わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

大自然の中を走る! 1時間20分のトロッコ列車「黒部峡谷鉄道」の旅【2020-10立山黒部アルペンきっぷ4】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は富山県東部を走る「黒部峡谷鉄道」についてご紹介します!

 

3日目 2020年10月30日(金)②

さて、現在やってきておりますのは、黒部峡谷鉄道の始発駅となる富山県黒部市宇奈月駅です。富山地方鉄道本線宇奈月温泉駅に隣接しています。

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霧?(雲?)が立ち込める朝の宇奈月駅

今回はここから、黒部峡谷鉄道を往復で乗車していきたいと思います!

黒部峡谷鉄道といっても首都圏の方にはあまり馴染みの薄い鉄道路線かもしれませんが、「おいでよ!黒部峡谷」のキャッチコピーに覚えはないでしょうか?

そう、それがまさにこの黒部峡谷鉄道、通称「黒部峡谷ロッコ」なのです!

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黒部峡谷鉄道路線図(公式HPより)

黒部峡谷鉄道は、宇奈月欅平駅間20.1kmを結ぶ路線で、線路幅762mmの「ナローゲージ」とよばれる狭い幅の線路が敷かれています。基本的には観光鉄道なのでトロッコ列車が往復で運行されています。春から秋にかけてのシーズンのみの運行となっており、冬季は運休となっていますのでご注意ください。

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空席状況が一目でわかる

まずは宇奈月駅できっぷを買っていきます。終点の欅平駅からは二次交通がないため、原則としてほとんどの人が往復で利用することから、この宇奈月駅では「ゆき」だけでなく「かえり」の分のきっぷもまとめて購入することができます。そして注意すべきは、全ての列車が「座席定員制」ということ。満席になったらその列車には乗車できません。まぁトロッコ列車にしてはかなりの高頻度運転ですので、ある程度スケジュールに余裕をもっていればそれほど困ることでもなさそうですが…。

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往復で何と3,960円…!

私も、宇奈月駅で往復乗車券を購入しておきました。お値段なんと1人3,960円…! トロッコ列車としてはかなりいいお値段しますよね。ただGoToトラベルの地域共通クーポンが使えたので、昨晩宿泊したホテルでもらったクーポンはここで使いました。写真に映っているのが「往復乗車券」で、これとは別にゆき・かえりそれぞれで乗車列車および号車を指定した指定券が発行さますが、この列車指定に別途料金が必要なわけではないので、3,960円で宇奈月欅平駅間を往復できます。最も多く連結されている「普通客車」の他に、追加料金を支払うことで乗車できる「リラックス客車」「特別客車」もありますが、これらは窓付ということで、トロッコの魅力が半減してしまうと思い往復とも普通客車を選択。しかしこれが後に後悔(?)を生むのでした…(笑)

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改札口はかなり混雑

きっぷを買ったら、改札口に並びます。列車ごとの改札が行われており、今回私は宇奈月9:00発の欅平に乗車していきます。平日にも関わらず物凄い人の量で、ほとんどが自分の年齢の3~4倍ほどもありそうな中高年の団体客の皆様でした。GoToトラベルの威力なのか何なのか…やはり凄まじい経済活性化の効果がありますね。

まもなくして改札が始まり、入鋏を受けてホームへと降りていきます!

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上野東京ラインもびっくりの長編成

ホームに降りると、既にトロッコ列車が停車中。自分の券面に書かれた号車へと向かいます。「たかがトロッコ」と侮るなかれ、金曜日ということもあってか、物凄い数の客車が連結されています。正確にはわかりませんでしたが、15両くらいは繋いでいるように見えました。1両あたりの長さは普通の電車よりも短いとはいえ、首都圏のJRもびっくりの長編成でホームもかなり長いです。

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先頭は機関車重連

先頭部分を見てみると、オレンジ色のコンパクトな機関車が2両重連で連結されています。やはりかなりの両数を牽引していきますから、これくらいのパワーが必要ということでしょうね。

座席は早い者勝ちなので、すぐさま私が乗りこむ5号車へと向かいます!

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遊園地のアトラクション並みの簡素さ

5号車の最後部の座席を何とか確保。ナローゲージですから客車もとってもコンパクトで、ドア等ではなく乗降口に鎖があるのみです。こんな吹きさらしの車両で黒部峡谷の秘境区間を進んでいくのかと思うとやや不安にもなりますが、同時に期待も高まります!

そして時刻は9:00となり、定刻通り列車は宇奈月を出発! これより1時間20分ほどかけて、終点の欅平を目指します。

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宇奈月駅を出てすぐ黒部川をまたぐ

宇奈月駅を出るとすぐ列車は左へカーブして、黒部川を渡ります。この橋は「新山彦橋」と呼ばれ、隣には旧線?と思われる一昔前の橋も架かっています。さっそく素晴らしい絶景です!

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紅葉も美しい

その後はしばらく黒部川を右手に望みながら列車はゆっくりと進んでいきます。色づいた山々の中に佇む宇奈月ダム、そして川の対岸の人に手を振るお客さんもいらっしゃいました。

列車には車掌さんも乗務していますが、観光案内はすべて室井滋さんのガイド放送により行われます。列車速度は25km/hくらいで、物凄い走行音を立てて進んでいきます。沿線にはところどころトンネルもあり、特にトンネル内では音が大きく響くので会話もできません(笑)。

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柳橋駅を通過

まもなく車窓右手に西洋のお城のような建物が見えてきたら、柳橋駅です。しかしここは一瞬であっさりと通過。客扱いは行いません。というのもここは関西電力の社員専用の駅で、新柳河原発電所へ用事がある場合のみ停車可能となっているようです。

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森石駅でも乗降はできない

続いては森石駅ですが、ここも関西電力の社員専用駅ということのようです。客扱いをしないホームなのに、旅客駅にありそうなデザインの駅名標がしっかり設置されているのは何だか面白いですね。島式ホームは本当にただの真っ平なコンクリートという感じです。

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黒薙駅でようやく客扱い

そして宇奈月を出てから6.5kmほど進んだところで、ようやく最初の客扱い停車駅である黒薙駅に到着。とはいってもここで下車する人はほぼおらず、わずかな停車時間の後に発車していくことになりました。

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後曳橋を渡る!

黒薙駅を出ると目の前に待ち構えるのは、スカイブルーの「後曳橋」。先頭の機関車もよく見えます。黒部川の支流である「黒薙川」に架かる橋です。

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後曳水路橋

後曳橋を渡る際に左手側を見てみると、何やらかなり古そうな橋が見えますが、これは人や乗り物が通るのではなく「水」が通る「後曳水路橋」です。もちろん今では使われていませんが、橋にわずかな傾きがついており、水を流せるようになっています。

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笹平も客扱いはしない

黒薙駅から500mほどしか離れていない場所にある笹平駅関西電力の専用駅ということで客扱いは行いませんが、ここでは10秒ほどの運転停車がありました。

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出し平ダム

しばらくすると車窓右手には、出し平ダムが見えてきました。これもなかなかの大迫力で、大自然の中に突如現れる人工物をこれほどの至近距離で見られるのも新鮮です。

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留置線がたくさんある出平駅

続いては出平駅運転停車となります。ここでは反対方向から関西電力の専用列車がやってくるようなので、行き違いのために停車しました。ホームと反対側を見てみると、何本もの留置線が並びます。ターミナル駅から遠く離れた山の中にこれほどの鉄道施設があるのはかなりテンションがあがりますね!

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黒部川第二発電所は今も現役

続いて黒部川の対岸に位置するのが「黒部川第二発電所」。先ほどから本当に電力設備が多いなぁという印象ですが、それほどまでにこの黒部峡谷鉄道関西電力と切っても切れない縁があるということですね。

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猫又駅も関西電力専用駅

猫又駅もかなりいろいろと看板がありますが、ここも一般客は乗降できない関西電力専用駅です。宇奈月からここまで、旅客取扱駅よりも関西電力専用駅の方が圧倒的に多いですよね(笑)。

 そして猫又駅の次は、黒部峡谷鉄道で最も主要な途中駅である鐘釣駅となります。ここは近くに温泉や展望台等もあり、一般旅客の取扱いを行います。

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鐘釣駅はスイッチバック

そして鐘釣駅の面白ポイントといえば、スイッチバックが楽しめること。まずは普通にホームへと入線し、お客さんが乗降します。ここは黒薙駅と違い、一定数の降車があったように見えました。

しかし欅平方面へと向かう線路は、このホームの途中から分岐しているため、いったんはこのポイントを越えてホームに入線しているということになります。乗降が終了すると列車が発車しますが、そのまままっすぐは進めないので、いったん少しだけ後退します。そしてポイントを切り替え、今後は右方向に転線して急勾配を登っていくというスタイルです。あくまでもトロッコが長編成であるために必要となっている運行方式のようで、姨捨坪尻のようなダイナミックさはありませんが、全国でも貴重な「ナローゲージスイッチバック」が楽しめます。

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トンネルの中は特に寒い

鐘釣駅を出ると、再びトンネルへと入ります。正直なところ、トロッコ列車というのは乗車中ずっと風が吹き込んできてかなり寒いです。山の中なので日射しが差し込みにくいとかもあるのかもしれません。普通に旅行するよりもさらにもう一枚上に羽織るものがあった方がよいですね。

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目の前に小屋平ダム

そして終点の一つ手前に位置する小屋平駅へと到着。ここも関西電力専用駅で、駅の目の前には「小屋平ダム」が広がります。

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オススメビュースポット

そしてこの小屋平~欅平駅間にある「猿飛峡」が、個人的には最もオススメしたいビュースポットです! 車窓左側に低い位置で黒部川が流れ、雲がかかった山々はカラフルに色づいています。小屋平を過ぎたらカメラの準備をお忘れなく!

最後に素晴らしい景色を眺められたところで、列車はいよいよ終点の欅平に到着。時刻は10:18ということで、宇奈月から何と1時間18分もかかりました。

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狭いホームが人で溢れかえる

ほとんどの人が宇奈月欅平駅間の全区間で乗車したため、一時的に欅平駅のホームはかなり混雑。過酷な自然環境の中に設置された狭い棒線式のホームなので、人との距離を保ちつつ、足元にも気をつけながら歩きます。

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画面奥が宇奈月方面

この欅平駅のホーム、実はとっても長く、長編成のトロッコが丸々2本入線できるようになっています。また、そのホームの途中から留置線へ分岐するポイントもあり、編成を留め置くことができます。なので到着した列車がすぐに折り返しの運用に入るということではなく、複雑に機回し等が行われているようです。

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欅平駅前はかなりの人

改札をくぐり、駅前に出てきました。大きな荷物を背負った登山客や、校外学習で訪れた地元の子どもが目立ちます。私のような一人旅はあまりいませんでしたが、それにしてもかなりの人の多さでした。

今回欅平での滞在時間はわずかですが、駅周辺を散策していきたいと思います。

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駅前から黒部峡谷を見下ろす

駅を出てすぐのところから黒部峡谷を見下ろします。いやぁ本当に綺麗ですよね! 紅葉の最盛期とは少しずれていたのかもしれませんが、それにしても美しいです。川のしぶきがまたいい味を出してます。

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朱塗りの橋が映える

河原まで降りていき、頭上を見上げると朱塗りの立派な橋が架かっています。河原にたたずむ「欅平温泉 猿飛山荘」では日帰り露天風呂も楽しめるのですが、今回は時間の関係であえなく断念しました。

再び上へと戻り、今度はあの朱塗りの橋を渡ってみることにします。

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ややスリリング

そこまで幅は広くなく、車はやっと一台通れるかどうかというところ。軋んだりするわけではありませんが、こんな大自然の中を歩けるというのは少しスリリングな経験でもあります。

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人喰岩

橋を渡った先には、おどろおどろしくせり出した「人喰岩」もあります。妙な白さもあいまって、おっかない見た目をしてますね。

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欅平駅周辺を一望

人喰岩の辺りから後ろを振り返ると、欅平駅周辺を一望できます。いやぁもう何というか、鉄道を乗り継いでこんな日本の果てみたいな場所まで来れてしまうのが本当に凄いことだとつくづく感じました。

そんな感慨にふけているうちに、そろそろ帰りの列車の時刻が迫ってきたので駅へ戻ります。次にこの欅平へ来る機会があれば、少なくとも猿飛山荘の露天風呂には入りたい!

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かえりも入鋏を受ける

かえりは、欅平11:04発の宇奈月で一気に宇奈月まで戻ります。欅平駅にも宇奈月駅と同様の乗車券売場が整っていますが、いざ乗る際に買おうと思っても満席の可能性がありますから、なるべく早めに買っておく方がいいでしょう。ゆきと同じく、改札口で入鋏を受けます。

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かなりギリギリで入線

かえりは改札口から近い位置に列車が入線しますが、その入線時刻はギリギリで、発車の3分前くらいでした。かえりも機関車が重連となっていることを確認して、急いで乗り込みます。

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この時間はガラガラ

無事に乗り込み、定刻通り欅平を出発。まだお昼前ということで、ゆきとは異なりかなりガラガラでした。おそらく欅平発は午後や夕方が混むのだろうと思います。私の号車には私を含め3人しか乗車していませんでした。

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天気が下り坂に…

かえりはゆきとは異なり、室井滋さんによる車窓の案内もかなり少なめなので、思い思いの時間を過ごすことにします。寒さを紛らわすため、音楽を聴きながら乗ってみましたが、走行音が大きすぎてほとんどイヤホンから音が聴こえないですね(笑)まぁ音量を上げればいい話ですが。

鐘釣駅が近づいてくると、次第に天気が崩れ始め、雨が吹き込んでくるようになりました。車両の中央付近に座っていれば濡れることはありませんが、満員で端の方に資か座れない場合はずぶぬれになりますね。体感気温としてもかなり低く、欅平駅で買った缶のホットコーヒーは一瞬で冷めました(笑)。

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笹平駅ではホームに降りることもできる!

雨は降ったりやんだり、小雨だったりという状況ですが、途中の笹平駅では何と行き違いの停車中にホームへ降りることができました。ホーム上にトイレがあるため、停車時間を利用してのトイレ休憩を可能にしているとのこと。本来は関西電力の専用駅ですから、そこに降り立てるとはとても貴重な経験になりました!

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やはり乗降はほとんどない

かえりも同じく鐘釣と黒薙で客扱い停車を行いますが、やはり途中駅からの乗降はほぼないようで。季節によって停車駅やダイヤが変則的に異なるようですので、乗車される際は最新の情報にご注意ください。

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川幅が広くなってきた

次第に川幅が広くなってきたら、終点の宇奈月はもうすぐです。ゆきは進行方向左側に座っていたので黒部川の景色を間近で楽しむことはできませんでしたが、かえりはガラガラなので好き勝手楽しめます。あまり天候は良くないですが、それでも空の青と山の緑を映した鮮やかな川は何とも綺麗です。

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朝の時よりも霧が深い?

さぁ、そして黒部川に架かる赤い橋が見えてきたら、いよいよ終点の宇奈月駅はもうすぐです。朝の時よりもさらに霧が深くなっているように見えますが気のせいでしょうか。

そして12:23、定刻通り終点の宇奈月駅へと到着。駅の外に出ると雨が降っており、やはり変わらず体感温度はとても寒いです。

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冷え切った体を温めよう!

というわけで、トロッコの往復乗車で冷え切った体を温めるべく、駅からすぐの日帰り温泉施設「湯めどころ宇奈月」へとやってきました! 入浴料は大人510円で、リーズナブルに宇奈月温泉を楽しめます。

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2016年にオープンしたばかりの施設のようで、館内はとても新しくて綺麗でした。4階建てで、1階で受付を済ませた後3階の男湯へと上がります。人はそこそこいますが、お昼ですからそれほど混雑といった様子でもありませんでした。

体が冷えていたからというのもありますが、本当に気持ちがよい! 明るい日射しが差し込む造りになっているので、とっても居心地がいいです。内湯の温度がかなり高めでしたが、半露天もあるので熱いなと思ったらそちらで涼むこともできます。時間を気にせず、かなりのんびりゆったりと過ごしました。宇奈月温泉へ行かれる際は、必ず立ち寄るべきオススメスポットです!

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人がいないのはちょっと心配

しっかり温まって外に出ると、すっかり雨は上がっていました。宇奈月の温泉街をぶらぶらと歩いてみますが、全然人気がないのが気になります。まぁ平日とはいえ、黒部峡谷の賑わいとは対照的です。温泉宿や土産物屋さん等、やはりこのコロナ禍で少なからず影響は受けているのだと思います。

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1階が土産物屋さん、2階が食事処

温泉に浸かっていたので少し遅くなりましたが、ここでお昼ご飯とします。宇奈月温泉駅前の「柏や」さんに立ち寄ります。

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白えびかき揚げそば&ますのすし

注文したのは「白えびかき揚げそば」(860円)ますのすし」(400円)。わっっっかりやすい観光客って感じですが(笑)、どちらも富山に来たら必ず味わっておきたいグルメですよね!

白えびは身がトロットロで、一口頬張ると口の中で一瞬で溶けます! たまに見かけるやっすい甘えびよりも身がとっても立派で、こんな贅沢なかき揚げはなかなかありません。

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鮮やかな色のますのすし

ますのすしは食べやすい大きさにカットされていて、見た目の美しさもさることながら味も確か。私は寿司ネタの中でもサーモン系が特に大好きなので、これはたまりません! 2品ともあっという間に完食しました。ごちそうさまでした。

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最後は足湯で締める!

この後は富山地鉄に乗車して富山市内へと向かいますが、まだ少し時間があるので駅前の足湯に浸かっていきます。地鉄のホームともつながっていて、駅の中からも外からも入ることができ、何と無料です。そこまで大きくはありませんが、かなり短時間で人が入れ替わるので混んでいる場合も少し待てば入れそうな感じです。

 

というわけで今回は、黒部峡谷鉄道宇奈月温泉についてご紹介してきました。

黒部峡谷鉄道は現在冬季運休中ですが、また春になれば2021年の営業がスタートしますので、是非足を運んでみてください!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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通勤ライナーなのに通勤に使えない!? 出社時刻よりも遅く東京に到着する「湘南ライナー12号」に乗ってみた!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

来る2021年3月のダイヤ改正で、首都圏最後のライナー列車である東海道線の〔湘南ライナー〕が廃止されます。

廃止直前ということで今回は湘南ライナー乗車記をお届けしていきますが、ただ単純にご紹介しても面白くないので、今回は朝の上り最終便である〔湘南ライナー12号〕にスポットをあててみたいと思います!

 

2021年1月26日(火)

さて、今回は湘南ライナーの始発駅である神奈川県の小田原駅にやってきました。

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神奈川県西部のターミナル

小田原駅JR東海道線小田急小田原線箱根登山鉄道伊豆箱根鉄道大雄山線、そして東海道新幹線の5社5路線が乗り入れる神奈川県西部の一大ターミナル駅となっています。東京から80km以上も離れたこの小田原駅が、朝の上り〔湘南ライナー〕の始発駅となっています。

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台風被害から復活した大きな提灯がシンボル

現在東海道線では、東京~小田原駅間で〔湘南ライナー〕、新宿~小田原駅間で〔おはようライナー新宿〕〔ホームライナー小田原〕が運行されています。全て平日のみの運行で、朝の通勤時間帯は上り(東京・新宿行)が、そして夜の帰宅時間帯は下り(小田原行)が設定されています。湘南エリアから東京都心に通勤するビジネス客に向けて快適な移動を保証しており、乗車券の他に520円のライナー券が必要となります。なおグリーン車も連結されており、これは距離に応じた普通列車用グリーン券のみで乗車可能ですが、着席保証はありません。

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残席が一目でわかるライナー券売機

ライナー券は専用の券売機で購入することができます。朝の上り便に関しては基本的に前の日の夜からの発売となり、乗車駅でのみ購入可能となっています。指定券とは異なり、1ヵ月前からの購入や乗車駅以外の駅での購入はできません。

小田原駅に設置されたライナー券売機を見てみると、発車済みの列車に関しては「うりきれ」と表示されています。また発車前の列車で残席があるものについては残席数が表示され、これがゼロになると普通車への乗車はできません。

今回私は前夜のうちに〔湘南ライナー12号〕のライナー券を購入しておきました。

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続々ライナーが出発

さて、ホームに降りると5番線には立て続けにライナーの発車案内が表示されています。私が乗車するのは小田原8:09発ですからまだ1時間近くあるのですが、それまでの間に他のライナーも見物していきたいと思います。

この先の茅ヶ崎や藤沢ではライナー列車の専用ホームというのがありますが、小田原ではそういった使い分けはなく、他の普通列車に混じって発車していきます。列車によって使用番線が異なるので注意が必要です。

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湘南ライナー8号(小田原7:22発)

まず5番線に停車中の列車は、小田原7:22発の〔湘南ライナー8号〕東京行です。オール2階建て車両215系が充当されています。かつては東海道線快速アクティー等でも使われましたが、現在の定期運用はこの東海道線のライナーのみとなっており、春のダイヤ改正後は定期運用がなくなるためその動向も注目されています。私はかつて〔ホリデー快速ビューやまなし号〕で何度か乗車したことがあるのですが、普通車はすべてボックスシートになっているため1人で乗る時は高確率で相席となります。決して広くはなく快適ともいえない車両ですが、特徴的な内装も含めて味わっておきたいという方は是非残り1ヵ月のうちに乗車しておきましょう。

湘南ライナー8号が定刻通り5番線から発車するとすぐに、後続のライナー列車が入線してきます。

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おはようライナー新宿26号(小田原7:41発)

こちらは、小田原7:41発の〔おはようライナー新宿26号〕新宿行です。国鉄時代から活躍する185系特急車両が10両編成で充当されています。2020年3月までは、スーパービュー踊り子で使用されていた「251系」での運用となっていましたが、車両の引退に伴いさらに古い車両で置換されたということになります(笑)。ヘッドマークはシンプルですが、いかにも20世紀の趣があって悪くない気がします。

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この光景も3月で見納め

ホーム足元を見てみると、たくさんの乗車位置が示されています。主に特急〔踊り子〕に使用される185系は車両の編成が多種多様で、7・10・12・15両のそれぞれに合わせた乗車位置のステッカーが貼られているのがわかります。まもなく引退する185系、しかも踊り子から自由席の設定がなくなりますから、こうした光景も貴重なものとなりそうです。

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レアな「7両編成」

さて、続いてのライナーは何と下りホーム4番線からの発車となります。7:59発の〔湘南ライナー10号〕東京行、こちらは何と貴重な7両編成の185系が充当されているのです!

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パッと見てもよくわからないけど

この7両編成に組み込まれているグリーン車が何だか特別らしく、他のライナー以上に鉄道ファンからの熱い視線が注がれているのですが、ちょっと私は勉強不足なのでよくわかっていません…(笑)。この編成は3月のダイヤ改正後、臨時列車も含め運用に入ることはないようなので、乗り納める方はお早めに。

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これが最終の上りライナー

そしていよいよ、6番線の発車案内には8:09発の〔湘南ライナー12号〕東京行が表示されました。平日朝にこの小田原から発車していく9本のライナー列車、その最終便となります。午前8時を過ぎて小田原駅を出発する唯一のライナーということになります。

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熱海方からゆっくりと入線

もちろんこの小田原駅が始発駅ですが、入線は発車3分前の8:06頃とかなりギリギリです。15両編成の185系が、カモメのヘッドマークを掲げながらゆっくりと入線してきました。先頭から順に15号車、14号車…と続き、一番後ろが1号車となります。

発車時刻が迫っているので、さっそく乗車していきます。

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号車が指定されている

無事間に合い、定刻通り8:09に小田原を出発。ライナー券に書かれた通り「1号車」に乗車します。乗車時にライナー券を提示する必要があるので、手元に持っておきましょう。

湘南ライナーは便によって停車駅が異なりますが、この上り最終の12号についてはかなり停車駅が多めに設定されています。小田原を出ると乗車専用駅として平塚、茅ヶ崎、辻堂、藤沢、大船と停車していき、その後は降車専用駅として品川と東京に停車。終点の東京に到着するのは9:26ですから、多くの企業であれば勤務時間が既に始まってしまっていることでしょう。「通勤客向けの列車」でありながら、多くの企業の始業時刻に間に合わないということで、果たして利用者はどれくらいいるのか…?

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案の定ガラガラ

やはり案の定、1号車の乗客は私を含め3人程度でした。各乗車駅からの割り当てやセット券の取扱いがどうなっているのかまでは詳しくわかりませんが、15両というのはかなり過剰な輸送力に見えてしまいます。

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伊豆や群馬など各方面で活躍

何度も述べる通りライナー列車は「座席定員制」で、自由席とも指定席とも異なるのですが、座席の指定がされていないという意味では自由席なので、車端部には青い「自由席」のプレートが刺さっています。車内の広告はどれも伊豆のものばかりですが、かつては高崎線の特急〔スワローあかぎ〕〔あかぎ〕としても運用されていたため、それらに関連する案内も未だに残っています。現在高崎線の特急は全て651系での運行となっています。

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緑色のモケット

そして座席です。1980年代のものがずっと使われているわけではないと思いますが、リニューアルされたにしてもやや時代を感じる哀愁漂うモケットが特徴的です。リクライニング機能はありますが、そこまで深くはありません。また当然ながら車内にコンセントやWi-Fiはなく、ひと昔どころかかなり古い車両であることは明らかです。

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乗車専用駅の手前では到着案内が流れない

そして列車は鴨宮、国府津、二宮、大磯を通過して、最初の停車駅である平塚に到着。特徴的なのは、到着前に車内放送が一切流れないことです。湘南ライナーの上り列車は、湘南地区の各停車駅が乗車専用駅であるため、この区間では原則としてライナーから下車する人がいません。よって車内放送で「次は、平塚~平塚です」等と言った案内はなく、何も言わずに静かに入線し、静かに停車します(笑)。

平塚は始発の普通列車が数多く設定されているため、駅の規模の割に停車するライナーの本数はそこまで多くありません。ライナーでなくても、少し並べば普通列車に着席できますからね。

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茅ヶ崎はすべてのライナーが停車

平塚を出ると相模川を越え、続いては茅ヶ崎に停車。上下ともすべてのライナーが必ず停車するこの茅ヶ崎駅では、東海道貨物線上に「ライナー専用ホーム」が設置されていますが、今回乗車している湘南ライナー12号は旅客線経由のため普通列車と同じホームに入ります。乗車する人は全くいないというわけではないですが、本当に少ない印象です。

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大船が最後の乗車専用駅

そして辻堂、藤沢と停車して、大船が最後の乗車専用駅となります。平塚から大船までは各駅に停車してきましたが、見たところ藤沢からの乗車が特に多かったように思います。ただしそれでも藤沢出発時点で窓側が半分程度埋まるくらいという程度で、人のいない区画も多数あり、相席には程遠い状態でした。また、早い時間のライナーとは異なり、みんながみんなスーツ姿のビジネス客というわけではなく、かなり乗客の属性は多岐に渡るように見受けられました。

大船を出ると、次は品川まで停車しません。戸塚、横浜、川崎という乗降客数の非常に多い3駅を通過するのです。しかしこれこそが湘南ライナーの本来の意味であり、横浜市内・川崎市内~東京都心の利用客とは明確に列車を分ける「遠近分離」をわかりやすく取り入れているのです。

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横浜を颯爽と通過する!

そして、寝台特急さえも停車する横浜駅をあっさりと通過していきます。既に時刻は午前9時頃で、ホームに通勤客の姿はありません。

ちなみにライナー列車には、この横浜駅を通過する経路の他に「羽沢経由」の列車があります。羽沢経由の場合は湘南地区を走行している時点で既に旅客線ではなく貨物線へと入っており、藤沢のライナー専用ホームを発車し、東戸塚付近で旅客線と分かれ長いトンネルへと入ります。しばらくぶりに地上に出ると、相鉄・JR直通線の羽沢横浜国大駅付近を通過し、また再び長いトンネルへ。再び地上に顔を出すのは鶴見駅付近で、そこから横須賀線経由で都心へと向かいます。

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もちろん川崎も通過

かたや、今回乗車している列車は横浜通過便なので小田原~東京駅間の全区間が旅客線経由となっており、普通列車と同じ線路をひたすらに走り続けます。数年前に拡幅された川崎駅ホームも通過し、いよいよ東京都内へと入っていきます。

↑ 詳しい話については、こちらのツイートも是非ご参照ください。

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品川に到着

そして大船から30分間ノンストっプ状態が続き、9:17にようやく品川へと到着。ここは降車専用駅なので、乗換案内等も含め詳細に案内がなされます。降車客はわずかといった印象で、多くの人が東京まで乗り通すようです。もしかしたら通勤時間帯真っただ中の便であればもっと品川での降車の割合が高いかもしれません。

品川を出ると、次がいよいよ終点の東京となります。途中の新橋駅は東海道線もホームがあり、屈指のオフィス街ですが、ほとんどのライナーは通過します。上りの一部ライナーが品川~東京駅間を横須賀線経由で運転しますが、その場合だけ新橋駅の地下ホームにも停車するということになります。

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幕は「回送」に

9:26、終点の東京に到着。幕はすぐに「回送」となりました。

小田原から約1時間20分ということで、そもそも在来線で通勤するにはかなりしんどい距離かと思います。それでも天下の東海道線ですから、少ないながらも利用者は確実にいるということがわかりました。

もっともダイヤ改正直前ということで、私のような「乗車そのものが目的」という方も少なからずいらっしゃったことと思いますが、こうして少し遅い時間に設定されているということは、通勤とはまた異なる需要も取り込めるよう工夫して運行しているということなのかもしれませんね。

昨今は働き方改革が叫ばれる中で、フレックスタイム制により出社時間を柔軟に調整できる企業も増えつつあると思います。時間が合う方は是非、密を避けて快適な通勤のためにも利用してみてはいかがでしょうか!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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2度のスイッチバック!? 2大観光地を結ぶ富山地方鉄道の特急「アルペン1号」に乗車【2020-10立山黒部アルペンきっぷ3】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年10月28日(水)~11月1日(日)の4泊5日で出かけた「立山黒部アルペンきっぷの旅」の第3弾記事となります。

前回ようやく長野県側から富山県側へ「立山黒部アルペンルート」を走破し、富山県立山駅に到着しました。その様子は是非以下のリンクからご覧ください!

 

2日目 2020年10月29日(木)②

立山ケーブルカーを降りて、立山駅には13:47に到着です。

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アルペンルート富山県側玄関口

立山駅は、電鉄富山駅から続く「富山地方鉄道立山線の終着駅でもあります。山小屋風の駅舎が何とも特徴的で、ちょうど10月末は駅周辺も紅葉がとても綺麗でした。

さてこの立山駅から乗車するのは、14:26発の特急〔アルペン1号〕宇奈月温泉です。一言で言うならば「観光地と観光地をつなぐ特急」なのです!

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富山地方鉄道路線図(公式HPより引用(https://www.chitetsu.co.jp/))

富山地方鉄道は、電鉄富山駅を起点に3方向へ路線がのびる地方民鉄です。本線の終点である宇奈月温泉立山線の終点である立山が沿線の2大観光地ともいえるわけで、それぞれ電鉄富山駅から有料特急が運行されています。

しかし今回乗車する特急は「立山宇奈月温泉」ということで、最大のターミナル駅である電鉄富山駅を通りません。通常どこの鉄道会社であっても「都市部のターミナル駅と観光地を結ぶ特急」というのはよくありますが、このように「観光地と観光地を結ぶ特急」というのは非常に珍しい気がします。

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発車標は最新式のモニター

立山駅の改札口は昔ながらの有人改札ですが、見上げてみるとアルペンルートと同様に新しい発車標モニターが設置されています。宇奈月温泉行の特急〔アルペン1号〕が発車した30分後には、電鉄富山行の特急〔たてやま〕が続行するようですね。どちらも有料特急です。

それでは改札の中に入っていきます。

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富山地鉄10030形は元京阪3000系として活躍していた

改札を入り目の前に停車していたのは、2両編成の「10030形」という車両。これがアルペン1号としての運用に入ります。関西にお住まいの方ならご存じの方も多いかもしれませんが、この車両は元々京阪電車で「3000系」として1971年に運用が開始された通称「テレビカー」が1990年以降にここ富山地方鉄道へ譲渡され、第二の人生を送っているのです!

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車内は転換クロスシート

列車は2両編成。車内に入ると、懐かしい色の転換クロスシートが並びます。「これが有料特急…!?」と驚きましたが、何と富山地方鉄道の特急は一部を除き全車自由席で、車両は普通列車も特急列車も共通運用となっているのです。

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不気味に赤く光る駅名標(笑)

立山駅からそこそこの数のお客さんが乗り込み、列車は定刻通り14:26に立山駅を出発。まずは立山線で寺田まで進んでいくことになります。そこそこの数のお客さんといっても混雑とは程遠く、2両編成では十分すぎるくらいの輸送力といえそうです。

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常願寺川に沿ってゆっくり走る

立山駅を出発すると車窓のすぐ右側には常願寺川が流れます。特急といってもこの辺りは線形が非常に悪いこともあって、特急とは程遠いゆったりとしたスピードで進んでいきます。

アルペン1号は立山を出ると、寺田まではノンストップで運行します。その先は本線に入り、上市、中滑川、電鉄魚津、新魚津、電鉄黒部、新黒部と停車して終点の宇奈月温泉に至ります。

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人生初の「特殊補充券」

今回の旅で使用している「立山黒部アルペンきっぷ」では富山地方鉄道立山電鉄富山駅間もフリーエリアに含まれていますが、寺田~宇奈月温泉駅間の本線部分は含まれていないため、この区間のみの往復乗車券(特急料金込み)を特殊補充券で作っていただきました。立山黒部アルペンきっぷを提示することで、寺田~宇奈月温泉駅間の往復乗車券は何と2割引になります。また富山地鉄の旅客営業規則に基づき、往復乗車券の有効日数は2日間になるため、今回は宇奈月温泉で1泊して復路は翌日利用したいと思います。私はきっぷマニアというほどでもないので今回初めて補充券を使った旅をしましたが、特別感があってこれもよいものですね~!

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岩峅寺を過ぎるとスピードアップ

次第に列車は山岳地帯から平坦な場所へと抜け、不二越上滝線が分岐する岩峅寺(いわくらじ)を通過します。その先は比較的線形のよい田園地帯となり、列車のスピードが一気に上がりました。ただそうはいってもデビューから50年になる車両ですからかなり凄まじい揺れです。こんなローカル線、ローカルな車両が途中の各駅をビュンビュン通過していく光景は何ともギャップがあり楽しいです!

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古さのあまり柱の文字も読めない

そして立山を出て最初の停車駅である寺田に到着。しかしドアはすぐには開きません。寺田駅は本線のホームと立山線のホームがV字に分かれており、駅の西側で線路が合流しています。すなわち立山線のホームから宇奈月温泉方面へ出発することはできないため、一度寺田駅をスルーして電鉄富山方面に少しだけ走り、その後スイッチバックをして本線に入り客扱いを行う必要があるのです。駅の構造は鶴見線の浅野駅と似ています。

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アルペン1号の寺田駅スイッチバック手順(Yahoo!地図を元に作成)

図にするとこのようになります。何というかもう、情報過多でカオスなんですが、ともかくも駅停車中ではなく何もない線路上でスイッチバックを行うという荒業を成し遂げます。②のタイミングで運転士さんが列車内を移動し、反対側の運転台へと入って列車を動かすことになります。

①と②はそれぞれ数秒程度でこなし、改めて本線のホームに入線します。

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本線の寺田駅ホームでしばらく停車

そしてようやく寺田駅に到着。立山からここまで30分以上客扱い停車を行いませんでしたが、ここでは約10分間の停車時間がありました。地鉄線内でも有数の主要駅のようで、そこそこの乗車がありました。

そして寺田を15:09に出発。宇奈月温泉まではあと約1時間の乗車となります。

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上市駅でもスイッチバック

寺田の次の停車駅は上市です。何とここでもスイッチバックとなるのですが、ここは特に分岐駅とかではなく単に線形の都合上スイッチバックが必要ということのようなので、折り返し運転のような感じで入線してきた方向にまた出発していきます。小田急江ノ島線藤沢駅富士急行線富士山駅と同じです。

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新魚津駅はあいの風とやま鉄道の魚津駅に隣接する

上市駅を出発すると列車は日本海の近くへと進み、中滑川付近からはあいの風とやま鉄道と並走するようになります。どちらも地方のローカル鉄道…ではありますが、あいの風とやま鉄道は2015年までJR西日本北陸本線だったため非常に線形が良く、かつては寝台特急日本海トワイライトエクスプレスといった数々の長距離列車も運転されていた本線ですので流石に富山地方鉄道のローカル感が際立ちます(笑)。

新魚津駅はあいの風とやま鉄道の魚津駅に隣接する主要駅ですが、魚津駅はJR時代に関西からの特急〔サンダーバード〕の一部列車の終着駅であったということもありホームがとても長いですね。両ホームの間にも多数の線路が並びます。

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新黒部で北陸新幹線と接続

新魚津を出ると再びあいの風とやま鉄道と分かれ、次の停車駅は新黒部駅となります。こちらは2015年の北陸新幹線開業に伴い設置された比較的新しい駅で、新幹線の黒部宇奈月温泉駅と接続しています。ここからは新幹線からの乗り換え客と思われる方々が多数乗車してきました。

新黒部駅を出発すると、次がいよいよ終点の宇奈月温泉となります。いったんは滑川市内や魚津市内などかなり人口の多い都市圏も走りましたが、ここで再び山間部へと入っていくことになります。終盤は勾配がきついのか、かなりゆっくりとした走行になりました。

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宇奈月温泉に到着!

そして16:09、ついに終点の宇奈月温泉駅へと到着しました! 立山を出てから1時間43分、その距離は67.7km。計算すると表定速度は40km/hほどですから、JRの特急と比べればかなりゆっくりであったことがよくわかります。

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駅前には温泉噴水が!

富山県内有数の温泉地でもある宇奈月温泉は、駅を出るとすぐに温泉街が広がります。まだ明るい時間帯ですが、本日の移動はここまでとして宇奈月で一泊していきます!

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フィール宇奈月

今回宿泊したのは、駅から歩いてすぐのところにあるホテル「フィール宇奈月」。外観はやや古く、レトロな雰囲気が漂います。

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一人には十分すぎる広さの部屋

今回は和室を予約。1泊2食付で通常税込9,656円となかなかいいお値段ですが、GoToトラベル適用により35%OFFとなり6,277円で宿泊することができました(別途入湯税150円加算)。さらにここに地域共通クーポン1,000円分がつくのでかなりお得です!

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部屋からトレインビューを楽しめる!

そしてこのホテル最大の魅力といえば、部屋からトレインビューが楽しめるということです! 先ほどまで乗車していた富山地鉄本線の宇奈月温泉駅、そして黒部峡谷鉄道宇奈月駅が部屋の窓から一望できます。すべての客室からトレインビューを楽しめるというわけではないようなので、是非トレインビューのプランでのご予約をオススメします!

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雑ですみません(笑)

そして夕食ですが、今回のプランでは何とオリジナルの弁当をお部屋でいただきます! お弁当はチェックイン時に受け取るので、好きな時間に食べればOK。これなら自分の部屋で誰とも接触せずに食べれるのでコロナ禍でも安心です。中身はハンバーグやエビフライ、煮物に炊き込みご飯等かなり品数も多く豪華なメニューとなっております。全て美味しくいただきました。

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天然温泉(フィール宇奈月公式HPより引用)

食事の後は、ゆっくりと温泉を楽しみます! 写真撮影ができないので画像は公式HPのものを拝借しておりますが、この大浴場からも最高の眺めを楽しむことができます。サラサラとした泉質ですがほんのりといい香りがして、アルペンルートの旅の疲れを癒すことができました。

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https://youtu.be/J9prP_Zd_xo

入浴後は部屋に戻り、YouTubeライブ配信も行いました! 夜の宇奈月温泉駅の様子も少し映っておりますので、気になる方は是非ご覧になってみてください。

 

3日目 2021年10月30日(金)①

さて、旅はいよいよ3日目に突入です。朝から温泉でたまたま会ったおじさんとしばらくおしゃべりを楽しんだ後、朝食会場へと向かいます。

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朝食は豪華バイキング

朝食は豪華なバイキング形式で、混雑を避けるため時間指定となっておりました。ただそもそも平日ということもあり宿泊者が多くなかったようで、私が行った際もお客さんは他に数名程度という感じで安心してお腹いっぱい朝食を味わうことができました。

メニューは多種多様で、お刺身や茶わん蒸しなど朝からとっても豪華! どれも本当に美味しく、大満足でした。

この後はいよいよホテルをチェックアウトし、3日目の旅がスタートしていきますが、その様子はまた次回ご紹介していきます。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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人生で一度は行きたい! バス・ケーブルカー・ロープウェイで日本アルプスを横断する「立山黒部アルペンルート」の旅【2020-10立山黒部アルペンきっぷ2】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

2020年10月28日(水)~11月1日(日)の4泊5日で出かけた「立山黒部アルペンきっぷの旅」。今回は2日目の旅の様子をご紹介していきます。

2日目にして今回は早くも、今回の旅の最大の目玉である「立山黒部アルペンルート」に挑みました!

旅をしてからもう3ヵ月以上が経過しているということで、季節感が完全におかしいのですが、10月末の気持ちで読み進めていってもらえたらと思います!

 

2日目 2020年10月29日(木)①

本日の旅のスタートは、篠ノ井線大糸線が乗り入れる長野県中部のターミナル駅松本からとなります。

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朝6時過ぎの松本駅

朝6時過ぎということで、辺りはかなり明るくなってきていました。前日の1日目は名古屋から松本まで、中央西線経由で途中下車をしながらやってきたので、2日目は松本から「立山黒部アルペンきっぷ」のルートを再開していくということになります。

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信濃大町」と「東京」が並ぶ

松本駅からまず乗車していくのは、6:28発の大糸線 信濃大町です。終点の信濃大町まで乗車していきます。

前回もご紹介した通り、立山黒部アルペンルートは長野県と富山県に跨りますが、その長野県側の玄関口となるJRの駅がこの「信濃大町駅」となります。

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中央東線でもおなじみ211系

車両は211系3両編成で、中央東線篠ノ井線など信越エリアの幅広い電化区間で運用されています。松本から信濃大町までの所要時間は1時間ちょっとということでそこそこ長いのですが、ロングシートで耐えることになります。実は立山黒部アルペンきっぷでは、大糸線の松本~信濃大町駅間も特急に乗車できるのですが、大糸線を走る特急は非常に本数が少なく、定期列車は新宿方面からの特急あずさ号が1日1往復乗り入れるのみということで、時間があわず今回は普通列車で移動することにしました。

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国鉄フォントの方向幕も貴重

列車は定刻通り、6:28に松本駅を出発。しばらく篠ノ井線と並走しながら、やがて分岐していきます。車内は地元の高校生がメインですが、そこまで混雑しているというわけでもなく、座席にも余裕があります。

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大糸線らしい景色

車窓にはのどかな景色が広がります。大糸線は松本~糸魚川駅間を結ぶ路線で、途中いくつか主要な駅はあるものの全般的にはれっきとしたローカル線です。当然普通列車のドアは半自動(押しボタン式)かと思いきや、コロナの影響で換気が必要なためか自動扱いとなっていました。

単線の路線なので、一日市場駅で対向の普通列車上諏訪行)と行き違いしましたが、そちらの方は中心都市である松本に向かう列車ということでものすごい混雑をしていました。

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信濃大町に到着!

そして7:39にこの列車の終点となる信濃大町駅に到着です!

乗ってきた列車はすぐに折り返しの松本行となるようで、自分たちと入れ違いに松本方面へ向かう大量の高校生で一気に車内が埋め尽くされました。

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味のある駅舎

信濃大町駅大糸線の中でも最大といってよい途中駅で、基本的にこの駅を境に運行系統が分かれています。長野県大町市の中心駅で、駅舎はこぢんまりとしていますが駅周辺は大きな市街地が形成されています。

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まずは「扇沢」を目指します

さて、いよいよここから「立山黒部アルペンルート」に入っていくことになります。駅を出て目の前に立っている看板の上の方を見てみると「扇沢大町温泉郷行バスのりば 30m」とありますが、まさにこの乗り場から扇沢行のバスに乗車していきます!

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まずは大型バスで扇沢へと向かう

というわけでアルペンルート1本目は、信濃大町駅8:00発の扇沢行バスとなります。扇沢までは40分程度の乗車ですが車両はアルピコ交通の大型観光バスが使用されています。平日の朝早いこともあり、乗客は計5人程度とかなり少ない状態で信濃大町駅を定刻通り出発です!

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信濃大町駅からは「かえり」券

この信濃大町駅からは立山黒部アルペンきっぷの「かえり」券のルートに入ります。JRのきっぷをバスの運転手さんに提示するというのは何とも不思議な感覚ですが、もちろん運転手さんもこの企画乗車券の存在をしっかり認識されているので何ら問題なく乗車できました。

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市街地を抜けて登り坂へ

信濃大町駅周辺は商店街等の市街地が広がりますが、そこを抜けると一気に郊外はのどかな景色へと変化します。途中いくつかのバス停を経由しますが、大町温泉郷からは何と10人ほどの乗車がありました。大町温泉郷で1泊されてからこのアルペンルートに入るという観光客の方々のようで、そういう楽しみ方もアリだな~と思いました。

市街地を抜けると次第に登り坂となり、日向山高原付近では紅葉が見頃を迎えている模様。そして終点の扇沢には、定刻の8:40よりも少し早く、8:31頃に到着です!

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扇沢からいよいよ山岳地帯へ突入する

この扇沢駅には、信濃大町駅からのバスに加え長野駅からも高速バスが来ています。ここ扇沢アルペンルートの本当の玄関口と表現する方がより正確かもしれません。

扇沢バスターミナルの背後には紅葉と雪山が同時に見えており、これが今から挑む険しい山岳地帯となります。扇沢から続いて乗車するのは、黒部ダムへと向かう電気バスです!

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改札口で待機

扇沢駅の2階へと上がり、改札口へと向かいます。乗車するのは、扇沢9:00発の関電トンネル電気バス 黒部ダム。発車時刻の7分前から改札が始まります。改札口上部には大きな発車案内のビジョンがついており、多言語表記で外国人観光客対応もバッチリです。

信濃大町駅からのバスが少々早く到着したこともあり、少しばかりこの扇沢で待ち時間が生まれることとなりましたが、改札口で並んで待っていると名物のお土産販売ショーがスタート。限定のお土産を独特な語り口で紹介し、待ち時間で楽しんでもらうとともに是非買っていってもらおうということのようです。平日ということで周りはほとんど中高年の方ばかりでしたから、漫談風のセールストークに現場は大盛り上がりでした(笑)

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いよいよホームに入る

やがて時間となり、改札がスタートしたので電気バス乗り場へと向かいます。アルペンきっぷの場合は、先ほどから使用している「かえり」券を提示すればハンコを券面に押してもらえます。

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一見ただの路線バス…?

そしてこちらが、2019年より運行を開始した「関電トンネル電気バス」です! 2018年までのトロリーバスに代わり新たに導入されました。一見普通の路線バスのようにも見えますが、公道を走るわけではないのでナンバープレートがなく、また車両上部にはパンタグラフが取り付けられています。走行中ずっと電気を集めて走るのではなく、この扇沢の停車中に急速充電をして走るようです。

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途中の景色も美しい

乗客が乗り込んだところで、電気バスは定刻通り扇沢を出発。黒部ダムまでの所要時間は16分間となります。電気バスは一度のダイヤで何台も用意されるため、基本的に乗り切れないということは起こらないようにしているみたいでした。

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トンネル内ですれ違い

扇沢黒部ダム間6.1kmは、そのほとんどがトンネルの中を走ります。このトンネル内を走行中に長野県から富山県へと入り、赤沢岳の真下を走ることになります。狭いトンネルの中ですが行き違いのできるポイントが設けられており、ここで対向の電気バスとタブレット交換をすることになります。

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黒部ダムに到着!

定刻通り9:16に終点の黒部ダムへと到着。縦列駐車された電気バスから次々にお客さんが降りていきます。

電気バスの降車場はトンネル内にあるため、降車後は220段もの階段を徒歩で上がることになります。周りが中高年のお客さんばかりでかなり息が上がっているのを横目に私はひょいひょいと上っていくことができ、我ながら若さを実感しました(笑)。

そして展望台まで上りきると、そこには雄大な景色が広がっていました…!

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黒部ダムの紅葉は美しすぎる!!

こちらが言わずと知れた絶景スポット「黒部ダム」です!! 地鳴りのような音を立ててしぶきを上げる放水のダイナミックさ、そしてちょうど見頃を迎えた山々の紅葉が見事にマッチしています! まだアルペンルートは序盤ですが、この景色を見た瞬間「来てよかった!!」と心から思いました。

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歩いて次の乗り場へと向かう

黒部ダムの展望台から景色を堪能した後は、細い階段を下りていき、次のケーブルカー乗り場へと向かいます。黒部ダムの上部がちょうど道路になっており、ここを歩いていきます。美しい山々の紅葉の背後には雪山も見えており、このコントラストもまた最高です。

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黒部湖の湖面も美しい

途中左手に見える黒部湖もまた美しく、どこまでも続くかのような湖面はいつまでも見ていられます。今回は時間がないのでカットしましたが、黒部湖では遊覧船もあるようなので気になる方は是非乗られてみてください。またこの黒部湖のほとりのレストハウスでは名物の「ダムカレー」も味わえますので、また今後行く機会があれば是非味わってみたいと思います。

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黒部湖駅

少し歩いて、続いてはこの黒部湖駅からケーブルカーへと乗車します! 駅の入口部分が既にトンネルとなっており、山の中にあります。

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乗車整理票が交付される

黒部湖駅からも引き続き立山黒部アルペンきっぷで旅をしていくのですが、これより先は「乗車整理票」が必要となるため、黒部湖駅の窓口で交付してもらいます。アルペンきっぷのかえり券を提示すればこの細長いサイズの整理票をクリップで留めて渡してもらえます。

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乗車時間はわずか5分

黒部ダム・黒部湖の滞在時間は少々短めでしたが、乗車するのは黒部湖9:50発の黒部ケーブルカー 黒部平行です。黒部平駅までは400m近い標高差がありますが、わずか5分で登っていくことができます。途中駅は特にありません。

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昔ながらの雰囲気漂う駅

発車5分前より改札がスタートとなり、先ほどの乗車整理票を見せて入ります。急斜面を駆け上がるケーブルカーは、ホームが既に階段状になっており、独特な薄暗さもあってレトロな雰囲気を醸し出しています。

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車内も階段状

そして定刻通り、黒部湖駅を出発。先ほどの扇沢から黒部ダムまでの電気バスとは異なり、こちらは乗客10人ほどでとてもガラガラでした。おそらく多くの人は黒部ダム周辺でかなりゆっくり過ごされているのでしょう。

ケーブルカーという乗り物自体は全国各地にありますが、この黒部ケーブルカーは終始トンネル内を走行するため景色は一切楽しめません(笑)。

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黒部平駅に到着!

9:55に黒部平駅へと到着です!

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黒部平ではまだ雪はない

黒部平からは続いてロープウェイへと乗り継ぎますが、少し時間があるので駅に隣接されたビュースポットへ出てみました。既に標高1828mまで来ましたが、まだここでは雪が積もっている様子はありません。

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続いては立山ロープウェイ

さてどんどん次から次へと乗り物を乗り継いで進んでいきます! 続いて乗車するのは、 黒部平10:10発の立山ロープウェイ 大観峰です。黒部平と大観峰の間は大きな谷になっているので、このロープウェイでつかの間の空中散歩となります。信濃大町駅から数えて既に4本目の乗り物となりますが、時刻はまだ朝10時過ぎ。かなりハイペースで進んできています。

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ここからまたお客さんが増える

程なくして改札が行われ、ロープウェイへと乗車していきます。ここから先はちょうど団体の御一行様と時間が重なり、1台しかないロープウェイはかなり混雑しました。

そして定刻通り黒部平を出発。大観峰までは1.7km、所要時間は7分間です。

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黒部川の流れも見える

ロープウェイの景色はどこであっても綺麗なものですが、もちろんこの立山ロープウェイも例外ではありません。眼下には先ほど見た黒部湖へと繋がる黒部川も見え、360度の大自然に囲まれながらゆっくりと上昇していきます。

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つよそう

そして10:17に大観峰へと到着。名峰立山の中腹にあり、標高2316mです。いかにも強そうな駅名です。

大観峰では通常、展望台からの眺めを楽しめるのですが、この日は残念ながら天候が悪く封鎖されていました。ただ、ロープウェイの降車場所からの景色も十分美しいです!

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山の向こうは長野県

黒部平からさらに500mほど標高が上がり、ここまで来るとかなりの寒さとなりました。ずっと乗り物を乗り継いできて動き続けてきたのであまり寒さは感じなかったのですが、ここにきて大観峰がかなりの寒さであることに気づかされます。次のトロリーバスまでの待ち時間、待合スペースで寒さを凌ぎます。先ほどの御一行様もいらっしゃるのでやや混雑はしましたが、座って待つことができました。

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ほとんど団体用の改札口

信濃大町駅から数えていよいよ5本目となる乗り物は、大観峰10:45発の立山トンネルトロリーバス 室堂行です。扇沢黒部ダム間のトロリーバスは廃止されましたが、こちらでは今も現役でトロリーバスが活躍中です。大観峰での改札口は5ヵ所ありましたが、私は数少ない個人客なので1番へと回ります。

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時代を感じるデザイン

乗車口へ向かうと、待ち構えていたのはいかにも古そうなトロリーバスの車両。路線バスや電気バスよりも一回り大きいように見えますがどうなんでしょうか。

乗客が乗り込んだところで、定刻通り大観峰を出発。室堂までの所要時間は10分、アルペンルート最高地点へと向かっていきます。

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先ほどよりさらに狭いトンネルの中を進む

トロリーバスは、確かにタイヤのついたバスなのですが、架線から電気を集めて専用軌道を走行することから、正式な分類としては”鉄道”になるようです。また2019年以降はこの立山トンネルトロリーバスが、現存する日本唯一のトロリーバスということになります。

大観峰~室堂間にはかつて「雷殿」という途中駅がありましたが、1998年の登山道崩落をきっかけに廃止されました。

電気バスとの比較でいうと、もちろん車両自体は古いのですが、こちらのトロリーバスの方が圧倒的にスピードが速いように感じました。気のせいかもしれませんが…(笑)。

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ここがアルペンルート最高地点

10:55に室堂へと到着。この室堂ターミナルは、アルペンルート最高地点となる標高2,450mに位置しています。東京スカイツリー4本分…といってもなかなかイメージが湧きませんが、実はかなりの高さまで来ていたのです…!

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自分の足でたどり着いたとは思えない

建物の外に出てみると、何と一面の銀世界! 先ほどまでの黒部ダムの紅葉が嘘のように、こちらは真っ白な雪山が目の前にそびえています。先ほどのトロリーバスが「鉄道」に分類されるため、この室堂ターミナルが「日本最高所にある駅」ということになるようです。

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スニーカーで来る場所じゃない

真っ青な空と一面の雪景色は本当に美しく、まさに「日本の果てにやってきた」という気がします。周囲のお客さんは皆さんかなりの重装備で、ストックをさしながら一歩一歩歩いているのですが、私は普段東京都内の大学に通うのと全く同じスニーカー&コートで明らかな軽装備感が否めません(笑)。本当にスキー場のような感じです。

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みくりが池

室堂周辺にはオススメハイキングコースやおさえておきべきポイントが数多くあるのですが、10月末ともなると一面雪景色なのでスニーカーで歩いていくことはできず、くまなく歩いて回るのは断念。頑張って「みくりが池」だけ見に行きました。いや~晴れてよかった! これ大雨・大雪だったら地獄でしたね。

他にも「りんどう池」「地獄谷展望台」「みくりが池温泉」等々、この室堂ではいろいろと見て回れるようになっていますから、行かれる方は是非万全の装備をしてお出かけなさってください。

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ローストビーフ重定食

寒すぎる屋外に耐えかねて、再び建物内に戻りそろそろお昼ご飯とします。室堂ターミナル内に併設された「レストラン立山」の「ローストビーフ重定食」(1,750円)を注文。食べやすいように一口サイズになったローストビーフが、とっても肉厚なのにやわらかいのです!! 私いろいろとわけあってローストビーフにはうるさいのですが、この厚みでこのやわらかさが出るのは本当に凄いと思いました。生姜のきいたソースがお肉にもご飯にもよく合い、ペロリと完食です。

レストラン立山ではいろいろなランチメニューがあり、みなさんも実際行かれるとかなり迷うと思うのですが、このローストビーフ重なら間違いありません。是非一度召し上がってみてください。

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立山自然保護センター

お腹も満たしたところで、次の乗り物まではまだ少し時間があったので、室堂ターミナルに隣接する「立山自然保護センター」を覗いてみました。何と入場料は無料です。

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わりかし空いていた

館内では、室堂に生息する様々な動植物や自然環境についての展示があり、こぢんまりとしていますがじっくり見て回るとたっぷり楽しむことができました。

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ここからは一気に下山

さて、それでは室堂ターミナルに戻り、ここからはいよいよ下山していくルートに入ります! 続いて乗車するのは、室堂12:40発の立山高原バス 美女平行です。ここから標高977mの美女平まで、大型バスで一気に下っていくことになります。所要時間は何と約50分、その距離何と23kmもあるのです。

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大型バスの直行便に乗り込む

室堂から美女平までは相当な距離があるため、直行便と途中停車便がありますが、今回私はまっすぐ下山するため直行便に乗り込みます。というかほとんどの人が直行便を利用します。

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バスは超満員

12:40となり、バスは超満員で定刻通り室堂を出発。ロータリーを出るやいなや、急な坂道を下り続けます。

春先には「雪の大谷」と呼ばれる高い雪の壁で有名なエリアも通過。秋はとても開けた景色になっています。「立山有料道路」という一本道をひたすら進んでいきます。

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弥陀ヶ原高原

途中の「弥陀ヶ原高原」ではしばしの観光停車がありました。夏はハイキングが楽しめるようですが、10月末ともなるとしっかり雪が積もっています。この辺りの標高は1930mとなっています。

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気づけば雪は消えていた

暖房が効いたバスの車内で揺られているうちにどうやら少し寝ていたようなのですが、ふと外を見ると先ほどまでの雪景色とはうってかわって自然豊かな林の中を走っていました。この短時間で相当な標高差を降りてきたということになりますね。

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美女平からいよいよラストスパート!

定刻よりもだいぶ早く、13:14頃には美女平駅に到着。13:20発のケーブルカーに間に合いそうではありましたが、先を急いでも仕方ないので少しこの美女平に留まることにしました。

この美女平は標高977mということで、それでも普段なかなか来ない標高の高さではあるのですが、かなり麓まで降りてきたなという印象です。美女平からはいよいよラスト、ケーブルカーで降りていくことになります。

美女平13:40発の立山ケーブルカー 立山に乗車。黒部湖から黒部平へ向かう際に乗車した「黒部ケーブルカー」よりかなり混雑していました。

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あっという間に下山

標高差500mある急斜面を一気に駆け下り、13:47には立山へと到着。信濃大町駅を出てから約6時間、ついにアルペンルートを全区間走破しました!

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富山地方鉄道の終点

標高475mに位置する立山駅は、電鉄富山駅からのびる富山地方鉄道の終点駅でもあります。かつては富山地方鉄道国鉄高山本線との直通運転を行っており、名鉄新名古屋駅(現・名鉄名古屋駅)から国鉄高山本線経由で富山地鉄立山駅まで乗り入れる急行列車の運行もあったのだとか。凄い時代があったもんですね。

立山駅周辺でも見事な紅葉で、アルペンルート富山県側の玄関口であると同時にこの駅周辺自体も立派な観光地であると感じました。

この後は地鉄電車に乗ってさらに移動しますが、その様子はまた次回ご紹介していきます!

 

大変長い記事となりましたが、「立山黒部アルペンルート」の魅力を感じていただけたでしょうか。

毎年4月から11月のみ横断可能になるということで、今の冬の時期は入っていけないのですが、2021年は4月15日よりオープンする予定とのことです。2021年は立山黒部アルペンルート50周年のアニバーサリーイヤーにあたるようなので、少しでも興味が湧いた方は是非足を運んでみてください!!

www.alpen-route.com

 

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引退間近の185系に追加料金なしで乗れる列車がありました!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、引退が近いJR東日本185系特急車両に乗車券のみで乗れる裏技をご紹介していきたいと思います!

※緊急事態宣言下ではありますが、感染対策を徹底し1都3県エリア内に限定して活動しております。

 

2021年1月25日(月)

さて、今回は平日夜の大船駅にやってきました。

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実はかなりの主要駅

大船駅横浜市鎌倉市の境目にある駅で、東海道線上野東京ライン)・横須賀線湘南新宿ライン根岸線湘南モノレールが乗り入れます。一応駅の所在地としては鎌倉市になっているようで、駅名標に「浜」の文字はありません。

今回はこの大船から185系に乗車券のみで乗車していくということになります。185系というとご存じの方も多いと思いますが、JR東日本の特急〔踊り子〕や臨時快速列車等の波動運用に就く汎用特急車両で、1981年の運行開始から既に40年が経過し、今年の春で定期運用からは引退となることが発表されているかなり古い車両です。とはいえ特急車両ですから、乗車券のみで乗れるならこれは乗り得!

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不審な(?)「快速」表示

それがこちら。大船20:41発の快速 小田原行です。あくまでも「快速」であり、「快速アクティー」でも「特別快速」でもありません。えぇ? 東海道線京口にただの「快速」なんてあったっけか…?と思いますよね。

そんなことを考えているうちに、接近放送が流れてきました。

「まもなく3番線に、湘南ライナー7号、小田原行がまいります。」

そう、この「快速」というのは、つまり「湘南ライナー」のことを指していたのです!

確かに湘南ライナーは、185系が今も定期運用で活躍しています。しかし座席定員制の列車ですから、追加料金が必要では…? と思いますよね。

続けて肉声放送によるこのような案内が。

「この列車は当駅より先、快速列車として運行いたします。お手持ちの乗車券・定期券・回数券のみでご利用になれます。」

そう、つまり、東京~小田原駅間で有料列車として運行しているはずの「湘南ライナー」は、大船~小田原駅間で全車自由席・追加料金不要の快速列車として運行するのです!

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ヘッドマークは「湘南ライナー」のまま

そしてやはり、185系特急車両が入線してきました。前面のヘッドマークは「湘南ライナー」のままですが、確かにこの列車は「快速列車」ということで乗れるようなのでさっそく乗車していきます!

20:41に定刻通り大船を出発。これより湘南ライナー7号…もとい快速列車は、藤沢、辻堂、茅ヶ崎、平塚、二宮、国府津に停車し終点の小田原へと至ります。通過するのは大磯と鴨宮だけでほとんど各駅停車ですが、しかし快速アクティー等とも若干異なります。

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側面表示もそのまま

ここで改めて解説させていただきます。東京~小田原駅間で平日夜に運行されている下りの〔湘南ライナー〕と、同じく新宿~小田原駅間の〔ホームライナー小田原〕は東京都内の駅から乗車する場合にライナー券520円が必要となりますが、湘南地区に入ってからはライナー券不要の快速列車として運行されるためどの駅でも自由に乗降が可能となります。下りの湘南ライナーは1日9本、ホームライナー小田原1日2本の計11本が対象となっており、湘南地区での停車駅が列車によって微妙に異なる点に注意が必要です。大船に停車する便に関しては大船~小田原駅間が快速列車としての運用ですが、中には大船を通過する列車もあり、その場合は藤沢~小田原駅間となります。

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窓側はだいたい埋まっている

大船を出発した時点での乗車率は、窓側がほとんど埋まる程度。都内から引き続き乗車されているという方もいれば、大船から乗車券のみで乗車しているという人もかなりいます。要は前後の普通列車と同じような感覚で利用されている方が一定数おりますので、車内はビジネス客ばかりというわけでもないようです。

そしてまもなく藤沢に到着。藤沢はすべてのライナーが停車する駅で、貨物線上にライナー専用ホーム(1・2番線)があることでもおなじみですが、この列車は大船に停車してずっと旅客線を走行しているので、藤沢でも旅客線ホーム(3・4番線)に入ります。

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テラモでおなじみ辻堂

藤沢の次に停車したのは辻堂。ここはテラスモール湘南の最寄り駅でもおなじみです。駅周辺人口は決して少なくないと思いますが、快速アクティー湘南新宿ラインの特別快速、前回ご紹介した通勤快速はすべて通過となるため、辻堂にもある程度の本数が停車する湘南ライナーの需要は高そうです。

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茅ヶ崎も旅客線ホーム

続いては茅ヶ崎に停車。ここもライナー列車は全列車が停車します。藤沢と同様に旅客線ホームに入るため、発車の際にサザンオールスターズの「希望の轍」が流れます。

車内の様子を見ていると、もちろん湘南地区での途中駅からの乗車もあるにはあるのですが、基本的には各駅でどんどんお客さんが降りていき、車内は空いていく傾向にあるかなと思います。

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平塚を出発するとガラガラに

列車は相模川を越えて、次の停車駅は平塚。ここでもまたかなりの降車があり、平塚を出ると車内の乗客数は数えるほどになりました。平塚市は県西部でも大きな都市の一つですが、市内に鉄道駅がこの平塚駅ただ一つしかないためかなり集中しているのかもしれません。

大船からここ平塚までは各駅に停車してきましたが、次の大磯は通過。しかし同じく快速アクティーが通過する二宮には停車します。街の規模としては大磯駅周辺よりも二宮駅周辺の方が大きいようで、ライナーに関しても大磯は全列車通過ですが二宮には数本停車します。特急〔湘南〕運行開始後にはこの二宮も一部列車が停車するようになる見込みで、「快速は通過するのに有料特急が停車する駅」ということになりそうです。

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特急湘南のビラもしっかり装備

続いて国府津にも停車。ここではあまり乗降がなかった印象です。ここは御殿場線との乗換駅で、かつて交通の要衝としても栄えましたが、駅周辺にそこまで大きな市街地が形成されているというわけでもないようで、今では単なる「ローカル線が分岐する乗換駅」という様子です。

夜で真っ暗なので海は見えず、闇夜をひた走る様子はまさに往年の夜行快速「ムーンライトながら」を彷彿とさせます。一人客が多い185系の車内で、けたたましい走行音を響かせながら夜の東海道を疾走する感覚が本当に懐かしいです!

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小田原に到着!

そして終点の小田原に到着! 時刻は21:19ということで、大船からの所要時間は約40分間でした。乗車券のみで特急車両に乗れるというのは何とも面白い体験ですが、特にもうまもなく引退となる185系をお得に楽しめるのは本当に貴重な経験ですから、みなさんもぜひ利用されてみてはいかがでしょうか。

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春からは特急〔湘南〕がデビューするものの…

2021年3月のダイヤ改正後は、これまでのライナー列車に代わる新たな着席通勤列車として全車指定席の特急〔湘南〕がデビューします。しかしこちらは湘南地区を快速列車として運行することはしないようで、短い区間の利用でも特急料金が必要となります。185系の乗り納め、そしてこの無料区間の乗り納めはお早めに!

 

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あの横浜駅を通過!? 品川~大船40kmをノンストップで駆け抜ける東海道線「通勤快速」に乗車

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2021年3月のダイヤ改正で廃止される、東海道線の「通勤快速」についてご紹介していきます!

乗車日が緊急事態宣言期間中ではありますが、入念な対策を講じた上で出かけておりますのでご理解の程宜しくお願い致します。

 

2021年1月25日(月)

さて、今回やってきたのは東京駅。平日の夜、時刻は19時過ぎということで、帰宅の途につく人々で溢れかえっています。

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通勤快速は当駅始発

今回東京駅から乗車するのは、今年3月のダイヤ改正で見られなくなる「通勤快速」です。東海道線京口は今春のダイヤ改正でいろいろと輸送体系に変化がありますが、今回の通勤快速の廃止もその一つ。というわけで、東京19:50発の通勤快速 小田原行に乗車していきます。

とはいうものの、そもそも東海道線に通勤快速なんてあるの?」と、その存在すら知らない方も多くいらっしゃると思います。

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1日3本しか走らない「レア種別」(Yahoo!乗り換え検索より引用)

東海道線では、東京~小田原駅間で平日夜の下り方面で1日3本のみ「通勤快速」が運行されています。途中の停車駅は新橋、品川、大船、藤沢、茅ヶ崎、平塚、国府津のみ。何と踊り子やサンライズさえも停車する横浜を通過するのです。

これはいわゆる「遠近分離」という考え方に基づいていて、実はこの通勤快速は主に東京都内から湘南地区の自宅へ戻るビジネス利用を想定して設定されているのです。川崎や横浜は非常に人口の多い都市であり駅の利用者数も非常に多いですが、そうした駅を敢えて通過することで、同じ路線上でも乗客の目的地ごとに乗車列車を振り分けようという試みになっています。同区間を走る座席定員制有料列車「湘南ライナー」や京急の座席指定列車「ウイング号」も概ねこの「遠近分離」考え方に基づいて運行されていますが、今回乗車する東海道線の通勤快速については追加料金なしで乗車可能となっています。
2015年の上野東京ライン開業によって、朝夕のラッシュ時を含めほとんどの東海道線普通列車が東京駅を跨いで運行されるようになり、東京始発・終着の列車は激減しましたが、そんな中でもこの通勤快速は東京始発。通勤客向けの列車なので土曜・休日の運行はなく、また平日朝の運行もありません。

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10番線から発車

19:50発の通勤快速は10番線からの発車ということで、ホームに上がってみるとさっそく表示がありました。上野東京ライン開業以前から使用されている、やや古めの発車標ですね。東海道線の種別は「普通」「特急」等2文字のことが多いので、4文字だとかなりキツキツです(笑)。

本来10番線からは、1本前に19:45発の特急〔ひたち24号〕品川行があるのですが、この日は常磐線内でダイヤ乱れが発生していたようで、この19:50発の通勤快速が先に発車することとなりました。

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このご時世でもかなり需要は高い

先頭車両付近で列車の入線を待ちます。東京駅の熱海方というと階段からはやや遠いのですが、こちらの方までも列をなして列車を待つ人がいるくらいですから、このコロナ禍でリモートワークが推奨される昨今でも通勤快速の需要は決して少なくないようです。

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他の普通列車とは明確に区別

足元を見てみると、普通列車の乗車整列位置とは別に「快速アクティー・通勤快速」用の乗車位置が用意されています。発車20分前頃には既にそこそこの列ができていた印象で、この2列車については他の普通列車と明確に区別された乗車位置に並ぶ必要があります。ちなみに通勤快速は東京始発ですが、快速アクティーについては宇都宮線からの直通列車となっており、他の普通列車と同じく既に多くのお客さんをのせた状態で東京駅に入線してきます。

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ギリギリで入線!

そして発車3分前の19:47頃、ようやく上野方から入線してきました! 車両はおなじみE231系で、堂々の15両編成での運用です。前面の行先表示器には「通勤快速 東海道線」と表示が。上野東京ライン開業後は東海道線区間でも基本的にここが「上野東京ライン」と表示されるようになっていたと思いますから、はっきりと「東海道線」の文字が見れるのは何だか懐かしい気持ちにもなります。

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側面にも「通勤快速」の文字

側面にももちろん「通勤快速」の文字が。なおE231系は古い車両なので3色LEDということでこのような表示になりますが、E233系が充当される場合はフルカラーなので「通勤快速」の種別表示は紫色となります。

始発とはいえ停車時間はわずかなので、さっそく乗車をしていきます!

19:50、列車は定刻通り東京を出発。この時点での先頭車両の乗車率はというと、座席は全て埋まり、立ち客もそれなりにいますが、人と人の距離は十分に保てており、窮屈な感じは全くしません。

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新橋に停車

東京を出てものの数分で、まず最初の停車駅・新橋に到着。全ての特急列車と多くのライナー列車が通過する新橋ですが、東京や品川等の主要駅にも肩を並べるビジネス需要の高い駅となっています。東海道線は上下合わせて1面2線の忙しい島式ホームですが停車する意義は多いにあるといえそうです。

東京に続き新橋からも多くの人が乗り込み、やや混雑度合いが増した状態で発車。出番を待つサンライズが留置されている東京車両センターを横目に、次の停車駅・品川へと到着します。

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品川ではライナーを待つ人の姿も

品川でもやはりかなりの乗車があり、車内の混雑度は相当なものになってきました。コロナ禍で通勤需要が減っていることもあるので、身動きが取れないほどぎゅうぎゅう詰めというほどでもないのですが、立っていてソーシャルディスタンスを保つのはやや困難な状況に。まぁ誰も会話などしていませんから感染リスクが高い空間とも思いませんが、壁に寄りかかれずつり革をつかむ人もかなりいました。

ちなみに反対側のホームでは、何やら足元の線に沿って5~6人程度の列ができていました。これは通勤快速の10分後に東京を発車し品川に停車する〔湘南ライナー7号〕の乗車整列位置ですね。下りのライナーは品川駅に乗車専用駅として停車し、ライナー券を購入して乗車するため並ばずとも必ず座れますが、座席定員制ということで指定席ではないため、着席位置は早い者勝ちとなっています。

そして、品川を発車すると次は大船までノンストップで運行していきます!

東京や品川を発車する時点で「川崎、横浜、戸塚には停車しません」という案内はしきりになされていましたが、特段声色を変えてという感じも特にしませんでした。注意して駅の電光掲示板を見たりホームのアナウンスを聞いていれば乗り間違えることはないと思いますが、最近はスマホを操作したり音楽を聴いていたりして駅の案内に注意を向けない方も多いですからね(笑)この様子だと、乗り間違いも頻発していそうな気がします。

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品川~大船駅間は39.7km

といいますのも、実は私の弟も以前東京から横浜まで東海道線で移動しようとして、運悪く通勤快速に誤乗してしまい、横浜をすっ飛ばして大船送りにされた過去がありますので…みなさんもくれぐれもご注意ください(笑)

品川~大船駅間は貨物線経由ではなくあくまでも旅客線経由での運行ですが、途中の川崎・横浜・戸塚の3駅を華麗に通過していきます。ノンストップでの運行となる区間は39.7kmにも及び、品川を19:59に出て大船に到着するのは20:28ですから何と29分間ノンストップでの運行となります。追加料金不要の通勤列車としては、全国でもトップクラスの長さを誇る無停車運転になるのではないでしょうか。

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ラゾーナを通過

列車は100km/h前後での高速走行を続けたまま、多摩川を渡って川崎を通過。特急列車だとサフィール踊り子やサンライズは通過しますが、通勤車両で通過するのはかなり稀な経験といえそうです。

そして横浜市内に入り、鶴見からは横須賀線京急の線路も見えるようになりたくさんの線路が並びます。京浜東北線でいえば大井町、大森、蒲田、川崎、鶴見、新子安、東神奈川の6駅を通過した状態で、次に通過するのは横浜となります。横浜市内では80km/h程度での走行だったためトップスピードというほどではないですが、それにしてもJR横浜鶴屋町ビルが見えてきてもなお停車する気配を見せないというのは何とも不思議な感覚になります。

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横浜も颯爽と通過

そして県都横浜さえも颯爽と通過していきます。川崎よりは若干低速での通過ですが、それでも世界有数の乗降客数を誇る横浜を通過するのは何とも気分がいいですね~(笑)

横浜を通過すると、数秒程度相鉄と並走し、続いて東海道線の駅として通過するのは戸塚になります。戸塚はかつて快速アクティーが通過していましたが、今では東海道線でいうと特急が全通過、通勤車両はほとんど列車ですから、ここを通過できるのも貴重な瞬間です。横浜~戸塚駅間は普通列車でもだいたい12分間くらいかかるのですが、戸塚でさえも停車せずにすっ飛ばしていきます。

そしていよいよ、約30分ぶりの停車駅となる大船に到着です! 私はここで下車します。

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大船に到着!

大船では、乗ってきた通勤快速が3番線に入線し、4番線に停車する先行の普通列車を待避する形となりました。この普通列車はおそらく東京を8分早く出た小田原行で、大船には通勤快速より2分早く到着しています。これだけの距離を走り抜けてきて6分しか縮まらない…という意味では、通勤快速自体の時短効果を期待するというよりも遠近分離により東京都心~湘南エリアを快適に移動できるのが通勤快速の最大の強みといえそうです。

通勤快速が先に発車し、後を追うように普通列車も発車。この先の通勤快速の停車駅は快速アクティーおよび湘南新宿ライン特別快速と同じで、辻堂・大磯・二宮・鴨宮が通過となります。これら通過する各駅へ行きたい場合はこの大船で対面乗り換えをするということのようですね。

 

というわけで、今回は東海道線の通勤快速についてご紹介していきました!

3月のダイヤ改正以降は、代わりに夜のラッシュ時間帯に快速アクティーが運行されるようです。所要時間で大きな違いはありませんが、もちろんこちらは川崎・横浜・戸塚も停車ということになるでしょう。

1日3本のみ、しかも平日のみの運行ですから、乗り納めをするにもなかなか難易度が高めかもしれませんが、通勤車両で横浜を通過できるのはこれがラストチャンスですので気になる方は是非乗ってみてください!

 

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空港を通らない空港アクセス特急!? 東京始発大船行「成田エクスプレス38号」に乗車! プレミアムフライデーの乗車率はいかに!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

ブログ更新が長期間途絶えてしまっていてすみませんでした!

大学の試験等も終わり、一区切りつきましたので本日より更新を再開していきます~

今回は、昨年4月以降、コロナ禍での需要低迷を受けて誕生した「横須賀線内完結の成田エクスプレス」についてご紹介いたします!

なお緊急事態宣言下ではありますが、私は感染対策を徹底した上で一都三県内完結の旅行については引き続き行う方針ですので、ご理解の程宜しくお願い致します。

 

2021年1月29日(金)

今回やってきたのは、東京駅。平日の夕方ということで、帰宅ラッシュで非常に多くの人が行き交います。今回はここから、横須賀線内で完結する「成田エクスプレス」に乗車していきたいと思います!

www.jreast.co.jp

成田エクスプレス」と言えば、本来は首都圏各地と成田空港を結ぶJR東日本の空港アクセス特急。東京・品川・渋谷・新宿・池袋といった都心のターミナル駅や、横浜・大船・大宮・高尾といった郊外の駅から成田空港へ直通する便利な列車です。しかし昨今の新型コロナウイルス感染症拡大を受けて成田空港の利用者が激減し、現在もなお日中の全列車が運休となっています。

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JR東日本プレスリリースより抜粋

そんな中、通勤客向けに、本来成田空港始発であるはずの特急〔成田エクスプレス38号〕を成田空港~東京駅間で区間運休とし、東京始発で運行しようということになりました。成田空港を発着しない、”横須賀線内で完結する成田エクスプレス”が誕生することになったのです。

空港発の成田エクスプレスは多くの場合、新宿・池袋方面行と横浜・大船方面行がそれぞれ6両ずつ、計12両編成で成田空港~東京駅間を走り、東京駅で切り離しを行ってそれぞれの方面へ分かれていきます。今回のこの成田エクスプレス38号も、通常は大船行と新宿行に分かれるのですが、新宿行の編成については全区間で運休とし、大船行編成の東京以南のみ運行するということになりました。

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「N'EXで通勤」というブルジョワ

実はJR東日本では、以前から「N'EXで着席通勤してもらおう」というキャンペーンがさかんに行われています。首都圏各地から東京都心へ、「えきねっとトクだ値」を利用することで通常よりも安い特急料金が設定されています。成田エクスプレスは全車指定席で、他のJR特急よりも割高な「A特急料金」が設定されているため、定価のままでデイリーユースというのは難しいですが、35%OFFになるなら使ってみようという方もいらっしゃるかもしれません。

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横須賀線に「特急 始発 大船」の文字

東京駅の横須賀線発車時刻を見てみると、確かに17:46発の特急 大船行に「始発」の文字が。東京駅で大船行の始発特急列車が走るというのは、一昨年までならまずありえなかったことでしょう…(笑)

総武地下ホームに降りて、列車の入線を待ちます。成田エクスプレス38号が発車する5分前には、同じ1番線に17:41発の品川行が入線するため、成田エクスプレスは当駅始発とはいえあまり停車時間は長くなさそうです。

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本来の定刻通りの入線

そして17:41発の品川行が発車するとすぐに1番線に接近放送が流れます。この列車、本来成田空港からやってくる場合は17:44にこの東京駅総武地下ホームへと到着し、切り離し作業を行うのですが、どうやら同じダイヤで、ただし営業列車ではなくて回送列車として入線させるようなんです。

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堂々の12両編成

そしてようやく入線してきました。先頭車両付近からは見えませんが、しっかりと6両編成を2つ繋いで堂々の12両編成で入線してきます。しかし入線時点では全車両が「回送」の表示。どうやら入線してもすぐには乗車できないようです。

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乗車できるのは1~6号車のみ

乗車可能となり扉が開いたのは、発車まで1分を切った17:45頃。前寄り6両(1~6号車)は「横浜・大船」といつもの表示に切り替わりますが、後寄り6両(7~12号車)は「回送」表示のままです。発車時刻が迫っているので、急ぎめで乗り込みます。

私自身は確認できませんでしたが、おそらく前寄り6両が「大船行」として発車するタイミングで編成の切り離しが行われ、通常ならば新宿行として営業運転を行う後寄り6両が回送列車として東京駅のホームに放置されていたのだと思います。

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案の定ガラガラ

定刻通り、17:46に東京を発車。これより品川、武蔵小杉、横浜、戸塚と停車して終点の大船まで49.4kmを走ります。運行距離50km未満の特急というのもなかなか珍しいのではないでしょうか。

コロナ前であっても多くの時間帯で空気輸送が目立っていたN'EXですが、案の定今回もガラガラの様子。先頭1号車は私の他に1名の方が乗車しているのみでした。

しかし逆に驚きだったのは、各号車とも数名程度の乗客がいたという点です。1号車は私を含め2名でしたが、他の号車にはそれぞれ4~5名程度おり、完全にゼロ人の号車はありませんでした。金曜日の夜、しかも多くの会社員にとって今月最後の出勤日(プレミアムフライデー)ということで、少し奮発して乗車されたという方もいたのかもしれません。また昨今のコロナ禍から「密を避けた移動」のためにあえて特急課金するという方ももしかしたらいるのかも…? ともかく、これほどの空気輸送具合なら感染リスクは限りなく低いといえそうです。

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仕事をしないビジョン

客室内には次の駅や路線図等を示すビジョンが設置されていますが、東京駅出発時点では全く仕事をしていませんでした。

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普通車でもまぁ快適

蛇足ですがここで少し編成と座席のご紹介もしておきます。成田エクスプレスに使用されているE259系特急電車は、それまで使用されていた253系を置き換える形で2009年に運行を開始しました。6両で1編成となり、先頭から順に1~5(7~11)号車が指定席、6(12)号車がグリーン車となります。すなわち首都圏各地から空港方面に向かう場合は先頭がグリーン車、空港方面から首都圏各地に向かう際は最後部がグリーン車となります。

普通車の座席は黒を基調としたモケットでスタイリッシュさが窺えます。2+2列で、肘掛けにはコンセントも完備。そして弱いですが一応フリーWi-Fiも完備されています。

また車端部には暗証番号式の大型荷物置き場が設けられており、座席上部の荷棚に上げられない大きなスーツケースはそこに置いておくことができます。

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ここからビジョンが稼働

そうこうしているうちに、列車は地下区間を抜けて最初の停車駅である品川駅へと到着。ここから車内ビジョンも稼働開始しました。日英中韓の4ヵ国語表記となっています。

そして驚くことに、品川からも数名程度の乗車がありました。夕方のラッシュ時は東海道線横須賀線とも東京駅・新橋駅で大量のお客さんをのせた状態で品川駅に入線するため、テレワークが推奨される昨今とはいえ列車によってはかなり混雑したところにさらに乗り込むというのは抵抗がある方もいらっしゃるのだと思います。横浜駅までだと少々短いような気はしますが、戸塚駅大船駅までの乗車なら成田エクスプレスの利用も検討の余地がある区間かもしれません。

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お前成田空港から営業運転してないやろ(笑)

品川出発後、右に逸れて東海道線といったん離れ、西大井方面へと進んでいきます。車内ビジョンには現在の走行位置を示す路線図も表示されましたが、何と成田空港からずっと営業運転をし続けているような色の塗られ方をしていました(笑)。

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武蔵小杉に到着

列車は西大井を通過し、次の停車駅である「武蔵小杉」に到着。ここでの乗降はほぼありませんでした。それもそのはず、東京や品川から乗車して武蔵小杉で降りるというのは短すぎますし、武蔵小杉から横浜・大船方面で神奈川県内のみを移動するという通勤需要もあまりありませんからね。武蔵小杉への停車は、成田空港からの直通運転を行う場合にのみ効果を発揮するといえそうです。

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いよいよ横浜へ

そして新川崎を通過し、鶴見付近で再び東海道線と合流。いよいよ横浜駅へと到着します。列車としては大船行ですが、私はこの横浜駅で下車することになります。

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所要時間28分

改めて特急券を見てみます。東京から横浜まで、この成田エクスプレス38号だと所要時間は28分間となっており、横浜到着時刻は18:14です。実はこの区間東海道線普通列車だと26~29分程度で移動できてしまうため、ほとんど普通列車と変わらないということになります。横須賀線普通列車だと32~33分程度なのでそれよりは少しだけ早いということになりますが、通過駅も少ないですしあまり時間短縮効果はないというのがよくわかります。

そして特急料金ですが、このわずか28分間の乗車で何と1,290円もかかるのです…(笑)。えきねっとの割引を利用すれば800円台で利用可能ですが、定価だと1,000円を上回ってしまうということでなかなか毎日の出費とするには非現実的な額である気がします。1月の月~木曜日は閑散期にあたりますから1,290円よりも少し安くなって1,090円となりますが、それにしても決して安くはなさそうですね。かつて東京~逗子駅間で運行されていた〔ホームライナー逗子〕(品川~大船駅間ノンストップ)はライナー券が510円でしたから、約2倍の額ということになります。

とはいえ成田エクスプレス自体はとっても快適な空間ですから、この28分間というのが苦痛になることはありませんでしたし、体感としてはあっという間でした。

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ここから乗る人は流石にいない

そして18:14に、定刻通り横浜駅へと到着。ホームでは「特急列車です。ご乗車には指定席特急券が必要となりまぁぁぁす」という案内がされていますが、まぁここから乗る人はいないでしょうね(笑)。横浜で下車する人はそこそこ多いように見えました。

 

というわけで、今回は「横須賀線内で完結する」成田エクスプレスをご紹介させていただきました。東京から横浜・大船方面へ帰る際、1週間の終わりや大変な仕事の後の自分へのご褒美として乗ってみるのも十分アリなんじゃないかなと思います! ライナー的な利用を想定しての運行ではありますが、この列車自体は平日のみならず週末含め毎日運行されていますので、是非時間の合う時に乗ってみてください!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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