わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【もはや要塞】複雑怪奇な立体構造…京急蒲田駅を徹底解剖してみた

 

2022年10月28日(金)

本日は東京都大田区にある「京急蒲田駅」へとやってきました。

今からちょうど10年前の2012年10月に全面高架化が完了し、複雑怪奇な構造へと姿を変えた京急蒲田駅。せっかくなので、今回はその中を詳しくご紹介していこうと思います。

京急蒲田は、品川から京急本線で8kmほど進んだところにある駅です。JRや東急の蒲田駅からは少し離れた位置にあり、京急本線のほか京急空港線羽田空港方面へと分岐しています。羽田空港への玄関口としてのイメージも強く、大多数の列車が停車する主要駅です。

地図を拡大して見てみると、ホームが非常に細長く、しかもその途中から分岐していることが分かります。なぜこのような構造になっているのかについても、今回詳しく見ていきます。

開業はJRや東急よりも古い1901年のことで、現在の「京急蒲田」という駅名になったのは1987年のこと。近年では様々なキャラクターとコラボした駅構内の装飾も話題となっており、現在は「京急すみっコなかまた駅」というかわいいデザインが施されています。

そんな京急蒲田駅、まず改札口から見ていくことにします。

首都圏で主要駅というと改札口が複数あるところも多いですが、京急蒲田駅の場合はこの1ヵ所のみ。地上から1つ階を上がったところにあり、ここが「改札階」となります。

改札口をくぐると、まず目の前にエスカレーターがあります。左右どちらも上りエスカレーターですが、方面をよく確認してから乗るようにしましょう。というのも、ホームが「2階」と「3階」に分かれており、エスカレーターの乗り口は並んでいても降り口は全く異なります。左が2階ホーム、右が3階ホームです。

先に左のエスカレーターに乗り、2階ホームから見ていきたいと思います。

2階ホームに到着です。

目の前にあるエスカレーターをさらに乗り継ぐと、そのまま3階ホームへも移動することができます。

京急蒲田駅は「2面6線」の構造。1~6番線があり、このうち4・5・6番線があるのが2階ホームとなります。

しかしパッと目に入るのは4番線と6番線のみで、5番線の姿が見当たりません。さらに発車標を見てみると、青砥や品川といった都心方面の行先が並ぶため「上りホーム」なのか…と思いきや、間に羽田空港行が混じっています。これはいったいどういうことなのか…?

まずは4番線と6番線について詳しく説明します。なお、当駅始発・終着となる列車など一部例外もあることをご承知おきください。

 

4番線(8両まで対応)
・横浜方面から入線した快特特急エアポート急行・普通が方向転換して羽田空港方面へと発車していきます。
羽田空港方面から入線した快特特急エアポート急行・普通品川方面へと発車していきます。
羽田空港方面から入線したエアポート快特が通過して品川方面へと向かいます。

4番線は、基本的に「空港線→品川方面」「横浜方面→空港線」の直通列車のためのホームです。なお横浜方面~羽田空港方面を直通する列車に関しては日中ほぼ全ての列車がエアポート急行となります。また羽田空港方面~品川方面に関しては同様に快特エアポート快特のみです。

しかしエアポート快特については京急蒲田に停車することなく、4番線をゆっくりと通過して品川方面へと向かっていきます。ウィング号以外では京急蒲田駅を通過する唯一の種別です。

 

6番線(12両まで対応)
・横浜方面から入線した快特特急・普通品川方面へと発車していきます。
横浜(上大岡)方面から入線したモーニング・ウィング号が通過して品川方面へと向かいます。

 

6番線は空港線と関係なく本線系統で運行される列車のためのホームです。

 

では5番線はどこにあるのか…という話ですが、実は2階ホームの造りはこのようになっています。

5番線(6両まで対応)
横浜方面から入線した普通品川方面へと発車していきます。

 

5番線は、6番線と同じく本線系統の上り列車のためのホームです。ただし6番線の一部を切り欠いて造られたホームとなっており、有効長は6両分しかありません。このため普通のみが使用する待避線としての役割を果たしており、平日朝に限り京急蒲田での緩急接続が行われます。なお緩急接続を終えて5番線から発車した普通は、そのまま6番線の目の前を通過していく構造となっています。

平日朝以外はこの5番線から発車する列車は存在しません。このため昼間でも人気(ひとけ)がなく、通過列車もないためホームドアがありません。5番線に面したエスカレーターは列車発着時間以外稼働停止していますが、列車の発着がない時間帯であっても5番線へ立ち入ることは可能です。

 

さて、羽田空港行の列車は全て4番線からの発車なのかというと、実はそうではありません。先ほども触れた通り、この2階ホームの他にもう一つ「3階ホーム」があり、どうやらそちらの1番線からも羽田空港行の列車が発車していくようなんです。

というわけで、続いて3階ホームへも上がってみることにします。

上がってくるとまず目に飛び込んでくるのは「1番線」と「3番線」。2階ホームと同じく、ここでも番号が一つ飛んでいます。

2階ホームと3階ホームの構造は、大きくは変わりません。となると今は見えていない2番線の位置と役割もおおよそ見当がつくことでしょう。すなわち2階ホームで行っていることと逆のことを3階ホームで行う、というわけです。

1番線(8両まで対応)
羽田空港方面から入線した快特特急エアポート急行・普通が方向転換して横浜方面へと発車していきます。
品川方面から入線した快特特急エアポート急行・普通羽田空港方面へと発車していきます。
品川方面から入線したエアポート快特が通過して羽田空港方面へと向かいます。

1番線は2階ホームでいう4番線と対応しています。「品川方面→空港線」「空港線→横浜方面」の列車のためのホームです。

 

3番線(12両まで対応)
・品川方面から入線した快特特急・普通横浜方面へと発車していきます。
品川方面から入線したイブニング・ウィング号が通過して横浜(上大岡)方面へと向かいます。

 

3番線は、2階ホームでいう6番線と対応しており、本線系統の列車のためのホームです。

 

2番線(6両まで対応)
品川方面から入線した普通横浜方面へと発車していきます。

そして2番線も、やはり本線系統の緩急接続(待避)用のホームとして3番線の一部を切り欠いた位置に設けられています。使用されるのは平日朝のみで、やはり昼間は人気(ひとけ)がありません。

2番線に入線する際は、3番線を通過してから入る形になっています。後からやってくる優等種別は3番線で客扱いを行い、それが発車して2番線に停車する列車の横を通過していくのを確認した上で2番線の普通が発車していくことになります。

 

2階ホームと3階ホームを行き来する階段・エスカレーターは多数設置されています。「上りホームと下りホームの間を行き来する」と考えると何だか不正乗車をしているような気分になり罪悪感がありますが、京急蒲田駅の場合にはそう感じる必要は全くありません。

例えば羽田空港からタイミングのよい横浜方面行の列車がなかった場合、品川方面行の列車に乗り込み京急蒲田で横浜方面行の列車へと乗り換えることになります。この時「空港線→品川方面」の列車は京急蒲田2階ホームの4番線へと入線しますが、乗り換え先の「品川方面→横浜方面」の列車は京急蒲田3階ホームの3番線(一部2番線)からの発車となります。

 

ここまでいろいろごちゃごちゃと書いてきましたが、要は入線してくる方面と発車していく方面ごとに色分けしてまとめると上図のようになります(種別の色ではありません)。こうして見てみると、あれほど複雑怪奇に見えた京急蒲田駅も思いのほかシンプルな造りに見えてくるのではないでしょうか。

みなさんも京急蒲田駅を使いこなしてみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【過酷】東京都内→長野を乗り換えなしで結ぶ普通列車「高尾発長野行」全区間乗車

 

2022年9月9日(金)

今回やってきたのは、中央線の高尾駅。東京都西部に位置する駅で、高尾山への玄関口として知られるほか、東京23区内でも「高尾行」という文字を見る機会はかなり多いと思います。

今回はこの高尾駅から、1日1本限定で運行されている超ロングラン列車へと乗車していきます。

中央線のロングランと聞いて、特急「あずさ」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。もちろん特急なのでロングランといえばそれはそうなのですが、実はこの高尾駅に特急は1本も停車しません

 

…もう分かりますね…?

 

そう、今回はここ高尾始発で運行される地獄のロングラン普通列車に全区間乗車していくことになります。何てこったい…。

というわけで乗車するのは、高尾14時09分発の中央本線 長野行です。

高尾駅を始発として運行される中央本線の下り列車といえば、よく聞く行先は「大月」「甲府」「小淵沢」「松本」等々。松本でもかなりのロングランですが、今回はそれよりもさらに先へ向かう列車に乗車していくことになります。

いくら自然豊かな高尾といえど、東京は東京です。上り列車は揃いも揃ってみんな東京行、目の前のホームに停車している車両は首都圏のJRを象徴するオレンジ色のE233系。ましてや京王線ホームへの行き方まで示されているような駅から、まさかあの「長野」行の普通列車が発車していくなんて、まさかそんなことあるわけ…

あった。

 

本当に、高尾駅で「長野」の方向幕を掲げる車両があった…。

どうやら幻ではなかったみたいです。

使用される車両はJR東日本211系。今回の列車は6両編成となります。オレンジ色の中央線のイメージとは大きく異なり、路線図等で使用されるラインカラーもオレンジではなく青っぽい色になります。

車内はロングシートのみで、平日昼間の割にはそこそこ混雑しているように見えます。中央本線の211系にはボックスシートを主体とした編成も存在しますが、数が少ないのか今回のようなロングシート編成の方を引き当てる確率の方が圧倒的に高いです。

高尾~長野駅間の距離は245.0キロ。これは東海道本線の東京~磐田駅間に匹敵します。そして所要時間は驚異の4時間44分。発車前からその数字の並びの不吉さに恐怖を覚えます。

14時09分、列車は定刻通りに高尾駅を発車。右に見えるのは京王高尾線高尾山口方面です。

高尾を発車するとすぐに県境を跨ぎ、東京都を抜け出して神奈川県へと入ります。最初の途中駅は相模湖駅で、高尾~相模湖駅間は何と9.5キロも離れています。

大変な長距離を走るこの普通列車ですが、相模湖や藤野でもかなりの数の人が下車していき、車内は早くもガラガラになりました。

上野原駅からは、いよいよ長い山梨県へと入ります。まだ何とか、東京都内への通勤客はいないこともないといった距離でしょうか。

四方津駅の駅前からは長いエスカレーターが山の頂上へとのびています。これは「コモアしおつ」と呼ばれるニュータウンへ続いているらしく、一度行ってみたいと思い気になっています。

まだ高尾を発車して30分程度ですが、辺りには大自然が広がります。ちなみに東京駅を発車する”オレンジ色の中央線”の一部は大月駅やその先の河口湖駅へと直通していますので、都会で見慣れたあの通勤車両はこんな大自然の中も走っているということになります。

14時44分、列車は大月駅に到着。富士急行線が分岐する主要駅で、富士山・河口湖方面への玄関口となっています。

ちょうど反対側のホームからは新宿行の特急が発車。特急いいなぁ…快適そうだなぁ…。

しかしそんな思いも虚しく、すぐに大月駅を発車。まだまだ長野までの旅は序章にすぎません。

大月の次の初狩駅は、かつてスイッチバック構造でした。しかし1968年にホームの位置が現在の場所となり、その構造は解消。駅舎(1951年完成)がホームから大きく離れているのはそのためで、ここも一度降りてみたい駅の一つです。

15時04分、列車は甲斐大和駅に到着。ここでは8分間ほど停車があり、後続の特急〔あずさ29号〕を待避します。

トンネルとトンネルに挟まれたこの駅、かつては「初鹿野(はじかの)」という駅名でした。1993年に現在の「甲斐大和」へと改められましたが、現在も「甲州市大和町初鹿野」としてその地名が残っています。

15時12分甲斐大和駅を発車。車窓からは中央自動車道も見えます。中央本線・中央道ともに山あいをくねくねと走ることが特徴で、東海道本線東名高速道路と比較するとその差は歴然です。

勝沼ぶどう郷駅を発車すると、車窓左手には広大な甲府盆地を見渡すことができます。この景色が見えると、いよいよ甲府が近づいてきたという感じです。

春日居町のホームには「日本一の桃源郷」と書かれた看板がありました。桃源郷とは俗世を離れた別世界のような意味合いですが、確かに私が今目指しているのは「過酷な直通列車を乗り通した先に待っている長野」というある意味での別世界なのかもしれません(何を言っているのかよく分からない)。

酒折を出ると、車窓左手から身延線が合流。ぴったりと並走するように走っていますが、その途中の金手駅に中央本線の列車は停車しません。

15時42分、列車は甲府駅へと到着。全ての列車が停車する、山梨県の県庁所在地です。

特急〔かいじ〕の終点でもありますので、通常東京都内からであればほとんどの人が特急を利用するくらいの距離は移動してきました。高尾駅を出てから1時間30分程度ですが、まだ全区間の半分も来ていません。というかよく考えたら、高尾~長野駅間って〔かいじ〕どころか〔あずさ〕の新宿~松本駅間よりも長いらしく、、、、戦慄ものです。

列車はすぐに甲府駅を発車。ここで多数の乗車があり、再び乗車率は高尾駅発車時と同じくらいになりました。

雲が多くて分かりにくいですが、目の前には大きな山が見えています。方角的に赤岳ではなさそうで、地図を見てみると山梨県と長野県の県境に位置する「金峰山」だそうです(間違っていたらすみません)。

一部の特急も停車する韮崎駅勝沼ぶどう郷から続いてきた、甲府盆地らしい景色はこの辺りまでとなります。

韮崎のほか日野春で少しずつ乗降がありつつ、車内は次第に空いていきます。長坂駅は、かつて運行されていた急行〔アルプス〕の停車駅を踏襲するかたちで特急〔あずさ〕が1日上下1本ずつ停車していましたが、2017年のダイヤ改正でそれもなくなり、今では普通列車のみが停車する駅となりました。

16時22分、列車は小淵沢駅へと到着。上野原から長く続いた、山梨県内最後の駅です。3分ほどの停車時間があったため、車外に出て伸びをするくらいの余裕はありました。

ここまでご覧いただいてお分かりかと思いますが、実はこの「高尾発長野行」ってまともな長時間停車がほとんどないんです。せいぜい甲斐大和での8分間の停車時間くらいのもので、これ以外は長くても2~3分程度。特に中央本線内はほとんど全線複線化されていることもあり、普通列車としての表定速度はかなり高そうです。

信濃境からは終点の長野までずっと長野県内を走ります。ホーム上にはかなり年季の入った駅名標が残されていました。

富士見の辺りなどはウトウトしておりましたが、気づけば茅野駅に到着。特に他の路線との接続はありませんが、全ての特急が停車する主要駅です。ここ数年は停車駅の変遷が目まぐるしい中央線特急ですが、最近みどりの窓口が廃止されたことでも話題の茅野はいつまで「全列車停車」を堅持し続けられるかも気になるところです。

16時52分に上諏訪駅へと到着。ホーム上に足湯があることでも有名な駅ですが、ここでは発車が定刻よりも4分ほど遅れることになりました。実はこの辺りは特急が通る幹線でありながら単線区間となっており、ここ上諏訪では特急列車との行き違いを行わなければなりません。しかしその上りの特急列車が遅れていたためこちらの発車も遅れることとなりました。

茅野や上諏訪といった主要駅を次々に通り、車内はかなり混雑。特に夕方の時間帯に差し掛かってきたこともあり、乗客の多くを占めるのは帰宅する高校生です。あまりの混雑ぶりに、車内の様子を写すことも儘ならないほどです。

17時06分頃(定刻+4)に岡谷駅へ到着。接続する17時08分発の快速〔みすず〕飯田行へは何とか間に合い、接続を取るようです。

岡谷駅を発車すると、線路が二手に分かれます。しかしどちらも中央本線で、どちらを通っても塩尻方面へは行くことができます。

長らく中央本線は辰野経由で岡谷~塩尻駅間をU字に結ぶルートでしたが、1983年に短絡ルートとしてみどり湖経由の新線が開業。旧線も廃止されることなく今日まで営業が続けられていますが、特急列車・普通列車ともほとんどが新線経由での運行になっています。今回乗車している普通列車も御多分に洩れずみどり湖経由での運行となります。

長い塩嶺トンネルを抜け、みどり湖駅を出るとまもなく塩尻が近づいてきます。高尾駅を発車してから実に約3時間、半分は過ぎましたがまだまだ先は短くありません。

そして列車は塩尻駅へと到着。回復運転のおかげで、少しは遅れ時分が縮まったようです。

JR東日本JR東海分水嶺にあたるこの塩尻駅。これより先も中央本線は名古屋方面へと続きますが、この列車は中央本線を離れ、この先は篠ノ井線へと入っていきます。

引き続き時間帯もあってか車内は相当な混雑で、途中の各駅での乗降も多くありました。山あいを抜けて比較的線形もよく、列車はかなりのスピードで飛ばしていきます。

17時31分、列車は松本駅へと到着。ここで完全に遅れを回復し、定刻での到着となりました。

松本駅篠ノ井線のほか大糸線松本電鉄上高地線が乗り入れる長野県中部最大のターミナル駅。各方面からの普通列車でもここを始発・終着としているケースがかなり多く、また特急〔あずさ〕ほぼ全列車の始発・終着駅となっています。

しかし私がここで降りるわけなどありません。まだまだ終点へはあと1時間以上かかります。ほとんど全ての乗客が入れ替わったところで、列車は定刻通りに松本駅を発車していきます。

こちらはがんか…ではなく明科駅。9月ですが次第に空が暗くなってきました。

そして冠着を過ぎると、まもなく次の姨捨へと到着します。日本三大車窓の一つとしても知られる姨捨の夜景にちょうど照準を合わせたかのような運行時間でしたので、外を見てみると…!

ベストタイミングでした!

あいにく雲は多かったですが、姨捨の棚田とともに善光寺平の夜景を一望することができました。思えば高尾駅を出る時点では真っ昼間であったことを思うと、いかに長い時間この列車に乗っているかを実感します。

なお、スイッチバック構造をじっくりと観察したい場合は、明るい時間帯の列車に乗られることをオススメします。

このあと桑ノ原信号場という場所では名古屋行の特急〔しなの〕との行き違いのため、再びスイッチバックを行いました。

数々のトンネルや山々を抜けて、18時31分に篠ノ井駅へと到着。篠ノ井線はここまでで、この先わずかな区間のみ厳密には「信越本線」へと入ることになります。かつては高崎~長野~新潟を結ぶ長大な幹線であった信越本線は、1997年の長野新幹線開業時に横川~軽井沢駅間が廃止され、軽井沢~篠ノ井駅間は経営分離されて「しなの鉄道」へと移管されました。その後2015年の北陸新幹線金沢開業時に長野以北が経営分離されましたが、間に挟まれた篠ノ井長野駅間は今でも「信越本線」ということになっています。

高尾駅から揺られ続けること実に4時間44分、18時53分にようやく終点の長野駅へと到着です!!!

いや~、長かった。本当に長かった。

ちなみに計算してみると、この列車の表定速度は245km÷4.73h≒約52km/h。実は何とこれ、京急快特とほぼ同水準なのです。そう考えるとかなりのスピードであることが窺えると思います。

いくら「東京都内から長野まで直通!」とは言ってもあまりに時間がかかりすぎますから、普通に長野へおでかけの際は是非とも新幹線をオススメしたいところですが、興味のある方は是非乗り通してみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【リムジンバスより安い】北九州空港と小倉駅を「知られざる裏ルート」で移動!

 

2022年8月10日(水)

本日やってきたのは、福岡県にある北九州空港小倉駅から直線距離で15kmほどのところにある、北九州市の空の玄関口です。

この北九州空港海上に浮かぶ人工島で、関西空港長崎空港等と似たような造りをしています。

私は今朝、ちょうど羽田からの便でここ北九州へと降り立ちました。これから、小倉駅へと移動していきたいと思います。

羽田・成田、中部、関西といった大都市圏の空港ならばアクセス鉄道が整備されていることもありますが、地方の空港の多くは市街地までバス移動が基本。北九州空港小倉駅間はリムジンバスで結ばれています。途中ノンストップで直行する便も多数設定されており、現在における最もメジャーな北九州空港アクセスルートであると考えます。

一方で、この北九州空港には路線バスも乗り入れています。日豊本線の「朽網(くさみ)」という駅から路線バスが比較的高頻度で運行されており、これと日豊本線を乗り継いで北九州空港から小倉駅へと移動することもできます。今回は迷った挙句、後者のルートを試してみることにしました。

ということで、北九州空港9:41発の西鉄バス51系統 朽網駅行へと乗り込みます。ターミナルビルを出て右に進むと小倉駅へ直行するリムジンバスの乗り場があり、そのすぐ隣にこの朽網駅行の路線バスがあります。

車体のカラーは福岡県内でおなじみのごく一般的な西鉄バスですが、側面を見ると「北九州空港エアポートバス」と書かれたステッカーが貼られており、空港アクセスの一翼を担うバスであることがアピールされています。

本数は毎時1~2本程度で、少なくとも地方空港のアクセスとしてはそれほど困らないレベルといえそうです。いくら飛行機が遅れようとも、この乗り場で数時間待ちぼうけとなることはまずありません。

車内を見てみると、激しく混雑しているわけではありませんが、空港を出る時点で既にそれなりの利用者がいる模様。

しかしリムジンバスと比べて乗客に大きな違いがあります。それは、路線バスの利用者は大荷物を抱えた人が少ないという点です。スーツケース等の大きな荷物を抱えたビジネス客や旅行客であれば、荷物スペースがあるリムジンバスの方を選ぶ傾向が強い気がします。また大きな荷物を抱えて朽網駅の乗り換えをする煩わしさもあるでしょうから、路線バスの乗客は総じて身軽な方が多いように見えます。

連絡橋を渡り、空港のある人工島を脱出して九州本土へと上陸します。前方に見えているのは私の乗る朽網駅行の路線バスの1分前に発車した小倉駅直行リムジンバスです。

北九州空港へと渡る橋はこれ1本のみですので、もしこれが通行止めにでもなってしまうと空港は文字通り「孤島」になります。

橋を渡り切り、九州本土に上陸するとしばらくは有名企業の工場が立ち並びます。誰もが一度は聞いたことのあるような自動車メーカー、衛生用品メーカー、さらには発電所等々まで…。おそらくこの工場地帯一帯も埋立地なのだろうと思います。

工場地帯を抜け、このまままっすぐ進むと東九州自動車道の「苅田北九州空港IC」があります。しかしそちらへは進まず、手前の「空港・IC入口」交差点で右折し朽網駅方面へと向かいます。

国道10号に出るまでは、比較的のどかな景色が続きます。路線バスなので途中には多数のバス停がありますが、いっさい途中乗降がなくスムーズに駅へと向かっていきます。

そしていよいよ、次が終点の朽網駅。バス車内のモニターには、朽網駅からの列車の時刻表まで表示されており、やはりこの朽網駅で乗り継ぎをして空港と市街地を行き来する需要は決して小さくないことが窺えます。

空港を出てから18分、9:59にバスは定刻通り終点の朽網駅へと到着。ここまで運賃は420円でした。

みな足早に駅構内へと向かい、列車へ乗り継ぎます。

朽網駅には東口と西口がありますが、東口の方は「空港口」という呼称が一般的に用いられています。徒歩圏内に空港があるわけではないものの、京急蒲田駅成田駅のような「空港の玄関口としての駅」の雰囲気を感じることができます。

駅舎は橋上となっており、西口寄りにあります。自動改札機も設置されており、各種交通系ICカードが利用できます。

乗車するのは、朽網10:09発の日豊本線 門司港。列車の発車時刻は改札口頭上のモニターで確認できますが、小倉駅等の大きなターミナル駅で見る仕様のものと比べると文字はかなり小さめです。

ホームに降りるやいなや、列車が入線してきました。今回は9:59にバスが到着してからちょうど10分での接続ということで長すぎず短すぎずのちょうどよい乗り換え時間でしたが、9月23日のダイヤ改正により普通列車の時刻に変更が生じているようですので、ご利用の際はご注意ください

813系の車内は、座席少なめ。乗降口付近にかなり広いスペースが出来ており、他では見ないかなり違和感のある座席配置です。

しばらくは北九州市の郊外を走り、車窓は緑が多めでしたが、城野駅あたりはもうかなり北九州市の中心部へ近づいてきている様子。ここは日田彦山線が合流する駅となっています。

関門海峡へと注ぐ紫川を渡り、列車は大きく右にカーブを描きます。写真には映っていませんが、このあたりからはTOTOの本社・工場も見えます。

西小倉で鹿児島本線と合流し、列車は再び紫川を渡ります。見えているビル群の景色がちょうど北九州市の市街地にあたります。

朽網駅から20分、10:29に小倉駅へと到着。北九州空港を出てから、乗り換え待ち時間を含め48分で移動してくることができました。朽網~小倉駅間の運賃は280円ですので、合計700円となります。

ちなみに、リムジンバスで移動すると所要時間は35~40分程度、運賃710円となっています。運賃はほぼ互角で所要時間はリムジンバスの方がやや短め…のようですが、市街地中心部までバスが乗り入れると渋滞等で遅延が発生することもあると思いますので、その際は「朽網乗り換え」のルートの方が時間と運賃の両面で優位なのではないかとも思います。

もっとも、今回ご紹介したルートは必ず乗り換えを伴いますので「何が何でも乗り換えなしで移動したい!」という場合にはリムジンバスの方がオススメです。みなさんも状況に応じて使い分けてみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【絶景の連続】横浜→東京を大型客船で移動! 東京湾夜景クルーズに参加

 

2022年10月2日(日)

本日は横浜みなとみらいにやってきました。これから、ある手段を用いて東京都内へと移動していきます。

通常、横浜から東京へ向かうとなれば大多数の人が鉄道(在来線)を利用するはずです。横浜市内~東京都内は東海道線横須賀線京急線東急東横線…等、実に様々な鉄道路線で結ばれており、全国トップクラスの輸送量を誇ります。

しかし今回私がやってきているのは、横浜駅ではなくみなとみらい線日本大通り駅から程近い「横浜大さん橋」です。ここから乗れる列車などあるはずもありません。

そう、これから東京まで今回はフェリーを利用していきます。

「えっ、横浜~東京を結ぶフェリーなんてあるの?」と思われたことでしょう。

実はあるんです。

それは、東海汽船が運航する大型客船「さるびあ丸」というもの。神津島を10:30に出港し、途中式根島、新島、利島、伊豆大島でお客さんをのせて19:45に東京(竹芝桟橋)へと到着します。平日は伊豆大島~東京竹芝桟橋間をノンストップで運航しますが、土曜・休日に限り横浜(大さん橋)へも寄港するというわけで、この最後の末端区間のみを乗船可能とした夜景クルーズになっているのです。

乗船券には確かに「横浜→東京」と書かれており、まるで特急踊り子号か何かの特急券のようにも見えますが確かに東海汽船の乗船券です。等級は「2等フリー」となっており、座席や客室が割り当てられることはありませんので、当該区間を船室内で過ごすことはできません。価格は1人1,000円で、短区間とはいえ大型客船にこの価格で乗れるのも相当貴重なことだと思います。

受付を済ませ、列に並びます。ちょうど日が沈み、辺りは真っ暗です。

ちなみに今回は、首都圏を中心に活躍する鉄道系YouTuberのたぬきちKくん@tanukichik_jp)に誘ってもらい乗船します。クオリティの高い鉄道・乗り物の動画をたくさん出しているので、是非ご覧くださいませ!!

www.youtube.com

桟橋で待っていると、遠くの方から明るい光が見えてきました!

伊豆諸島からやってきた「さるびあ丸」といよいよご対面です!!

いや~大きい。2020年に就航したまだ新しい大型客船なのでとても綺麗です。

所定の運航スケジュールでは、横浜大さん橋へは18:00に到着し10分後の18:10に出港予定だったのですが、実は横浜へ到着した時点で既に時刻は18:11頃(11分遅れ)。まぁ伊豆諸島の島々へ次々立ち寄って来てますから、このくらいの遅れはもはや誤差の範囲といったところでしょう。

まずはここまで乗船されていたお客さんが次々降りていきます。手には釣り道具やレジャーグッズ等を抱え、週末を南の島で過ごしたみなさんの旅はここで終わり。それとは対照的に、東京湾夜景クルーズはこれからいよいよ始まります。

地上へと降り、いよいよ乗船です!

長蛇の列がありましたが、どんどん大型客船の中に吸い込まれていきます。数十人どころではなく、100とか200とかそういうとんでもない数の人が乗り込んでいきます。

乗船時に乗船券の右側のピンク色の部分が切り取られます。もう片方の白い大きな券片は下船時に必要となるので、なくさないようにしましょう。

乗船するやいなや、皆が一目散に向かうのは上層階のデッキです。客室内に留まっていても景色は見えず、座席も寝台も割り当てられていませんので、狭い階段を上ってデッキへ向かいます。

何とかデッキで景色の見える場所を確保し、いよいよ横浜大さん橋を出港! 時刻は18:32頃で、約22分遅れでの出発となります。

航路はおおよそ上図の通り。京浜工業地帯や羽田空港などがあり、横浜~東京間の移動手段としては鉄道に比べ大幅に回り道であることがよく分かります。航路スケジュール上は横浜大さん橋18:10発→東京竹芝桟橋19:45着(所要時間1時間35分)となっていますが、22分の遅れをどこまで回復できるか気になるところです。

みなとみらいの夜景がどんどん遠ざかっていきます。

いや、綺麗すぎんかおい。地元民の自分ですら思わずそう呟きたくなるほどの絶景です。

みなとみらいを離れてまずやってくる絶景スポットは、横浜ベイブリッジです。大黒ふ頭本牧ふ頭を結ぶ大きな橋で、首都高速湾岸線が走っています。くぐり抜ける瞬間は一瞬ですので、シャッターチャンスを逃さないように!

ベイブリッジをくぐると船は大きく左へ舵を切り、いよいよ東京湾へと出ていきます。左手側には、大黒ふ頭と扇島を結ぶ「鶴見つばさ橋」という橋が見えてきますが、こちらはベイブリッジと異なり直接下をくぐるわけではないので、遠くから眺めることになります。週末ということもあってか、京浜工業地帯の明かりは少ないものののんびりとした時間が流れておりこれはこれで良いものです。

外の景色に気を取られていると、背後を何やら巨大な白い物体が通過。どうやら「東海汽船はこぶね課」とかいうらしいです(笑)。

東扇島付近を抜け、いよいよ羽田空港が近づいてきました。

この羽田空港付近での魅力は、何といっても次々に飛行機が離着陸する光景です!

流石は東京の空の玄関口、羽田空港。さるびあ丸が通過するわずか十数分の間にも、何機もの飛行機を見ることができました。画像では伝わりにくいかもしれませんが、あの臨場感は相当なものです!

船は次第に東京都心部へと近づいていきます。海の森公園の手前では、東京ゲートブリッジ東京スカイツリーもはっきりと見えました。

ちなみにデッキ部分のスペースは限られており、ご覧の通りの混雑具合。確実に景色のよいスポットを確保したいのであれば、横浜大さん橋の時点で少しでも前の方に並ばれておくことをオススメします。しかし船上で身動きは十分に取れるので、人の動きを見ていろいろなところから夜景を楽しむのもアリです。

やがて前方には東京タワーとレインボーブリッジがはっきりと見えてきました。これからレインボーブリッジの真下をくぐることになります。

まもなく右側にはお台場が見えてきます。目の雨にある煌びやかな建物は、東京国際クルーズターミナルです。名前の通り世界各国の船舶も入港する新しいターミナルで、船の科学館の近くにできました。

それに続いて見えてくるお台場のシンボルといえば、フジテレビ本社。レインボーブリッジをくぐる直前、後ろを振り返るとちょうどおなじみのあの球体が見えます。傍にはグランドニッコー東京やアクアシティ等もあり、お台場らしさのある華やかな景色が広がります。

そして!!! レインボーブリッジをくぐっていく!!!

奥には東京タワーもはっきりと見えます。この角度からレインボーブリッジと東京タワーの2つを同時に見ることができるのも、東京湾夜景クルーズならではです。

完全にくぐり抜けてからデッキの後ろの方へ向かうと、ちょうどレインボーブリッジ全体を写すことができます。

ベイブリッジに同じく、ライトアップされていてとっても美しい…!! やはり橋の下をくぐるタイミングが、この東京湾夜景クルーズでの一番の目玉だと思います。

最後にビルとビルの間から眺める、東京タワー。ここまで近づいてくるとさらにはっきりと大きなスケールで見えるようになります。

いよいよさるびあ丸は東京竹芝桟橋へと入港します。目の前には東京~三宅島・御蔵島八丈島を結ぶ「橘丸」の姿がありました。通常は橘丸の方がさるびあ丸よりも5分遅く19:50に入港するところ、今回はさるびあ丸の方が遅れていたため「さるびあ丸のデッキから竹芝桟橋に到着済みの橘丸を見る」という貴重な経験ができています。

20:00頃、ようやく東京竹芝桟橋へ到着。定刻よりも15分ほど遅れての到着となりましたので、若干は回復できたようです。下船の列はこれまた長蛇の列ですので、下船後の列車等での移動には時間に余裕を持っておくと安心です。

というわけで、今回は東京湾夜景クルーズの様子をご紹介しました。

週末限定、乗船料金たったの1,000円でとても楽しめる内容となっておりますので、是非利用してみてはいかがでしょうか!!

ちなみに竹芝桟橋下船後は目の前にゆりかもめ竹芝駅があるほか、徒歩数分でJR各線の浜松町駅や地下鉄各線の大門駅があります。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【速報】終点の駅が通過駅!? 驚きの列車がありました…

 

2022年10月15日(土)

おはようございます。けさは新宿駅にやってきています。

本日はここから「終点の駅が通過駅」という何とも摩訶不思議な列車に乗車していこうと思います。

それがこちら。

新宿6:46発の特別快速〔ホリデー快速おくたま1号〕河辺行です。

ホリデー快速おくたま号って普段は奥多摩行では…!?」と思いますよね。

www.jreast.co.jp

実は本日10月15日、青梅駅での線路切換工事の影響で青梅線の河辺~日向和田駅間が終日運休となっています。普段であれば青梅駅で乗り換えることなく新宿~奥多摩駅間を乗り換えなしで移動できるホリデー快速おくたま号も本日に限り河辺駅での折り返しをしなければならず、したがって本日は河辺行として運行されることになりました。

しかし通常であれば、ホリデー快速おくたま号の途中停車駅は中野、三鷹国分寺、立川、西立川、拝島、福生、青梅、御嶽となります。すなわち、普段は通過する河辺駅が本日の終点となっており、「ホリデー快速おくたま号で河辺駅に行く」というまたとない体験ができるのです。

しばらくすると、中野方面からゆっくりと列車が姿を現しました!

新宿どまりの快速列車として入線しますが、既に行先表示器には「河辺・武蔵五日市」の文字が確かに確認できます。

ホリデー快速おくたま号(6両編成)は、ホリデー快速あきがわ号(4両編成)と連結して10両編成で運行されています。ホリデー快速あきがわ号の方はいつも通り武蔵五日市行としての運行です。

側面の行先表示器もしっかり「河辺行」に対応。どこかの西○州新幹線のように「奥多摩行(河辺でのりかえ)」等と示すのではなく、正直に河辺行であるとしてくれるところに好感がもてます。

ホーム上ではいつもと異なるアナウンスの連続。

「この電車はおくたま号と出ていますが、奥多摩まではまいりません」

「本日、青梅行の列車の運行はございません」

また、レジャー客と思しきお客さんが乗務員さんに列車の行先のことを質問している様子も見受けられました。

車内LCDもしっかりと河辺行に対応しており、オレンジ色の線は河辺までしか塗られていません。

6:46、列車は定刻通りに新宿駅を発車。まずは中央線内をいつも通り走っていきます。

車内は鉄道ファンやレジャー客がいるものの、多いのはそのどちらでもない沿線の利用者の様子。「ホリデー快速」とは言いながらも全車自由席でロングシートですから、中央線の料金不要速達列車としての役割も兼ね備えています。

三鷹では、新宿駅ホリデー快速より4分早く発車した高尾行の列車を追い越し。緩急接続もしっかりいつも通り取られています。

立川を目前にすると、車内の混雑もかなりのものになってきました。特に高校生が多く、その名前とは裏腹に休日の行楽列車という雰囲気はあまりありません。もしかすると、今回の終日運休の影響でレジャー客はいつもよりかなり少ないのかもしれません。

立川駅を出ると中央線から離れ、青梅線へと入ります。青梅線内でも通過駅が多数設定されているのがホリデー快速の凄いところで、立川~拝島駅間では途中西立川にしか停車しません。昭島などそれなりに大きい駅のイメージがあったので意外です。

新宿を出て39分、7:25に拝島駅に到着。ここでおくたま号とあきがわ号の切り離し作業が行われます。

切り離しに際してはいったんおくたま号のドアが閉められ、連結部分が切り離されたのちいったんおくたま号が後退。しっかりと4両と6両に分けられたことが確認できたら、改めておくたま号のドアが開きます。

あきがわ号の方は拝島から五日市線に入り、終点武蔵五日市まで各駅に停車していきます。一方でおくたま号の方は拝島から先も通過駅が多数ありますので、引き続き特別快速らしい走りを見せてくれることでしょう。

7:32に拝島駅を発車。次の福生(ふっさ)は東京都内屈指の難読駅名としても知られています。

途中の停車駅でも発車標の行先のところはしっかり「河辺」になっており、かつ代行バスへ乗り換えが必要な旨も案内されています。JR東日本、このあたりはしっかりとしているのでとてもありがたいです。

そして福生を発車し、次がいよいよ終点の河辺となります。広域な路線図では「おくたま号」を示す青い線が奥多摩まで引かれているものの、駅名が黒く塗られているのは河辺まで。この先の青梅、御嶽、奥多摩は通常なら黒く表示されるところでしょうが、細かいところまでしっかりと本日の運休に対応した仕様になっています。

7:43に終点の河辺駅へと到着!!

いやー、本当にホリデー快速おくたま号で河辺駅へと降り立ててしまいました!

列車は折り返し7:48発の拝島行となります。河辺駅は1面2線の島式ホームですが、私の見た限りでは列車は全て1番線で折り返しているようで、通常は下り列車の発車するホームから上り列車が発車するという貴重な光景を目にすることができました。

ホーム上や改札口では多数の係員の方が誘導にあたっており、河辺駅では6台ある自動改札機のうち左側の2台を「代行バスへ乗り継ぎの客」の専用通路として開放していました。本来ならば河辺駅で出場する必要はないわけですから、料金を差し引かれないようにしているものと思います。

ただ、何と驚いたことに代行バスではICカードが使えないようです。JRのきっぷを買って乗る必要があるそうで、これを知らずに都心方面からICカードで来てしまい、河辺駅で泣く泣くいったん精算し紙のきっぷを買い直す方もいたのではないでしょうか。

代行バス河辺駅の南口から発車するそうです。私は今回乗車しませんが、せっかくなので見に行ってみたいと思います。

代行バス河辺駅南口の①番のりばから発車しているようです。西東京バスの乗り場ですが、いま写真に映っているのは京王バスです。側面には「日向和田駅 JR代行輸送」と書かれています。

何といっても興味深いのは、その運行本数。普段最大10両編成の列車が行き交う青梅線の代行輸送ですから、代行バスでは単純に考えても列車以上の本数のバスを走らせなければ供給が需要に追いつきません。

代行バスの乗り場は1ヵ所ですが、そこに次々とお客さんがやってきます。多数の誘導によって列が造られ、特段大きな混乱や混雑は発生していないように見えます。

代行バスは特に決まったダイヤで動いているわけではないようで、次から次へと河辺駅南口のロータリーに吸い込まれ、来た人からどんどん乗せているといった様子。駅では「おおむね3分間隔での運行」と案内されていました。京王バスのみならず西東京バス国際興業バスの車両も使われ、あちこちから路線バスが総動員されているようです。

面白いくらいに次から次へとバスがやってくる様は非常に興味深く、JRをはじめ各社の努力の賜物であると感じました。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【最後のブルートレイン】寝台特急北斗星 上野~札幌16時間の旅

 

2015年2月2日(月)

本日は上野駅へとやってきました。これより、ブルートレインで北海道へ渡りたいと思います。

今回乗車するのは、上野19:03発の寝台特急北斗星〕札幌行です。

上野駅の発車標では、北斗星は「宇都宮線東北本線)」の欄に表示されます。「宇都宮」「小金井」といった関東近郊の行先ばかりが並ぶ中で、同じフォントで平然と「札幌」と表示されている光景は一瞬目を疑いますが、これもまた今となっては貴重な光景です。

そして注目していただきたいのは、各列車の一番左の欄に表示されている「始発」の文字。いよいよ来月開業する上野東京ラインを前に、発車標が取り替えられている証です。かつてこの上野駅は東北・信越・北陸等各方面からの「玄関口」としてあらゆる列車が「当駅始発」で運行されるターミナルでした。しかし上野東京ラインが開業すれば上野始発の列車は減少するため、それらの区別がつくよう欄が設けられているものと思われます。上野駅を跨いでの直通運転が日常のものとなれば、かつてここが始発・終着駅であったという記憶もいつしか薄れてしまうのかもしれません。

かつて星の数ほど走っていた”上野発の夜行列車”も、今は「北斗星」と「カシオペア」の2本のみ。特に「北斗星」は我が国の鉄道史における「最後のブルートレイン」であり、まもなくその半世紀以上の歴史に幕を下ろすことになります。

18:44頃、いよいよ青い客車が尾久方面から入線。「推進回送」とよばれる方法で、機関車を最後尾に連結し客車部分を先頭にして入線してきました。

北斗星をはじめとする「ブルートレイン」は、電車でも気動車でもなく「客車列車」。一般的に、旅客が乗り込む客車部分に動力はなく、先頭に強力な機関車を連結して運行されます。機関車といってももちろん蒸気機関車(SL)ではなく、上野発着の夜行列車においてはいずれも電気機関車(EL)が用いられます。先頭にはヘッドマークが取り付けられ、旅の気分が一気に高まります!

各車両の側面には方向幕が設置され、「特急 北斗星 札幌」と出ています。国鉄時代によく見られた独特のフォントで、これも今では全国的にかなり数を減らしてきています。

編成の最後部にはテールマークが表示され、これもヘッドマークと同じくめちゃくちゃカッコいいデザインです!

平日にもかかわらず、ホームには多くの鉄道ファンが押し寄せています。定期運行終了まであと約1ヵ月に迫り、我が国最後のブルートレインゆえ名残を惜しむ人は多いこと間違いありません。

北斗星には、A寝台「ロイヤル(1人用)」「ツインデラックス(2人用)」、B寝台「ソロ(1人用)」「デュエット(2人用)」「二段式開放寝台」の計5種類の寝台が用意されています。A寝台は全て個室となっており、北斗星に開放A寝台はありません。B寝台では開放寝台以外の「ソロ」「デュエット」が個室ですが、この3種類は全て1人あたりの寝台料金が6,480円で同額なので、個室の方がお得感があります。今回は父親とともに「デュエット」を利用していきます。

部屋の中はご覧の様子。中央に出入口があり、それを挟むように2つのベッドが配置されています。B寝台なので個室内にお手洗い、洗面台、シャワー等の設備はありません。共用のものを利用することになります。

列車は定刻通り、19:03に上野駅を発車。無数に並ぶ線路を横目に、これから約16時間かけて札幌を目指します。

途中停車駅は大宮、宇都宮、郡山、福島、仙台、函館、森、八雲、長万部、洞爺、伊達紋別東室蘭、登別、苫小牧、南千歳です。寝台特急のため深夜帯は客扱いの停車を行いませんが、もちろん仙台~函館駅間を全くの無停車で突っ走っているわけではなく、途中数ヵ所で運転停車を行います。

大宮を発車したところで、夕食のお時間にします。

北斗星には食堂車「グランシャリオ」が連結されています。しかしディナーは完全予約制で、フランス料理コース(8,500円)もしくは北斗星懐石御膳(6,000円)ととても手が出るような代物ではありません。

そこで選んだのが「グランシャリオ弁当」(1,100円)。車内限定のお弁当で、事前に電話予約を入れておくことで当日車内での受け取ることができます。

ふたを開けてみると、しらすご飯、焼き魚、煮物など和風中心のメニューになっています。これはもはや四捨五入して和風御膳と言えそうです(そんなことはない)。

食後はしばし車内を探検。基本的には個室主体の寝台特急ですので、このように通路が片側に寄せられて扉がずらりと並んでいます。普段利用する電車にはない、独特の雰囲気です。

こちらは二段式開放寝台。いわゆるドミトリーに似た造りをしており、4人で一つの区画を使用する配置です。各寝台はカーテンを閉めることである程度のプライバシーが確保できるようになっています。

こちらは共用スペース内にある洗面台。2~3時間程度しか乗車しないような特急電車なら洗面台があっても乗車中に一度も利用しないことも多いですが、寝台列車の場合はそうはいきません。動く列車の中で水が使えるというのは凄い技術であるとつくづく感じます。

気づけば列車は首都圏を抜け、21:52に郡山駅へと到着。新幹線ならあっという間の距離のはずですが、上野を出てからここまで約3時間かけて移動してきています。

そしてここで、遂に念願の食堂車へと入れることに!

実は北斗星では、事前に予約が必要なディナータイムの他に「パブタイム」と「ブレックファストタイム」でも食堂車が開放されます。パブタイムは21時頃からで、何とこのタイミングで運良く利用できることになりました。予約がいらない代わりに先着順だったかと思いますので「せっかく並んでも入れなかった」となる可能性がある点に注意が必要です。

パブタイムではメニューをその場で自由に注文することができ、特に印象に残っているのはこちらのピザ(800円くらい)。お皿に収まるくらいでそれほど大きいわけでもありませんが、動く列車の中でアツアツのピザを味わえると思えば安いものです。

この他にもシチュー等があり、各メニューともディナータイムに比べれば比較的リーズナブルですので、このパブタイムを夕食の時間としている乗客もそれなりにいました。

このあとは福島、仙台と停車します。仙台を23:30に発車すると、翌朝の函館まで客扱いの停車はありません。しかし青森で列車の進行方向が変わるため、機関車を付け替える必要があります。またその他にも盛岡等で運転停車を行うため、実際は深夜でも動いたり止まったりを繰り返します。列車の揺れに不慣れな上、初めての夜行列車で興奮しているのでなかなか寝付けませんでしたが、仙台を出てしばらくすると気づけば夢の中にいました。

 

2015年2月3日(火)

列車は深夜帯の青函トンネルを通り、いよいよ北海道へ。

6:30過ぎ、列車は函館駅へと到着。定刻では6:35着のはずですが、数分程度遅れていました。

函館では、青森に続き列車の進行方向が再び変わります。ここで青函トンネル内を牽引してきた機関車が切り離され、反対側に新たな機関車が連結されます。この赤い機関車は深夜帯を走るだけなので乗客誰の目にも触れないはずですが、それであってもしっかりとヘッドマークが装着されていたというのは意外でした。

函館駅構内には、開業が迫る北海道新幹線の広告がありました。新幹線にとっては新たな「物語がはじまる」一方で、北斗星カシオペアトワイライトエクスプレス等が紡いできた物語は、まもなく終わりを迎えようとしています。

函館駅では10分ちょっとの停車時間があるため、今回のような少しの遅れであれば函館を定刻で発車することができます。発車標には「寝台」を表す流れ星のマークが光り輝いており、めちゃくちゃカッコイイです!!

列車は函館を定刻通りに発車。外はすっかり雪景色で、上野を出発してから約12時間が経過しました。本当に遠いところまでやってきたのだと実感します。

この先七飯大沼駅間では、線路が二手に分かれています。渡島大野仁山を経由する本線に対し、途中駅が一切ない通称「藤城支線」と呼ばれる裏ルートがあり、北斗星をはじめ「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」「スーパー北斗」等の下り列車は全てこの藤城支線を経由します。この藤城支線の方が勾配がきつくなく、スルーしてしまう渡島大野仁山とも特急が停車するような大きな駅ではないので全く問題なしというわけです。ただしこのうち渡島大野に関しては、来年の北海道新幹線開業に伴い駅名を「新函館北斗」へと変更して新幹線の終着駅になることが決まっています。

大沼公園付近を走行中、窓の外を見てみると…そこは一面の銀世界。もちろんこの景色自体は北斗星でなくとも普通列車・特急列車等の車内から同じものを見ることができますが、上野からずっと乗車し続けてきたこのブルートレインの車内から見る白銀の世界はまた格別です。

ここでいよいよ、朝食のお時間です。パブタイムに続きブレックファストタイムも予約不要で利用することができますので、列に並んで入店。朝食は和食か洋食から選ぶことができ、お値段はいずれも1,650円。今回は洋食の方にしました。

まさにホテルの朝食のような豪華さで、その味も確か。パブタイムは若干騒々しかった一方、このブレックファストタイムでは穏やかな時間を過ごすことができます。

パンをちぎりながら窓の外に目をやると、目の前に真っ青な海が広がっています。ちょうど列車は内浦湾沿いを走行しているところで、運良く海側の席へ案内されたのがラッキーでした!

食後は特に何かすることがあるわけでもないので、部屋に戻りのんびりと過ごします。北海道内に入ってからの停車駅は聞き馴染みのない駅名ばかりで、ホーロー看板もあいまってかなりの距離を移動してきたことを実感します。

編成の最後部へ来てみると、後面展望を楽しめるようになっていました。線路上は除雪されているのかそれほど雪は被っていませんが、上野から北海道へと線路が確かに繋がっていることを、一晩かけてまさに感じているところです。非電化区間ですので、頭上に架線はありません。

ここで再び開放寝台の様子を見に行ってみました。既に下車されている方もそこそこいる一方で、寝具類が全く使われた形跡のない区画も多くみられました。そういえば今日は2月の平日、オフシーズンにはやはり満席とはならない現実を目の当たりにしました。

窓の外からポカポカと暖かい日射しが入ってくると、思わず二度寝をしたくなります。というか二度寝してました。札幌駅到着が朝早いわけではありませんので、このように起きてからものんびりと過ごせるのは至福のひと時です。

千歳線に入り、列車は南千歳駅を発車。いよいよ次が終点の札幌です。スーパー北斗は途中の新札幌にも停車しますが、北斗星は通過します。このあたりで車内販売がやってきたので、記念に北斗星のキーホルダーを買いました。確か1,200円くらいした気がします。

札幌が近づくにつれ、車窓は次第に都会的な雰囲気へと変化していきます。上野を出てから長い道のりではありましたが、しかし思い返してみれば数々の感動体験で本当にあっという間でした。

来月のダイヤ改正をもって、寝台特急北斗星は定期運行を終了します。夏頃までは臨時列車として運行が継続されるようですが、しかしもう私がブルートレインに乗車できることは生涯で2度とないでしょう。

技術の進歩を惜しむつもりはありません。新幹線の開業や技術革新によって、これまでよりも速く、快適に、便利に移動できるようになることは本当に素晴らしいことです。しかし一方で、寝台列車にも人々の夢は詰まっています。古いものばかりを良しとする風潮はあまり好きではありませんが、今回私にとって最初で最後となった「ブルートレイン乗車」は一生の思い出としていつまでも心の中に残り続けることでしょう。

列車は定刻(11:15)よりも3分ほど遅れ、11:18頃に終点の札幌駅へと到着。いや3分くらいいいんですよ、むしろもっと長く乗っていたいくらいです。

函館から札幌までは、こんな機関車が2両重連で客車を牽引してくれていたようです。貨物列車を引っ張る機関車のイメージが強いですが、やはりしっかりとヘッドマークを装着してくれています。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【ワンコインでこのゆとり】京阪「プレミアムカ―」で快適移動! もう普通車には戻れない!?

 

2022年8月28日(日)

今回やってきたのは、京阪本線出町柳駅。これから大阪方面へと向かいます。

出町柳駅は、京阪電車叡山電車が接続するターミナル駅。JR各線のターミナルである京都駅からはやや離れていますが、駅の目の前を鴨川が流れており、近くには京都御所下鴨神社京都大学といった有名スポットが集結しています。

今回はここ出町柳駅から、京阪本線に乗って大阪の淀屋橋駅まで「プレミアムカー」を利用していきたいと思います。

「プレミアムカ―」とは、京阪の快速特急・特急・ライナー・快速急行に連結されている特別車両のこと。空席状況は駅構内にあるモニターで随時確認することができます。日中は主に特急・快速急行での運用が多いようですが、それにしてもかなり高頻度で出ているんですね。

指定券を買って改札口をくぐり、いざホームへ。今回は出町柳13:43発の特急 淀屋橋へと乗車していきます。発車標には「一部指定」と表示されており、これがまさにプレミアムカ―のことです!

2番線で待っていると、いよいよ列車が入線。1989年にデビューした8000系という車両で、正直なところものすごく新しい車両…というわけではありません。こんな古風な車両に本当にプレミアムなカーが連結されているのでしょうか…?

ちなみに8000系の一般的な車内はご覧の通り。ドア数が少なく、転換クロスシートが並んでいてこれでも十分な設備に思えます。

しかしその中に、1両だけ明らかに雰囲気の違う車両が!

そう、この6号車こそ特別車両「プレミアムカー」です。乗車口付近は金色の模様で塗られ、上部には「ELEGANT SALOON」と書かれています。

プレミアムカ―の乗車口付近に設置されている行先表示器はかなり大きく、種別・行先のほか列車号数や発車時刻まで表示されています。京阪の優等種別には列車愛称が設定されていないため、代わりに号数や発車時刻を表示することで、その車両が自分の予約したプレミアムカ―かどうかを確かめられるようになっています。観光客にとって「淀屋橋」だけではどこへ行くのか伝わりにくいでしょうから、「大阪」とつけているのもとても親切で分かりやすい工夫だなと思います。

車内へ入ると…おおぉぉ!! さっきの転クロ車両の車内とはだいぶ違った雰囲気です!

そもそも4列ではなく3列の座席という点がまず感動。私鉄の有料座席で3列ってあまり聞かないですよね。背面は白っぽく清潔感のある色合いです。

座面は黒を基調とした重厚感あるデザインで、背もたれの左右には目隠し(?)もついています。今回は2人がけの方に座ります。転クロ車両とは異なり、しっかりとリクライニングができるようになっています。

列車は定刻通りに出町柳を発車。この先特急は三条、祇園四条、七条、丹波橋中書島、樟葉、枚方市、京橋、天満橋、北浜へと停車します。客室上部に取り付けられたモニターは遠くからでも非常に見やすいデザインになっています。

京都市内中心部では、列車は地下を走行します。ちょうど鴨川に沿って南下しており、途中には「n条」(nは任意の自然数が入る)という駅名が連続します。このn条とは京都市内を東西に走る通りの呼び方で、南へ進むほどnの値は大きくなります。

三条駅京都市営地下鉄東西線三条京阪駅と乗り換えが可能で、この地下鉄東西線は京阪京津線との相互直通運転を行っています。すなわちここで乗り換えれば、山々を越えてびわ浜大津石山寺方面へとアクセスができることになります。出町柳で3分早く発車していた先行の準急をここで早くも追い越します。

ちなみにこちらがプレミアムカー券。駅で買う場合は有人窓口もしくはキャッシュレス券売機が利用でき、一般的な券売機では購入できません。有人窓口で購入すると上の画像のようなレシート状のものが発行されます。JRや近鉄等にあるような紙のきっぷは存在しないようです。WEB購入も可能ですので、そちらの方が駅で買うより利便性は高いかもしれません。

続いては祇園四条駅七条駅へと順に停車。祇園四条は阪急京都本線の阪急河原町駅との乗換駅となっていますが「祇園四条と京都河原町は乗換駅だよ」と言われても首都圏民にはピンときません(笑)。なぜ乗換駅どうしなのに駅名がお互いにこすりもしていないのでしょうか。

七条駅京阪本線の中で最も京都駅に近い駅です。バス等もありますが、京都駅までは概ね徒歩圏内といったところでしょう。ここまでは地下区間が続いていましたが、この先はいよいよ地上へと出ます。

各座席には背面テーブルとコンセントを完備。車内にはフリーWi-Fiも整備されており、とても快適です。このゆとりをたったの500円で手に入れられるというのは信じられません。

地上に出てきました。途中にはJRと接続する東福寺駅や、伏見稲荷大社への玄関口となる伏見稲荷駅等がありますが、特急はいずれも通過していきます。東福寺駅は普通と区間急行以外全て通過するようで(区間急行は萱島出町柳駅間各駅停車)、それほどJR京都駅方面への連絡の重要性は高くないのかもしれません。

地上に出て最初の停車駅は丹波橋駅近鉄特急の停車駅でもよく聞くおなじみの駅で、近鉄の駅とは通りを挟んで反対側にあります。

京阪宇治線と接続する中書島(ちゅうしょじま)駅を発車してしばらくすると、列車は京都府を抜けて大阪府へと入ります。余談ですが今から4年ほど前、”中書島”が読めず宇治方面へ旅行する時に苦労した思い出があります。

途中には緑の中をかきわけて進むような区間もあり、JR以上に線形がぐねぐねと曲がっています。新快速と比べるとそこまでスピードを出して走っているわけではないようです。

くずはモールがある樟葉駅を発車したのち、列車はマイカタ…ではなく枚方市(ひらかたし)駅へと停車。いや…読めんて…。しかしだんだんと大阪が近づいてきています。

寝屋川市駅を通過してしばらくすると、複々線区間へと入ります。当然ながら特急は内側(急行線)を走ります。その先には土居・滝井・千林という3つの駅が短い間隔で設置されていることで有名な区間があるようですが、ぼーっとしていたらいつの間にか通り過ぎてしまいました。まぁそれくらい3つの駅が近いということです。

まもなく列車はJR大阪環状線と接続する京橋駅へ到着。東京で「京橋」と聞くと銀座線の駅を思い浮かべますが、大阪の京橋の方が明らかに大きなターミナル駅です。この先では京阪中之島線が分岐していきます。

出町柳を出て53分、列車はようやく終点の淀屋橋へと到着です。優等種別の特急であってもJRと比べると京阪間の移動にはかなり時間がかかりますが、それを補って余りあるほどの快適な座席は時間がたつのを忘れさせてくれました。

淀屋橋駅ではすぐに折り返し作業が行われるため、プレミアムカーの座席は自動で転換されます。これも見ているとなかなかに面白いもので、一度に全ての座席は転換できないため一つおきに回転しています。

 

みなさんも京阪を利用する際は是非プレミアムカーへご乗車ください!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。