わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【2020春の関西旅2】大阪近郊区間最長大回りのルートを徹底解説!

f:id:watakawa:20200501120904j:plain

みなさんこんにちは。わたかわです。

今回は、2020年3月27日(金)~29日(日)で出かけた春の関西旅の第2弾記事となります。その最たる目的は「関西最長大回り」。3月28日(土)の丸々一日使って挑んだハードな旅です。次回の記事から実際の大回り旅行記がスタートしていきますが、今回はまずその行程について詳しく紹介していきたいと思います!

 

大回り乗車とは
今回行った「関西最長大回り」について解説する前に、まずは「大回り乗車」について解説しておきますね。既にご存じであれば読み飛ばしていただいて大丈夫です。
大回り乗車」というのは、JRの在来線のうち、指定されたエリア(大都市近郊区間)内であれば乗車駅から降車駅までどのような経路で乗車してもよいとする特例を活用した乗車方法のことを言います。通常JRの乗車券であれば乗車駅から降車駅までのルートが指定され、その乗車距離に見合った運賃を支払って乗車券を購入するのですが、東京や大阪等ではJRの路線が複雑に入り組んでいて、乗車経路の絞り込みが困難なので、そういった路線が入り組む都市部には「大都市近郊区間」が指定され、このエリア内であれば同じ駅を2度通らない限りどのような遠回りをしてもよいということになっています。

f:id:watakawa:20200430142014g:plain

引用:JR東日本公式HPより
例えば、「東京近郊区間」であれば上の図のようになります。北は水上・黒磯・常陸大子・浪江まで、西は松本・野辺山・伊東までがその範囲に含まれます。お世辞にも長野県松本市福島県いわき市が「東京の近郊なのか」というとちょっと難しいところですが、ともかくこのエリア内であれば同じ駅を2度通らない限り好きなルートで乗車できます。なので、例えば東京から品川まで、東海道線で新橋を通って行くもよし、山手線内回りに乗車して上野・池袋・新宿・渋谷経由で行くもよし、運賃はどちらも変わりません。

f:id:watakawa:20200501165709j:plain

房総半島は大回り乗車の定番スポット!
ただし、大都市近郊区間内で完結する乗車券は有効期間が1日となり、途中下車前途無効となります。なので例えば浪江~松本駅間は乗車経路によっては500km以上にもなり、本来であれば4日間有効の乗車券となって途中下車も自由にできるはずなのですが、全区間東京近郊区間内に含まれる改札を出るとその時点で乗車券は無効となります。
この「大都市近郊区間」の制度を活用した遊びが、「大回り乗車」です。乗車駅と降車駅を定めて、同じ駅を2度以上通らないように遠回りをしていけば、数千円~1万円以上かかるはずの乗車経路で乗車するにもかかわらず実際は100~200円程度で済むという行程を組むこともできます。ただし改札の外に出ることはできないので、道中の食事はすべてエキナカの立ち食いそば屋やコンビニで済ませる必要があります。
さらに注意点として、乗換駅によっては中間改札が設けられているところがある場合があります(例:鶴見駅)。大回り乗車で使用している乗車券をその中間改札の自動改札機に投入してもエラーとなりますから、自動改札機ではなく有人改札に回って、大回り乗車である旨を駅員さんにお伝えする必要があります。その際、乗車経路の説明を求められる場合がありますから、事前に行程を紙に書いておくなど準備をしておく必要があります。
大回り乗車は、一応規則に抵触してはいない正当な乗車方法ではありますが、通常の鉄道利用方法と比べると不自然な乗車方法であることは確かです。「俺は間違っていない」などと驕るのではなく、駅員さんや乗務員の方々のご理解があってできる乗車方法であることをしっかり念頭に置いて行う必要があります。

関西最長大回りとは
この「大回り乗車」は、鉄道ファンによってさまざまなルートが組まれ、そのルートの数だけ楽しみ方があります。改札外に出れず、同じ駅を2度通れないということで一見制約が多いようにも思えるかもしれませんが、逆に「エキナカグルメ巡り」「絶景車窓巡り」「ローカル線巡り」「特急乗り継ぎ旅」等、何かテーマを決めてルートを組むこと
でオリジナルな楽しみ方ができます。
大回り乗車のルートの組み方は都市ごとにいくつも存在するわけですが、いくつも存在するということは、つまり最長ルートがあります。自分で探索しなくても、ネット上で調べてみるとすぐに各近郊区間内の最長ルートを知ることができます。
最もエリアの広い「東京近郊区間」は、常磐線北小金駅からスタートして馬橋駅でゴールする1035.4kmのルートが有名ですが、これはあまりにも長大すぎて1日でゴールすることはできません。大回り乗車で使用可能な乗車券の有効期限は1日以内なので、これは理論上ほぼ実施不可能となります(終夜運転が行われる大みそかであれば実施可能となりますが、今回の話題とは関係ないので割愛させていただきます)。
では「大阪近郊区間」だとどうか。大阪近郊区間の最長大回りルートは、以下の図のようになります。

f:id:watakawa:20200501124830p:plain

大阪近郊区間の最長大回りルート
福知山線塚口駅をスタートし、JR神戸線塚本駅でゴールする総延長748.5kmのルート。東京近郊区間の最長ルートよりは短いですが、それでも本当に長大なルートです。
ただ、この「大阪近郊区間」であれば、最長大回りを朝早くに初めてその日の終電までの間でクリアすることができることに気づいたのです。理論上は
というのも、やっぱり行程としてはかなりハードのようで。福知山線塚口駅を早朝6:05に出発して、順調に乗り継いでも塚本駅にてゴールするのは日付が変わって深夜の0:16。実に18時間以上もの間、改札の外に出られないまま関西地方をぐるぐると乗り継ぐ過酷極まりない行程となります。運転見合わせや運休に遭遇しても他の鉄道路線への振替乗車はできませんから、そうした運行障害は命取りとなります。また、この最長ルートは距離にして実に748.5km、実に東京~倉敷駅間の距離に匹敵します。2019年春のおおさか東線全線開業でそれまでの最長大回りルートが更新され、現在の距離になったようです。運賃は塚口駅から塚本駅までの最短ルートで200円となります。

f:id:watakawa:20200501170113j:plain

大きな駅ではエキナカも発達しているが…

18時間一度も改札の外に出ずに普通列車を乗り継いだことなど一度もありませんから、本当に未知の経験となりますが、最後ゴールの塚本駅でどのような心境なのか、自分がどういう状態になっているかを想像するとちょっと楽しみでもありました。

ということで、2020年3月28日(土)にこの関西最長大回りにチャレンジしてきました。次回の記事からは旅行記形式で順を追って執筆していきますので、是非読んでいっていただければと思います!