わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【眠れるの?】ネットカフェ「快活CLUB」をホテル代わりに使ってみた!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は珍しく鉄道の話題から少し離れますが、「快活CLUB」をホテル代わりにして1泊してみたので、その様子をご紹介していこうと思います。

ネットカフェというと、何となく「治安が悪い」「不潔」というイメージをお思いの方もいらっしゃることでしょう。しかし一度使ってみるとそんなイメージは見事に覆される場所です。

「旅行中の宿泊費用を安く抑えたい」という方や「ネットカフェってどんな空間なんだろう?」と気になる方の参考になれば幸いです。

 ちなみに先日Twitter上で取ったアンケートによれば、快活CLUBを利用したことが「ある」と答えた人が約6割、「ない」が4割という結果になりました。鉄道系・旅行系の方を中心とした投票なので、これまでに宿代わりとして利用したことがある方が世間一般よりは多い可能性もありますが、一方で中高生のフォロワーさんですとなかなかネットカフェというのは身近でない場合もありそうですので、まぁアンケートの結果は参考程度と思っていただければと思います。

 

2021年1月25日(月)

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夜の小田原駅

さて、今回はすっかり日が沈んだ夜の小田原駅にやってきました。これから「快活CLUB 小田原鴨宮店」へと向かって歩いていきます。

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店舗検索が可能(公式アプリより)

「快活CLUB」とは、北海道から沖縄まで全国に約400店舗を展開するネットカフェのチェーンです。店舗の所在地は快活CLUBの公式アプリや公式HPから確認することができます。

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小田原駅から3.4kmも離れている

今回利用する「小田原鴨宮店」はJR東海道本線鴨宮駅から歩いて約1.1kmの距離にあり、おそらくここが最寄り駅かと思われますが、今回はスケジュールの都合上小田原駅から3.4km歩いて向かうことにしました。正直かなりの距離ではありますが、他に伊豆箱根鉄道大雄山線井細田駅五百羅漢駅小田急小田原線足柄駅から歩く等いろいろな方法がありそうですので、その時のスケジュールに合わせて便利な駅から向かってみてください。

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小田原鴨宮店は「ロードサイド型店舗」

40分ほど歩き、ようやく店舗に到着です。オレンジ色の看板が目印となっています。

ちなみに全国にある快活CLUBの店舗は「駅前型」と「ロードサイド型」の2通りに分かれ、必ずしも全ての店舗が駅から遠いというわけではありません。駅前型はその名の通り駅前一等地に店舗を構え、多くの場合は複合ビルの一部のフロアを占有して店舗運営がなされています。一方のロードサイド型は幹線道路に面し、自動車でのアクセスを想定して造られた店舗で、お城のような大きな独立型の店舗を構えています。小田原鴨宮店の場合はあいにく後者ということになりますが、神奈川県内においても関内、東戸塚、大船、磯子、横須賀中央、海老名、藤沢、相模大野等には駅前型の店舗がありますので、鉄道利用の場合はそのような店舗を選ぶことをオススメします。

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フロントのイメージ(公式HPより引用)

店舗に到着したら、まずはフロントにて受付を行います。初めて利用する場合は会員登録が必要となるため、時間に余裕をもって入店しましょう。入会金は370円(税込)かかりますが、店舗によっては期間限定やキャンペーン等で0円となる場合もあるのでそのタイミングを狙うといいかもしれません。

会員登録が済んだら、次に座席の種類を選びます。ネットカフェと一口に言っても、その座席タイプには大きく3種類あり、価格の安い順に「オープンシート」「ブース」「鍵付完全個室」と分かれています。最もリーズナブルな「オープンシート」は予備校の自習室のような机と椅子だけがある空間で、日中の利用ならばまだしも宿泊には不向きですのでオススメはできません。また「ブース」と「鍵付完全個室」はそれぞれ「フラット」「多機能」とタイプが分かれており、寝転がって休みたい場合は「フラット」がオススメです。必ずしも全ての店舗に上記3種類全ての座席タイプがあるとは限りませんので、事前に公式HPやアプリでよく調べてから向かいましょう。

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小田原鴨宮店の料金表(公式アプリより引用)

なお、価格は時間制となっていますが、カラオケ等と異なり入店時に「○時間使います」と申告する必要はありません。最初の30分でいくら、その後10分ごとにいくら…と料金が決まっていますが、その後は3時間、6時間、9時間…と概ね3時間刻みでパック料金が設定されており、退店の会計時に最も安い料金で計算されます。

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アプリの予約画面

また、一部の店舗の鍵付完全個室に限り公式アプリからの事前予約が可能となっています。3日前までという点は注意しなければなりませんが、混雑が予想される週末等には予約システムを利用してみるのも良いかもしれません。

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ブース(フラット)

今回は「ブース(フラット)」を利用します。一見個室のようにも見えますが、背丈より少し高いくらいの位置で壁が切れており、上部は開いています。またドア部分にも鍵はありません。足元には黒いマットレスが敷かれ、靴を脱いで上がります。ちなみに同じ「ブース」でも、多機能タイプの場合には土足で入れる代わりにマットレスではなくオフィスチェアが置かれており、寝るにはややしんどい体勢かもしれません。

ブース内には大きなパソコン(ラップトップ)が設置されています。またその脇には充電用のコンセントとUSBポートが設置されているほか、館内にはWi-Fiも完備されているので個人のノートパソコンを持ち込んで作業を行うのにも便利です。

さらにティッシュ、ハンガー、座椅子、金庫もブース内に備わっており、狭い空間ながら様々な機能が集約されています。

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ハンバーグ&唐揚げカレー(760円)

そして”カフェ”と名乗るからには飲食物について気になるところですよね。一部店舗を除き、多くの場合は充実したフードメニューが用意されています。「ブース」「鍵付完全個室」の場合は自席のパソコンに表示されている注文画面から注文することができ、「オープンシート」の場合はフロントで注文(もしくは館内のインターホンでフロントに連絡して注文)という形式になっています。「オープンシート」「ブース」の場合は注文後に自席まで運んでもらえるというサービスぶり。「鍵付完全個室」の場合は店内で提供される飲食物の持ち込みが法令により禁止されているので、注文した食事は「鍵付完全個室利用者専用飲食スペース」へと運ばれます。

今回は「ハンバーグ&唐揚げカレー」(760円)を注文しました。アツアツとろとろでとっても美味しく、遅い時間の夕食だったこともありペロリと平らげてしまいました。メニューは総じてやや割高な点が欠点といえば欠点ですが、一般的なレストランやカフェと異なりコンビニ等で購入した飲食物も館内に自由に持ち込めるので、その時の状況に合わせて使い分けてみてください。

またドリンクバーは座席タイプに関わらず全ての利用者が滞在中自由に利用でき、座席の利用料金に含まれているのも大きな特徴です。各種ソフトドリンクのほか、スープやソフトクリームも用意されています。またこれはごく一部の店舗に限定されるようですが、時間限定でおにぎりが無料で食べ放題となっている太っ腹な店舗もあるようです。

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シャワーも無料で利用できる

食後はシャワーを浴びていくことにします。快活CLUBの多くの店舗では館内にシャワーブースまで完備しており、こちらは滞在中いつでも無料で利用できます。バスタオル、フェイスタオル、ボディーソープ、シャンプー、ドライヤーが無料で利用できるので、手ぶらで利用できるようになっています。

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ランドリー(有料)

また、こちらは別途有料ですがコインランドリーも備わっています。その他アメニティに関してはフロントで有料にて販売していますが、水回りに関しては一般的なビジネスホテルに準ずる設備が整っているといって差し支えないのではないでしょうか。

シャワーを浴び終え、ようやく就寝体制に入ります。フラットタイプで横になれ、また弾力のあるマットレスなのでフェリーの雑魚寝やサンライズノビノビ座席よりは遥かに寝心地が良いと言えるでしょう。

一方で「ブース」の場合は完全な個室ではないため、天井の明かりとフロア内のBGMで多少寝付きにくいということがあるかもしれません。また運悪く隣の人のいびきや寝言がうるさく、気になってしまうということもあり得ます。「鍵付完全個室」の場合はその名の通り鍵のある完全な個室ですので、完全なプライベート空間として室内を消灯でき、フロア内のBGMや近くの人の音もシャットアウトできます。ゲストハウスやドミトリーに慣れている方であればブースタイプでも良いかもしれませんが、「まともなホテル・旅館しか泊まったことない」という場合はまずは鍵付完全個室での宿泊をオススメします。

 

2021年1月26日(火)

さて、朝を迎えました。夜中にも何度か物音で目覚めることはありましたが、だいたいぐっすり寝れたという感じです。

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盛り方が雑でほんとすみません

快活CLUBでは「無料モーニング」というサービスがあり、朝6:00~10:30限定でフライドポテトと食パンが食べ放題になっています。これも「鍵付完全個室」の場合は自席へ持ち込むことはできませんが、「オープンシート」「ブース」の場合は自席で食べることができます。通称”快活ポテト”と呼ばれるこのフライドポテトは今や快活CLUBの名物となっておりますので、是非一度味わってみていただきたいです!

その後は荷物をまとめ、退店します。今回は「ナイト8時間パック」と呼ばれる夜限定のお得なパック料金が適用され、さらにそこから学割で20%OFFとなるため1,408円(税込)で寝泊まりすることができました(現在は価格が改訂されており少し異なるようです)。フードメニューや館内で販売されるアメニティ類等は学割の対象外ではありますが、初回利用時の会計で学割証を提示した後は年度が変わるまで学割が自動で適用されるため、中学生~大学生ならかなりお得に利用できます。

8時間しか滞在できないということは、つまり22時に入店しても翌朝6時には退店しなければならないと考えると、かなり慌ただしい気はしてしまいます。ただ、別に必ず8時間で退店しなければならないというわけではなく、8時間までの利用がお得というだけに過ぎないですから、そこは各々の体力やスケジュールと相談してみてください。ちなみに店舗によっては「ナイト12時間パック」を設定しているところもあります。

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朝もやの小田原城

というわけで、今回は快活CLUBをホテル代わりに使ってみた様子をご紹介してまいりました。

「旅先での宿泊費用を少しでも抑えたい」と考えている方や、「使ってみたいけど何となく勇気がいるなぁ」と思っていた方の参考になれば幸いです。

なお実際のサービス内容や価格は店舗によって細かく異なりますので、今回お示しした内容はあくまでも参考程度でお願いします。

この夏もGoToトラベルは再開されなさそうですし、少しでも安く旅行する際には是非快活CLUBの利用も検討してみてはいかがでしょうか!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【相鉄いずみ野線】真っ暗な夜の秘境駅に訪問したらヤバすぎました…

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は相鉄で最も乗降客数の少ない「ゆめが丘駅」を夕暮れ時に訪問してきましたので、その様子をご紹介していきます。

 

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二俣川から相鉄いずみ野線に乗車

というわけで、まずは二俣川駅にやってきました。当ブログでもこれまで度々相鉄について取り上げていますが、ご存じの通り主に神奈川県東部で路線ネットワークを展開する大手私鉄です。

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相鉄路線図(公式HPより引用)

相鉄はその路線の総延長の短さゆえ、沿線は総じて人口が多く、日々の通勤通学路線としての側面が非常に強い路線です。沿線に主要な観光地もあまりなく、観光の目的で使われることはあまりない路線ですが、だからこそ「どこまで乗っても住宅地」とも言えます。少なくとも沿線に”田舎”や”秘境”のようなイメージはまず持たないことでしょう。

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快速 湘南台行に乗車

しかしそんな相鉄にも、どうやら秘境駅があるらしいということで、今回は二俣川からいずみ野線の快速 湘南台行に乗り込みその駅を目指すことにします。快速とはいってもいずみ野線内は各駅に停車するため、特に快くも速くもありません。

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目的地が近づいてきた

夕方の帰宅時間帯にあたり、車内はそこそこの混雑でしたが、各駅で少しずつお客さんが降りていきます。そして二俣川を出てから約12分で、今回の目的地である「ゆめが丘駅」が近づいてきました。

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島式1面2線のホーム

というわけで、ゆめが丘駅に到着です。島式1面2線のホームに降り立ったのは自分以外にも何名かおり、これだけ見ると秘境駅という雰囲気はあまりありません。

列車はドアが閉まり、湘南台へ向けて発車していきました。

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幻想的な夕焼け

横浜市泉区にある相鉄のゆめが丘駅は1999年にいずみ野線湘南台延伸に際して開業した比較的新しい駅で、新路線らしい高架駅となっています。実はこのゆめが丘駅相鉄で最も乗降客数の少ない駅として知られています。

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公式HPのデータを元に作成

こちらは相鉄公式HPにて公開されている情報を元に作成した、2018年度の駅別乗降客数ランキング。断トツ1位の横浜は相鉄だけで驚愕の1日42万人超という桁違いの乗降客数を誇りますが、次いで2位の海老名と3位の大和も10万人超というなかなかの数字を叩き出しています。

一方でランキングの下の方を見てみると、1万人台は23位の南万騎が原までで、1万人を割るのは平沼橋とゆめが丘のみ。平沼橋は横浜駅から徒歩圏内ということもありわざわざ使う人は少ないのかなと考えれば妥当な数字かもしれませんが、その平沼橋の4分の1程度にとどまるのがこのゆめが丘なのです。

ちなみにこのデータは2018年度ということで相鉄・JR直通線開業前のものになりますが、2019年11月に開業した羽沢横浜国大駅は何と1日約2.5万人の乗降客数を誇ると言われています。羽沢横浜国大はJRとの共同使用駅のため、相鉄を利用してこの駅にやってきた正確な人数は何とも言えませんが、陸の孤島とも揶揄されるハザコクでさえ2万人超ですから、いかにこのゆめが丘駅の乗降客数が少ないかがよくわかると思います。

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楕円型の大きな屋根

ホームを覆う屋根は特徴的な楕円状の鉄骨(?)が組まれており、一見未来的なデザインであるようにも思えます。しかしよく見てみると、アクリル板には汚れが目立ち、全体的に古さは否めません。新しいようで「ピッカピカの新駅」というわけではないのです。

ただこの特徴的なホームを見て、何かを思い出す方もいるのではないでしょうか。そう、このゆめが丘駅は以前人気アイドルグループ・嵐の櫻井翔さんが出演された「ウィダーinゼリー」のCMロケ地としても有名です。ただし作中にはキオスクのような売店が映っていますが、実際にはそのような売店はホーム上にありません。

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改札口は1ヵ所のみ

ホームを降りて地上に向かうと、改札口があります。改札口は1ヵ所のみで、改札機もわずか3台だけですが、これで事足りるということなのでしょう。駅の間口の広さを見るに、需要さえあればもっとたくさんの自動改札機を並べられるのでしょうが…。

しかし凄いのは、こんな駅でも(と言っては失礼ですが)駅員さんがしっかり配置されています。JRでこれくらい閑散とした駅なら無人化されていてもおかしくない気はしますが、そこは私鉄らしさを感じました。

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発車標は最新鋭

また、改札口の上の発車標は最新鋭のモニターが設置されていました。おおむね運行本数は10分間隔で、何と上下それぞれ3本ずつも表示されています。行先や方面が何通りもあるわけではなく、またいずみ野線内は列車種別による停車駅の違いがあまりないので、そこまで必要あるのか…?というのが気になりました(笑)。

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駅前一等地すら何もない

駅前には何もありません。普通首都圏の大手私鉄の駅前といったら、例え各駅停車しか停まらないような小駅であっても駅前に学習塾やコンビニや牛丼チェーンくらいはあるものですが、このゆめが丘駅には本当に何もありません。駅前一等地が更地なのです。

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向こうには住宅地も

遠く彼方には住宅の明かりも見えますので、おそらくその辺りに住む人にとっては便利な駅なのでしょう。しかし駅から徒歩圏内に住む人とはいっても決して多くはなさそうで、乗降客数最下位なのも頷けます。

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県道18号線

駅を出て真っ暗な道なき道を少し歩くと、幹線道路に出てきます。ここは横浜市西部を縦に貫く県道18号線という道路のようで、この道路沿いには多少ですがコンビニや飲食店等もあるようです。車通りはそこそこありますが、歩行者の姿はあまりありません。

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ブルーライン下飯田駅

ゆめが丘駅から徒歩数分のところには、横浜市営地下鉄ブルーライン下飯田駅もあります。駅前のロータリーはこちらの駅の方が立派で、乗降客数は1日約6,500人とゆめが丘駅の3倍もあります。実はこの駅が開業したのもゆめが丘駅と同じ1999年で、タイミングとしてはゆめが丘駅よりも半年ほど遅い時期の開業だったようですが、現在はこちらの駅の方がより多くの人に利用されているということのようです。横浜駅へ出る際の所要時間や列車本数はゆめが丘駅下飯田駅もあまり大差ないように感じますが…なぜなのでしょうか。

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建設時は「下飯田(仮)」だった

実は相鉄のゆめが丘駅も、建設当時の仮称は「下飯田」でした。しかし正式に駅名を決めるにあたり「今後の夢を抱ける街に」との願いからこのような駅名になったそうです。当然ですがこのゆめが丘という駅名は古くからの地名には全く由来しないということですね。

開業当時と比べれば乗降客数は増加しているものの、直近10年は横ばいで推移するゆめが丘駅。今後大きな動きがあれば注目したいですね。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【友部→小山】悲運の過去をもつ「JR水戸線」の旅

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、小山~友部駅間を走るJR東日本の「水戸線」に乗車してきましたので、その様子をご紹介していきます。

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水戸市を通らないことで有名(Googleマップより引用)

小山~友部駅間50.2kmを結ぶJR水戸線は、水戸市を通らないことで知られています。実は水戸線の前身となる「水戸鉄道」が1889年に開業した際、その運行区間は小山~水戸駅間ということで嘘偽りなく水戸へ乗り入れていたのですが、その後現在の常磐線にあたる路線が開業し、1909年に改めて路線名称を定めるとなった際に友部~水戸駅間は現在の通り「常磐線」となってしまったことから、結果的に路線名称としては水戸市を走らない状態になってしまいました。

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悲運の過去をもつ水戸線

先に水戸鉄道として開業していたにも関わらず、その一部区間常磐線に横取りされる形となってしまった、いわば”悲運の過去をもつ路線”ともいうべき水戸線ですが、実は朝夕の一部列車が現在でも水戸・勝田・高萩方面の常磐線区間へと直通運転を行っています。水戸線水戸市を通りませんが、一部の水戸線の列車は水戸市を通るということになります。

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一部の特急も停車する

さて、それではそんな水戸線に、今回は友部駅から乗車していきます。水戸駅からは16kmほど離れた駅で、常磐線の特急列車も一部が停車する主要駅です。

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「始発」の文字もしっかり表示

乗車する列車は、友部15:18発の水戸線 小山行。日中の時間帯ということでこの友部が始発となります。ホームの発車標にもしっかり「始発」の文字が表示されていますが、ややスペースを余らせた細い文字であるのが何だか気になりました(どうでもいい)。

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E531系付属編成

3番線には既に今回乗車する列車が停車中。水戸線は全列車がE531系5両編成で運行されています。E531系というと未だに常磐線のイメージが強いですが、常磐線だけでなく水戸線東北本線の黒磯~新白河駅間でも運用されており、運行エリアが広いのも特徴です。

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水戸線ワンマン運転

側面の行先表示器には「ワンマン」の表示があります。沿線に無人駅の多い水戸線では2021年3月よりワンマン運転がスタートしましたが、しかし列車内に運賃表や運賃箱等の設備はありません。これはお客さんが「ちゃんとお金を払ってくれているだろう」という信用に基づく「信用乗車方式」で、運転士さんが車内で運賃の徴収を行うことはないのです。そのため果たして本当に全ての乗客が正しい運賃を支払って乗っているかどうかというのがしばしば議論されたりします。もちろん無賃乗車は不正乗車にあたりますので、きっぷは正しく買いましょう。

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常磐線と分かれる

そして定刻となり、15:18に列車は友部駅を発車。すぐに常磐線の線路と分かれていき小山方面へ向かうことになりますが、しかし「水戸線常磐線から離れていく」というよりは「常磐線水戸線から離れていく」という方が正確かもしれません。

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水戸線の方が直線的に発車

地図を見てみるとわかる通り、友部を出発すると水戸線が直線的に進むのに対し、常磐線が枝分かれしていくような構図になっています。現在では特急街道の常磐線の方が水戸線と比べ主要路線であることは言うまでもありませんが、そもそも水戸線の方が先に開業していることからこのような配線になっているものと思われます。水戸線(旧水戸鉄道)が古くから存在していることの証と言えるでしょう。

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笠間駅に停車

列車は宍戸、笠間、稲田…と各駅に停車しながら進んでいきます。各駅到着時、ドアは自動で開くようになっているためお客さんがドアボタンを操作する必要なく乗降ができるようになっていますが、これがコロナ前からなのか、それともコロナによる換気のためにそうしているのかは定かではありません。

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これでも「東京」近郊区間

車窓に目をやると、駅間ではひたすらにのどかな田園風景が広がります。曇り空ですが遮るものもないので遠くまで見渡すことができ、同じE531系が走る区間でも常磐線の東京近辺とはかなり沿線の様子が異なります。もっとも、この区間東京近郊区間に含まれているのですが…。

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ホームの跡?

途中の福原駅では、車窓左手にかつて使われていたであろうホームの跡のようなものが見えました。これは地方路線によくある話ですが、かつては広大な鉄道用地をもち長大なホームが多数並んでいたような駅でも、現在は短編成の列車が主体となったことでその用地を余らせているというのがあります。水戸線でもつい15年ほど前までは7両編成の列車が走っていたとのことで、御多分に洩れず現在各駅の設備には余裕があるということなのかもしれません。

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小田急線も相鉄線も来ない大和駅

しばらく進むと、列車は途中の大和駅に到着です。大和というとどうしても神奈川県民の私は小田急江ノ島線相鉄本線が十字にクロスする大和駅を思い浮かべてしまうのですが、こちらの大和駅も同一の表記で読み方まで同じ。何という偶然でしょうか。乗り換え検索する際は間違えないようにしましょう。

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筑波山(おそらく)

大和~新治駅間では、筑波山の姿もしっかりと見えました。今ではつくばへ向かう鉄道といえば真っ先につくばエクスプレスを思い浮かべますが、かつては上野から東北本線で小山へ、その先水戸線に直通する急行「つくばね」という列車も運行されていました。

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下館駅に到着

友部を出てから約40分、15:58に列車は下館駅へと到着です。この駅は水戸線の途中駅としては最大規模を誇り、JR水戸線の他に関東鉄道常総線と真岡鐡道も乗り入れています。真岡鐡道は1988年まで国鉄・JRの路線でしたが、現在ではJRから経営が分離されています。

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鬼怒川を渡る

川島駅を発車するとすぐに、列車は鬼怒川を渡ります。まだ列車は茨城県内ですが、この川を渡れば終点の小山はもうすぐです。

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短絡線が分岐していた名残

小田林を発車すると、いよいよ列車は茨城県を抜けて栃木県へと入ります。そして次が終点の小山というところまでやってきました。車窓の左手には何やら不自然な空き地がありますが、これはかつて水戸線東北本線小山駅の南方で短絡していた線路の名残です。先ほどご紹介した急行「つくばね」はこの短絡線を通って、小山駅を通ることなく上野~下館駅間を結んでいましたが、現在では線路も剥がされ更地となっているようです。

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小山駅に到着!

そして16:20に列車はようやく終点の小山駅へと到着です。友部から約1時間でたどり着くことができました。列車はこの後再び友部方面に向かう折り返し列車となるようです。

 

というわけで今回は水戸線のご紹介でした。

今回私は初めて水戸線を乗り通してみて、のどかな田園風景が広がりながらも、その車窓には様々な歴史を垣間見ることができる路線だということがわかりました。

是非機会があればみなさんも足を運んでみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

かつては旅客営業も!? 相鉄とJRを繋ぐ貨物線「相鉄厚木線」を見に行ってみた

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は「相鉄厚木線」という路線についてご紹介していきます。

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相鉄のフリーパスで横浜から海老名へ

この日は、相鉄全線が1日乗り放題になる740円の「相鉄・鉄道全線一日乗車券」を利用して海老名行の下り快速列車に乗車中。”快速”とは言うものの、通過駅がある区間は横浜~西谷駅間のみで、西谷~海老名駅間は各駅に停車していきます。

列車は車両基地があることで知られるかしわ台駅を発車。次が終点の海老名となります。

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線路が分かれていくぅぅぅ

ぼんやりと窓の外を眺めていると、何やら突如進行方向右側に謎の分岐が見えてきました。

「あれぇ、かしわ台から分岐する相鉄の支線なんてあったっけ…?」と思いつつ、そのさらに向こうに目をやってみると、何やら石造りのホームのようなものまであるのが確認できます。

「これは何か面白い発見があるに違いない!」ということで、海老名駅から歩いてこの線路の分岐点へ向かってみることにしました。

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海老名駅は改修中

というわけで終点の海老名駅でひとまず下車。相鉄本線のほかに小田急小田原線、JR相模線も乗り入れる県央の一大ターミナル駅ですが、その中でも相鉄の海老名駅は現在改修工事中のようで、駅の入口が簡素な造りになっていました。何か海老名って来るたびにいつもどこかしらが工事していて動線が変わっている気がしますが気のせいでしょうか。

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「謎の分岐点」までは駅から約1km

海老名駅の東口から「謎の分岐点があった場所」までは約1kmほど。ずっと相鉄本線の線路沿いに歩いて少しだけかしわ台方面へ進むということになります。1kmというとかなりの距離にも思えますが、かしわ台~海老名駅間の営業キロは2.8kmあり、この謎の分岐点までは海老名駅から歩いた方が近いということになります。

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目的地となる踏切に到着

炎天下の中を歩くこと約15分、県道407号線と相鉄本線が交わる踏切へと到着しました。ここが先ほどの謎の分岐点があった場所の近くとなります。列車が通り過ぎるのを待って、周りの安全に気を配りながら踏切内へ入って見てみることにします。

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海老名方を望む

上の画像の奥が海老名方面、手前側がかしわ台方面となり、本線の線路は大きく左にカーブしていきますが、その右側に1本の線路が分かれていくのが確認できます。

実はこれ「相鉄厚木線」という貨物線で、相鉄の海老名駅を通ることなくJR相模線の厚木駅へと繋がる線路なのです。貨物線なので旅客案内上の路線図に描かれることはなく、現在定期的な旅客列車の運行はなされていませんが、決して廃線などではなく、今でもJR線から相鉄線内へ新型車両を甲種輸送を行う際等で使われています。

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大部分の区間でJR相模線と並走する

謎の分岐点があるこの踏切の場所は現在「相模国分信号所」という名称で呼ばれており、ここから本線と分かれてJR相模線の厚木駅までを結ぶ2.2kmの区間が相鉄厚木線となっています。この路線の歴史は古く、1926年に相鉄の前身となる「神中鉄道」の厚木~二俣川駅間が開業した際は、いわば”本線”ルートの一部分でした。この5年前の1921年までにJR相模線の厚木駅以南が開業しており、厚木駅を境界駅としてこの2路線は旅客列車の直通運転まで実現することとなります(ちなみにややこしい話ですが、JR相模線はこの当時まだ国有化されておらず、民間の”相模鉄道”という路線でした)。

2019年に相鉄新横浜線が開業し、本線の西谷駅から分岐するルートでJR線と線路が繋がったことは記憶に新しいですが、それより90年以上も前に既に相鉄とJRは線路が繋がっていたのですね(正しくは”神中鉄道”と”相模鉄道”ですが)。

この当時、相模国分信号所は「相模国分駅」として旅客の取扱いを行っていましたが、1941年に相模国分海老名駅間(現在の”相鉄本線”)が開業すると相鉄厚木線は旅客営業を廃止し、相模国分駅は信号所へと格下げされることになったのです。

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ホームの名残?

先ほど列車内から見た際、奥にはっきりと石造りのホームのようなものが見えていましたが、もしやこれが1941年まで存在した「相模国分駅」のホームなのでしょうか。いやしかし80年も前に廃止された駅のホームが今でもこんなに綺麗な状態で残っているというのは俄かには信じがたい話です。その手前の部分は資材等が置かれているようですが、かつてはここにも線路があったのではないかと思います。

それではこの相模国分信号所から、なるべく線路に沿う様にして相鉄厚木線沿線を歩いていきたいと思います。とは言っても、相鉄厚木線の線路の右側(北側)には道路がないので、ひとまず少し線路から離れた左側(南側)の道路を歩いていきます。

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工事中の並木橋

程なくして「並木橋」に到着。この橋は、相鉄本線小田急小田原線の線路を跨ぎ、そして相鉄厚木線の線路と平面で交差する橋となっています。狭いながらも交通量は大変多いようです。

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左側が厚木方面、右側が相模国分方面

相鉄厚木線は単線で、列車の通過頻度はもはやゼロに等しいと言っても過言ではないわけですが、海老名市街地にあり交通量が多いこともあってかしっかりと遮断棒まで設置された立派な踏切となっています。上部には架線も張ってあり、しっかり電化されていることも確認できます。

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小田急小田原線と交差

木橋の上から振り返って相模国分方面を見てみます。上部に架かる青い橋が相鉄厚木線、その下で交差する線路が小田急小田原線となります。先ほど相鉄本線と分岐した相模国分信号所からは300mほどしか離れていませんが、その先相鉄本線の線路は海老名駅に向かって急な下り坂になっているのに対して、相鉄厚木線の線路にはほとんど勾配がないようです。

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左側の白い壁の上が相鉄厚木線の線路

木橋を渡り、相鉄厚木線の線路の右側(北側)に回り込んだところで、さらに歩き進めていきます。近年急速に再開発が進む海老名駅周辺ですが、この辺りにも多数のマンションが建設されていることがわかります。

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「尼寺」の交差点

下り坂を進むと「尼寺」交差点に到着。画像に映る緑色の鉄橋がまさに相鉄厚木線の線路です。ここをくぐり再び線路の左側へ回り込めるようなので、そちらへ進んでいきたいと思います。

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閑静なエリア

海老名駅は至近にありながら、人通りも少なく閑静な通りです。ちょうど相鉄・小田急海老名駅とJRの海老名駅の間を歩いているところで、左手には小田急の広大な留置線が広がっています。

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JRの海老名駅

そしてようやく海老名駅へと到着し、JR相模線と合流しました! ホームには、引退が噂されるJR相模線205系が停車しています。

相鉄・小田急海老名駅とJR海老名駅を繋ぐペデストリアンデッキの上から辺りを見渡せそうなので、上がってみることにします。

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正確にはまだ合流していない

デッキの上から、ここまで歩いてきた方向を見てみました。ちょうど画像の右端に映っている道路がまさにここまで歩いてきた道です。急カーブを描くJR相模線とは海老名駅の直前で合流しているように見えますが、厳密にはまだ線路が直接繋がっているわけではなく、合流というよりは並走といった方が正しいかと思います。営業運転が行われているJR相模線の線路と比べ、相鉄厚木線の方は使用頻度が極めて低いこともあってか緑が生い茂っているのも確認できます。

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並走状態で厚木方面へ

そしてデッキの反対側へと回り、今度は厚木駅方向を見てみます。一番左側の線路が相鉄厚木線の線路ということで、やはり見渡してみても海老名駅周辺でJRの線路と合流している様子はありません。というのも、実はJR相模線の海老名駅ができたのは1987年3月と比較的最近のことで、それまでJR相模線は長らく「海老名駅のすぐ近くを通るけど海老名駅には停車しない路線」でした。相鉄・小田急海老名駅とJRの海老名駅が離れているのもこうした理由からということですが、恐らく相鉄厚木線が旅客営業を行っていた時代にもこの合流地点の辺りには駅はなかったものと思われます。

この先、相鉄厚木線の線路はJR相模線と引き続き並走しながら、最終的には厚木駅付近で線路として合流するようです。が、海老名駅から厚木駅まではかなりの距離があり、炎天下にこれ以上の徒歩は危険と判断したため、今回はここまでとします。今度また機会があれば、厚木駅周辺の様子も見てみたいと思います。

 

というわけで、今回は「相鉄厚木線」についてのご紹介でしたがいかがだったでしょうか。

今でこそ相鉄とJRは羽沢横浜国大駅を介して直通運転を行っていますが、歴史を遡ると両社は異なる場所で直通していた(JR相模線は当時国鉄ですらありませんが)というのは何だか面白いですよね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【まもなく見納め】MaxときとMaxたにがわが連結して走る運用がありました!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は「MaxときとMaxたにがわの連結」についてご紹介します。

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夜の高崎駅

というわけで、夜の高崎駅へとやってきました。群馬県最大のターミナル駅で、各方面へ向かう在来線が乗り入れるほか、上越新幹線から北陸新幹線が分岐する駅でもあります。

今回は日中に高崎で私用があり滞在しておりましたが、これから東京方面へ帰るということで、高崎から東京まで上越新幹線を利用していきたいと思います。

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ぎゅうぎゅうに詰め込まれた列車名の文字

「高崎→東京」といえば新潟方面からの上越新幹線の列車に加えて長野方面からの北陸新幹線の列車もあり、その多くが高崎に停車するため、利用できる列車はたくさんあります。その中でも今回私が乗車していくのは、高崎21:39発の〔Maxとき・Maxたにがわ348号〕東京行です。その名の通り、何とMaxときとMaxたにがわが連結しているのです!

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はやぶさ&こまちの連結

一般的に、新幹線の連結といえば「異なる方面を結ぶ」際に行われることが多い傾向にあります。例えば東京を起点に考えると、新函館北斗へ向かう「はやぶさ」と秋田へ向かう「こまち」が連結したり、仙台へ向かう「やまびこ」と山形へ向かう「つばさ」等がこれにあたります。逆に例えば盛岡駅では「〔はやぶさ・こまち○号〕東京行」というように2つの列車名が併記されながらどちらも行先は同じということはありますが、列車名が異なるのは異なる方面からやってきているため当然のことと言えます。

しかし「Maxとき」「Maxたにがわ」はどちらも同じ上越新幹線の列車名です。一般的にはMaxときが東京~新潟駅間、Maxたにがわが東京~高崎・越後湯沢駅間での運行となっており、方面としてはどちらも同じ。”東京からどこまで行くか”で列車名が分けられているのです。

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同じ方面の列車だが

ホームへと上がる階段の脇で、編成を確認します。列車は2階建て16両編成で、そのうち東京寄りの1~8号車が「Maxたにがわ」、新潟寄りの9~16号車が「Maxとき」となっています。他の列車が8両や12両…となっている中で、16両編成は何とも迫力がありますね。見ていただければわかる通り、1~4・9~12号車が自由席、5~8・13~16号車が指定席となっています。指定席号車のうち7・8・15・16号車の2階部分のみグリーン車ということで、全く同じ設備の編成が2本連なっているということになっています。

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Maxたにがわが既に停車中

そしてホームに上がると、既にMaxたにがわ(1~8号車)が停車しておりました。この列車は高崎始発ということで、かなり早めに入線しているようです。こちらが前寄りの編成となります。

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編成の後方でMaxときの到着を待つ

そしてMaxたにがわの後方(8号車付近)へと移動してみると、Maxときが連結するのを今か今かと待ち構えていることがわかります。新潟始発でやってくるMaxとき348号の高崎到着時刻は21:37ということで、こちらはMaxたにがわ348号と異なり停車時間はわずか。さくっと連結を済ませ、慌ただしく高崎を発車していくことになります。

youtu.be

連結の様子は動画で撮影しておりますので、上記のリンクから是非ご覧になってみてください! 連結の瞬間の「ガシャン」という音が何とも良い響きですよね。

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引退まであと約4ヵ月

連結を終えると早々に発車することになりますので、乗りそびれることのないように乗り込みます。今回はMaxたにがわの自由席車両へと入りました。「Thank you! Max!」と書かれたラストランのステッカーが印象的で、その横には今や東日本の新幹線で非常に貴重となったドット表示の行先表示器も取り付けられています。

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自由席の2階だけど2+3列

列車は21:39に定刻通り高崎を出発。4号車の2階へと上がってみると、何と自由席にも関わらず2+3列のシートでリクライニングが可能なゆとりのある座席でした。Maxの自由席2階といえば3+3列の窮屈な座席でリクライニングも不可能、というイメージがありましたが、これはどうやら当たり車両のようです。おそらく列車によってはこの4号車が指定席として運用されることもあり、それを想定しての座席配列になっているということだと思います。

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時速240km近くで爆走

高崎を出ると、列車は大宮、上野、終点東京にのみ停車していきます。上越新幹線は列車名ごとに速達タイプと停車タイプのような停車パターン分けは行っていませんが、本庄早稲田と熊谷について「とき」は通過、「たにがわ」は停車するというおおよその傾向があるため、夜間にもかかわらずたにがわが高崎~大宮駅間をノンストップで走る光景はレアかもしれません。

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売店

車両のデッキ部分には、何やら売店のようなスペースがあります。しかし人はおらず、ひっそりとしていました。列車によってはこの売店が営業していることもあるのかもしれませんが、流石に夜の上り列車ということでガラガラの車内では、売店も全く営業していませんでした。

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後付けの充電スペース

その売店のカウンター上には、何やら充電スペースが。そう、E4系新幹線のデビューは1997年と古く、各座席にはコンセントがないためここで自由にケーブル等を差して充電することができるようになっています。ただしここに充電中のスマホを放置して自席に戻ると盗難に遭いそうですから、充電中はデッキに留まるのがよさそうですね。

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昇降機もある

また、各号車にはデッキ部分に昇降機があります。誰でも自由に使えるというわけではなく、一般的には車内販売のワゴンのために使われるそうです。また、指定席車両の8号車には車いす用のエレベーターも設置されているようです。

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あっという間に大宮

そんなことをしているうちに、列車はあっという間に大宮へと到着です。高崎~大宮駅間は在来線普通列車だと約1時間20分程度かかりますが、新幹線はそれよりも何と1時間早い20分程度で着いてしまいます。これはもう四捨五入して「瞬間移動」と言って差し支えないでしょう。

実は上越新幹線の最高速度は240km/hということで他の新幹線と比べると遅いのですが、高崎~大宮駅間をわずか20分間で移動できてしまうと考えればそれ以上無理に時速を上げる必要がないのも何となくわかる気がします。

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埼京線武蔵浦和駅付近?

大宮を出ると、列車は埼京線と並走しながら都心方面へと向かっていきます。数十秒おきに埼京線の駅を通過していく光景を2階席から眺めることができ、これは2階建てグリーン車の運行がない埼京線においては貴重な体験と言えるかもしれません。これができるのも今年10月までです。

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たくさんの新幹線が休む

そして次第に街の明かりが増えてきた頃、眼下には新幹線の車両基地が見えるとまもなく列車は上野に到着します。時刻は22時を回り、これから東京を出発する新幹線はもうあまりないため、1日の仕事を終えた新幹線車両がたくさん並ぶ光景は圧巻です。

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東京に到着!

そして高崎を出発してから約50分、22:28に列車は終点の東京へと到着です! 22番線に到着し、お客さんを下ろした後は先ほど車内から見下ろした車両基地へと回送されていくものと思われます。

向かいの23番線からは、ちょうど入れ替わりで22:28発の越後湯沢行最終列車が発車していきました。こんな夜遅い時間からまだ上越国境を越える列車が東京を発車していくなんて…一昔前なら完全に夜行列車ですよあんなの。凄いですね。

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最終は23:00発

東京駅のコンコースにあるモニターを見てみると、東日本の新幹線はあと2本発車がある模様です。原則として新幹線は深夜0時を過ぎての運行ができないため、もうこの時間になると東北や上越北陸地方への最終列車は終わってしまっていますが、北関東へはまだまだ帰れるようで…いやはや新幹線の圧倒的なスピードにはいつも驚かされます。23:00発のたにがわ号は「Max」とついていないため平屋建て新幹線での運行のようで、何とこんな夜遅くにも関わらずグランクラスを連結したE7系での運行のようです(グランクラスはシートのみの営業)。

 

そんなわけで今回は「Maxとき」と「Maxたにがわ」が連結して走る貴重な運用をご紹介しました。

2021年3月のダイヤ改正後、こうした運用は下り1本・上り2本の計1.5往復のみとなっています。なお運用の都合上か、下りは越後湯沢で切り離しを行うのに対して、上りは2本とも高崎で連結作業を行います。

【下り】
●〔Maxとき・Maxたにがわ321号〕新潟・越後湯沢行
東京12:40発→越後湯沢13:59着・新潟14:48着

【上り】
●〔Maxとき・Maxたにがわ316号〕東京行
新潟10:18発・高崎11:36発→東京12:28着

●〔Maxとき・Maxたにがわ348号〕東京行
新潟20:21発・高崎21:39発→東京22:28着

E4系新幹線Maxの運用も残りわずかですから、レアな運用を体験してみたい方は是非お早めに!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【かつては地上駅だった】相鉄本線大和駅周辺の廃線跡を歩く!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は相鉄の大和駅にやってきました。

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全列車が停車する駅

神奈川県民ならおなじみの相模鉄道、通称”相鉄”は主に横浜~海老名・湘南台駅間を結ぶ大手私鉄の一つで、2019年には相鉄・JR直通線の開業によりJR埼京線へ直通して新宿方面へも向かうようになりました。

そんな相鉄本線の途中にある「大和駅」は、相鉄屈指の主要駅の一つ。最速達種別である「特急」を含め全ての種別が終日停車する重要な駅となっています。

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広いホーム

ホームは島式1面2線で地下にあり、2021年3月にはホームドアの稼働も始まりました。かなり広いように見えるかもしれませんが、たったこれだけのホームで朝晩の横浜・新宿方面への通勤通学輸送を支えているというのはある意味恐ろしいことかもしれません。中にはこの大和を始発・終着とする列車も設定されており、キャパシティが限られる中でよく設定されているなと感じます。

しかし! 今回注目したいのはそこではないんです。

相鉄の大和駅が開業したのは今から何と95年前、1926年のこと。当時はもちろん今のような地下ホームではありません。

では、いつ地下化されたのか。

何と今から28年前、1993年のことなのです。意外にも最近だなぁと思いませんか?

まぁ最近とはいっても私はまだ生まれていませんが。

ということで、今回は大和駅周辺を歩きながら、地上駅時代の名残を探し歩いてみたいと思います!

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北口(相鉄改札)

というわけで、ひとまず北口改札を出ます。大和駅には相鉄本線の他に小田急江ノ島線も乗り入れており、北口改札が相鉄、南口改札が小田急の管轄となっていますが、しかしどちらの改札から入ってもどちらの鉄道会社も利用できるという特徴的な駅です。そのため、相鉄が管理するこの北口改札は煉瓦造りの外観等がいかにも相鉄らしさを感じさせますが、実際には小田急大和駅に有効な乗車券類でもこの改札口を通ることができるのです。

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ドカンと鎮座するプロス

北口改札を出て右に曲がり、まずは駅から東側の地上廃線跡を見ていきましょう。かつて相鉄のホームがあったと思われる場所には大きな駅ビル「大和プロス」が建設されており、線路が敷かれていた跡など見る影もありません。

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不自然な細長い土地

しかしそこから180度回転し、東の方角を向いてみると、何と駅があったと思われる場所からまっすぐ延びる細長い土地があるではありませんか!

そう、まさにここは、1993年まで相鉄線が走っていた地上線路の跡地なのであります。現在は広場および遊歩道として整備されており、車両の通行はできない不思議な空間となっています。

そして上の画像を見ると、それぞれの建物の正面玄関が外側を向いているのがわかります。この遊歩道に面してスーパーマーケットや飲食店等が軒を連ねているのですが、いずれもこの遊歩道に面する出入口は後から造ったようなこじんまりとした裏口のようになっていて、メインの出入り口はこの遊歩道の両外側にある昔からの道路に面していると思われます。考えてみれば当然のことで、線路沿いに立っている建物が線路側に出入口を作るわけはありませんから、この遊歩道に不自然というか無機質な光景が廃線後の今も残っているのは当然かもしれません。

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踏切の跡…?

しばらく歩いていくと、遊歩道と道路が交差するポイントへと到着します。実は相鉄大和駅は、1926年から1944年までの18年間だけこの辺りにあったようで、上空からの航空写真で見るとその様子が何となくわかります。

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大和駅東側の航空写真(Googleマップより引用)

見てみると、「コメダ和喫茶おかげ庵」付近から「大和市文化創造拠点シリウス」の辺りにかけて土地が特に広くなっており、遊歩道になっていない部分は駐車場として使われています。これは完全なる憶測にすぎませんが、この辺りに1944年まで旧・大和駅があったと考えてもおかしくはないでしょう。

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大和市文化創造拠点「シリウス

そして今ご紹介した「シリウス」とはこちらの建物で、図書館や生涯学習センター等を併設した複合公共施設となっています。周辺の建物と比べてもかなり新しいなぁと思ったら、どうやらこの建物は2016年にできたようで、当然ながら相鉄の地上線路廃線跡にできたということになりますので、正面玄関も遊歩道に面しています。

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国道467号線と交差

そしてさらに東へ歩いていくと、もう1本主要な幹線道路と交差します。こちらは国道467号と呼ばれ、イオンモール大和も近い大和市深見付近から小田急江ノ島線に沿う様に藤沢市の片瀬海岸付近までつながっていて、神奈川県を南北に貫いています。こんな立派な国道の歴史が浅いわけはありませんので、そうするとこの場所は28年前まで踏切だったということになるのでしょうか。現在ではほとんどその名残もなく、急にここへ友達を呼んできて「ここには前まで踏切があったんだよ」と話しても100人中100人に信じてもらえなさそうな気がしますが。

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この辺りは公園のような雰囲気

その先に進むとやや横幅は狭くなり、両側には木が植えられた公園のような空間へと進んでいきます。ここまで来ると駅前からはかなり離れ、閑静な住宅街といった雰囲気です。晴れた日にはここでお昼ご飯を食べたりするのもいいですね。

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線路が見えたら終わり

そして突如としてこの遊歩道は終わりを迎え、足元から線路が地上へと上がってきます。ここまで大和駅から約500メートル程度です。

それでは来た道を戻って再び大和駅へ、その先今度は駅の西側の遊歩道も同じように歩いてみることにしましょう。

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海老名方を望む

さて、大和駅の西側を見てみると、こちらも同じように駅の跡地が広場になっています。東側と比べると心なしか人はまばらに見えます。

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特にめぼしいものはない

正直言うと、こちら西側には特にめぼしいものはなく、東側と同様にまっすぐと線路の跡地が遊歩道として整備されているにすぎません。かつてここに線路が通っていたことを示す記念碑や看板等もないため、ここが平成初期まで相鉄線の線路だったというのは言われないとわからないと思います。

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泉の森へと続く

 

そしてやはり駅から500メートルほどで遊歩道は終わりを迎え、下から線路が見えてきます。ちなみにこの先へ歩いていくと「泉の森」と呼ばれる大きな公園や、厚木基地等があるようです。大和駅の近くにもいろいろあるんですね。

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南口は小田急管轄

ということで再び大和駅まで戻ってきました。今度は小田急が管轄する南口改札ですが、しっかりと相鉄のロゴも書かれています。廃線探訪は正直めぼしい鉄道遺構のようなものもなく、このままでは締まりが悪いので最後にこの駅構内の構造について軽く触れておきたいと思います。

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2018年に誕生した乗り換え改札

かつて相鉄と小田急は駅構内を共用しており、豊橋駅北千住駅のように異なる会社が同じ改札内エリアを共有するような構造でしたが、2018年に中間改札が設けられました。相鉄・JR直通線に向けて、主に都心方面からこの大和までやってきたお客さんが相鉄・小田急どちらの経路で来たかを判別するためです。ただし先ほど述べた通り北口・南口どちらも相鉄・小田急の両方に入場することができるため、例えば相鉄が管轄する北口改札から入って小田急のホームに向かいたいという人は改札を2回通ることになります。

 

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木々の向こうに見えるプロス

というわけで、今回は大和駅周辺の廃線探訪をしてきました。

相鉄大和駅が28年前まで地上にあったというのは意外に知られていない気がしますが、現地に行ってみると確かに不自然な広場や遊歩道がありますので、是非足を運んでみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

ブルジョワ大学生は大宮→八王子をこのように移動します

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みなさんこんにちは! ブルジョワ大学生のわたかわです。

今回は、私のようなブルジョワ大学生が大宮~八王子駅間をどのように移動するかについてご紹介していきます。

 

【おことわり】
本記事内ではあたかも私がお金持ちで裕福であるかのような表現が多数登場しますが、あくまでも演出であり、全てヤラセです。取り上げている列車の情報に関しては本当のことであり、また今回の記事のために私が当該列車に乗車したのは本当ですが、私自身は実際にはブルジョワとは正反対の限界大学生ですのでご承知おきください。

 

2021年5月29日(土)

さて、今回は埼玉県の大宮駅にやってきました。言わずと知れた埼玉県最大のターミナル駅であります。

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埼玉県最大のターミナル

今日はこれから用事のため、八王子へと向かいます。しかし私のようなお金持ちが普段利用している新幹線(もちろんグランクラス)や特急(もちろんグリーン車)では大宮から八王子まで1本で移動することはできず、都内で乗り換えが必要となります。上流階級の私にとって、週末の夕方に混雑する都心のターミナル駅で人混みをかき分けながらの乗り換えは身分不相応以外の何物でもありません。

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八王子行の列車はあるけど

また、わずかですが大宮から八王子まで直通する「むさしの号」という列車も運行されています。列車名がついているので上等な列車かと思いきや、あくまでも普通列車。つまりはロングシートで、かつ夕方の時間帯では混雑は避けられません。

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こんな庶民の乗り物に乗るわけにはいかぬ

ちょうど3番線には、西船橋行の「しもうさ号」が入線してきました。むさしの号と異なり千葉県方面へ向かう列車ですが、この後入線してくる「むさしの号」もこれと同じ車両が使われています。上級国民の私が、こんな庶民の乗り物に乗るわけにはいきませんよねぇ。八王子まではざっくり約1時間かかるようですから、その間ずっと通勤電車で立ちっぱなしなんて…。

そんなことを考えながら、18:22発の〔むさしの号〕八王子行を見送り、どのようにして八王子へ向かおうかと考えていたところでした。

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「リゾート」…?

お隣4番線の発車標に、聞き慣れない「リゾート那須野満喫号」という列車の表示を発見。はて、こんな列車は前からあっただろうか…? 行先は、まさに私がこれから向かう「八王子」と表示されています。

どんな列車かよく知らないけど、とりあえず”リゾート”とついているからそれなりに上等な列車っぽい気はするし、混雑する通勤電車で移動するよりはマシかも。もうすぐやってくるみたいなので、ホームで待つことにします。

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なんだこの列車は!?

そしていよいよ「リゾート那須野満喫号」が入線! 茶色と緑色の2色に塗られ、丸みを帯びた車体は明らかに他の通勤電車にはないオーラを放っています。どうやらこれは485系ジョイフルトレイン「リゾートやまどり」と呼ばれる車両だそうで、普段は群馬県近郊で臨時列車として運用されるものの、この日はたまたま八王子と栃木県の黒磯を結ぶ運用に就いていたということのようです。こういう上等な列車は私のような上級国民にはぴったりの移動手段ですから、さっそく乗車していくことにします。

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四捨五入してグランクラス()

列車は定刻通り大宮を出発。車内に入ると、1+2列のリクライニングシートが並びます。そうそう、私のようなお金持ちは普段からこういう列車で移動しているんですよ。私がよく利用する新幹線のグランクラスも似たような座席配置ですので、今回この列車は扱いとしては「普通車」ですが、四捨五入してグランクラスと言えるのではないでしょうか。

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ロングシートとはまるで違う豪華な座席

ご覧の通り、そのリクライニングシートはかなり豪華な造りで、シートピッチにもかなり余裕があります。私が乗車した4号車でも十分ゆとりがありますが、他の号車ではより前後の間隔が広い座席もあるようでした。迷彩柄ともまたちょっと異なる、特徴的な模様のモケットが印象的です。

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フットレストも完備

各座席には背面テーブル、インアームテーブル、フットレストも完備されています。私は車両の最前列に座ったので、背面テーブルは固定されていましたが、特に窮屈さを感じることはありませんでした。

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武蔵野線へと入る

列車は武蔵野線へと入っていきます。運行ルートは15分先に大宮駅を発車したむさしの号と同じのようで、中浦和付近にあるデルタ線より武蔵野線北朝霞方面へと乗り入れます。普段は優等車両が走ることのない武蔵野線をリクライニングシートに座って移動できるのはこの上ない優越感ですね。

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おやすいごよう

この列車は全車指定席ですが、くしゃみをしたら指定席券が出てきました。快速列車の普通車指定席ということで、料金は530円。普段のグランクラスと比べるとだいぶお手頃なお値段じゃないですかね。大宮~八王子駅間の途中停車駅は北朝霞、東所沢、新秋津、立川ということで、むさしの号よりもやや少なめです。

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多摩川に沈む夕陽

徐々に陽が沈んでいき、車窓から優雅に夕焼けを眺めることもできます。これは大宮駅で15分待って大正解ですわ。もう少しで付き人にハイヤーを手配させようかと思っていたところでしたが、私のようなブルジョワ大学生にもぴったりの列車が来てくれて助かりました。

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八王子に到着

そして列車は定刻通り終点の八王子に到着。願わくば私のために上野駅13.5番線のような専用ホームをこの八王子駅にもこしらえていただけるとなおよかったですが、贅沢は言わないことにします。

 

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というわけでおふざけはここまでにして、素に戻りますね(笑)。

今回は485系リゾートやまどりが充当された臨時快速〔リゾート那須野満喫号〕に乗車してきました。485系は近年かなり数を減らしている中で、このリゾートやまどりへの乗車機会も極めて貴重になってきていますから、乗られる方は是非お早めに!

ほとんどの場合、全車普通車指定席の快速列車としての扱いで運行されますが、指定席料金のみでグリーン車相当の座席に座れるということを考えればかなり乗り得列車といえると思います。

毎年5~6月にかけては八王子・新習志野黒磯駅間を結ぶ「リゾート那須野満喫号」として週末を中心に運行される傾向にありますが、それ以外は高崎線吾妻線等で運用されることが多いようなので、今回のように大宮~八王子駅間で乗車できるのは極めて貴重な機会といえると思います。

またおまけですが、リゾートやまどりのドア開閉チャイムがどこかで聞き覚えのある”アレ”と同じだったので、その様子は是非以下のリンクから見てみてください!

youtu.be

 

※本文中では私がこの列車について「大宮駅で待っていたらたまたまやってきたので乗ってみた」という風な描写が多数存在しますが、実際にはこの列車の運行について何ヵ月も前から把握しており、前もって指定席券をしっかりと準備し、この列車にわざわざ乗車するために大宮駅のホームで待った上で乗車しています(笑)。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!