みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は2020年9月18日(金)~21日(月)に出かけた京都旅行の第3弾記事ということで、京都鉄道博物館をたっぷり堪能した後の続きからとなります。
前回の記事は以下のリンクから是非ご覧ください!
1日目 2020年9月18日(金)③
梅小路京都西駅から嵯峨野線に乗り、向かうは2つ先の主要駅「二条」です。
関西ではロープ式の乗降ゲートなんかも多い中で、れっきとしたホームドアの駅に221系が入線するシーンはなかなか新鮮かもしれません。梅小路京都西から4分ほどの乗車で、二条駅に到着。天橋立・城崎温泉方面へ向かう特急も停車する大きな駅です。
京都には「○条」という駅名が多いですが、これは碁盤の目になっている京都の道路のうち、東西方向にのびる道路が北から順に一条、二条、三条…と続くことから由来します。「一条」という駅はありませんが、ここ「二条」駅の他にも京阪本線の「三条」および地下鉄東西線の「三条京阪」、京福嵐山本線の「四条大宮」や地下鉄烏丸線の「四条」に加え京阪本線の「祇園四条」まで、実にさまざまな組み合わせで漢数字を用いた「○条」の駅が南へと続いていきます。この流れは京都駅の南側で「十条」まで続いており、わかりやすいといえばわかりやすいのですが、慣れるまでには少し時間のかかる京都独特の概念です。
この二条駅で、地下鉄東西線に乗り換え。その名の通り、概ね二条~三条付近をくねくねしながら線路が東西にのびている地下鉄路線です。
京都市内には「東西線」と「烏丸線」という2つの地下鉄路線があり、両者は途中の烏丸御池駅で交差しています。今回は二条駅から地下鉄東西線に乗車し、途中の御陵駅より先は京阪京津線という路線に直通する列車に乗車していきます。ご存じの方も多いかもしれませんが、この「京都市営地下鉄東西線・京阪京津線直通列車」、実はとんでもなく車窓が変化する路線なのです…!
それでは二条駅から、16:24発の「びわ湖浜大津行」に乗車していきます。地下鉄東西線内で完結する列車は六地蔵行ですが、合間にちょこちょこ「びわ湖浜大津行」というのがあるのでそれを選んで乗車していきます。
やってきたのは、京阪800系の水色塗装車両。地下鉄東西線では、東京メトロ南北線のようにフルスクリーンホームドアが設置されているため駅であまりうまく撮影することはできませんが、とりあえずこれに乗り込んでいきます。
二条を出発すると、列車は二条城前、烏丸御池、京都市役所前…と各駅に停車していきます。地下鉄なので駅間距離は短めですが、まっすぐのびる暗いトンネルの中をひたすらに進んでいきます。
この御陵駅より先も引き続き地下鉄東西線は六地蔵方面へとのびていきますが、びわ湖浜大津行はこれより地下鉄を離れ、京阪京津線へと入っていきます。京都市交通局から京阪への乗務員交代が行われ、わずかな停車時間ののちに御陵駅を出発していきます。
御陵駅のホームは地下にありますが、京阪京津線に入ると列車は緩やかな坂を上っていき、地上に出ることになります。と、ここまでは他のいろいろな地下鉄-私鉄直通路線でよく見る光景なのですが…。
何とただの地上鉄道ではなく、勾配の激しい”登山鉄道”状態となるのです! 地上に出たらあとは平たんな道のり、ということではなく、地上に出てからも引き続きアップダウンの激しい区間を走り抜けていきます。
これはどういうことかというと、京都と大津の間にある「逢坂山」という山が関係しています。京都・大津はどちらも主要都市ですが、その間を険しい山が隔てており、昔から京都の直前で立ちはだかる難所として知られてきました。現在京都府と滋賀県を繋ぐ鉄道路線はJRの琵琶湖線、湖西線、東海道新幹線、そしてこの京阪京津線の4つがありますが、JRの3路線はいずれも長いトンネルでこの山を突っ切っています。しかし京阪京津線だけはトンネルを掘ることなく、なるべくなだらかな部分を選んで蛇行するように地面に沿って線路が敷かれています。
駅によっては急斜面に無理やりホームが設置されているため、あからさまにホームと平行とはいえない傾き方で停車している駅もあります。京阪京津線が旅客案内上で「登山鉄道」という言葉を用いて案内されることはまずありませんが、実際に乗車してみると明らかに登山鉄道ばりの難所に線路が敷かれていることがよくわかります。
上がったり下がったりを繰り返しながらも、びわ湖浜大津の一つ手前・上栄町を過ぎ、だんだんと列車は大津の市街地へと入っていきます。
ここまで地下鉄、登山鉄道という2種類の運行形態をとってやってきたわけですが、終点到着直前になって3種類目の運行形態が登場します!
おわかりいただけますでしょうか、そう! 京阪京津線は最後、路面電車へと変貌を遂げるのです!!
区間としては上栄町~びわ湖浜大津駅間の数分間のみですが、確かに電車が道路の上を走っています。先ほどまで地下鉄として走り、その後登山鉄道として逢坂山を越えた列車が、今度はそのまま路面電車になっているのです。
そして前方に目を向けると、まもなく終点のびわ湖浜大津駅が迫ってきました。大きく右にカーブを描いて入線し、この駅で坂本比叡山口方面からやってくる京阪石山坂本線と合流します。このびわ湖浜大津駅でも、線路と道路が同じ高さにあり、橋上駅舎が上から被さるような構造になっているので、やはり普通の私鉄の駅とは少し異なる印象です。
そして16:55、列車は終点のびわ湖浜大津駅に到着。狭いホームに入線し、一気に乗客を掃き出すやいなや、回送列車として島ノ関方面へ抜けていきました。
京阪京津線と京阪石山坂本線が乗り入れるこのびわ湖浜大津駅は、2018年3月まで単に「浜大津」という駅名でしたが改称され現在に至ります。JRの大津駅からはやや離れた位置にあり、徒歩も可能ですが多くの場合はバスが便利でしょう(私は今回歩きましたが)。
改めて、駅の外に出てきて見てみることにしました。先ほどの列車がいったん引込線に入った後、数分後に折り返し太秦天神川行としてびわ湖浜大津を発車していくのを見ると、カーブの角度といい路面を走る電車といい、本当に不思議な感覚です。地下鉄、登山鉄道、路面電車の3形態で走れるようにするため、この車両はとても高性能に造られているらしく、それゆえ製造コストが莫大なのだとか。大阪・淀屋橋~京都・河原町間をメインで結ぶ京阪にとってこの京津線はドル箱路線というよりあくまでも支線的な扱いの事業かと思いますが、それなのに高額車両を製造してまで運行するのは本当に凄いことですよね。
ちなみに二条~びわ湖浜大津駅間の運賃は、何と500円。いやぁ御陵で一度運賃がリセットされて初乗りが取られているのでどうしても割高になってしまいますね(笑)。ちなみにJRで二条~大津駅間を移動すると(京都乗り換え)、240円で所要時間約20分です。出発駅や目的とする駅によってうまく使い分けられるとよさそうですね!
というわけで、今回は地下鉄・登山鉄道・路面電車の3つの顔をもつ「地下鉄東西線・京阪京津線」についてご紹介しました。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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