わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

お正月ならではのルートで走る! 新春初詣やまどり号乗車記

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回はお正月限定で運行された、とある珍しい臨時列車をご紹介します。

 

2022年1月2日(日)

今回やってきたのは群馬県高崎駅。県庁所在地ではありませんが、県内最大のターミナル駅です。

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お正月というと、みなさんはどのように過ごされるでしょうか。ご自宅や帰省先等で特に予定を入れずのんびりと過ごす人、新年早々出勤がある人等様々でしょうが、時間があれば是非とも初詣に行っておきたいところですよね。

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そんな方向けに運行された列車がこちら。高崎7:14発の快速〔新春初詣やまどり〕高尾行です。485系ジョイフルトレイン「リゾートやまどり」を使用し、高崎から高尾までを結ぶロングラン列車です。今回はこれに乗車していきます。

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発車時刻の数分前に8番線に列車が入線。始発駅ですが停車時間はわずかです。色合いや顔の形は往年の国鉄特急485系と大きく異なりますが、モーター音を聞くとやはり国鉄時代から走る485系であることを実感します。

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側面の行先表示器には「臨時」という表示がなされています。以前は大宮~長野原草津口駅間等で頻繁に運行されていましたが、近年はそれもなくなってしまったためこの表示で走る機会も多いのではないでしょうか。

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列車は定刻通りに高崎駅を発車。まずは高崎線の大宮方面へと走っていきます。

駅の発車標にもある通り、この列車は全車指定席。シートピッチが大変広く、在来線特急のグリーン車並みのゆとりがあるのが大きな特徴です。JR東日本では珍しく1+2列で、かつフットレストもついています。もちろん背面テーブルも備わっているので、首都圏でも指折りの乗り得列車といえます。

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また編成内にはラウンジスペースやキッズルームもあり、観光地への家族連れの利用も想定されていそうです。一方で近年では車両運用上の貴重さもあって車内は私を含め鉄道ファンが多く、キッズルームが使われる機会も少なそうです。

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こんなに豪華な仕様の列車ですが、あくまでも快速の指定席なので乗車券にプラス530円の指定席券のみで乗車できます。非常に人気が高く、乗車日1ヵ月前の発売開始と同時に満席となってしまうことも多いですが、その後のキャンセルを狙い私も何とかえきねっとにて予約することができました。

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窓の外を見てみると、穏やかな冬晴れの朝を迎えています。雲一つない澄んだ空が本当に綺麗です。北海道が記録的な大雪であるなどこの景色からは想像もつきません。

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途中の大宮までの停車駅は本庄、深谷、熊谷、鴻巣、北本、桶川、上尾となっています。特急あかぎ・スワローあかぎ号と同じくらいの停車駅があり、高崎駅からだけでなく高崎線沿線の主要各駅からの乗客を少しずつ拾いながら高尾へ直通する意図があるようです。高崎駅出発時は乗車率50%ほどでしたが、各停車駅から少しずつ乗車がありました。

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普通列車の行先でよく見る「籠原」もこの列車は通過。よく籠原どまりで高崎へ行けない列車を指して「カゴハラスメント」→「カゴハラ」と言ったりしますが、新春初詣やまどり号ならそんなハラスメントとも無縁です。

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新幹線や秩父鉄道と接続する熊谷駅には7:52に到着。快速とは言っても、普通列車とあまり所要時間は大差ありません。

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上尾を過ぎ、まもなく大宮が近づいてくると車窓右手には鉄道博物館が見えてきました。屋外に展示されている車両は既に引退したものばかりですが、まさに今走っている列車の車窓から見えるので何とも不思議な気持ちになります。

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8:30に列車は大宮駅へと到着。ここでは2分ほどの停車時間があります。2つ隣のホームにはリニューアルされたE257系の姿もありました。お正月の三が日は初詣客・帰省客の需要があり各方面へ臨時列車が運行されますから、あれもその一つかもしれません。

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そしてドアが閉まり、列車は大宮駅を出発。次の停車駅は、何と終点の高尾です

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この新春初詣やまどり号の最大の特徴は、大宮を出ると次は終点の高尾まで降りられないという点にあります。東京都心部を経由せずに武蔵野線や各種短絡線を通って東京都西部に入り、中央線に入ってからも一切の客扱い停車を行いません。

詳細な経由路線の解説は今回は省略しますが、以前ご紹介した「むさしの号」と同じです。ただし今回の列車では大宮駅のホームが3・4番線ではなく7番線からの発車となりました。

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右手にはさいたまスーパーアリーナを望みながら、さいたま新都心駅を通過していきます。私の隣の席は高崎を出てからずっと空席で、大宮を出ても誰も来なかったのですが、車内放送で「本日この列車は満席です」と言っていたのでもしかすると乗り遅れてしまったのかもしれません。

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埼京線中浦和駅付近を通り、列車はデルタ線を通って武蔵野線へと入っていきます。

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武蔵野線内では、多少速度を緩めることはあっても特に運転停車は行われませんでした。むさしの号やしもうさ号は武蔵野線内で各駅に停車しますし、臨時列車でも北朝霞や新秋津等には停車することが多いので、武蔵野線内の駅を全て通過する旅客列車というのはかなり珍しい気がします。

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武蔵野線新小平駅を通過すると、列車は大きく右にカーブを描いて中央線へと合流します。一応この短絡線は西国分寺駅を通過している扱いですが、実際には西国分寺駅の構造上武蔵野線ホームと中央線ホームが直交しているためその手前で分岐する必要があります。

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ほぼ全ての列車が停車する立川駅ですが、ここでは客扱いこそ行わないもののわずかな運転停車の時間がありました。ホームの発車標には「JR」とだけ表示されています。リゾートやまどり号は窓が大きいこともあり、ホームで後続の中央線の列車を待っているお客さんと目が合ってとても気まずい雰囲気になりました(笑)。

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いつも中央線に乗っていると、この辺りでだいぶのどかになってきたなぁと思うものですが、今回は東京都心部を通らずに高崎線から中央線へと入っているため、景色の変化はそこまで大きくありません。ただし窓から見える方角はかなり変わっています。

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そして特急列車でさえも全て停車する八王子駅をこの新春初詣やまどり号は通過していきます。これはなかなか見られる景色ではありません。

恐らくですが、立川や八王子といった中央線の途中駅で客扱いの停車をしてしまうと大回り乗車での短区間利用が多発してしまうため、それを防止する目的があるものと思われます。八王子より西の東京近郊区間は中央線一本道のため大回り乗車で通ることはできません。

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そして高崎駅を出てから2時間13分、9:27に列車は終点の高尾駅へと到着!

高尾駅駅名標と「リゾートやまどり」のロゴが並ぶ光景もなかなか珍しいと思います。

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あまり長時間停車してしまっても後続の中央線の列車が入線できなくなってしまうので、列車はすぐに相模湖方面へ回送されていきました。

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

2022年は波乱の幕開け!? 東海汽船「新春初日の出クルーズ」八丈島コースに参加したら思わぬ事態に…

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みなさん、明けましておめでとうございます! わたかわです。

2022年も「わたかわ 鉄道&旅行ブログ」をよろしくお願いいたします。

 

2022年最初の記事は、大みそかの夜から元日にかけて運航された東海汽船の「新春初日の出クルーズ」の様子をご紹介します。

 

2021年12月31日(金)

2021年も残すところあとわずか。この大みそかの夜に私がやってきたのはJR浜松町駅です。

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私の中ではここ数年、初日の出を見るために毎年どこかへ出向くことが恒例になっています。

2021年:海芝浦駅(神奈川県)
2020年:津田の松原(香川県
2019年:犬吠埼(千葉県)

そして2022年の初日の出を見るべく私が今回参加するのが、東海汽船の「新春初日の出クルーズ」です。過去3年間は主に鉄道を利用して自ら初日の出スポットへ出向くスタイルでしたが、4回目の今年はツアーへ参加して初日の出を狙います。

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新春初日の出クルーズは「神津島コース」「八丈島コース」の2種類が用意されており、いずれも東京の竹芝桟橋フェリーターミナルと各島を結ぶ定期航路を利用したクルーズプランとなっています。今回私は30名限定の「八丈島コース」へ申し込みました。

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浜松町駅から徒歩5分程度で、竹芝桟橋フェリーターミナルへと到着。ここには伊豆諸島各方面へと向かう大型客船やジェット船が発着します。

直前までアルバイトが入っていたので出港40分前の到着となりかなりギリギリではありましたが、無事に間に合いました。今回参加するツアーは電話予約限定なので、事前に通知された予約番号を当日窓口で告げ、支払いをして無事に乗船券をゲットしました。ツアー代金は15,000円で、この代金に東京~八丈島間の往復「特2等」運賃や諸特典が含まれています。

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モニターにて運航状況を確認します。大型客船の夜行便は22:00発と22:30発がありますが、今回私が乗るのはもちろん後者の三宅島・御蔵島八丈島です。大島以外の各島には★のマークがついており、これは現地の天候や海面の状況次第では入港できない可能性があることを示しています。竹芝桟橋を予定通りの時刻で出港するものの、確実に到着できるかは分からないという「条件付き」での出港になります。

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各島の位置関係はご覧の通り。八丈島方面へと向かう航路は、神津島方面へと向かう航路に比べかなり距離が長いことが分かります。東京~八丈島間は10時間以上を要し、一晩かけて向かうことになります。

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22:10頃より乗船開始。案内に従って進んでいくと、まもなく黄色い大きな船が見えてきました。こちらが今回乗船する東海汽船の大型客船「橘丸」です。飛行機のようなボーディングブリッジが設置され、乗客は乗船前に検温をしてから線室内へと入ります。

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橘丸には様々な等級の船室がありますが、今回私が利用するのはこちら「特2等」です。6段階あるうちの下から2つ目で、ドミトリーや往年のブルートレインの開放寝台のような2段式の寝台になっています。遮音性はなく、またベッドは決して広いわけではありませんが、カーテンがありプライベート空間が保たれるので悪くはない気がします。

各寝台スペース内には寝具一式・ライト・コンセント・鍵付コインロッカーが完備されています。また入口付近には大きな荷物を置くことのできるスペースも確保されており、スーツケース等があっても安心です。なお船内にはWi-Fiも完備されていますが、基本的に陸地の近くでないと電波が入らないので航海中の接続はあまり期待できません。

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今回は往復セットでのツアーのため、乗船券は竹芝桟橋出発時に往復分発券されます。こちらは往路分の乗船券で、右側のミシン目は乗船時に改札口で半券を切り取られた跡です。この乗船券を手にしてようやく「これから八丈島へ行くのか…!」という実感が湧いてきます。

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そして時刻は22:30となり、橘丸は定刻通りに東京・竹芝桟橋を出港です! ボーディングブリッジが外され、係員の方々がこちらへ手を振ってくださっています。2021年も残すところあと1時間30分、いよいよ八丈島までのクルーズの始まりです!

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橘丸はしばらく波の穏やかな(←ここ重要)東京湾内を進んでいきます。後方にはライトアップされた東京スカイツリーと築地大橋がよく見えます。

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出港してから約10分後、22:40頃に橘丸はレインボーブリッジの下をくぐります。寒空の下ですが大変多くの方々がデッキに出られていました。

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お台場の方向に目を向けてみると、フジテレビ本社がギラギラとライトアップされています。大みそかの夜と言えば各テレビ局で面白い特番が組まれ、それをご自宅や帰省先で観ながらのんびり過ごされる方も多いでしょうが、大型客船で夜の東京湾を進むのもそれとはまた違った面白さがあると思います。

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あまり長く外にいるのは寒いので、程なくして船内へと戻ります。

中央には大きな階段があり、客室は4~6階に分布しています。

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案内所では2等船室客向けの毛布の貸し出しも行っています。お正月らしく、しめ飾りや鏡餅等が飾られていました(翌朝に撮影したものですが、竹芝桟橋出港時からありました)。

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案内所には、各島発着予定時刻が掲載されています。竹芝桟橋でも案内のあった通り、現地の天候次第では着岸できない可能性があるようですが、この時点ではまだそのことなど全く気にも留めていませんでした…。

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こちらは新春初日の出クルーズ参加者限定の案内および特典です。御朱印ならぬ「御船印」というものがあるようで、新春初日の出クルーズ限定のオリジナルデザインのものが配布されました。またオリジナルデザインの絵馬のほか、「船内レストラン食事券」(1回分)もツアー代金に含まれています。ツアー中の船内での飲食のうち1回はこの券を利用して船内レストランにて食べることができ、年越しそば・かき揚げうどん・カレーライスのいずれか1つを選ぶことができます。

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もちろん選んだのは年越しそば。明日葉の天ぷらつきです。深夜でありながらレストランはかなり混雑していましたが、無事に完食したのでこれで安心して年を越せます。

ちなみにレストラン内にあるテレビモニターでは紅白歌合戦が放送されていました。あまりちゃんと観ることができなかったのは残念ですが、録画してあるのでまた自宅に戻ってからゆっくり楽しみたいと思います。

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船内には位置情報の分かるモニターも設置されており、リアルタイムで航行位置を知ることができます。東京~三宅島間は約180km離れており、これは東海道本線の東京~静岡駅間とおおよそ同程度です。

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まもなく時刻は午前0時となります。2021年から2022年に変わるその瞬間は、冷たい風が吹くデッキの上で迎えたいと思います。

出港時と比べ街の明かりは遠く小さくなっていますが、まだ船は東京湾内を航行しています。上の画像は横浜みなとみらい周辺…のように見えるのですが間違っていたらすみません。

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そして橘丸が横須賀市付近に差し掛かったところで…時刻は0時ちょうどになり、いよいよ2022年の幕開けです!!

2022年になったタイミングで、東京湾内にいる船舶が一斉に汽笛を鳴らします。乗船中の橘丸も「ぼぉ~~~っ」と大きな音が鳴りました。そして直後に船内放送にて新年の挨拶が入り、年越しのセレモニー(?)は完了です。見たところ「3・2・1…!」のようなカウントダウンをしている人はあまりいなかったようですが、寒空の下で忘れられない1年の幕開けとなりました。

そして0:10をもって船内は消灯時刻となります。一部箇所を除きこの時間をもって消灯されるため、私も自分の寝台へと戻りしっかり翌朝の初日の出に向けて休むことにしました。

 

2022年1月1日(土・祝)

まだ夜が明けきらぬ早朝4:40頃、船内放送で目が覚めました。船は最初の到着地である三宅島へと近づいているようです。

…とここで、衝撃の船内放送が流れました。何と海面の状況が悪く波が高いため、御蔵島および八丈島へは欠航になるそうなんです。そして同時に、乗船中の橘丸は三宅島にてすぐに折り返し5:30発の竹芝桟橋となることが発表されました。

この時点で、今回のこのツアーで八丈島へ行くことはできなくなってしまいました。八丈島への航路はこれ1つのみですし、仮に他の航路があったとしてもこの状況では欠航確実でしょう。御蔵島八丈島へ行く予定だった乗客は引き続き同じ番号の寝台を利用して竹芝桟橋へと引き返すことができるほか、希望をすれば三宅島で下船することもできるとのことでしたが、私を含む新春初日の出クルーズの参加者については三宅島での下船もできず、強制的に船内に留まり折り返しの竹芝桟橋行にそのまま乗船しなければならないようです。

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そして橘丸は定刻より少し遅れて5:10頃に三宅島へと到着。通常であれば島の西側にある港に到着するようですが、今回は島の東側にある三池港へと到着しました。

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そして先ほども述べた通り、三宅島ではこの船がすぐに折り返し5:30発の竹芝桟橋へと変わります。しかしこれは定期ダイヤで存在するものではなく、八丈島から御蔵島・三宅島を経由して竹芝桟橋へと向かう定期航路を約8時間繰り上げて運航するものとなっているようです。

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ここで起こったことを上の図にまとめました。当初のダイヤでは八丈島まで進んだ後、折り返し竹芝桟橋まで戻ってくる予定だった橘丸ですが、この付近の海面状況が総じて悪いため、往復便とも三宅島~八丈島間で欠航になったのです。では八丈島まで往復していた分の時間ずっと三宅島に停泊しているかというとそうではなく、すぐに折り返しの竹芝桟橋行へと化けたために、三宅島の出港時刻が8時間以上も繰り上げられる事態となりました。

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案内所のボードを見てみても、御蔵島八丈島に関しては「欠航」の表示に変わっています。八丈島へ行けなくなってしまったのは残念ですが、ともかく無事に竹芝桟橋へ戻ることが最重要ですので、ここからは来た道を引き返していきます。

5:30に橘丸は三宅島の三池港を出発。この時点では竹芝桟橋への到着予定時刻は13:30頃と案内されましたが、後に11:45頃との案内に修正されました。

驚くべきは三宅島から乗船される方が相当数いらっしゃったこと。おそらく今日の午後の便で東京へ戻る予定だったのだろうと思いますが、今日の午前の予定を全て取りやめて、朝早くに起きてこの橘丸へと乗り込んでいるのでしょう。

船内の照明は5:40頃より再び消灯されました。しかし地獄はここからでした。

船は太平洋の荒れ狂う波の中を怒涛のスピードで進んでいきます。外の天候等はよく分かりませんでしたが、海面の状況が極めて悪い事は素人の私にも分かり、常に船体が上下左右に大きく揺さぶられ続けます。船室内を歩くことはおろか、寝転がっていてもしっかりつかまっていないと寝台から放り出されそうになる瞬間が多々あり、かなりの恐怖でした。

そして最近はあまり乗り物酔いをしない私ですが、さすがにこの船体の荒ぶり方では酔わないはずもなく…睡眠時間が短いこともあってかずっとぐったりしてしまい、昨晩の出港時や年越しの時の興奮はどこへやら、船内にいることがとてもしんどくなってしまいました。

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そしてこのツアー最大のポイントでもある初日の出の時刻を迎えます。当初のダイヤで航行していれば御蔵島八丈島間の往路便の船内にて初日の出を拝む予定でしたが、ところ変わって三宅島の少し北側にて拝むことになりました。まぁどちらにせよ広い太平洋の上で、他に視界を遮る障害物も特にないのでこれは大変美しかったです。少し雲が出ていましたが、その雲の切れ間から差し込む光がまた幻想的でした。日の出時刻は「6:45頃」と案内されていましたが、実際には雲が出ていたこともあり初日の出として拝めた時刻は6:58頃となりました。

初日の出もしっかり拝めたところで、船室に戻り再び仮眠を取ることにします。結局のところ睡眠不足でもあるので、電波も入らない状況の中で体調回復のためには寝てやり過ごすことが一番だということに気づきました。

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2時間半ほど寝たところでふと目が覚めると、船の揺れはだいぶ穏やかになっていました。私の体調もかなり落ち着き、再びデッキに出てみました。ちょうど進行方向左側には立派な富士山も見え、既に橘丸は東京湾の入口付近まで来ているようです。陸が近づいてきたので波がだいぶ穏やかになったということでしょう。

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復路便の乗船券も自分の手元にありますが、しかし下船をしていないため右側の「ご乗船票」がもぎ取られずについたままになっています。白い方の券面を見てみると「欠航等による払戻&変更不可」と書かれていることからも分かる通り、今回は八丈島まで行けませんでしたがそれに伴う返金・救済措置等はありません。通常の乗船券で乗船した乗客についてはそれ相応の措置が取られるようです。

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落ち着いてきたので、ここでようやく食事を取ろうと思います。レストランには様々なメニューがありますが、長旅に備えて竹芝桟橋出港前に買い込んでいたコンビニ飯があったのでそれをつまむことにしました。

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レストランには飲食物の持ち込みが禁止となっているようですが、その隣のラウンジスペースであれば自由に食べることができます。背後には自販機もあり、飲料のほかカップ麺やお菓子も販売されていました。

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しばらくすると、向こうの方にはみなとみらいの景色が見えてきました。本来であればこの辺りは往路・復路ともに真っ暗な中での航行となるはずでしたが、思いがけず繰り上げになったことで明るい景色を楽しむことができています。空は雲一つない快晴で、新年の幕開けにふさわしくすがすがしい天気です。

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東京湾岸沿い一帯は京浜工業地帯・京葉工業地域となっており、元日にも関わらずもくもくと煙を上げて工場群が午前中から稼働しているようでした。こういった景色を眺めることができるのも東京湾を日中に航行する船ならではかもしれません。

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そしていよいよ目的地・東京が見えてきました。高くそびえる東京スカイツリー、そしてその手前にあるのは東京ゲートブリッジです。

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羽田空港からはひっきりなしに飛行機が離着陸しています。年末年始ということで多くの旅行客や帰省客をのせ、全国各地へ飛び立っていることでしょう。

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東京の景色がどんどん近づいてきます。東京タワー、レインボーブリッジ、フジテレビ、船の科学館…見慣れた東京のランドマークの数々と約12時間ぶりの再会(?)です。

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そして船は再びレインボーブリッジの下をくぐります。昨晩とは違い明るい空の下でくぐるのもまた一段と迫力があります。

そしてレインボーブリッジをくぐったということは…もうまもなく竹芝桟橋に到着します。

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11:45に橘丸は竹芝桟橋へと到着。往復計約21時間の予定だった新春初日の出クルーズは、予定よりもだいぶ早く約13時間で終了ということになりました。乗船時とは異なり、ボーディングブリッジではなく陸地へのタラップが設置され下船していきます。

乗船券は下船時に往復分両方とも回収となりました。

 

ということで、文字通り大波乱となった「新春初日の出クルーズ」の様子をお届けしていきました。

今回東海汽船は初乗船、伊豆諸島へ出向くのも初めてでしたが、改めて自然の恐ろしさを痛感する2022年の幕開けとなりました。

決してずっと快適な船旅とはいきませんでしたが、年越しそばを食べ、汽笛で年越しを迎え、雄大な太平洋に昇る初日の出も拝めたので何だかんだ楽しませていただいたと思います。

本来ならば八丈島では一時下船となるはずでしたので少しだけ八丈島の地に足をつけたかったという思いはありますが、それはまたの機会の楽しみに取っておきましょう。他にも伊豆諸島は魅力たっぷりの島がたくさんあると思いますので、今後じっくり島めぐりなんかもしてみたいと思います。

 

今回はここまで!

最後までお読みいただきありがとうございました。

【1位はまさかの!?】2021年PV数の多かった記事ランキングTOP10を発表!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は2021年に私が公開した当ブログの記事の中で、PV(ページビュー)の多かった記事TOP10をランキング形式でご紹介していきます。

集計期間:2021年1月1日~12月24日
集計対象:2021年に「わたかわ 鉄道&旅行ブログ」にて公開された記事計123本(本記事を除く)
集計ツール:Googleアナリティクス

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ちなみに、惜しくもTOP10に入らなかった第11~30位の記事については上記の通りとなっております。

10
【裏技】高崎線特急には○○駅から乗るべし! 快適でお得な旅のすゝめ
公開日:6月26日
PV数:1,945

watakawa.hatenablog.com

まず第10位は、高崎線を走る特急「草津号」のお得な利用方法に関する記事でした。私用で高崎に行く機会があったのでせっかくならば、ということでついでに見つけたネタですが、まさか第10位に滑り込むとは…という感じです(笑)。

 

9
あの横浜駅を通過!? 品川~大船40kmをノンストップで駆け抜ける東海道線「通勤快速」に乗車
公開日:2月2日
PV数:2,187

watakawa.hatenablog.com

第9位はダイヤ改正に関連した話題から。2021年春に運行終了となった東海道線の通勤快速をご紹介しました。今となっては通勤車両で横浜駅を通過する定期旅客列車は存在しないため、かなり貴重な気がします。通勤快速廃止の理由には新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が広く普及したこともあるでしょうから、その意味では「コロナ禍」を象徴する改正内容の一つだったかもしれません。

 

8
摩訶不思議な普通列車「むさしの号」で大宮から八王子へ! 運行ルートを詳しくご紹介
公開日:5月11日
PV数:2,248

watakawa.hatenablog.com

第8位は貨物線を通る旅客列車として有名な「むさしの号」の記事でした。地図を用いて、経由ルートをなるべく丁寧に紹介しています。この時期は就職活動の忙しい時期と重なり更新頻度が激減していたのですが、その中にあっても多くの方に閲覧していただけたのは嬉しい限りです。

 

7
18きっぷ1回分で行く! 東京→小倉1000km超19時間普通列車の旅【前編】
公開日:4月10日
PV数:2,302

watakawa.hatenablog.com

第7位は、青春18きっぷ1回分で東京~小倉駅間を約19時間かけて移動した企画の前編でした。所要時間何と驚愕の19時間ということで、1本ではボリュームが多過ぎるので前編後編に分け、かつ前編と後編を同日公開したところ前編のみがTOP10入りする形となりました(ちなみに後編は第30位)。

最近では、ダイヤ改正の際等に普通列車の接続が悪くなることでこのようなマニアックな旅もできなくなることがありますので、挑戦を検討される方は早めに実施されることをオススメします。

 

6
小田急vsJR】新宿で見送ったロマンスカーを特急湘南で追走、藤沢へ先回りすることはできるのか!?
公開日:3月16日
PV数:3,164

watakawa.hatenablog.com

第5位も春のダイヤ改正に関する記事でした。新宿~藤沢駅間で「JRの特急湘南号は小田急ロマンスカーを追い越せるか」というもので、公開直後のPVの伸びがかなり大きかったのをよく覚えています。どなたかとのコラボというわけではなくあくまでも自分一人でやってるので一人称視点ではありますが、結果は是非ご覧になってみてください。

 

5
上野も水戸も通らない! 前代未聞の特急「ひたち92号」に乗ってみた!
公開日:10月12日
PV数:3,510

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第5位は特急ひたち号に関する記事。秋以降に上げた記事の中で唯一のTOP10入りとなりました。ひたちといえば主に品川~いわき・仙台駅間を結ぶ特急として有名ですが、その途中にあるはずの上野も水戸も通らないという、ある種奇怪な運行区間であることがとても面白いと思い記事にしたところ、皆様から大変ご好評いただけたようです。

 

4
【まもなく見納め】MaxときとMaxたにがわが連結して走る運用がありました!
公開日:7月3日
PV数:3,811

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第4位はE4系新幹線「Max」の連結運用に関する記事です。このMaxの引退も、2021年を象徴する大きな出来事の一つでしたね。E4系引退に伴い上越新幹線での8両・16両運行は終了し、現在はE2系(10両編成)またはE7系(12両編成)で運行されています。私も上越新幹線の時刻表を見て「Max」の文字がない違和感に未だに慣れていない人間の一人ですが、そうやって昔話が増えていくんだろうなぁ…と痛感しています。

 

3
【速報】2021夏の臨時列車発表! 独断で選ぶ注目列車&人知れず姿を消した列車も…!?
公開日:5月21日
PV数:4,584

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さて第3位は、夏の臨時列車のプレスリリースから注目列車をいくつか抜粋してご紹介した記事です。あまりこの手の記事は書いたことがなかったのでどう出るかというところでしたが、第3位にランクインしていてびっくりしています。

記事内では様々な予測も立てていますが、特に「485系リゾートやまどりは6月中にラストランかもしれない」という予測はガバガバすぎますね(笑)。結局この後追加発表にて9月にも運行が決定し、2022年も既にいくつかの臨時運用が決まっています。とはいえ車両の老朽化が進み、引退秒読みであることは間違いありませんので、乗れるうちに乗っておくことが大事だと思います。

 

2
東急東横線】わずか350円の課金だけで渋谷~横浜を快適に移動できる列車がありました!
公開日:7月29日
PV数:5,161

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第2位はまさかのS-TRAINの記事でした。東京都心~横浜間はJR・私鉄問わず地味に時間がかかるなぁ(といっても30~40分程度)と思っており、前々から快適に移動できないものかと思っていたところでひらめいたこの「S-TRAIN東横線内のみで利用する」という裏技。特急停車駅で運転停車を行うため時短効果はありませんが、ワンコイン未満で着席保証を受けられるという意味ではとても有益な移動手段のように思います(ただし土休日のみ、しかも本数は非常に少ない)。

なお本数の多さではJR各線の普通列車グリーン車が圧倒的優位に立ちますが、あちらは着席保証ではない(自由席)上に土休日でも最低580円はかかりますので、何とも言えないところではあります。

 

1
【日本一周1.1万キロ】最長片道切符を発券してきました!
公開日:7月15日
PV数:7,656

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栄えある第1位は、最長片道切符の発券に関する記事でした。やはり何といっても、文字がびっしり書かれた経路図をサムネイルにしたことでインパクトが大きかったのかもしれません。2位と大きくPV数で差をつけ、断トツの1位となりました。

私が最長片道切符の旅を実施すると決めたのは今年6月下旬頃でしたが、その際に思ったのは「最長片道切符ってどうやって買うんだ…?」ということでした。補充券(手書きのきっぷ)で用意されることは知っていましたが、どれくらいの余裕をもって窓口に行けば良いのか、どうすれば鉄道会社の方にとってなるべく迷惑でないか等、ネット上にはあまり詳しい話がなく、かなり迷った記憶があります。そこで今後最長片道切符の旅を実施される方にとって少しでも参考になればと思い、記事にすることにしました。

残念ながら最長片道切符の旅の本編の記事は1つもTOP10入りしなかったというところではありますが、そもそもこの手の企画は金食い虫であることを承知の上ですので、今後気長にゆっくりみなさんに読んでいってもらえたらと思います。旅の実施中からずっとなるべく頻繁に記事にしてきたつもりではありますが、まだ京都駅までしか公開できていないので、年明け以降も引き続き執筆していきます。

 

ということで「PV数の多かった記事TOP10」をお届けしました。

少し早いですが、今年の記事公開はこれをもって以上となります。

年明けは1月4日(火)の通常公開からスタートする予定です!

今年も1年間、「わたかわ 鉄道&旅行ブログ」をご覧いただきまして誠にありがとうございました。

よいお年をお迎えください。

(46)リアス式海岸で徐行! 若狭湾を望む小浜線【最長片道切符の旅2021】[福井→京都]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅26日目の後半の様子をお届けします。

 

2021年8月31日(火)26日目②

ここまで北陸三県を横断しながら、美味しいものをたくさん味わってきました。本日の目的地である京都を目指し、引き続き移動していきます。

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続いて福井駅から乗車するのは、15:45発の北陸本線 敦賀です。後続で特急サンダーバード号もありますが、福井~敦賀駅間はそこまで離れていないので料金節約も兼ねて普通列車で移動していくことにします。

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使用車両は521系。関東民の私にとってはJR西日本管内の普通列車の顔はみんな同じように見えるのですが、関西圏で活躍する223系とはまた別の形式です。まぁある程度共通の設計とすることでコストカットを図っているとは思いますが…。

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列車は定刻通りに福井駅を発車。私は何とか着席できましたが、高校生の帰宅時間帯とちょうど重なったようで車内は立ち客も多数発生するほどの混雑を見せていました。

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この福井~敦賀駅間においても、車窓からは開業間近の北陸新幹線の高架橋を時折眺めることができます。在来線では途中に鯖江や武生といった主要駅がありますが、これらの代替として新幹線の福井~敦賀駅間には新幹線単独駅である「越前たけふ駅」が設置される予定で、駅舎の外観はほぼ完成しているようです。

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そして16:37に終点の敦賀駅へと到着。新快速の行先でもよく見る駅名で、関西圏が再び間近に迫ってきたことを実感します。

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しかし最長片道切符の旅で、そう簡単に京都へ行かせてくれるわけではありません。湖西線は昨日通ってしまっていますので、敦賀駅からは小浜線に乗り換え進んでいきます。

乗車するのは敦賀16:45発の小浜線舞鶴です。先ほどの北陸本線普通列車からちょうど接続する形での発車となります。

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使用車両は125系。意外かもしれませんが小浜線はローカル線でありながら全線が電化されており、全列車が電車にて運行されています。車両中央部にはドアを埋めたような魔改造の跡が見られました。どうやらこれは223系の一部をそのまま流用したためだそうで、急いで乗り込もうとすると一瞬焦りそうです(駆け込み乗車はやめましょう)。

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列車は定刻通りに敦賀駅を発車。高校生の乗車がありましたが、それでも思ったほどの混雑ではありませんでした。

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これから列車は、若狭湾に沿って福井県西側のほそ~い部分を縫うように走っていきます。序盤は山間部を走りますが、後半では海の近くを走ることになるので景色にも期待ができそうです。

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2両編成で走るこの列車はワンマン運転のため、途中駅までの利用の方は概ね前寄りの車両に乗られているようです。私は終点の東舞鶴まで乗り通すので、後ろの車両でゆっくり過ごします。

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17:06には美浜駅へと到着。ここでは対向列車との行き違いのため4分ほど停車します。

しい」、良い地名ですね。「横に長い浜」から名付けられた横浜とはわけが違います(笑)。

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小浜駅からは大量の高校生の乗車があり、それまで比較的空いていた車内が一気に混雑を見せます。やはり小浜が沿線最大の主要都市であると実感します。

北陸新幹線がここ小浜駅を通る計画もあったと思いますが、あれ結局どうなったんでしょうか…?

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そして小浜駅を出たあたりから…いよいよ海が見えてきました! リアス式海岸が特徴的な若狭湾で、対岸に見える半島とは陸続きになっています。湾に沿って走るため線形があまり良くなく、この区間では必然的に徐行運転となるようです。観光列車でもないのに景色の良い区間をゆっくり楽しめる、何とも素晴らしい路線です。

海沿いには多数の原子力関連施設も立ち並び、中学受験の時にちょうど東日本大震災があったため原子力の分野が時事問題と絡めて頻出だったこともあり、この若狭湾沿いの原子力施設がなかなか覚えられなかったのを思い出します。

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この辺りは海水浴場も点在するリゾートエリアにもなっているようで、若狭和田駅の前にもヤシの木が生えています。特に冬はそこそこ寒い地域だと思うので南国の設定には若干無理があるような気もしますが…?(笑)

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終盤では再び内陸へと入り、車窓右手には青葉山も望むことができました。雲が多いですが、夕焼けに照らされて何とも幻想的な雰囲気です。

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敦賀駅を出て約2時間、18:46に終点の東舞鶴駅へと到着。気づけば福井県を抜けて京都府へと入っていました。

f:id:watakawa:20211219121027j:plain東舞鶴駅からは対面ホームにて18:50発の舞鶴線 綾部行へと乗り換えます。小浜線舞鶴線は線路こそつながっていますが、直通運転はほとんどなく基本的にここ東舞鶴駅で乗り換えが必要のようです。

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東舞鶴駅京都府舞鶴市の中心となる駅で、京都駅から特急まいづる号が1日7.5往復運行されています。時間が合えば特急まいづる号で一気に京都へ行きたかったのですが、残念ながら小浜線普通列車とは接続が良くないようなので大人しく舞鶴線普通列車を利用していきます。

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列車は定刻通りに東舞鶴駅を発車。すっかり日も暮れ、外は真っ暗です。

前回の記事でフライングでご紹介した「越前かにめし」をこの時も持ち歩いているわけですが、車内もお腹も空いていたので思い切ってこの普通列車の車内で食べてしまおうかという考えが頭をよぎります。もちろん別にそれでもいいと思うんですが、どこから急に車内が混み出すかも分かりませんし、おにぎりやパンならまだしも流石に駅弁は食べにくいなぁと思ったので京都まで我慢することにしました。

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19:20に終点の綾部駅へと到着。ここで山陰本線へと乗り換えます。

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せめてここからでも、福知山方面からの特急に乗れれば快適なのに…と思いましたが、あいにくそれも難しいようなので、引き続き普通列車での移動になります。続いて乗車するのは綾部19:28発の山陰本線 園部行です。終点まで乗り通していきます。

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列車は定刻通りに綾部駅を発車。特に終点の園部まで大きな街や観光地があるわけでもなく、外の車窓も真っ暗なのでひたすらに音楽を聴きながら暇を潰します。

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20:29に終点の園部駅へと到着。これより先は「嵯峨野線」の愛称が用いられる区間へと入り、いよいよ京都駅が近づいてきたことを実感します。

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本日乗車する最後の列車は、園部20:41発の嵯峨野線 京都行です。日中は快速の運行もある区間ですが、夜なので地道に各駅に停車しながら向かいます。

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列車は6両編成。だいぶ都会らしい両数になってきました。前寄り4両が221系、後寄り2両が223系のようです。

定刻通りに園部駅を出発しました。

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亀岡駅を出発後はトンネルが続きます。ここの区間保津峡の渓谷を直線的に貫く新線となっており、1989年に開業しました。地形に沿って進む旧線は現在の嵯峨野観光鉄道(嵯峨野トロッコ)となっており、特に週末は多くの観光客で賑わいます。

嵯峨嵐山駅を過ぎ、車窓はだんだん都会的になっていきます。京都市内中心部の区間では多くの区間が高架線となっています。

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そして21:28にようやく終点の京都駅へと到着! 本日の移動はここまでとなります。

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近未来的な京都駅舎の前は平日の夜でもそれなりに人がおり、街の賑わいを感じさせます。実は本当は26日目は福井まででルートを終える予定もあったのですが、その後の行程との兼ね合いもあり、結果的に少し無理をして一気に京都までルートを進める形となりました。

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ライトアップされた夜の京都タワー東本願寺を横目に、宿泊施設まで徒歩で向かいます。これで京都観光もバッチリです!(?)

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26日目の宿は、「THE POCKET HOTEL 京都烏丸五条」です。限られたスペースの中に必要最小限の設備が揃っており、2,000円で泊まることができました。ここは約1年前にも利用したことがあり、ネットカフェと大差ない額で整った設備を利用できるため、とても好きな宿です。

 

今回はここまで。

次回は27日目の旅の様子をお届けしていきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

(45)北陸三県のご当地グルメが美味すぎた…!【最長片道切符の旅2021】[岐阜→福井]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅26日目の前半の様子をお届けします。

 

2021年8月31日(火)26日目①

宿泊していた「ウィークリー翔 岐阜駅南」を出発し、26日目のスタートは岐阜駅から。昨日の晩はランドリーの順番待ちでなかなか夜遅くまで休めなかったこともあり、睡眠不足気味です。

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本日まずは高山本線で一気に富山へと抜けていきます。乗車するのは岐阜9:03発の特急〔ひだ3号〕富山行です。金沢以東の北陸本線に特急なき今、富山駅を発着する貴重な在来線特急となっています。

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ホームで待っていると、名古屋方面からゆっくりとキハ85系が入線してきました。ここ岐阜駅では方向転換をするため逆向きに出発しますが、停車時間はわずかなので到着次第直ちに乗り込みます。

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列車は定刻通りに岐阜駅を発車。ふかふかの自由席へと腰掛けます。

列車は7両編成で、このうち前寄り10~8号車の3両のみ富山行。後寄り4~1号車は途中の高山までの編成となっています。「東海と北陸を結ぶ」とは言っても高山本線は山間部を縫って走るルートのため、かつて名古屋~富山駅間を福井経由で結んでいた時代の特急しらさぎ号とはやや異なり、都市間連絡というよりは沿線の観光客需要がメインとなっています。例えるなら東京~仙台間をメインルートである東北本線ではなく常磐線で行くようなものです。

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しばらくは車窓右手に木曽川を望みながら走っていきます。川幅も広く、穏やかな流れです。

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車窓右手には犬山城が見えてきました。以前に高山本線鵜沼駅から歩いて行ったことがありますが、かなりの距離があったのでみなさんは名鉄犬山駅から行かれることをオススメします。

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美濃太田駅で多治見方面へ向かう太多線に別れを告げ、ひだ号は北向きに進路を変えて山間部へと入っていきます。ちょうど美濃太田を過ぎたあたりから列車は飛騨川に沿って走るようになり、先ほどの木曽川と比べても川幅が狭く、地形の険しい土地へと進んでいることを実感します。

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10:13に列車は下呂駅へと到着。その直後には飛騨川を渡り、車窓右手には温泉ホテル群を見渡すことができます。今回時間があれば下呂か高山あたりで途中下車して温泉に浸かったりしたかったのですが、どうしても厳しそうだったので諦めました。

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そして10:56に高山駅へと到着。名古屋を出発するひだ号の実に半分以上はこの高山駅までの運行となっており、先ほども述べた通りこの富山行のひだ3号でも両数が7両から3両へと減ります。ここでの停車時間は5分ほどあり、切り離し作業を終えて11:01に発車していきます。

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ちなみにひだ3号のグリーン車は富山行の先頭10号車のみとなっていて、高山どまりの編成の方には連結されていません。10~8号車は綺麗にグリーン車・自由席・指定席が1両ずつ組み込まれており、わずか3両編成ながら様々なニーズに応えられる編成になっています。

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JR東海区間は猪谷駅でおしまいとなり、この先は改めて長いJR西日本区間へと入っていきます。駅名標が青いデザインとなり、いよいよ北陸が近づいてきたのを実感します。

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気づけば山間部の区間も終わり、車窓はかなり開けてきました。JR西日本区間でもあの特徴的な「ワイドビューチャイム」が流れるので何だか違和感を覚えます。

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そして12:30に終点の富山駅へと到着! 岐阜駅からは何と約3時間半を要しました。

ひだ3号は富山駅在来線ホームの中でも端っこにある、切り欠き式の高山本線ホームに入ります。

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富山駅に降り立つのは昨年秋以来約10ヵ月ぶりとなります。最長片道切符では各地方を何度も出たり入ったりすることが多いですが、この北陸地方に関しては一度東から西まで走破して終わりなので、限られた時間ではありますが満喫していきたいと思います!

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ここ富山駅でいただく「日本の食」記念すべき100品目は、名物駅弁「ますのすし」です! 円形の器にぴったり敷き詰められた寿司飯と鱒は見た目もとても美しく、とろける美味しさで100品目にふさわしい一品となりました。なお今回は通常サイズ(1,500円)より一回り小さい「小丸(1,000円)」を買いましたが、それでもかなりのボリュームがありました。

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小休止を挟んだところで、早くも富山を離れることになります。続いて乗車するのは富山13:16発の北陸新幹線はくたか559号〕金沢行。文明の利器を活用して、サクッと臨県まで移動していきます。

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ホームで待っていると、すぐに列車が入線してきました。最長片道切符の旅の前半に上越妙高や長野周辺で何回も利用してきた北陸新幹線と、久しぶりの再会(?)です。

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列車は定刻通りに富山駅を発車。自由席車両へと乗り込みます。

この先はくたか号は新高岡に停車して終点の金沢へと至ります。富山~金沢駅間は約20分程度で、かつての在来線特急でも40分程度かかっていたことを思えば新幹線の速さを実感せずにはいられません。

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この区間並行在来線は現在「あいの風とやま鉄道」「IRいしかわ鉄道」に経営分離されています。在来線特急が廃止となってしまうことは一見すると鉄道ファンにとって残念なことにも思えますが、これも仕方のないことでしょう。むしろ地元密着型の鉄道事業者となることによって、地域の実情に合わせた柔軟なダイヤでの運行が叶ったり、新駅の設置が進んだり等のメリットもあります。やはり遠方からの来訪者以上に、地元の人にとって使いやすい鉄道になっていってもらいたいと願うばかりです。

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そして13:38に終点の金沢駅へと到着! 駅名標の青い部分には東側の「しんたかおか」のみ書かれていますが、数年後には西側に「こまつ」という文字が入ることでしょう。

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金沢駅といえば鼓門。鼓門といえば金沢駅。今や立派な金沢観光の目玉となっているこの門ですが、私はいつも逆にこれしか見ることができず、金沢をまともに観光したことがありません。今回も御多分に洩れず、金沢観光はお預けです。

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そんな金沢でもしっかりご当地グルメを回収していきます。「日本の食」101品目はゴーゴーカレー金沢カレーです。

今や全国各地にチェーン展開するこのゴーゴーカレー。実を言えば私の地元横浜でも食べることができるのですが、やはりここは金沢に来た証として今回の旅のテーマにもあっているので食べておきたいところ。ロースカツカレーの小サイズ(750円)をいただきました。

とろみのある濃厚なルウがロースカツとよくマッチし、めちゃくちゃ美味しいです! キャベツもたっぷりのっているので罪悪感が薄れます。上の画像だと見えないですが、実はカツの下に埋もれているのはスプーンではなくフォークなのです。カレーをフォークで食べるのは恐らく人生初でしたが、ルウはとろみがある上、細切りのロースカツは圧倒的にこの方が食べやすいので理に適っているなと感じました。

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金沢駅から先は再び在来線での移動となります。金沢駅の在来線改札口は2015年の新幹線開業以前まで自動改札機ではなく有人のラッチが並んでいたのですが、そんな光景も今は昔。すっかり現代的な雰囲気になりました。

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乗車するのは金沢14:20発の特急〔サンダーバード28号〕大阪行。発車標の「京都方面大阪」という表現にJR西日本らしさを感じます。

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北陸地方を走る特急の車両形式はまだあまりよく理解していないのですが、これはおそらく683系…というやつであってますかね? 間違ってたらすみません。

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時間が迫っていたのですぐに乗り込み、列車は定刻通りに発車。9両編成で、このう5~7号車の3両が自由席です。

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サンダーバードの自由席特急券北陸新幹線と同時購入したため、金沢駅で乗継割引が適用になり自由席特急料金は福井まで半額の600円となりました。ちなみに富山駅で特急と新幹線を乗り継ぐ場合には乗継割引が適用されないので、岐阜~富山駅間の自由席特急券は定価で購入しています。

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車窓からは、ほぼ完成していると見られる北陸新幹線の高架橋を断続的に見ることができます。新幹線開業後はこの区間で特急が運行されることはほぼないでしょうから、特急車両の車内から新幹線の高架を眺めることができるのも今のうちです。

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金沢~福井駅間で設置される新幹線の途中駅は小松、加賀温泉芦原温泉の3駅。いずれも現行の在来線駅に併設される形のため、この3駅の駅前ではせっせと工事が進められていました。新幹線駅のホーム等はかなり完成に近いのだろうと思いますが、駅前の整備はまだこれからというところも多そうです。

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金沢駅から約45分、15:06に列車は福井駅へと到着! ここで途中下車します。

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実は今回のこの福井駅到着をもって、47都道府県(接地)制覇となりました! 福井県が最後になるとは…という感じですが、確かに現状では金沢回りでも名古屋回りでもどちらでも遠いですから、最後の接地となったのも頷けます。

福井駅のメインとなる出口は西口で、恐竜のイラストが描かれた立派な駅舎がそびえています。路面電車福井鉄道福武線もこの福井駅西口側を発着しています。

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一方で、どちらかといえばマイナーだった福井駅の東口には真新しい駅舎が整備されています。こちらは新幹線側の出口になるようで、まさにこれが新幹線駅舎ということなのでしょう。福井駅の新幹線ホームは1面2線の島式になる予定とのことで、これまでにあまりないスタイルですのでどのような賑わいを見せるのかも楽しみです。

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富山と金沢でかなりガッツリ食べたので、福井では軽めに「羽二重餅」(はぶたえもち)をいただきます(「日本の食」102品目)。とってもやわらかいお餅で、一瞬で溶けてなくなります。「羽二重」というのは織物の種類だそうで、福井県でこの織物がよく生産されていたことにちなみこう名付けられたそうです。

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また、福井駅では名物駅弁「越前かにめし」(1,300円/「日本の食」103品目)を購入しました。さすがにこのタイミングで食べるには胃袋が限界を迎えそうなので、この日の夜に到着した京都の宿にていただきました。かにのほぐし身が惜しげもなくたっぷりのっていてとても美味しかったです!

 

というわけで北陸の美味しいものをたくさんいただきながらルートを進めてきました。

福井より先の行程については、また改めて次回お届けしたいと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

(44)新快速だけを乗り継いで琵琶湖一周【最長片道切符の旅2021】[草津→岐阜]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅25日目の後半の模様をお届けします。

 

2021年8月30日(月)25日目②

柘植駅から乗車した草津線普通列車にて、終点の草津駅には12:47の到着。すぐに琵琶湖線の列車へと乗り換えます。

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乗車するのは草津12:52発の新快速 姫路行。いよいよこれから、琵琶湖をぐるっと一周していくことになります。

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223系が堂々の12両編成でホームに入線。定刻通りに草津駅を発車です。

草津駅の一つ隣には「南草津駅」があり、ここにも新快速は停車します。実はこの南草津駅が、県庁所在地の大津駅を凌いで滋賀県内で最大の乗降客数を誇る駅となっているようです。

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10分ほど乗車し、13:03に大津駅へと到着。ここで少し時間を設け、休憩を取りたいと思います。

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まずはお昼ご飯をいただきます。大津駅に併設されたお店で名物の近江ちゃんぽん(750円/「日本の食」97品目)をいただきました。和風醤油だしのきいたスープはとてもあっさりとした味わいで、こってりとしたちゃんぽんのイメージとは一線を画す美味しさでした。また麺がラーメンのように細かったのも意外で、普段よく食べるちゃんぽんとはだいぶ特徴が異なります。とても美味しかったです!!

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さくっと食べ終わったのですぐに列車に乗っても良いのですが、その先の乗り継ぎの予定もあるので大津市内をうろうろ徘徊したいと思います。

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大津駅周辺には、古くからの街並みが残された地区が存在します。ここにはかつて東海道の大津宿が置かれ、特に大きな宿場の一つだったようです。

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京阪京津線が真ん中を通る道路を歩いていくと、京阪のびわ湖浜大津駅付近に出ます。その先琵琶湖の湖岸まで進むと、景色を一望することができます。左側にそびえる山々のあたりには延暦寺があるものと思われます。

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さて大津駅へと戻り、続いては14:34発の新快速 姫路行へと乗車します。

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1つ隣の山科までしか乗車しないので普通列車でも何でも良いのですが、たまたまちょうど新快速がやってきたのでこれに乗車することにします。

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わずか4分で山科駅に到着。駅名標の隅にある「京」の文字からも分かる通り、逢坂山を越えて京都市内に入りました。

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山科駅からは湖西線へと進んでいきます。14:50発の新快速 敦賀へと乗車していきます。

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まもなくすると京都方面から列車がゆっくりと入線。この日3本目となる新快速ですが、前面の路線記号を見てみると「A」ではなく「B」と表示されています。これが湖西線経由の目印ですので、乗る際は注意しましょう。

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定刻通りに山科駅を発車し、すぐに先ほどまで走っていた琵琶湖線と分かれこちらもトンネルへと入ります。

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トンネルを抜けた先にある最初の駅が、大津京駅。かつては「西大津」という駅名でしたが、2008年に現在の駅名に改められました。大津の市街地の一角をなし、かつては一部の特急列車も停車していたようです。

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今でこそ関西と北陸を結ぶルートの大動脈に組み込まれている湖西線ですが、その全通は1974年と意外に新しく、大部分が高架線になっています。途中ところどころで遠くに琵琶湖を望むこともできます。

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途中駅(おそらく堅田駅)のホームを見てみると、何と「雷鳥 自由席」と書かれた乗車目標の文字が残っていました。後から黄色い点字ブロックを敷いたようで「雷」の文字の上半分が見えなくなってしまっていますが、かつての乗車目標の案内サインはこんなに文字が大きかったということに驚かされます。

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15:34に列車は近江今津駅へと到着。ここで何と12両のうち後寄り8両が切り離され、敦賀まで行くのは前寄りの4両のみとなります。京都や大阪の辺りを高速で駆け抜ける長編成の「新快速」のイメージとはうって変わって、この辺りまで来ると名前こそ同じ「新快速」ですが4両編成が各駅にゆっくり停車していく列車になります。ローカル線の装いすら感じさせるほどです。

また、近江今津駅からは小浜駅へと向かうバスが接続しており、JRではこの近江今津駅で列車とバスを乗り継ぐルートが推奨されているようです。

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近江今津駅を発車し、さらに列車は進んでいきます。途中にあるこのカタカナ表記の「マキノ」という駅が小さい頃から気になって気になって仕方なく、夜しか眠れません。

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山科駅から1時間と少々、16:01に近江塩津駅へと到着。ここでさらに向かいのホームで発車を待つ新快速へと乗り換えます。この日4本目の新快速、もはや頭がおかしくなってきました。

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近江塩津16:07発の新快速 姫路行。山科からここまでは湖西線経由の新快速に乗車していましたが、これより先は北陸本線経由になります。琵琶湖の東岸を進み、米原まで乗車していきます。

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列車は定刻通りに近江塩津駅を発車。実はこちら側のルートでは車窓に琵琶湖が見えることはほとんどありません。4両編成の223系車内からのどかな景色を楽しみます。

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途中の長浜駅では1本後に名古屋行の特急が来るようでした。「姫路行」と「名古屋行」が同じホームから発車するとはなかなかヤバすぎますね。

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16:42に米原駅へ到着。入線しながら同時に連結作業が行われ、これより先は12両編成で京都・大阪方面へと向かっていきます。

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米原からはJR西日本をいったん離れ、5日ぶりくらいにJR東海管内へと入っていきます。ということは新快速の呪縛から解かれる…! と思いきや、続いて乗車するのは米原17:00発の新快速 豊橋です。何と東海管内にも「新快速」があるのです。

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実は東海管内の東海道線大垣駅にて乗り換えが発生することが多いのですが、この列車については大垣駅で乗り換える必要がありません。その点とても便利で、先行する16:50発の特急に乗らずとも快適に岐阜方面へと移動できます。

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なお岐阜駅までは途中一駅も通過しませんので、岐阜駅までの利用となる私にとっては実質各駅停車ではありますが、とにかくこれが草津駅からずっと乗り継いできた新快速の5本目になります。「新快速」のフォントも西日本とは違った形でカッコいいです。

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列車は定刻通りに米原駅を発車。車窓左手に伊吹山を望みながら、関ヶ原付近を走っていきます。

そしてこの列車の車内では、何と偶然にも白衣さん@Lab_coat313)に再びお会いすることができました! 8月24日の夜に名古屋駅でお出迎えいただいて以来6日ぶりとなります。

白衣さんは今年春に最長片道切符を実施され、「リアル桃鉄」としてサイコロの出目の数に応じルートを進める過酷な挑戦を完遂された方でもあります。今回の私の最長片道切符の旅実施にあたっても、開始前から経験談等さまざまサポートしていただき、大変参考になりました。本当にありがとうございます!!

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旅の思い出話で盛り上がっているうちに、列車はあっという間に岐阜駅へと到着。引き続き名古屋方面へ戻られる白衣さんとはここで分かれ、私の25日目の移動もここまでとなります。

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岐阜駅には新幹線こそ通らないものの、ホームは高架でかなり立派な駅になっています。数年前までは繁忙期にムーンライトながらがこの岐阜駅にも停車していましたが、今では首都圏へ直通する列車はありません。

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少し歩いて名鉄岐阜駅近く、今夜はここ「スガキヤ」で夕食をいただきます。

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昼に続き夜も似たり寄ったりになってしまいましたが、スガキヤの特製ラーメン(480円/「日本の食」98品目)を注文。スガキヤは東海地区でチェーン展開するラーメンのファストフード店で、リーズナブルな価格設定から中高生にも人気のようです。私は今回初めて食べましたが、値段の割にはかなり美味しかったのでまた東海地区に来た際に機会があれば食べたいと思います!

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今夜の宿は「ウィークリー翔 岐阜駅南」です。その名の通り岐阜駅の南側にあるウィークリーマンションで、今回は2,050円で宿泊できました。ネットカフェとあまり大差ない額でベッドに寝られるのはありがたく、鍵付の部屋で安心感はありますが、何だか独特の匂い(たばことかではない)がやや気になったので今後も泊まるかどうかは状況次第といったところかもしれません。

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食後のデザート(?)には岐阜駅で買った名物の鮎菓子をいただきます(「日本の食」99品目)。お茶うけにもぴったりの上品な甘さの和菓子で、お土産にも喜ばれそうです。

 

というわけで25日目はここまで。

この後は高山本線方面へと進んでいきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

(43)いろんな時代の車両を乗り継ぎながら近畿を(ほぼ)横断【最長片道切符の旅2021】[大阪→草津]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅25日目の前半の様子をお届けします。

 

2021年8月30日(月)25日目①

最長片道切符の旅25日目のスタートは大阪駅から。この日の目的地は岐阜駅です。

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月曜日の朝、一週間の始まりです。無数の商業施設やオフィスビルが立ち並び、通勤ラッシュ真っただ中の大阪駅からこの日も元気に日本一周を続けていきます。

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まずは大阪環状線で京橋へと向かっていきます。外回りにさえ乗れれば正直どれでも行けるのですが、今回は9:10発の天王寺へと乗車していきます。

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天王寺行ということなので大和路快速からの列車かなと思っていましたが、意外にも大阪環状線323系でした。ホームドアのついた大阪駅2番線ホームに入線してくる都会的な光景がたまりません。

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7分ほどで列車は京橋駅に到着。ここで乗り換えます。

「京橋」という駅名は東京メトロ銀座線にもありますが、大阪の京橋の方が乗り入れ路線も多く立派な造りをしています。

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京橋からは9:24発の学研都市線 快速 木津行に乗車し、一気に終点の木津まで抜けていきます。

この路線、正式名称は「片町線」ですが、現在ではJR東西線との直通運転も始まり、片町駅は廃止されていますので「学研都市線」と呼ぶことの方が圧倒的に多いようです。

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207系がやってきました。通勤ラッシュのピークは過ぎている時間帯ですが、やはり都心部の駅らしく利用者はいつの時間帯も多いです。

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定刻通りに京橋駅を発車。大阪市中心部から離れていくにつれ、だんだんと車内がすいていきます。関西では珍しくこの207系もオールロングシートの通勤車両で、しかも7両編成というのは関東ではなかなか聞かない気がします。

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途中の松井山手駅付近には、北陸新幹線の新駅が設置される予定もあるというのを耳にしたことがあるのですが、あれは結局どうなっているのでしょうか。是非とも関西~北陸が新幹線で結ばれる日がやってきてほしいですね。

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京橋を出て約1時間、10:22に終点の木津駅へと到着。ここで関西本線へと乗り換え、さらに東を目指します。

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木津駅は奈良・大阪方面(大和路線)、北新地・尼崎方面(学研都市線)、京都方面(奈良線)、加茂方面(大和路線)の4方向に線路が延びる一大ターミナル駅となっています。しかしその割にはホームはわずか2面4線しかなく、ラッシュ時などかなり慌ただしい運用になっているのではないでしょうか。知らんけど。

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木津駅ではわずか5分の接続で、10:27発の大和路快速 加茂行へと乗り換えます。正式な路線名で言えば大和路線の方面へと進んでいくのですが、勘の良い方なら分かる通り。そう、木津を出た次の駅がもうあっという間に終点の加茂なのです。

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腰を休める暇もなく、わずか6分の乗車であっという間に終点の加茂駅へと到着。ここで再び乗り換えとなります。

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加茂駅はあくまでも「関西本線の途中駅」にすぎません。しかしこの駅は、大阪市内から続く路線愛称「大和路線区間の終端部となる駅であり、大和路快速の直通区間もここまでとなります。

加茂駅よりも名古屋側には特に路線愛称はなく、単に「関西本線」「関西線」等と呼ばれるだけです。加茂駅を跨いでも旅客鉄道会社の境界を跨ぐわけではなく、引き続きJR西日本のままです。

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最も大きく変わるのは、運行方式と両数です。大和路線は基本的に221系8両編成で運用される電化区間ですが、これから進む加茂以東の関西本線ではキハ120形1~2両で運用される非電化区間となります。列車本数も一気に減少し、加茂~亀山駅間では基本的に1時間に1本程度の運行本数しかありません。

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10:41に定刻通り加茂を発車。列車は木津川に沿ってエンジン音をまき散らしながら進んでいきます。わずか1両のキハ120ですが、18きっぷシーズンにも関わらず平日だからか車内はそれほど混んでおらず、問題なく着席することができました。

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決して沿線人口の多い区間ではないと思いますが、沿線にはゴルフ場やキャンプ場等のレジャー施設が多数あるようです。以前別の機会にこの区間を乗車した際も、バーベキュー道具を抱えた同世代ぐらいの学生グループが途中駅で一斉に降りていったのを覚えています(陽キャ羨ましい)。

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途中の伊賀上野駅からは伊賀鉄道が分岐しており、近鉄伊賀神戸駅までを結んでいます。使ったことがないので分かりませんが、伊賀上野駅周辺よりも伊賀鉄道に乗り換えた先の伊賀市内中心部の方が街として栄えてそうです。

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11:36に柘植駅へと到着。「つげ」と読みます。この先終点の亀山まで乗ってしまうと、数日前に通った区間と重複してしまうのでここで乗り換えます。

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柘植駅の駅舎は見たところかなり古いようです。手前の植木が盆栽のような雰囲気を醸し出していて古風な風貌をしています。すぐ近くには名阪国道の伊賀ICも位置しており、そちらの方がドライブインや道の駅等もあって栄えていそうです。

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柘植駅からは草津線へと乗り換えます。乗車するのは12:01発の草津です。何と国鉄車両113系が充当されていました!

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号車によって「昔ながらのボックスシート」と「リニューアルされた転換クロスシート」があるようでした。後者は223系等に備わっているものとほぼ同じもののようでしたので、ボックスシートで行きたいと思います。

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列車は定刻通りに柘植駅を発車。窓枠の部分に小さなテーブルが設置されているので便利です。ただし窓は開かないようにツマミが取り外されていました。

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草津線は基本単線ですが、線形がよく、開けた車窓を楽しむことができます。乗車中の列車は草津線内で完結する列車ですが、中には草津より先で琵琶湖線JR京都線へと乗り入れ大阪方面まで直通する列車も設定されているようです。

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12:47に終点の草津駅へと到着。もちろん群馬県草津温泉…ではなく滋賀県草津市です。群馬の草津よりも遥かに大きな都市です。

これより先は琵琶湖線へと乗り換え、大津方面を目指します。その様子はまた次回お届けします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。