わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

東北本線の485系最強乗り得列車「ジパング平泉号」で岩手県縦断の旅【2020-08北東パス東北一周6】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回の記事は、北海道&東日本パスを使って2020年8月8日(土)~10日(月)の2泊3日で東北地方を一周してきた旅行記の第6弾記事となっております。

旅はいよいよ最終日、3日目は朝から青森~盛岡駅間を青い森鉄道IGRいわて銀河鉄道で移動してきましたので今回はその続きとなります。

前回の記事は以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

3日目 2020年8月10日(月)②

青森からここ盛岡までは”元”東北本線の旅でしたが、ここから先は正真正銘東北本線の旅となります。ここまで東北6県中5県を巡ってきたので、残る1つ「宮城県」の仙台方面を目指していきます!

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盛岡駅の改札口

盛岡駅のJR改札口は新幹線と在来線が隣り合うようになっており、新幹線を利用すれば仙台まではひとっとびなのですが、そんなことはこの北海道&東日本パスが許してくれません。大人しく在来線改札に入ります。

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ジパングって!?

ただ普通列車で行ってもつまらないので、今回は盛岡9:51発の快速〔ジパング平泉2号〕一ノ関行に乗車していきます!

これを見て、「何それ!? 初めて聞いた!」という方も多いかと思います。鈍行街道と思われがちな東北本線なのですが、その中でも数少ないながらこの「ジパング」という観光列車が不定期で走っているのです。今回はちょうどその運行日に合わせた行程が組めるということで、個人的にとても楽しみにしていました。

百聞は一見に如かずということで、列車の解説は後回しにしてとりあえずホームに降りてみましょう!

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盛岡9:51発 快速〔ジパング平泉2号〕一ノ関行

おお~! 真っ黒や!(語彙力)

前面から見ると、大きな窓ととにかく真っ黒な車体が印象的です。そしてこれ、どこかで見たことのある顔だと思いませんか? そう、実はこの「ジパング」は、485系の改造列車なのです!

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485系を改造したジョイフルトレインの仲間

国鉄時代、全国を駆け巡った特急車両「485系」という形式がありますが、その車両が引退後、ジョイフルトレインに改造されている例は他にいくつかあったりします。上に並べている写真がその一例で、この4つはいずれも首都圏を中心に団体列車や臨時列車を中心に運用されている(いた)ものになります。そもそもかなり古い台車を使っている485系を改造した車両なのでそこまで長持ちはせず、既に引退してしまっているものも多いです。

今回乗車する485系ジパング」は、上の写真で並べているような列車とは異なり東北地方を中心に運用されている観光列車です。ただ、観光列車といってもそう頻繁に運行されているわけではないので、とっても貴重な車両となり、そもそも首都圏に来ないということもあってあまり知名度は高くない?ようにも思います。

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側面は金色をあしらった豪華なデザイン

車両側面には金色の正方形があしらわれており、豪華さを感じるデザインです。ただこの列車はあくまでも「快速」なので、北海道&東日本パスで乗車することができます。しかも4両編成のうち2両は自由席ということで、何と乗車券のみで利用できるのです!

それではさっそく、車内に入っていきましょう!

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もはや特急

こちらが、自由席(2・3号車)の車内の様子です。何と驚くべきことに、このジパングの自由席は特急車両と同等のリクライニングシートとなっているのです! これに乗車券のみで利用できるというのは凄すぎます!

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シートピッチも広々

横から見ても、これは特急の座席と遜色ありません。リクライニングが利いて、背面テーブルも設置されています。また荷物棚もあるので、これは観光客にもありがたい設備だと思います。485系自体がかなり古いので、コンセントやWi-Fiはありませんが、それでも普通列車のクオリティを遥かに超えています。

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指定席はペアシート

また、1号車と4号車はペアシートになっています。窓を向いて2人並んで座れるというものですが…正直こちらの方がハズレのような気もしてしまいます。リクライニングはしないですし、1人利用で誰かと相席になったら気まずいですし…(笑)。もちろん自由席の方でも混雑時には相席になる可能性も高まるでしょうが、まだ特急感覚と思えばそちらの方が相席でも耐えられます。

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博物館みたい

また指定席車両の一部分には、このようなきらびやかなモニターが並ぶフリースペースがあります。東北の映像が延々映し出されておりますが、スペースの関係でイス等は設置されていないようで、ここに長居をする人はあまりいないようです。

それでは、定刻通り9:51に盛岡を出発。485系ならではの独特のモーター音を響かせて出発していきました。

この列車の停車駅は、矢幅、花巻、北上、水沢、前沢、平泉、山ノ目となっています。最大のターゲットは世界遺産・平泉への観光客輸送と思われますが、それ以外にもかなり多めに停車駅が設定されているなという印象です。

一応観光列車といえば観光列車なのですが、車内アナウンスで特にこれといった観光案内の放送もなく、また最近のJR東日本の観光列車にありがちな「イベントスペース」「売店」等はありません。「ジパング平泉」という列車名が強烈なインパクトですが、あくまでも盛岡~一ノ関駅間の快速列車として淡々と走り抜けていくといった感じです。

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南部せんべい

車内では、盛岡駅で買っておいた銘菓「南部せんべい」を味わいます。一口に「南部せんべい」といっても、味や硬さなど実にバリエーションが豊富なのですが、今回は写真右側の薄焼きのもの(8枚入432円)を購入しました。するとお会計の際に、左側の厚めのやつを1枚サービスでつけてくれたのです。左側のやつは割れていて正規の商品としては販売できないからみたいです。どちらも美味しかったですが、サービスでつけてくれたやつの方が個人的には好みかな…(笑)。次に行った際は左側のタイプのやつを大袋で買って帰りたいと思います。

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窓の外に広がる田んぼ

南部せんべいの味比べをしているうちにも、列車はどんどん進んでいきます。駅が近づくと建物が多くなりますが、それ以外の大部分の区間では遮るものが何もない田園風景が広がります。2020年の今、東北本線485系で駆け抜けられるというのは何とも感動です。内外装こそリニューアルされましたが、国鉄特急車両独特のにおいみたいなものがしっかりとしみついていて、こんなにも改造されていてもノスタルジーを感じることができるんですよ。

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展望スペース

少し時間があるので、展望スペースにも行ってみることに。列車の最前面の最後面は大きな窓のある展望スペースとなっており、ここは指定席車両ですが乗客誰でも利用することができます。先頭車両のほうは混んでいますが、後方の車両なら人もいないのでオススメです! 車窓に流れる田園風景をたっぷり味わうことができます。

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もうすぐ一ノ関

そしてこの列車に関してもう一つ興味深かったのが、地元民の利用が少なくないということなんですよ。もちろん他の普通列車と比べたら明らかに車両の見た目は違うわけですが、乗車券のみで利用できて、わりかし停車駅も多めですから、列車間隔が開きがちな東北本線では移動手段としても重要な役目を果たしているのでしょう。

そんなこんなで、盛岡を出てから約1時間20分ほどで終点の一ノ関に到着です!

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一ノ関でも映える車体

黒と金の車体は、一ノ関駅でもよく映えます。「ジパング」としてのデビューは2012年ですが、足回りはもう何十年も前から使っていると思うと、もう後先は長くないのでしょうね。

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ホーロー看板も残る一ノ関駅

11:14に一ノ関駅に到着したこの列車は、わずか10分後の11:24に盛岡行の「ジパング平泉1号」として折り返しの運用に入るため、大急ぎで車内整備が行われます。なんでこんなキツキツの運用なのかはわかりませんが…。

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一関温泉郷と平泉を猛プッシュ

一ノ関駅は、東北本線大船渡線東北新幹線が乗り入れる岩手県南部のターミナル駅です。ここから東北本線で1駅南に進んだ有壁駅はもう宮城県なので、本当にギリギリ岩手県といったところなのですが、平泉も近いということで駅舎にそのことが大きく掲げられています。文字が古いようにも見えますが、平泉が世界遺産となったのは2011年のはずですから、この看板が取り付けられたのは最近のことなのかもしれません。ちなみに市の名前は「一関市」ですが駅名は「一関駅」なので少々ややこしいですね(笑)。

東北本線は、基本的にこの駅で乗り継ぎとなります。また、新幹線は〔やまびこ〕の全列車に加え〔はやぶさ〕も一部列車が停車するので、県庁所在地ではない駅の割にはかなり主要な駅として位置づけられているように思います。

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本線…なのに「2両」

それではこの先は、特別な列車があるわけでもないので、普通列車のみで南下していきます。一ノ関から乗車するのは11:53発の小牛田行です。

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東北南部に入ってきた証

駅舎に最も近い1番線に入線し、ほどなくして定刻通り一ノ関駅を出発です。車両はおなじみ701系で、緑の帯になっていたことから、南東北に入ってきたことを実感します。2両編成でオールロングシートということで、18きっぷシーズンにしてはかなり過酷な列車にも見えますが、日中ということもあってラクラク座ることができました。

「2両編成」という短さは本線っぽくありませんが、線形の良さはやはり本線らしさを感じるところでもあります。あっという間に宮城県へと突入し、終点の小牛田には12:39に到着です。

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初見ではなかなか読めない

初見殺しの難読駅名は「こごた」と読みます。この小牛田駅には東北本線のほか、陸羽東線石巻線が乗り入れています。小牛田といえば、私は2018年の東北旅行の際にここの駅前にあるAコープで値引きされたかけうどんとサラダを買って気仙沼のホテルで食べたのを思い出します。

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大きな発車標が個人的には小牛田のシンボル

今回はAコープで昼食を調達するわけでもなく、すぐに乗り継ぎ列車へと急ぐことにします。

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小牛田12:48発 東北本線 仙台行

小牛田から乗車するのは、12:48発の仙台行です。車両は先ほどまでとはうってかわって、南東北エリアの最新主力車両「E721系」が4両編成で運用されています。いよいよ東北最大の都市・仙台へと入って行くということで、古い車両から新しい車両へと乗り換えるこの小牛田駅は、いよいよ仙台が近づいていることを実感させてくれます。

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ついに見えた「仙台」の文字

列車は定刻通り小牛田駅を出発。松島、塩釜など主要な駅にも停車していきながら、車内の乗客もどんどん増えていきます。車内は首都圏のE231系等とそんなに大きく変わらないので、いよいよ満員に近い状態で進んでいくと何だか横浜~東京駅間を移動する東海道線のような感覚にもなってきます。

そして揺られること約45分、13:34に列車は終点の仙台へと到着です!

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ついにやってきたぞ!

青森~横浜のだいたい中間地点に位置する仙台駅ということで、青森を出てから約8時間での到着です。青森からここ仙台まで、400km近い距離を乗車してきました。

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杜の都仙台は東北の最大都市

東北地方最大のターミナル駅である仙台駅は、東北本線のほかに仙石線仙山線常磐線、仙石東北ライン、東北新幹線、そして仙台市営地下鉄東西線南北線が乗り入れています。とんでもなく大きな駅で、私も過去3~4回ほど使いましたがまだまだ人の多さと駅の広さについていけません。もちろん在来線・新幹線とも全列車が停車する駅で、この駅を始発・終着とする列車が多いのも特徴です。

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色の違いが微妙すぎる

仙台にやってきたら、やっぱり牛たんを食べたい! ということで、遅めの昼ご飯はここ仙台で取りたいと思います。

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牛たんの名店「利久」

仙台駅構内には、牛たんの名店が軒を連ねるレストラン街「牛たんストリート」がありますが、誰もが一度は聞いたことのある名店「利久」にお邪魔します。

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牛たん定食(塩味、3枚6切)(1,728円)

注文したのは、最もオーソドックスな3枚6切の牛たん定食。ご飯とテールスープ、小鉢、デザートまでついてきます。かなりボリュームのあるメニューですが、青森から仙台まで普通列車でやってきてお腹ペコペコの私はこれをペロリとたいらげられてしまうのです…(笑)。牛たんは分厚くて食べ応えがあるにも関わらずとってもやわらかくて、めちゃくちゃ美味しい…! 牛たんストリートはどのお店でもハズレがないなと思いますが、やっぱりここ利久の牛たんは特に美味しいですよ。駅弁で牛たん弁当とかももちろんありますが、やっぱりお店で食べるのがいちばんかなって思います。

昼休憩もつかの間、無事に牛たん定食を完食したところで、ここからは本日の後半戦へと入っていきます。ここ仙台からは常磐線経由で南下していきますが、その模様はまた次回ご紹介していきます!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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