道」についてご紹介していきます!
前回は京福電気鉄道(通称”嵐電”)について取り上げましたので、その記事は以下のリンクから是非ご覧ください!
2日目 2020年9月19日(土)②
さて、嵐電嵯峨駅から少し北に歩き、嵯峨野観光鉄道の「トロッコ嵯峨駅」へとやってきました。
今回乗車する「嵯峨野観光鉄道」とは、山陰本線の旧線を利用して1991年に開業したトロッコ路線です。運行区間はトロッコ嵯峨~トロッコ亀岡駅間7.3kmで、保津川に沿ってくねくねと曲がりながら走る観光専用の鉄道路線となっています。
嵐山と亀岡の間には「保津峡」と呼ばれる渓谷があり、京都市内からのアクセスの良さもあいまって行楽シーズンには多くの人で賑わいます。嵐山観光、保津川下り、そしてこの嵯峨野トロッコ乗車がこの周辺の目玉観光プランといっても過言ではないでしょう。
トロッコ嵯峨駅は、JR嵯峨野線の「嵯峨嵐山駅」に隣接していますが、駅舎としては別に設けられています。まずは窓口にて、トロッコ列車の乗車券を購入します。
列車は毎時1本で運行されており、全車指定席となっています。予め列車号数・座席指定を受けて乗車券が発券されるということになります。往復で乗車するという人も多いですが、今回私は片道のみの乗車。運賃は630円となっています。
乗車券はトロッコの駅窓口のほか、JR西日本の一部の駅および「e5489」でも購入できるようですが、その場合はマルス券にて発券されるようです。一方でトロッコ駅の窓口で購入すれば、現地でしか手に入らない地紋の乗車券で発券してもらえます。
ほどなくして、改札開始。券面にもある通り、今回はトロッコ嵯峨10:02発の〔嵯峨野3号〕に乗車していきます。ホームが非常に狭いため、号車ごとに改札開始時刻が異なります。
そしていよいよ入線! 列車はトロッコ亀岡方面から機関車を先頭にしてやってきました。4連休の初日ということもあって、ホーム上は家族連れや旅行客で大賑わい。鉄道ファンというよりは幅広い年代・世代の方々が集まっているように見えます。
新型コロナの影響で長らく観光地では閑古鳥が鳴いていましたが、この4連休はついに観光地がコロナ禍前の「連休らしい」賑わいを取り戻したということで、SNS・ネットやテレビでも大きな話題となりました。嵯峨野トロッコについてもその御多分に洩れず、お盆のような賑わいでした。
機関車には「がんばろう!嵯峨・嵐山」の文字が書かれた秋らしいヘッドマーク。我が子の記念写真を撮ろうとする親御さんでかなり密に近い状態で、狭いということもあり危険なので滞在時間は最小限にしておきます。右に見えているホームはJRの嵯峨嵐山駅です。
客車は2種類あり、どちらも赤・オレンジ・黒を基調とした派手派手なデザインが特徴です。左側が「リッチ」と呼ばれる特別車両で、窓ガラスが無く足元もスキマの空いた造りになっていますが、今回は右側の普通車両に乗ります。こちらは窓もありますが、感染対策として換気のため窓を開けているので、こちらでも音や風は味わえます。
それではいよいよ、トロッコ嵯峨駅を出発です!
車内はほぼ満員で、みなさんしっかりとマスクを着用しています。座席はボックスシートになっているので、2人以上のカップル・友人・家族連れで乗るならまだしも、私のようなおひとりさまにはなかなかハードルが高い…(笑)。ちょうど私の区画には自分と同年代くらいのカップルが乗っていたので、そういう意味ではかなり羨ましかったです。
トロッコ嵯峨駅を出ると、「トロッコ嵐山」「トロッコ保津峡」と2つの駅に停車して、トロッコ亀岡へと向かいます。所要時間は約20分。次のトロッコ嵐山までは沿線に住宅や建物の多い区間となります。何とここでは、数分程度ですがいったん嵯峨野トロッコが専用線ではなく現役のJR山陰本線の線路へと入線するのです!
京都~亀岡・園部駅間を結ぶ普通・快速列車のほか、城崎温泉・天橋立方面を結ぶ各種特急列車も高頻度で運行される区間ですから、1時間に1本とはいえトロッコ列車が入線するのはかなり凄いことなのでは!? と思います。線路の規格は旧線時代から変わっていないということなんですかね。それにしてもどちらかのダイヤが乱れればもう片方にも響くことは間違いないでしょうね。
しばらくすると、トロッコ嵐山駅へと到着。この駅からもわずかですが乗車があります。このトロッコ嵐山駅に入線する直前に、山陰本線の新線は右に分かれていくことになります。
トロッコ嵐山駅を出るとすぐに、進行方向左側の車窓に見えてくるのが保津川です! 嵯峨野トロッコ最大の目玉といえば、この保津川の渓谷の眺めでしょう。言葉巧みなアナウンスとともに、旧山陰本線の車窓を楽しむことができます。私は右側に座っていたので車窓は全然見えないのですが、程なくするとトロッコ列車が保津川を渡り、渓谷の眺めが車窓右側へと移ります。
保津川の眺めも最高で、この日は天気にも恵まれ最高の気分でした!
9月も下旬に差し掛かってきましたが、まだまだ夏と大して変わらない陽気です。
しばらくすると、トロッコ保津峡駅に到着。ここでも乗降が可能ですが、今回は乗車も下車もなかったようでした。
駅舎は簡素な造りで、ホームも1面1線。この場所は、まさにかつて山陰本線の保津峡駅があった場所ということで、おそらくホームもその当時のものなのかな…?と思います。現在の保津峡駅はかなり離れた場所へ移転されています。
トロッコ保津峡駅を発車し、いよいよ終点のトロッコ亀岡へと向かっていきます。車窓には何度かJR山陰本線の姿も見えますが、あちらは大半がトンネルとなっており、山の中をぶち抜く直線的な線形となっているのに対し、こちらトロッコが走る旧線は川の流れに沿ったくねくねとした線形で乗り心地もいまひとつといった印象です。しかし自分の今通っている線路が、かつて京都~山陰方面の大動脈であったことを考えると不思議な気持ちになります。
こちらの旧線にもいくつか短いトンネルはありますが、その多くは明治期に造られたものということでどれも歴史が古く、もう100年以上になることを思うと感慨深いです。
川幅は広いところも狭いところもありますが、トロッコ保津峡駅を過ぎるとだんだんと広い部分が多くなってくる印象です。ここまでくると、もうすぐ山間部を抜けて亀岡の市街地が近づいてきている証拠でしょう。
運が良ければ、保津川下りをしている人たちを見下ろすこともできます! 今回私は保津川下りについては行いませんが、おそらくトロッコに乗車している人の大多数がこの後体験したものと思われます。マルス券で乗車している人が多く、どうやら団体のツアーの方が多かったように見受けられました。
山をぶち抜くように敷かれた山陰本線の新線は何度見ても圧巻で、技術の進歩を感じずにはいられません。まぁこちらの旧線も1989年までJRが現役で使用していたと思うとそちらも驚きですが。ちなみに山陰本線の京都口はこれと同時に電化開業となったようですので、トロッコが走る旧線には電化設備はありません。
まもなく終点というところまで来ると、先ほどまでの山がちな地形が嘘のように、一気に車窓が開けます。川はどこへやら…といった感じですが、この車窓が見えてくればもう終点は間近です。
そしてトロッコ嵯峨駅を出てから23分で、終点のトロッコ亀岡駅に到着です!
こちらもホームは狭いため、すぐに駅舎の外に出てきました。
ここから多くの人は、保津川下りの船着き場へと向かうわけですが、私はJRに乗り換えるべく、嵯峨野線の馬堀駅まで歩いていきます。
トロッコ亀岡駅は、JRの亀岡駅からはかなり離れており、それよりも嵯峨野観光鉄道は公式にJR馬堀駅との乗換を推奨しています。徒歩10分の距離ですが、駅前部分以外はのどかな田園風景の中を歩いていきます。線路沿いをずっと歩いていくことになり、看板もところどころにあるので迷うことはないでしょう。
そして程なくすると、嵯峨野線の馬堀駅に到着。ここからはJRを利用して福知山方面に向かっていきますが、その前に一度反対方向の列車に乗車し、現在の保津峡駅も見に行ってみたいと思います!
馬堀駅は快速や特急こそ通過するものの、京都口の駅で比較的列車本数は多く、自動改札機や発車標に加えみどりの窓口もあって一通りの設備が揃った駅といえそうです。駅前にはかなりいろいろと建物も密集していますから、京都市内や亀岡への通勤通学需要も担っていそうです。
では、馬堀10:54発の京都行に乗り込みます。おなじみ221系4両編成、デビューからそれなりの年月が経っていますが、古さは感じません。
わずか4分ほどの乗車で、10:58に保津峡駅に到着!
保津峡駅といえば、京都市内にありながら全国屈指の秘境駅の一つとしても知られています。実は私も7年前に一度訪れたことがあるのですが、先日西園寺さんが動画で取り上げられていらっしゃるのを見て、改めて訪問したくなり、今回で2度目の訪問となります。
現在の保津峡駅は、山と山の間に挟まれた橋の上にホームがあり、2面2線の対向式ホームとなっています。特急や快速は通過で、停車するのは普通列車のみですが、その割にはホームが長いのも特徴の一つ。出口は亀岡側に1ヵ所のみなので、列車は亀岡寄りに停車します。
改札内エリア(?)はご覧のような感じ。京都方面へは改札をくぐってそのまま目の前の階段を上がるだけ、亀岡方面は一度階段を下りてホームの真下をくぐり、反対側へと渡ります。階段の手すりのところに「二条・京都方面」などと書かれていますが、錆びついてとてもじゃないけど読めません。
そしてこちらが駅舎の全景。もちろん無人駅です。駅舎というよりは、トレッキングコースの途中にある休憩所みたいな感じですかね…? ログハウス風なので、周りの風景とよく合っています。一つ隣の嵯峨嵐山駅や馬堀駅とは大違いですよ。
しかしそんな吹きさらしの駅舎でも、中には券売機と自動改札機が設置されています。ICカードエリア内ということで、改札機にはタッチする機械も内蔵されており、これはなかなか驚きです。ただ自動改札機といっても、「きっぷやICカードに入場記録をつけるための機械」というのに過ぎないので、何も持たずに突破しようと思えばできてしまう構造ですし、横からでもすり抜けることができてしまいます。もっとも、この周辺の駅はどこもしっかりと自動改札機のついた有人駅ですから、降りる駅で説明がつかなくなり、保津峡から来たのだとなれば正規の運賃が徴収されますけどね(笑)。
券売機も、他の駅で見るのとはだいぶ様式が異なりますが、ちゃんと他駅と同じ仕様の近距離きっぷを購入できます。磁気も内蔵され、そのまま目の前の改札機に通すことで入場記録がつくようになっています。
駅前には小さなロータリーがありますが、人気は全くなく、お店も民家もありません。
駅から少し山道を歩いていくと、保津峡駅を見渡せる場所があるということで、そこまで歩いてみることにしました。
いやぁ、改めて、この保津峡駅がいかにとんでもない場所に設置されているかを実感します。こんなところによくホームを造ったものだ…と思いましたが、前後をトンネルに挟まれているので逆にここにしか駅を設置できないということだと思われます。
山道をさらに歩いていくと、先ほど通過した「トロッコ保津峡駅」に着きますが、少し離れていて時間がないので、今回そこまで歩くのは諦め駅へ戻ります。
それでは、保津峡駅から11:18発の亀岡行に乗り込み、終点の亀岡へと向かいます! ホームに発車標はありませんが、列車が接近すると自動アナウンスのようなものは流れます。
車内はなかなかの混雑でしたが何とか着席でき、あっという間に山を抜けて馬堀へ。そしてその次の亀岡には11:25に到着。ここから先は特急に乗り換えます。
亀岡駅は特急・快速・普通とも全列車が停車する主要駅で、京都からやってくる普通列車はここ亀岡を終点とするケースが多いです。この先普通列車のみで福知山へと向かうこともできるのですが、時間がかかりすぎるので亀岡11:43発の特急〔きのさき5号〕城崎温泉行で一気に福知山へと向かいたいと思います!
車両は289系。JR西日本を代表する顔という印象が強いです。なかなかJR西の特急には乗ったことがないので、福知山までの約1時間の乗車を楽しんでいきたいと思います。
普段は4両編成で運行されるこの列車ですが、今回は4連休初日ということでさらに3両増結した7両編成での運行とのことでした。京都寄りから順に基本編成の1~4号車ですが、その前に増結5~7号車があるため先頭は7号車とのこと。両者の通り抜けはできますが、自由席が4・3号車のみであることに変わりはなく、増結編成には自由席はないようです。
自由席車両を見渡すと、何とほぼ満席なんですよねぇ。いやぁこれは驚きました。というか、連休の初日なのだからターミナル駅から観光地へと向かう列車の自由席が混んでいるのは当然の話なのですが、近ごろは新型コロナの影響もあってそのように大勢の人がある時期に一気に移動するという光景は久しく見ていなかったもので…。2019年から2020年にかけての年末年始以来、約9カ月ぶりかもしれません。
まぁ正確に言うと、全く空席が1つもなかったわけではなく、通路側であれば空いている席はちょこちょこあったのですが、こうしたご時世なので知らない人と相席することを厭う方もいらっしゃるかも…と思い、1時間をデッキで過ごすことにしました。いや、私自身は別に相席は構わないタイプなんですけどね。旅慣れている方であれば相席を嫌うという人はそこまで多くないでしょうが、こういう行楽シーズンだと普段旅をしない方も多く乗られますからね。
亀岡~福知山駅間の途中停車駅は、園部と綾部。特に園部~綾部駅間は長時間に渡り無停車となります。座席に座れば旅の非日常感を味わえるというものですが、まぁまぁ揺れるデッキでの1時間は暇で骨の折れる旅に。いや、これも連休らしいといえば連休らしいんですけどね。乗り慣れない特急でこのような立席乗車をすると案外疲れるものです。
そして12:40、福知山駅に到着です!
京都府北部の中心都市・福知山は交通の要衝となっており、山陰本線で京都方面および城崎温泉方面へ、福知山線なら大阪方面へ、そして京都丹後鉄道なら宮津方面へと4方向に線路がのびています。
このため福知山駅では、京都方面の特急と大阪方面の特急で「相互乗り換え」というものが行われています。今回は大阪方面からきた特急〔こうのとり7号〕が終着の福知山に到着した後、京都からやってきた特急〔きのさき5号〕に同一ホームで乗り換えられるようにダイヤが設定されていました。逆に京都から来た特急がこの福知山どまりとなり、大阪方面から来る特急に乗り換えて城崎温泉方面に抜けることができるようになっていることもあります。おそらくですが京都方面、大阪方面のそれぞれからやってきた特急を両方とも福知山以西まで直通させるほどの大きな需要があるわけではないが、京都と大阪の両方の人にとって利便性を高めたいということだと思われますが、それにしてもよくできた仕組みだなぁと思います。このため、福知山駅ではどの特急列車も数分程度停車することが多いです。
向かいのこうのとり7号が福知山どまりということで、幕回しをしておりました。「北近畿」や「文殊」といった貴重な幕もいろいろと入っているんですねぇ…。「新快速」とか「普通」なんて全然使ったことないと思いますけどね(笑)。
2009年に高架化され、駅舎も新しくて綺麗な福知山駅。少し時間を取ってあるので、ここでお昼ご飯としたいと思います。
とはいえ福知山など初めて来たものですから、何が有名なのか全く分からなかったのですが、駅前をうろうろしていると「ゴム焼きそば」なるものを発見。どんな焼きそばなのか全く想像がつきませんでしたが、とりあえず入ってみることに。
こちらが福知山のご当地B級グルメ「ゴム焼きそば(650円)」だそうで。一見普通の焼きそばとあまり変わらないようにも見えますが、トマトソースがかかっています。感覚としては新潟の「イタリアン」に近いものがあるかもしれません。トマトソースと麺の相性も抜群でして、ペロリと完食してしまいました。
しかし最後まで、「ゴム焼きそば」という奇抜なネーミングの由来は分からず。そこで店主の方に伺うと、どうやらこの福知山で昔から食べられていた中華麺が、調理前からゴムのような薄茶色をしていることが由来なのだそうで。現物を見せていただきましたが、確かに色がついていて、ソースと絡める前から既にソースが絡んでいるかのような薄茶色をしているのです。もちろんゴムの味がするわけでもなく、ゴムの成分が含まれているわけでもないのですが、地元の方々でこの福知山特有の焼きそばをブランド化してアピールできないかということで考えられた結果「ゴム焼きそば」と命名されたそうです。
実際に調理してしまえば麺の色の違いは普通の焼きそばと比べても特にわからないわけですが、命名後は福知山を訪れる観光客の方がこぞってこの「ゴム焼きそば」を食べていくようになり、店主も「ネーミングの勝ち」と自信たっぷりに話しておられました(笑)。私も御多分に洩れずその一人というわけですね。
まぁとにもかくにもゴム焼きそばは結構オススメなので、福知山に行かれた際は是非食べてみてください!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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