わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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東急東横線廃線探訪(後編)高島町~横浜~東横フラワー緑道を歩く!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

かなり時間が空いてしまいましたが、前回に引き続き東急東横線廃線探訪の後編をお届けします!

2004年に廃止された東急東横線の地上・高架区間である桜木町東白楽駅周辺を歩く旅で、前編では桜木町駅から高島町駅にかけての様子をご紹介しています。

前編の様子をまだご覧になっていない方は、是非以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

2020年6月7日(日)②

高島町駅跡地をじっくり見物した後は、横浜駅方面へと進んでいきます。この先もしばらく高架線は残されたままですが、道が込み入ってきて線路に沿って歩くというのは難しいので、なるべく近いルートで歩いていきます。

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東京急行電鉄」はエモすぎる

啓明館や増田塾等がある交差点の高架下に来てみました。ここもずっと根岸線と並走する区間ですが、そこにあった「駐車禁止」の看板を見てみると、「東京急行電鉄株式会社」の文字が。廃止から16年が経過した今も、この高架下の一部のスペースやそこにある設備がおそらくまだ東急のものということなのでしょうか。しかし細かいことを言えば、東急は2019年秋に鉄道事業を分社化して、正式な会社名が「東急電鉄株式会社」となったはずですから、この「東京急行~」という表現が既に貴重なものとなっています。東横線桜木町の駅入口の看板も「東京急行 桜木町駅」となっていたみたいですし、昔は今よりも「東京急行」という表現がそれほど珍しくなかったのかもしれませんね。カッコいいですよね、”東京急行”って。

そして万里橋を渡り、横浜駅の東口に到着。

現在はみなとみらい線と直通運転をするための1面2線のホームが地下にありますが、かつて東急東横線のホームといえば横浜駅の西口側、JR横須賀線ホームのさらに隣に2面2線の地上ホームとして存在していました。

横浜駅の中央通路を通って、西口へと移動します。

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だいぶ進化した感がある現在の横浜駅西口

えらい変わりようですね、今の横浜駅西口っていうのは。「JR横浜タワー」が天高くそびえております。この中には「NEWoMan」「T・JOY」「CIAL」と大きく3種類の施設が入っていて、当初は2020年5月30日開業予定でした。しかし新型コロナウイルスの影響で延期となり、6月18日より順次開業していく予定のようです。長らく「東洋のサグラダファミリア」と呼ばれて久しかったこの西口駅舎ですが、ようやく最近この立派な駅ビルが姿を現しました。

このJR横浜タワーができたのはつい最近のことですが、以前にももっとレトロ調な”市アルビル”という西口駅舎がありました。ただおそらく、この西口駅舎と横須賀線ホームの間に、かつては2面2線対向式の東急東横線ホームがあったのでしょう。東急東横線地上ホーム廃止後、空いたスペースを活用して横須賀線のホームが拡幅されました。今では横須賀線の9・10番線ホーム上で運動会ができるくらい広いです(それは言い過ぎ)

横浜駅周辺で、東急東横線廃線跡がどうなっているのか、相鉄ジョイナスの駐車場から見下ろしてみました。

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横浜駅西口側から桜木町方面を望む

写真上で、ブルーの車両が走っている線がJR根岸線です。その根岸線の線路と途中で分かれ、画面奥側から手前側にほぼ直線的にのびている線が東急東横線の旧線となります。線路自体は剥がされていますが、ここに複線の線路が存在していたことは想像に難くありません。現役当時、この東急東横線の高架橋は、桜木町方面からやってくると横浜駅の南側で東海道線横須賀線を跨ぎ、ホームに入線していたものと思われます。東海道線横須賀線と交差する鉄橋があったと思われますが、それは既に取り払われ、交差する直前まで高架橋が今も残されています。

横浜のど真ん中で、これほど顕著に廃線跡が残っているというのは、何とも驚きの話です。この辺りも含めて遊歩道として整備するのでしょうか…? もしそうだとしたら贅沢な話ですが。

それではここから、横浜駅を離れて反町方面へと進んでいきましょう。

横浜以北では現在も現役で東急東横線が運行されていますが、しかし2004年までは横浜駅周辺の全区間で地上を走行していました。みなとみらい線との直通運転開始に伴い、反町駅横浜駅が地下化され、渋谷方面からやってきた列車は東白楽~反町駅間で地下に潜るルートとなったのです。東白楽~反町駅間は、地上と地下で辿るルートはほぼぴったりと重なります。

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これも廃線跡!?

まもなく開業するJR横浜タワーの脇を抜けると、横浜駅のきた西口へと到着します。頭上を見上げると、JR横浜タワーから北へのびるペデストリアンデッキのようなものが整備されています。実はこのペデストリアンデッキのルートが、まさに東急東横線の旧線とほぼ同じルートを辿っていると思われます。

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東急東横線もきっと首都高の下をくぐっていたはず

デッキは、横浜駅の北側を通る「首都高速神奈川2号三ッ沢線」の下をくぐります。きっとこの首都高の下のスペースは、まさに16年前まで東急東横線が通っていた名残なのではないでしょうか。

このデッキになるべく沿うように、ここから北へと向かっていきます。川を渡り、神奈川区へと入ります。

しばらくは高い壁に囲まれた工事現場が続きますが、壁に沿って歩いていくと、こんなビルが見えてきました。

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JR横浜鶴屋町ビル

こちら、JR横浜鶴屋町ビルです。JR横浜タワーと並んで、JR東日本横浜駅周辺再開発事業の一環として建てられました。中はフィットネスジムやホテル等が入っており、先ほどから見えていたペデストリアンデッキはこのJR横浜鶴屋町ビルまで繋がっています。写真の背後に見えている高いビルが、まさにJR横浜タワーです。

このJR横浜鶴屋町ビルは、2020年6月5日に開業予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でこちらも延期となり、現在は6月27日に開業予定とのことです。

JR横浜タワーから続くペデストリアンデッキの終端部がこのJR横浜鶴屋町ビルに繋がっている、ということは…つまり、これらのビルが東急東横線廃線跡地に建てられているということになります。

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東横フラワー緑道がスタート!

JR横浜鶴屋町ビルの目の前からスタートするのが、この「東横フラワー緑道」です。名前と写真の様子からわかる通り、この遊歩道が、ここから先の東急東横線廃線跡になります。

道路と道路の間、マンションとマンションの狭間に整備されたこの遊歩道こそが、かつて東急東横線が16年前まで走っていた道。線路は剥がされ、綺麗に舗装されています。それではここから、この遊歩道を進んでいきます!

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かなり急(画面手前が横浜駅方面)

歩いていて思うのは、とにかくこの坂が急なんですよね。JR横浜鶴屋町ビル付近から「高島山トンネル」にかけてひたすら上り坂が続きます。歩いていてもそれなりにしんどさを感じるのですが、果たして鉄道はこの急勾配を耐えられたのでしょうか。傾斜に弱いとされる鉄道ですから、この坂ですらも上れていたのかと思うと驚きです。

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振り返って1枚パシャリ(画面奥が横浜駅方面)

トンネルを抜けると、反町駅に到着です。高島山トンネルを越えてから先は下り坂となるので、反町駅北側の道を跨ぐまではしばらく遊歩道が道路よりも高い位置にあります。進行方向左側に反町駅の駅舎が見えてきますが、ホームは現在地下に埋められています。写真の辺りに2面2線の対向式ホームがあったと思われますが、現在はそこに線路が敷いてあったことを思わせるレンガの列が2本縦に延びています(もちろん現役当時は複線ですが)。

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反町駅舎(写真左上が遊歩道)

ホームは地下化されましたが、駅舎は現在も現役で使用されています。各停しか停車しない駅ですから利用したことはありませんが、渋谷方面から特急で横浜に帰ってくると、この反町駅を通過する前から車内放送がかかり始めるのがいつもとても印象的です。ホームが地下化された現在では、1面2線の島式となりました。

反町駅のすぐ北を走る「横浜新道」を跨ぐと、この遊歩道もいよいよ地面に降りることとなります。廃線跡の遊歩道は横浜新道を跨いで歩道橋のようになっていますが、地上に線路が走っていた頃はそうはいかなかったと思うので、きっとこの反町駅の北側には立派な踏切があったのではないでしょうか。

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反町駅を過ぎたら地面に降りる

地面に降りても、東横フラワー緑道は続きます。マンションや民家が密集する中で、この東急東横線の線路があった場所だけは廃線後の今も新たな建物が建てられることなく、東横フラワー緑道として整備されています。

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ところどころ線路がそのまま残されている

地面を見ると、時折当時の線路がそのまま残されています。間はバラストではなく木の板で埋められていますが、これを見ればここに東急東横線が走っていたことは明らかです。

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東横フラワー緑道の最後は上り坂

東横フラワー緑道は、最後に再び上り坂が待ち受けています。というのも、地下化された後の東急東横線はこの東横フラワー緑道の真下を走っているので、東白楽駅の南側で列車が地下から地上に出てくるためです。東白楽駅以降は現在も地上にホームがありますので、JR横浜鶴屋町ビル付近から続くこの東横フラワー緑道は東白楽駅に到着する手前でゴールとなります。

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地下から副都心線が出てきた

この東横フラワー緑道のゴールポイントでは、地下から地上に出てくる列車や、地上から地下に潜っていく列車を眺めることができます。ちょうど地上に出てきた和光市行の副都心線7000系を見ることができました。

東急東横線廃線跡はここまでとなり、ここから先は現役の線路で東急東横線が活躍中なので、今回の廃線探訪はここまでとなります。ちなみにこのゴール地点からは東神奈川駅まで歩いてすぐなので、京急東神奈川駅から京急に乗って帰宅しました。

 

以上、東急東横線廃線探訪でしたが、いかがでしたでしょうか。こんな大都会横浜のど真ん中に廃線があり、しかもまだ廃止されてから16年と比較的日が浅いこともあってその面影は随所で色濃く残っています。現在遊歩道として整備されている区間はまさにそこを歩いて楽しむことができますし、まだこれから整備されるという区間は今だからこそ見れる廃線直後のリアルな東急東横線の様子を見て楽しむこともできます。今月下旬にJR横浜タワーやJR横浜鶴屋町ビルが開業すれば、今回よりさらに忠実に廃線跡を歩くことができますし、また来年には横浜駅より南側の高架橋も遊歩道として整備される計画があるみたいなので、そこも完成したら是非見に行ってみたいものです。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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おまけ

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